体組成計「タニタ インナースキャン50V BC-622」レビュー

体組成系「タニタ インナースキャン50V BC-622」を、2015年9月15日に購入し、2ヵ月以上使いましたのでレビューしてみます。
体重・体脂肪計は乗るだけタイプがメインになっていて、私も数年前に購入した「タニタ BC-701」を使ってきました。
この「タニタ BC-701」でも、体重、体脂肪、内臓脂肪、骨量、基礎代謝、体内年齢、筋肉、筋肉スコアを計測することができます。
また、4人まで登録することが可能で、前回値を見ることができます。ただ、パソコンやスマートフォンにデータを移す機能はありません。
私は、Xbox 360では、「KINECTアドベンチャー!」、「DANCE CENTRAL」、「ユアシェイプ フィットネス・エボルブ」、Xbox Oneでは、「FIGHTER WITHIN」、「ZUMBA fitness WORLD PARTY」、「SHAPE UP」、「Xbox Fitness」と、KINECTを使ったフィットネス・トレーニング系のタイトルもプレイしてきて、「タニタ BC-701」でも毎日計測してきました。
2015年5月からは「Xbox Fitness」を本格的に始めているのですが、「タニタ BC-701」は乗るだけタイプということで、胸や腕など上半身に、いくら筋肉をつけても、体脂肪を減らしても、全く反映されることがなく、トレーニングの成果は、太腿などの下半身しか確認できません。
これでは、やり甲斐がないのと、トレーニングがどんどん進んで体脂肪や筋肉量などの変化が楽しめなくなる前に、手で持っても計れるタイプの体脂肪計を購入することにしました。
ただ、手で持っても計れるタイプは人気がなく、現行機種としてはタニタとオムロンから数タイプが出ているだけです。
そこで、例によって、20時間でも30時間でもネットで調べたところ、オムロンはタニタよりも体脂肪が2~3%多めに表示されるのと、液晶が壊れることがあるという書き込みが見られたため、タニタに絞りました。
また、今回、購入した「タニタ インナースキャン50V BC-622」は、購入時点で実勢価格が2万円近くする高額機種ですが、Yahoo!ショッピングで1万4400円(送料無料)の店を見つけたため、そこで購入することに決定しました。

【デザイン】8
人によって評価はまちまちですが、私はSFが好きなので、宇宙船も連想させるようなシルバーとブラックのツートーンで、曲線を用いた未来的なデザインは好きです。
ただ、実用面で言うと、グリップ部はともかく、本体は真四角の方が収納には便利ですし、足を置く部分が上側が狭く下側が広いというのは、実際の足の形とは逆になるため、あまり好ましくは思いません。

【使いやすさ】10
手でグリップを握るタイプは、オムロンは計測中は腕を前方に水平に伸ばしている必要があるのですが、この機種は腕を下ろした楽な姿勢で行えます。
また、個人データを5人まで登録できるのですが、体重計に乗るだけで自動的に個人を認識して測定する「Vピタ機能(自動認識)」があるので便利です。
もっとも、身長と体重が同じ人同士が登録すると、どちらが乗ったのかを認識してくれませんが、それは当然のことで仕方ありません。

【機能性】9
操作表示部と本体に配した8つの電極を使って計測するのが特徴で、操作表示部と一体になっているグリップを両手で持って本体に乗り、電流を流す部分と電圧を測る部分を切り替えることで、右腕、左腕、体幹部、右脚、左脚の筋肉量、脂肪率をそれぞれ計測・表示します。
計測項目は、体重、体脂肪率、筋肉量、内臓脂肪レベル、基礎代謝量、推定骨量、体水分率、体内年齢、BMI(体格指数)の9項目。すべての項目で、前回値に対しての増減を矢印で表示します。
また、記録媒体にSDメモリーカードを採用し、付属のアプリケーションを使用すれば、SDメモリーカードに記録した計測データをパソコンに取り込んで時系列的にグラフ化できます。
さらに、測定した体組成が1000人を超えるアスリートのデータと比較できるMBA判定(My Body Analyzer)を搭載しています。
1000人を超えるアスリートデータと、筋肉の質やつき方のバランスを比較し、どれくらいアスリートの筋肉特性に近いかを4つのタイプに分けて判定するものです。その中でも2~3段階に細分化され、全部で9段階の判定があります。
ビギナーは、運動習慣のあまりない人や、運動を始めたばかりの人に見られる筋肉特性です。
アマチュアは、日常生活に運動を取り入れていたり、今の体型を維持しようとしている人です。
セミアスリートは、プロに近いレベルで筋肉が発達している人です。
プロアスリートは、プロとして活躍しているアスリートと同等のレベルの筋肉特性です。

