温水洗浄便座「パナソニック ビューティ・トワレ DL-WL20-CP」レビュー

新築マンション入居時に温水洗浄便座「TOTO ウォシュレットJ2」が設置されていて、10年以上も問題なく使えていたのですが、1年ほど前から脱臭機能が何日間か働かなるということを繰り返すようになりました。
最新の製品でも廉価版なら脱臭機能がないものもあり、必要度としても、1に温水洗浄、2に暖房便座、3に脱臭機能、といった順になる上、効果も絶大とは言えないため、ないならないでいいような気もします。
しかし、脱臭機能の調子が悪くなり始めてからいろいろと調べていると、TOTO製、10年以上前、貯湯式、という悪条件がそろっていると、電気代面で不利なことが分かってきました。
TOTO製は10年以上使えていたことからも分かるように耐久性はあるようなのですが、電気代という面ではパナソニックほどこだわっていないように思われます。そんなTOTO製で10年以上前の製品なら、電気代が良くないのは推して知るべしです。
また、水を貯めて常に温めている貯湯式は、吐水時に水を温める瞬間式に比べて電気代がかかります。これは、電気ポットと比べれば分かりやすいと思います。家でも、常時保温する電気ポットは全く壊れてはいないものの今は使っておらず、使うたびに温める電気ポットに切り替えています。

そこで、製品価格とランニングコストの観点から調べていくと、やはり、パナソニック製が候補として残り、中でも今回私が購入した「パナソニック ビューティ・トワレ DL-WL20」は、購入時のネット最安値が3万2000円、年間電気代が1944円、待機電力ゼロに設定すると1570円、と、本体価格も手頃な上に電気代が激安でした。
TOTOの「ウォシュレットJ2」は古すぎて具体的な電気代が分からないのですが、推察すると年間電気代は7000円前後するように思います。つまり、TOTOの「ウォシュレットJ2」からパナソニックの「DL-WL20」に替えると年間5000円ほどの節電になるはずです。
そんなわけで、2月28日にJoshin webで購入したのですが、価格が3万2980円(税込み、送料無料)、プレミアムステージ限定(ダイヤモンド)クーポンが500、プレミアムステージ限定(ダイヤモンド)70周年記念クーポンが70、サンクスクーポンが200、Webクーポンが370、あり、総支払額が3万840円になりました。
また、ポイントが310ポイント、プレミアムステージ増量ポイントが616ポイント、合計926ポイント付き、実質的には2万9914円と3万円を切りました。そんな商品は、3月2日に到着し、さっそく装着しました。

取り付けにあたっては、パナソニックの公式サイトで調べることができ、たとえば、私の場合は、TOTOの「CS670」という型番の便器だったのですが、「★ガイド★ 温水洗浄便座:設置診断」で調べたところ、このような結果が出ました。
「【総合結果】○設置できます、トイレ空間: ○空間アリ、便器設置: ○設置できます。注意事項: 便器より便座先端が多少突出します」とのことだったのですが、それを意識しつつ設置してみると、どこにも無理をかけることなく、便器と便座先端がピッタリになりました。
また、具体的な取り付け方法も、パナソニック公式動画などで見ることができ、付属の工具だけでとても簡単に取り外し・取り付けを行うことができました。
取り外し・取り付け自体は水場だけに用心に用心を重ねつつ行ったのですが、それでも30分ほどで終了します。ただし、トイレだけに普段は掃除できない便器の汚れなどを含めた掃除に時間を要し、こちらは1時間以上かかりました。
設置診断結果が問題なく、日頃から電気製品の取り付けを自分で行っている人なら、取り外し・取り付け自体は30分から1時間で行うことができると思います。

