1991年8月17~18日/筑波サーキット
全日本ツーリングカー選手権第3戦、全日本F3選手権第8戦です。
ツーリングカーのグループAは、スカイラインGT-Rが強すぎて、DIVISION 1のエントリー台数は6台に減少、DIVISION 2もBMW M3が9台すべてを占めています。他車種同士の争いが見られるのは、DIVISION 3だけで、カローラとシビックが真っ向からぶつかります。
予選順位は、上位10台だけを取り上げましたが、コンパクトな筑波とはいえ、DIVISION 3のシビックがDIVISION 1のシエラ以下やDIVISION 2のBMW M3と遜色ないタイムを叩き出しています。DVISION 3のクルマは、これ以外でもDIVISION 2のBMW M3に割って入っており、シビックとカローラの速さがうかがえます。
1. カルソニックスカイライン(星野一義、鈴木利男)57.733R
2. リーボックスカイライン(長谷見昌弘、アンデルス・オロフソン)58.125R
3. タイサン KLEPPER GT-R(高橋健二、土屋圭市)59.090
4. FET フォードシエラ RS500(見崎清志、長坂尚樹)59.807
5. AXIA・SKYLINE(清水和夫、影山正彦)59.974
6. ザウルスチャンプ GT-R ニスモ(山田英二、沖友龍晴)1.00.658
7. パーパス M-3(一ツ山康、福山英朗)1.01.140
8. B-ing KEGANI M3(茂木和男、小幡栄)1.01.171
9. オートテック M3(ローランド・ラッツェンバーガー、トーマス・ダニエルソン)1.01.688
10. 出光 MOTION 無限シビック(中子修、岡田秀樹)1.01.903
結果は、リーボックスカイラインが優勝し、約55秒差でタイサン KLEPPER GT-Rが2位に入っています。DIVISION 2のトップはパーパス M-3が5周遅れの5位で、DIVISION 3のトップはADVAN COROLLA レビン(鈴木恵一、新田守男)が7周遅れの9位です。
F3は、トムス031FとラルトRT35の対決で、エンジンは無限MF204が大半を占めているものの、トヨタ3S-Gが少数精鋭で健闘しています。
予選A組
1. ビクトル・ロッソ(ラルトRT35・トヨタ トムス3S-G)53.247
2. 西垣内正義(ラルトRT35・無限MF204)53.426
3. 本山哲(ラルトRT35・無限MF204)53.565
4. 石川朗(ラルトRT35・無限MF204)53.577
5. アンソニー・リード(ラルトRT35・無限MF204)53.627
6. ユージニオ・ヴィスコ(ダラーラ391・無限MF204)53.731
予選B組
1. パウロ・カーカッシ(トムス031F・トヨタ トムス3S-G)53.120
2. 影山正彦(ラルトRT35・無限FMF204)53.287
3. 土屋圭市(ラルトRT35・無限MF204)53.362
4. 佐藤浩二(ラルトRT35・無限MF204)53.483
5. 田中哲也(ラルトRT35・トヨタ3S-G)53.540
6. フィリップ・アダムス(ラルトRT35・無限MF204)53.694
結果は、影山正彦が優勝、本山哲が0.419秒差で2位に入っています。外国人ドライバー2人は、スタート直後にリタイアしています。
読み物は、「「レース・ド・ニッポン」の暑さは、レーシング・カーの排気のせいだ。-その暑さの原因を究明しよう-」です。
スカイラインGT-Rは、600馬力以上のパワーを4輪駆動によってタイヤに伝えます。1990年は6戦6勝で、そのあまりの速さに、フォード・シエラRS500は1台を残し撤退、車体の重さに苦しんだトヨタ・スープラは完全撤退しています。優勝争いは、星野一義と長谷見昌弘の激突に絞られます。DIVISION2と3は、BMW M3同士の争いと、カローラ対シビックになります。
また、芸能人ドライバーは、岡本香織、三原順子、近藤真彦、池沢さとしがドライバーとして参戦し、ケガニこと野沢秀行が監督として参戦します。
F3は、トムス031Fとトヨタ3S-Gの組み合わせに注目です。トムス031Fは、アーム、アップライト、モノコックのすべてがトムス製で、イギリス人のアンディ・ソービーが設計しています。彼は、かつてマーチに所属していました。
「グループAの魔術師たち<ツーリングカー選手権を制するのは誰か?>l」は、ドライバー紹介です。
星野一義は、生家が元和菓子を作っていたこともあり、甘いものに目がなく、「甘党が辛党より無難」が口ぐせです。
長谷見昌弘は、趣味がオートバイでのツーリングとリモコン飛行機で、八王子のフライヤーズ・クラブにも入っています。
星野薫は、実家が朝日新聞の販売店で、今は星野自動車のオーナーです。
「レース観戦のポイントを見つけよう。プログラムにメモを書き込めば、自分だけのオリジナルプログラムだ!!」は、タイトル通りで、耐久レースだけに自分だけの観戦術を見つけようと勧めています。
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