新築マンション入居時にTOTOの温水洗浄便座「ウォシュレットJ2」が設置されていて、10年以上も問題なく使えていたのですが、脱臭機能が何日間か働かなるということを繰り返すようになりました。
そこで、パナソニックの温水洗浄便座「ビューティ・トワレ DL-WL20」に買い替えたのですが、温水洗浄のノズルが出てこないという症状が起こり、修理費用が1万7000円ほどかかりそうなので、3年3ヵ月という短命ながら、買い替えることにしました。
2021年5月28日の朝から温水洗浄のノズルだけが使えなくなったのですが、温水洗浄に慣れきってしまうと温水洗浄がないのはさすがに気持ち悪いため、大急ぎであれこれと調べました。
「ビューティ・トワレ DL-WL20」は、「W瞬間式で省エネ基準232%達成。もちろんエコナビ搭載」、「きれいが続く「Ag+パワー抗菌便座&Ag+抗菌ノズルシャッター」」、「お出迎えオート脱臭から10%風量アップ「パワー脱臭モード」」、が3大特徴でした。
購入時のネット最安値が3万2000円、年間電気代が1944円、待機電力ゼロに設定すると1570円、と、本体価格も手頃な上に電気代が激安なのが魅力でした。
また、温水洗浄も、ワイド洗浄、ムーブ洗浄、リズム洗浄などがあり、これがなかなか使い勝手が良かったです。
ただ、「パワー脱臭モード」は、トイレを出てから1分で切れてしまうため効果は薄く、トレイの換気扇を強で20-30分ほど回した方がよほど効果的でした。
3万円台前半の出費で年間電気代も大幅に安くなるため、計算上は6~7年で元が取れるはずだったのですが、3年3ヵ月で壊れてしまっては絵に描いた餅です。
そんなわけで、買い替えにあたっては、高機能の高価格品を買っても数年で壊れてしまっては意味がないため、製品価格自体が安いことを最優先しました。
そうすると、瞬間式ではなく貯湯式が中心になり、ランニングコストも上がるのですが、それが逆転するには5年ぐらいは使う必要があります。
また、必要度としても、1に温水洗浄、2に暖房便座、3に脱臭機能、といった順になる上、脱臭機能の効果が期待外れだったため、ないならないでいいような気もします。
そんな観点で選んでいくと、メーカーはINAX1択となり、機種は「CR-RG1/BN8」、「CW-RG2/BN8」、「CR-RT1/BN8」、「CR-RT2/BN8」の4択となりました。
この4機種の違いは、脱臭機能とリモコンが付いているかどうかで、1番安い「CR-RG1/BN8」が1万7570円なのに対し、脱臭機能が付くと4500円ほど高くなり、リモコンが付くと6000円ぐらい高くなり、両方が付くと8000円ぐらい高くなります。年間電気代は、4428円で変わりません。
脱臭機能の効果は「パワー脱臭」ですら期待外れだったため、それに4500円払う気は起きませんし、リモコンはパナソニックで慣れたとはいえ、なくても良さそうな気がします。そんなわけで、安さ最優先で1番安い「CR-RG1/BN8」に決めました。
2021年5月28日にヨドバシカメラに注文し、翌29日の10時過ぎには到着したので、温水洗浄なしで我慢するのも1日だけで済みました。
取り外し・取り付け自体は、パナソニックの「DL-WL20」で慣れていたこともあり、驚くほど簡単に終わりました。
築年数が著しく古くないマンションや一戸建てなら、しっかりしたスパナと普通のドライバーさえ持っていれば、あまり苦労はしないのではないかと思います。
むしろ、トイレだけに普段は掃除できない便器の汚れなどを含めた掃除に時間を要しそうですが、私の場合は3年3ヵ月前に交換しているし、それ以来、汚れには気をつけているので、目立った汚れもなく段ボールなどの後片付けの方が面倒なくらいでした。
【デザイン】8
TOTOの「ウォシュレットJ2」に比べると、パナソニックの「DL-WL20」は曲線的なデザインが採用されていて、どこかしら新幹線のような雰囲気もあり、同じ楕円形でも細長くなっており、シャープな印象はありました。
それに比べると、INAXの「CW-RG1/BN8」は、質実剛健でオーソドックスなデザインで、TOTOに先祖返りしたようです。デザイン的な遊び心はなく、驚きとか新鮮さは一切感じられず、トイレに入るごとに眺めてしまうこともありません。
色も、オフホワイトを選んだのですが、TOTOの便器とのマッチングも良く、これといった違和感もありません。
ただ、サイズは、標準便器と大型便器の兼用タイプで大きめ(長め)に作られており、取り付け位置を最も後方にずらしても、便座に座った際に便器先端部分の内側のへりが丸見えになっています。
便座は便器のふちを覆うようにかぶさるものだけに、これはあまり印象が良くありません。廉価版とはいえ、標準便器と大型便器の2サイズをラインアップしておいてほしかったところです。
【使いやすさ】9
操作パネルは、TOTOの「ウォシュレットJ2」が便座一体型、パナソニックの「DL-WL20」が壁掛けリモコン型、今回のINAXの「CW-RG-1/BN8」が便座一体型で、こちらも先祖返りになっています。