【デザイン】9
日本の温水洗浄便座のデザインは比較的コンサバで、例によって先進的なデザインが施されていたアメリカ製品も視野に入れていたのですが、場所が場所だけにパイプが合わなかったり水漏れが起こったりするおそれもあり、価格的にもそれほどお買い得でもなかったため、日本製品に落ち着きました。
それでも、それまで使っていたTOTOの「ウォシュレットJ2」に比べると、パナソニックの「DL-WL20」は曲線的なデザインが採用されていて、どこかしら新幹線のような雰囲気もあります。また、同じ楕円形でも細長くなっており、シャープな印象はあります。
TOTOの便器にパナソニックの温水洗浄便座ということで色が合うかどうか心配だったのですが、パステルアイボリー、ホワイト、パステルピンクの中から最も合いそうなパステルアイボリーを選んだところ、全く違和感もなく思った以上にピッタリの色合いでした。
ただし、曲線的なデザインを施し、ダンパーも使っているため、便ふたカバーが使えないのが問題で、便ふたの表面が柔らかくて傷が付きそうなので、気軽に掃除できないのが残念なところです。

【使いやすさ】9
リモコンの操作パネルが、TOTOの「ウォシュレットJ2」が一体型だったの対し、パナソニックの「DL-WL20」は壁掛け型になっています。操作のしやすさ自体は、ビジネスホテルに宿泊した際に両者を経験しているので全く問題ありませんでした。
ただ、壁掛け型の場合、壁に新規で穴を開ける必要があり、10年前後で買い替えることになるはずで、壁が穴だらけになるのは避けたいところでした。
もっとも、パナソニック純正で「ビューティー・トワレ用リモコンプレート AD-DLRCP1-F」(希望小売価格1890円)が出ており、これだとトイレットペーパーホルダーにかませることで壁に余計な穴を開けずに済みます。
また、最初から取り付けられていたトイレットペーパーホルダーが金属製で対応するタイプではなかったため、新たに東和産業の「トイレットペーパーホルダー GR 棚付きペーパーホルダー ホワイト」(同1901円)を、いずれもAmazon.co.jpで購入しました。合わせて2229円で、これだけが余計な出費でした。
結局、トイレットペーパーホルダー用の穴を新たに開けはしたのですが、トイレットペーパーホルダーはそう買い替えるものでもなさそうなので、これはこれで良かったです。
リモコン自体、使い勝手は問題ないのですが、これだけ巨大なリモコンなら、デジタル時計もビルトインされていれば良かったと思います。

【静寂性】3
温水洗浄便座の静寂性といえば、個人的には脱臭機能に尽きるのですが、こればかりは合格点も及第点もつけられません。通常の脱臭で比較した場合、TOTOの「ウォシュレットJ2」に比べると、パナソニックの「DL-WL20」の方がはるかにうるさいです。
私は、トイレで携帯ゲームをしたり、タブレットでネットや動画を見たりしているのですが、動画を見る場合、脱臭音がうるさいため、今ではイヤホンで音声を聴いているほどです。
パワー脱臭は一時的なものなのでうるさくても仕方ないのですが、通常の脱臭はもう少し静かにしてほしかったです。もっとも、うるさいなりに強力に効いているなら、それはそれでやむを得ないとは思います。
ちなみに、脱臭は30分でいったん切れる仕様になっているのですが、これは設定で変えられるようにしてほしかったところです。

【洗い心地】9
特に問題ありません。TOTOの「ウォシュレットJ2」同様、パナソニックの「DL-WL20」も、温水温度、洗浄強さ、洗浄位置とも中間でちょうど良いです。
また、TOTOの「ウォシュレットJ2」になくて、パナソニックの「DL-WL20」にある機能として、ワイド洗浄、ムーブ洗浄、リズム洗浄などがあります。
ワイド洗浄は、柔らかな水流でおしりをやさしく洗浄する機能。ムーブ洗浄は、ノズルが前後に動き、広範囲を洗浄する機能。リズム洗浄は、洗浄強さを「強」から「弱」に自動的に繰り返しておしりを刺激する機能。
このうち、リズム洗浄は「強」になると強すぎるため使っていないのですが、ワイド洗浄やムーブ洗浄は使い勝手のいい機能で頻繁に使っています。