【総評】8
前述したように、乗るだけタイプだとトレーニングの成果は太腿などの下半身しか確認できないのに対し、手と足で計測するタイプはトレーニングの成果が下半身だけでなく胸や腕など上半身も確認できます。
そのために体重計・体脂肪計としては高価な「タニタ インナースキャン50V BC-622」を買ったようなものなので、そうした点では大満足です。
また、計測は、腕を下ろした楽な姿勢で行える上に、10秒ちょっとで終わるというのもうれしいところです。
さらに、「Xbox Fitness」でトレーニングしているだけに、右腕、左腕、体幹部、右脚、左脚の筋肉量、脂肪率をそれぞれ計測・表示できるのもポイントで、これも購入動機のひとつになりました。
加えて、SDメモリーカードに記録した計測データをパソコンに取り込んで時系列的にグラフ化できるという点もアピールポイントでした。
私は、「タニタ BC-701」も、計測するごとにメモを取って、OpenOfficeで表を作成しているのですが、SDメモリーカードで読み込ませるだけでOKというのは、やはり、手軽です。
項目ごとに、折れ線グラフと棒グラフで表示させられるので、計測データも楽しく見られます。
ただ、タニタの体組成計(体脂肪計)は、生体インピーダンス法(Bioelectrical Impedance Analysis: BIA)という測定原理を応用して体内に流される微弱な電流を測定して、体脂肪などを導き出しています。
脂肪組織が電流をほとんど通さないという性質なのに対して、除脂肪組織(脂肪以外の組織で主に筋肉や水分)は電流を通しやすいという性質を持っています。また、組織や成分によって電気の通りやすさが異なります。
そこで、それぞれの電気抵抗値(流した電気の量と出てきた電気の量の差)を計測することで、体の組織を推測しているわけです。
そのため、メーカーごとに測定数値が異なるだけでなく、同じメーカーでも測定数値が異なるということが起こってきます。
オムロンはタニタよりも体脂肪が2~3%多めに表示されるというのは、この推測方法が異なることから起こるものです。
また、乗るだけタイプは、手と足で計測するタイプよりも、測定データ自体が乏しくなるため、データの正確性では劣ってしまいます。
私は、「タニタ インナースキャン50V BC-622」購入後も、「タニタ BC-701」を併用して使い続けていますが、やはり、手と足で計測する「タニタ インナースキャン50V BC-622」の方が実態に即した計測数値が出てきます。

私は、学生時代から鉄アレイやハンドグリップは使っていましたし、スピードスケートの補助トレーニングとしてバーベルを使い、10数年前まではこれらを使ったトレーニングを行っていました。
そのため、これらを使ったトレーニングをKINECTで再開しても、昔取った杵柄だけに、飛躍的に記録が向上するというわけではありません。
それでも、「Xbox Fitness」を始めてからは、筋肉は見た目でも増え、体重はほとんど増減がありません。つまり、体脂肪が減り、筋肉量と基礎代謝が増えてしかるべきです。
ところが、「タニタ BC-701」は、体脂肪が減るどころか増えており、筋肉量と基礎代謝はほとんど増減ありません。
それに比べると、「タニタ インナースキャン50V BC-622」は、「タニタ BC-701」よりも体脂肪が2%以上低く、筋肉量と基礎代謝は高くなっているため、実態に則していると言えます。
ただ、体脂肪の減少、筋肉量と基礎代謝の増加は思ったほどではなく、そのあたりは今ひとつという気がします。
体脂肪率は体水分率と反比例しており、私は、運動前はブラックコーヒー、運動後はチョコレートシロップ入り低脂肪牛乳を飲んでいますが、運動中は水分は一切摂っていません。
体脂肪は、夜間の運動後、寝る直前に計っているため、体内の水分が不足気味で思惑通りに計測されないという可能性はあります。
このように、高額機種である「タニタ インナースキャン50V BC-622」でも、満足点と不満点はありますが、これを買わなかったら、ずっと不満を感じながら「タニタ BC-701」で測定していただけに、いい買い物をしたと思います。
前述したように、手で持っても計れるタイプは人気がなく、現行機種としてはタニタとオムロンから数タイプが出ているだけなのですが、計測データを少しでも正確に測定できるため、このタイプが普及してほしいと思います。
ネックとなる価格も、普及・競争することで、こなれてくるのではないでしょうか。体脂肪計を購入検討している方は、ぜひ、手で持っても計れるタイプを買ってほしいと思います。

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