「PlayStation VR – Astro Bot Rescue Mission + Moss Bundle」レビュー

「PlayStation VR – Astro Bot Rescue Mission + Moss Bundle」をアメリカのブラックフライデーセールで2018年11月19日に注文し、21日に到着してから2ヵ月が経過したのでレビューします。

【デザイン】9
パッと見の印象は、すぐにVRヘッドセットだということが連想できる未来的な造形で、これから特殊な体験をするという期待感を抱かせるものがあり、とても良くできていると思います。
カラーも、ゲーム機の周辺機器のローンチの王道はブラックなのですが、ホワイトをベースにゴーグル部や肌が直接触れる内側にブラックを配したあたりに、デザインオリエンテッドなソニーらしいセンスの良さが感じられます。
こうした樹脂製の製品をホワイトベースにすると、ブラックベースにするのに比べて質感が劣る場合があるのですが、製品自体が未来をイメージさせるものであり、ホワイトベースにしたことでいい意味でガジェット感や未来のおもちゃ感が出ています。
「スター・ウォーズ」のストームトルーパーとR2-D2、ソニーの「AIBO」、ソフトバンクの「Pepper」もホワイトベースですが、そのあたりは相通ずるところがあるのでしょう。

【使用感】8
前項でデザインオリエンテッドと書きましたが、人間工学的にもなかなか考えられています。初代からのマイナーチェンジ版とはいえまだまだ大柄で、装着はこれから“「PS VR」という特殊なもの”で遊ぶという儀式めいたところがありますが、いざ装着してしまうと600g強+ヘッドホンの重さを感じさせず、バランスの悪さもありません。
ただし、「儀式めいたところ」と書いたように、装着までの手順はいろいろとあります。「PS VR」が汗や皮脂で汚れるのを嫌うために強盗がするようなフルフェイスマスクをする人も少なくないのですが、私は頭部までは必要ないため、額はヘッドバンド、鼻は私はクルマを運転する時とゲームをする時だけメガネをかけるのでメガネで押さえたあぶらとり紙でカバーしています。
そのため、具体的な手順としては、「PS VR」のコードをプロセッサーユニットに接続し、「PS VR」にヘッドホンのコードを接続し、顔を100円ショップのからだふきできれいにし、あぶらとり紙をはさんでメガネをかけ、ヘッドバンドをし、コントローラーと「PS Move」を体の前に置き、ヘッドホンを首にかけ、「PS VR」の電源を入れ、「PS VR」を頭にかぶり、ヘッドホンを頭にかぶり、角度を微調整する、といった具合です。
「装着はこれから“「PS VR」という特殊なもの”で遊ぶという儀式」と考えてしまえば特別感もあっていいのですが、仰々しい大きさと煩雑な装着手順が必要になるのは事実なので、将来的にはダイビングマスクのような大きさでワイヤレスになればいいなと思います。

【画質】8
ディスプレイ方式はOLED、ディスプレイサイズは5.7インチ、ディスプレイ解像度は1920×RGB×1080(左右の目それぞれに960×RGB×1080の映像を表示)、リフレッシュレートは120Hz、90Hz、視野角は約100度、となっています。
また、ひとつのピクセルを構成するサブピクセルに赤、緑、青の3原色を間引くことなく使っており、とても豊かに色彩を描写することが可能です。
私が最初にプレイしたのは、その時に配信開始されたばかりの無料VRアニメーション「Crow: The Legend」ですが、想像の域を遥かに超えた驚愕のVR体験で、そのすごさに買って良かったと思わされました。
私が純粋なゲームとして初めてプレイしたのは「Moss」で、新しめのゲームで箱庭世界ということもあるのか、とても美しいグラフィックで、精巧なジオラマを見ているかのようでした。
「PS4」や「Xbox One」では4K対応のゲームが増えつつある中、1920×RGB×1080(左右の目それぞれに960×RGB×1080の映像を表示)で良くてフルHDレベル、ゲームによっては「PS2」レベルなのは残念なところですが、VR体験によるリアリティは何ものにも代えがたいものがあります。
VR酔いは、画にもわっとした独特の雰囲気があり、ソフトやプレイ環境によっては、2時間続けてでもプレイできるものがある一方、10分で少し酔うものもあり、酔いにくいものから慣れていく必要もあるかと思います。
なお、「シネマティックモード」では、仮想空間内のスクリーンで「PS4」ソフトや映像コンテンツを楽しむことができ、約2.5m先に最大226インチ相当の大画面が現れたように感じられ、Blu-ray 3Dコンテンツにも対応しています。