パナソニックの「DL-WL20」は多機能で、常に視界に入って操作しやすい壁掛けリモコン型が使い勝手が良かったので、リモコン付きにしようかとも思いました。
しかし、実際に使ってみると、INAXの「CW-RG-1/BN8」は機能がシンプルで通常は温水洗浄ボタン以外は使わないため、右下に操作パネルがあっても不便さは感じません。
また、操作パネルが黒地なのですが、特に見にくいということもありません。ただ、デザイン的には、白地の方が一体感があって良かったかなとは思います。
【静寂性】10
脱臭機能がないため、静寂性は抜群です。TOTOの「ウォシュレットJ2」は脱臭機能があり、パナソニックの「DL-WL20」の脱臭機能はそれに輪をかけてうるさく、騒音レベルでした。
トイレでタブレットを使って動画を見るような際には、イヤホンを使わざるを得なかったのですが、INAXの「CW-RG-1/BN8」はシーンとしており、イヤホン不要なぐらいです。もちろん、シャワーを使ったり水を流したりする際にはうるさくなるためイヤホンは使っていますが、通常時は驚きの静けさです。
【洗い心地】8
TOTOの「ウォシュレットJ2」も、パナソニックの「DL-WL20」も、温水温度、洗浄強さ、洗浄位置とも中間でちょうど良かったです。
ところが、INAXの「CW-RG1/BN8」は、すべてにおいてマイルドになっているため、温水温度も洗浄強さも最強にしています。
おしり洗浄の洗浄強さは、通常は3段階なのですが、+ボタンと温水ボタンを同時に押すことで、「強」をさらに1段階強くすることができます。
また、おしり洗浄・ビデ洗浄の洗浄強さは、通常は3段階(弱・中・強)なのですが、-ボタンと温水ボタンを同時に押すことで、5段階(弱・弱中・中・中強・強)にすることができます。
その上でおしり洗浄を最強にしているので、全体に1段階ぐらい強ければ良かったかなと思います。
また、パナソニックの「DL-WL20」には、ワイド洗浄、ムーブ洗浄、リズム洗浄などがあり、ワイド洗浄やムーブ洗浄は使い勝手のいい機能で頻繁に使っていたのですが、INAXの「CW-RG1/BN8」は廉価版のためありません。
【座り心地】9
パナソニックの「DL-WL20」は、便座の脚ゴムが着座検知が入りやすいように左右の高さが変えてありどっしりたした安定感はなかったし、着座位置が高くて当初はフワフワと浮いている感じはありました。
しかし、INAXの「CW-RG1/BN8」は着座検知がなく、便座自体が質実剛健としたつくりのため、安定感のある座り心地が得られます。
もっとも、掃除がしやすいように簡単に外せる構造になっており、便座が左右にずれることはあるため、そうした意味でのどっしり感は得られません。
便利になったり、機能が増したりすればするほど、座り心地は悪くなるため、このあたりは仕方のないことなのかもしれません。
暖房温度は、これまたマイルドで、3段階のうち弱の場合は、温もりはほとんど感じません。それでも、座った瞬間に冷やっとすることはないため、暖房は要らないけど冷やっは嫌だという人には向いています。真冬は中、春秋は弱、真夏は切という使い方が合いそうです。
【手入れのしやすさ】8
パナソニックの「DL-WL20」は、便座の表側と裏側に継ぎ目があり、そこに洗浄水がかかって汚れが入らないかという心配がありました。
それに対して、INAXの「CW-RG1/BN8」は、完全な一体型で継ぎ目が一切ありません。それだけに継ぎ目に汚れが入る心配もなく、日頃の掃除も簡単です。
また、パナソニックの「DL-WL20」同様に、便ふたと本体がワンタッチで取り外せるということで、それらの手入れはしやすいと思います。
ただ、サイズが標準便座と大型便座兼用の上、貯湯タイプでタンクが大きいため、水栓タンクとの隙間はギリギリで、隙間のちょっとした掃除はしづらいです。
【総評】9
パナソニックの「DL-WL20」が3年3ヵ月で壊れたため、INAXの「CW-RG1/BN8」を価格優先で購入しました。
そのため、温水洗浄や暖房便座といった最低限の機能はあるものの、脱臭機能やワイド洗浄、ムーブ洗浄、リズム洗浄といった細かな洗浄機能はありません。操作パネルも壁掛けリモコン型ではなく、便座一体型です。
デザインもオーソドックスで、機能面も含めて、何の面白みもない温水洗浄便座です。使い始めから、機能に驚いたり、機能をあれこれと使ってみたりといった楽しみもありません。
ただ、INAXも、TOTOと同じく専門メーカーで、質実剛健としたつくりが施されており、華奢なところはありません。貯湯式でランニングコストは若干高くつきますが、TOTO同様に10年以上は大きな故障もなく使えそうな雰囲気があり、長く使えることを期待しています。
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