【座り心地】8
価格.comのレビューで便座の安定感が今ひとつという意見が見られたのですが、便座の脚ゴムが着座検知が入りやすいように左右の高さが変えてあるため、そうした感想になったのかもしれません。
それと、TOTOの「ウォシュレットJ2」に比べると、パナソニックの「DL-WL20」の方が着座位置が高く、私も当初はフワフワと浮いている感じはあったのですが、今では慣れました。
暖房温度に関しては、真冬なら「中」、春秋なら「低」、夏なら「切」で問題なさそうです。ただ、デザイン上の問題もあり、便座カバーが使えないのが残念なところで、その時の室温によっては座った瞬間に冷たく感じることもあるかもしれません。

【手入れのしやすさ】8
便ふたも本体もワンタッチで取り外せるということで、それらの手入れはしやすいと思います。
しかし、デザインや座り心地のところでふれたように便ふたや便座にカバーが取り付けられないのが問題で、特に便ふた表面が傷だらけにならないか心配です。便ふたや便座にカバーをつけるのは常識と思っていただけに残念に思います。

【総評】9
パナソニックの製品サイトによると、「W瞬間式で省エネ基準232%達成。もちろんエコナビ搭載」、「きれいが続く「Ag+パワー抗菌便座&Ag+抗菌ノズルシャッター」」、「お出迎えオート脱臭から10%風量アップ「パワー脱臭モード」」、が3大特徴となっているそうです。
今回、買い替えた大きな理由が、電気代を安くすることと脱臭が壊れたことだったので、この製品はまさに私の要望にピッタリだったというわけです。
デザインも良く、これに付随してトイレットペーパーホルダーも交換したことで使い勝手も良くなり、トイレ空間の使い勝手が向上しました。
一日の中でそれなりの時間を過ごす場所だけに、3万円台前半の出費でこれだけ良くなり、年間電気代も大幅に安くなるとあれば、満足度は高いです。
あとは、耐久性だけで、計算上は6~7年で元が取れるはずなので、最低でも7年、できれば10年以上は一切壊れることなく使えることを期待したいところです。

【2021年7月10日追記】
2021年5月27日の夜、「8時間切」と「ECONAVI」ランプが同時に点滅しているのを発見し、翌朝、トイレを使うと温水洗浄のノズルが出てこないという症状が起こりました。
それ以外の機能はすべて正常に作動しているのですが、温水洗浄便座で最も重要な温水洗浄だけができないのです。もちろん、ノズル自体が出てこないので、冷水による洗浄も行えません。
取扱説明書の指示通りにいろいろと試してみても、温水洗浄のためのノズルは出てこず、モーターの弱々しい音だけがむなしく聞こえてきます。
ネットで調べたところ、パナソニックの温水洗浄便座では比較的起こりやい症状ということが判明。センサーを交換して直した人もいるようですが、家電量販店で簡単に買えるようなものではなく、その間は温水洗浄は使えません。
朝だけは温水洗浄を使うのは我慢したのですが、温水洗浄に慣れきってしまうと、温水洗浄がないのはさすがに気持ち悪いです。
ホテルを予約する際には温水洗浄便座が最低条件ですし、出先でも極力それが必要なトイレは行かないようにしていますし、幸いにも使わなければならない機会もまずありませんでした。
パナソニックに修理を依頼した場合、保証期間はとっくに過ぎているので、技術料金、部品代、出張料を含んで1万7000円程度はかかるようですし、修理に来てもらうまで温水洗浄便座なしで待つことは耐えられません。
自分で分解修理を試みたとしても、すぐに直せるかどうかは分かりませんし、トイレが1つしかない以上、修理に長時間かけることもできません。
また、便座は上側と下側に分かれていて継ぎ目があるのですが、その継ぎ目が3ヵ所ぐらい塗装が剥がれていて下地が露出しています。これも、ネットで同じ症状の人がいました。
そんなわけで、大急ぎで新たな温水洗浄便座を探し、夕方に注文しても翌日には受け取れるヨドバシカメラに「INAX CW-RG1/BN8」を注文しました。1万7570円(ポイント10%還元)なので、修理代とほぼ同額で新品に交換できたことになります。

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