【機能性】8
「PS VR」は、独自のオーディオ技術で前後左右上下の音も正確に表現するようになっており、目の前に広がる仮想空間に立体的な音響効果を加えて臨場感を増しています。
専用のイヤホンも付属しているものの音質・音場面で頼りないし、家にある開放型のELPAのヘッドホン「RD-A30」は音質は少し上がっても音が抜けて臨場感が物足りません。
そこで、「PS VR」と干渉しない形状で、本体が600g強あるので重くなりすぎず、密閉しすぎない密閉型で、音質面で評価が高く、価格も安いヘッドホンを探しました。
候補になったのは、JVCの「HA-S160」、「HA-S400」、「HA-S500」、オーディオテクニカの「ATH-S100」です。これらは、2000円以下の廉価機種の中では評判が良く、「HA-S500」以外は「PS VR」と相性のいいホワイトが選べます。
しかし、「HA-S400」の上位機種の「HA-S500」の方が、ドライバサイズが40mmと10mm大きくテレビゲームでは重要な低音が強調されており、価格も400円以上安くなっています。そこで、色はブラックで我慢で、最安値のビックカメラで1490円(149ポイント)で11月25日に注文し、26日に到着しました。

早速、試してみましたが、さすがに密閉型だけあり、かけた時のフィット感は抜群で、音もしっかりと耳に留まり、臨場感や方向性も高まっています。
「PS VR」のボリュームは0-25で、専用のイヤホンは20、開放型のヘッドホンは17-18、にしていたのですが、これだと12-13でも十分に音が聞こえます。密閉性が前2つよりも高いため、それらでは聞こえなかった環境音も聞こえるのが嬉しいところです。
唯一の誤算は、前2つは装着してから「PS VR」をかけることができたのですが、これはヘッドセットが干渉するため先に「PS VR」をかける必要があることです。幸い、その順番だとほとんど干渉しないので無事に使うことができています。
このように、ヘッドホンによっては装着時に「PS VR」と干渉する場合があるものの、目の前に広がる仮想空間に立体的な音響効果を加えて臨場感を増すためには、付属するイヤホンではなく、密閉型のヘッドホンを買ってでも装着すべきだと思います。
また、加速度センサー、ジャイロセンサーを内蔵し、頭部の動きを把握。表面には9つのLEDライトを搭載し、ライトの位置情報を「PlayStation Camera」が取得することで頭部の位置を正確に認識するという機能もあり、ゲームによっては有効活用されています。
機能性としてマイナスな部分は、前述したように、仰々しい大きさと煩雑な装着手順が必要になるのは事実なので、将来的にはダイビングマスクのような大きさでワイヤレスになればいいなと思います。

【総評】9
ゲーム機の周辺機器としては、高くても2万円が限度かなと思いますが、「PS Move」もそろえるとなると3万5000円以上になり、専用ヘッドホンまで買い足すと4万円近くになります。
しかし、「PS Move」が必須だったり、あれば便利というソフトは少なくなく、ヘッドホンも臨場感や没入感を増すためには不可欠と考えられます。そのため、「PS VR」をプレイするなら、これらもぜひ買うべきです。本格的シューティングゲームをやるなら、「PS VR シューティングコントローラー」すら必要になります。
それでも、「PS VR」以外はオプションであり、徐々に買い足していくという手もあります。実際、私も、「PS VR シューティングコントローラー」はまだ持っていません。必要性が出てきたら買うつもりです。
前述したように、「PS VR」は、想像の域を遥かに超えた驚愕のVR体験で、そのリアリティは何ものにも代えがたいものがあります。私は、「PS VR」本体と各種周辺機器で4万円近く出費していますが、その価値は十分にあったと思います。
なお、「PS VR」専用・対応ソフトですが、「Playstation Store」で購入する場合、日本とアメリカでは価格が大きく異なることがあります。
たとえば、「PlayStation VR Worlds」は、日本だと5292円でセールでも40%OFFぐらいですが、アメリカだと$14.99が60%OFFの$5.99になっていたりします。
それ以外のソフトでも、アメリカの方が大幅に安いことが多く、うまく使い分ければ同じ予算でより多くのソフトを楽しむことができます。

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