「Xbox One X Project Scorpio エディション」を発売日の2017年11月7日から使い始めて1ヵ月以上が経過したのでレビューします。
「Xbox One X」は、「Xbox One」ファミリーの最新機種で、ネイティブ4Kの解像度を描画するのに十分な性能を搭載し、HDRと広色域に対応した真の4Kゲーミングを実現しています。
また、従来の「Xbox One」用ゲームも、画質やフレームレートの改善、ロード時間の短縮などを実現し、「Xbox One X」を2Kテレビに接続してプレイしても多くのメリットがあります。
さらに、4K UHD Blu-rayと4Kストリーミング再生、ゲームと映画へのHDR対応、Dolby Atomos対応など多くの新しい機能を搭載。「Xbox」史上最も高性能なだけでなく、最も小さな本体を誇ります。
「Xbox One X Project Scorpio エディション」は、2016年発表時点のコードネーム「Project Scorpio」のロゴとドットパターンによるグラデーションを施したスペシャルデザインの本体、「Project Scorpio」のロゴを中央に配したコントローラー、「Xbox One X専用縦置きスタンド」を同梱した数量限定版です。
ちなみに、私が「Xbox One X Project Scorpio エディション」を発売日に入手できた経緯は以下の通りです。
「Xbox One X」は、9月20日ごろから全世界予約開始という情報があり、その当日になって日本でも11月7日に発売というスクープが飛び込んできました。
そこで、いくつかのサイトを見張っていたら、ヨドバシカメラで動きがありました。「Xbox One」、「販売終了商品を表示しない」で検索していると、2件ヒット2件表示が、4件ヒット2件表示に変わりました。つまり、表示されない2件は、間もなく「Xbox One X」が2件表示されるというわけです。
その直後、「Xbox Japan Blog」で正式発表され、すぐに、ヨドバシカメラでも「Xbox One X」が表示されました。そこで、即座に「Xbox One X Project Scorpio エディション」の予約を完了させたというわけです。
その1分後にTwitter、2~3分後にXboxのフレンドへのメッセージ、でお知らせしたのですが、ヨドバシカメラ掲載から10分と持たずに完売してしまったようです。
【デザイン】8
私は、アメリカ版「Xbox One Day One」を持っていますが、このちょっとしたブルーレイレコーダーのような大きな本体は、大きく2つに分かれており、左側がディスクの駆動部分、右側が放熱部分になっています。
左側の上面はピアノブラックの光沢仕上げで、右側の上面は排熱のためのスリットになっています。
逆に、左側の前面はディスクのスロットインがあってマット仕上げで、右側の前面はタッチセンサーの電源ボタンがあってピアノブラックの光沢仕上げです。
つまり、前面の斜め上から眺めると、ピアノブラックの光沢仕上げの部分と、そうでない部分が格子状になっているわけです。
私は、ゲーム機は白い本体の方が好きなのですが、このピアノブラックの本体は、無骨さとは無縁と言っても良く、とても高級感があります。
ちなみに、電源がオンになると、右側前面のタッチセンサー、キネクトセンサー、アダプターが青白く光ります。それが、とてもカッコいいです。
「Xbox One X」は、基本的には「Xbox One」のデザインとレイアウトを踏襲していますが、細部では異なります。
大きく異なるのが、「Xbox One」がきっちりした6面体であるのに対し、「Xbox One X」は、前面が2段になっていることです。
その前面は、1段奥まった下側5分の2ぐらいのところに、ディスクのスロットインとUSB3.0ポートがあります。「Xbox One」はデザイン優先でUSBポートが横にあって少し使いづらかったのですが、これで使い勝手が良くなりました。
また、電源ボタンが、「Xbox One」はタッチセンサーだったのに対し、「Xbox One X」は物理ボタンになっています。タッチセンサーの場合、うっかりそこに触れて電源を落としてしまうことがあるのですが、物理ボタンの場合にはこれがなくなるので、デザイン性が犠牲にはなるものの、これは歓迎したいところです。
もうひとつ大きく異なるのが、「Xbox One」はピアノブラックの光沢仕上げが大胆に採用されているのに対し、「Xbox One X」はマット仕上げになっていることです。
光沢仕上げはほこりをさっと拭き取っただけで傷がつくことがありますが、マット仕上げなら気軽にほこりを拭き取れるので、これも、デザイン性が犠牲になるものの、歓迎したいところです。
このように、「Xbox One X」は、全般に名より実を取ったデザインになっており、高級感という点では「Xbox One」には劣るものの、決して安っぽいというわけでもなく、いいところに落としたなという気がします。
「Xbox One X Project Scorpio エディション」ですが、冒頭で書いたように、2016年発表時点のコードネーム「Project Scorpio」のロゴとドットパターンによるグラデーションを施したスペシャルデザインが施されています。
このスペシャルデザインは、賛否両論がありますが、私はなかなかいいなと思っています。サソリを連想させるような真っ赤な本体にするとか、上面にうっすらとサソリのシルエットを入れるとか、デザイン性の高いロゴを大きく入れるとか、いろいろとアイデアは浮かびますが、このデザインで出た以上、これはこれで気に入りました。
私は、アメリカ版の「Xbox One Day One」も持っていますが、発売日に普通の本体でなく特別なデザインの本体が買えるということが重要であり、これは感謝したいところです。
【ソフト】10
