「2022 FIA 世界耐久選手権 第5戦 富士6時間耐久レース」

「2022 FIA 世界耐久選手権 第5戦 富士6時間耐久レース」の練習走行を見るために、2022年9月9日に富士スピードウェイに行ってきました。
FIA WECは、2012年にFIA(世界自動車連盟)が「ル・マン24時間レース」を主催するACO(フランス西部自動車クラブ)と協力して立ち上げた世界選手権です。
2022年は、総合優勝を争うHYPERCAR、プロトタイプカーのLMP2、GTカーのLMGTE PRO、そのアマ版であるLMGTE AM、の4カテゴリーで争われます。
HYPERCARは、トヨタ、アルピーヌ、プジョー、グリッケンハウス(富士は不参加)。
LMP2は、オレカ07ギブソンの実質的ワンメイクで、富士には11チームが参戦。
LMGTE PROは、フェラーリ、シボレー、ポルシェが参戦。
LMGTE AMは、フェラーリ、アストンマーティン、ポルシェが参戦。

富士のWECは、新型コロナウイルスの影響で2020年と2021年は中止になってしまったため、2019年以来3年ぶりの開催となります。
2022年は、当初の天気予想では木曜日から土曜日まで雨で、金曜日の練習走行は雨天の可能性が高かったのですが、金曜日が近づくにつれて天気も好転する見込みとなりました。
練習走行は、1回目が11時00分~12時30分、2回目が15時30分~17時00分と、1回目のスタート時間と2回目の終了時間が決勝のスタート時間とゴール時間と同じになっています。
これは何年も続いており、気象条件などのシミュレーションがしやすいように合わせているのではないかと思います。
当日は、予想通り、1回目の走行開始少し前にパラパラと雨が降ったものの、走行開始前には雨もやみ、曇天ではあるものの、ドライコンディションでの開催となりました。
気温はそれほど高くはないものの湿度が高く、短パンにTシャツでも少し暑く感じるほどでした。

私は、SUPER GTやスーパーフォーミュラ同様に、午前は、GR Supraコーナー、第13コーナー、ダンロップコーナーを中心に写真や動画を撮ったりしながら移動。
午後は、ADVANコーナーから始まり、TGRコーナーで締めくくるというパターンで観戦しました。
ちなみに、SUPER GTやスープーフォーミュラだと午前、午後のセッションは2時間ずつあるため、コカコーラコーナーも見るのですが、午前、午後1時間半ずつだと時間的に余裕がなく、そこまでは回れません。
WECも、SUPER GTやスーパーフォーミュラのように午前、午後のセッションとも2時間ずつだとゆっくりと回れるので検討してほしいところです。

LMP1は、トヨタGR010ハイブリッドも初めて走るサーキットになるのですが、WECではずっと走り続けていて8戦7勝しているサーキットでもあり、王者の風格が感じられます。
走りの方も、初めてのサーキットとは思えない速さと安定感があり、見ていて不安に感じることがありません。
プジョー9X8は、参戦2戦目で富士が初めてとは思えない速さがあり、タイム的にもトヨタGR010ハイブリッドと遜色がありません。
ただ、TGRコーナーで見ていると、ストレート半ば過ぎからTGRコーナーにかけてのブレーキングで車体がバタつくのが気になりました。
他車がスーッとスムーズに減速するのに対し、プジョー9X8だけが前後にピッチングするので余計に目立ちます。
プジョー9X8にはリアウイングがなく、車体でダウンフォースを得ているため、長いストレートを持つ富士では特に、そうした挙動になってしまうのでしょう。
ドライバーも走りにくいだろうし、ふっとダウンフォースが抜けたりしたら危なそうですが、セッティングでどこまで煮詰めてくるでしょうか。
アルピーヌA480ギブソンは、性能調整に翻弄される1年になっていますが、こちらも元レベリオンで熟成されたクルマなので信頼性はあり、それこそ性能調整次第です。
グリッケンハウス007 LMHの来日がかなわなかったのはとても残念です。当初からの予定通りとはいえ、生で見たかったクルマだけにやりくりしてでも来てほしかったところです。

ところで、2019年のトヨタTS050ハイブリッドの予選タイムが1分25秒013、2022年8月6日のSUPER GTの予選トップタイムがGRスープラGT500の1分27秒169。
それに対して、この日のベストタイムがトヨタGR010ハイブリッドの1分29秒948。性能調整でパフォーマンスが大幅にダウンしているので仕方ないのですが本来の実力が見られないのが残念です。2023年にお預けでしょうか。
それもあってか、例によってLMP2とのタイム差はわずかで、トップタイムのJOTAは1分32秒351。
LMP2は、予選タイムは速くても決勝のロングランとなるとHYPERCARに離されてしまいますが、レース展開次第では総合成績の表彰台も狙えるので楽しみです。
LMGTE-PROは、2022年で見納めになります。フェラーリとポルシェがHYPERCARに移行するので致し方ないのですが、実力が拮抗しており面白いレースを期待したいところです。

さて、毎年書いていますが、2022年の富士でも、「36 HOURS OF FUJI SPEEDWAY Active Park」というイベントが併催されます。
名称の通り、土曜日の朝から日曜日の夕方にかけての36時間のイベントで、金曜日はそれに含まれません。
ところが、金曜日の入場料と駐車料は年々値上がりしており、両者の合計は2018年が5100円、2019年が5300円、2022年が6000円です。
金曜日は公式開催日で、公式アナウンサーも驚くほど多くの人が来場しているのに、イベント広場は設営中、売りのイベントの大半は土日限定です。
調理するようなものは無理でも、展示や体験ぐらいはせめて金曜日の午後からは対応するようにしてほしいものです。
2023年からは、金曜日の入場料を値下げするか、イベントの何割かは対応するようにしてほしいところです。

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