これはもう申し分ありません。マイクロソフトの「Xbox One」専用タイトルだけでなく、PCや「プレイステーション4」とのマルチタイトルまで含めると、時間的にも金銭的にも遊びきれないほど優秀なタイトルがそろっています。
私は、セール価格で買う、ゴールド会員向けのGames with Goldでもらう、というゲームでプレイする気が十分にあるものが、古くは2015年の秋からたまっており、それに新たなゲームも追加されるため、たまりすぎないように頑張って消化している現況です。
個人的には、リアルな3Dでストーリーがしっかりしたものが好きなのですが、そうしたゲームを中心にプレイしていても、この状態なのです。
もちろん、こうした硬派なゲームだけでなく、カジュアルゲームやファミリー向けのゲームも数多くあり、据え置きゲーム機は「Xbox One」ファミリーしか持っていないとしても、それほど困ることはないと思います。
こうしたカジュアルゲームやファミリー向けのゲームは、意外と海外ストアに多く用意されており、硬派なゲームとともに、海外ストアを積極的に活用することで、「Xbox One」のゲームライフはより充実したものになることでしょう。
なお、これも個人的な話ですが、いずれは「Xbox One X」専用タイトルも発売してほしいところです。やはり、「Xbox One X」の性能を存分に発揮し、「Xbox One」や「Xbox One S」では不可能といったゲームもプレイしてみたいからです。
【操作感】9
コントローラーは、「Xbox One」のローンチからマイナーチェンジを施したモデルが出ていますが、「Xbox One X」発売にあたって新規に開発したコントローラーというものはありません。それだけ、「Xbox One」のコントローラーが優秀だということです。
そのため、コントローラーのレビューに関しては、「Xbox One Day One」のレビュー時のものを加筆・抜粋して再掲載します。
コントローラーの開発費は1億ドル以上かけたと、 Xboxのアクセサリー関連のゼネラルマネージャーであるザルフィ・アラムが明言しています。
それだけに、コントローラーの操作性は、これまでの家庭用ゲーム機の純正コントローラーの中では、最高峰だった「Xbox 360」を上回るものになっています。
全体のサイズは、どちらもほぼ同じなのですが、最大の違いは、「Xbox One」の方がグリップ感がより増しているという点です。グリップ部分が大きくラウンドして落ち込む反面、グリップの裏側は盛り上がっており、中央の薄い部分との段差は大きくなっています。
これにより、コントローラー全体が手にすっぽりと収まるとともに、グリップ部も薬指と小指がうまい具合に絡みついて、ホールド性がとても高くなっています。
もちろん、左右のスティックはアクションやシューティングでストレスない操作性を得られますし、トリガーはレースゲームでパーシャルスロットルがやりやすいことに変わりはありませんし、方向パッドの操作性も良好です。
また、Xboxガイドボタンの位置が移動したのも喜ばしいところです。「Xbox 360」では、バックボタン、Xboxガイドボタン、スタートボタンが横並びになっていて、とっさにいずれかのボタンを押そうとすると、違うボタンを押してしまうことがありました。
それが、「Xbox One」では、Xboxガイドボタンを頂点に2つのボタンが三角形を形作るように配されており、押し間違えるということがなくなりました。
さらに、振動が、「Xbox 360」では左右のグリップ部分だけだったのが、左右のトリガー部分にも内蔵され、2個から4個となり、より細かな振動が体感できるようになりました。
このインパルストリガーは、あからさまに感じられるというよりも、振動がより自然に感じられるようになった感じです。音が2チャンネルのステレオだったのが、5.1チャンネル以上のサラウンドになったのに似ているのかもしれません。
そういう意味では、プログラム次第では、サラウンドのように、わざとらしい音の出し方=振動のさせ方もやろうと思えばできるわけです。そういうタイトルも、出てくることでしょう。
ちなみに、無線コントローラーの電源を気にする方が少なからずいらっしゃるようなので、この点についてもふれておきます。
私は、100円ショップの「セリア」で買った、ニッケル水素電池充電器「VOLCANO Battery Charger」(2本同時充電)と「充電式ニッケル水素電池VOLCANO NZ」(単3、1.2V、1300mAh)を使っています。
「Xbox One」が単3を2本使うので、ローテーション用も含めて水素電池は4本買っています。充電器の充電時間がフル充電だと13時間かかるので予備は不可欠だからです。
なお、実際は、「Xbox 360」の予備コントローラー用も含めて、3台+予備1台分=8本(消費税増税前840円)、買っています。
正確な時間は計っていないのですが、15時間ぐらいは使えていると思います。ただ、4年近く使っている電池に関しては、さすがに寿命なのか、若干早めに使えなくなります。
また、IKEAの「LADDA充電式電池」(1.2V、1000mAh、4ピース、399円)と、「VINNINGE充電器」(USB式、300円)もこれに加えています。
高容量タイプの「LADDA充電式電池」(1.2V、2450mAh、4ピース、799円)」もラインアップされているのですが、品切れだったのと、セリアの充電池でも問題なく使えているので、1000mAhでも問題ないだろうと考えて1000mAhの方を買いました。
実際の使用時間は、セリアの1300mAhに対して1000mAhと容量が小さい分、新品同士だと少し短い気はします。
【描画・画質】9
「Xbox One」は、当時の愚かな責任者により性能が抑制され、ローンチタイトルの多くが720P、30FPSということで、ライバルである「プレイステーション4」よりもわずかながら劣るものでした。
処理性能を表す単位であるTFLOPS(テラフロップス)は、低い順に、「Xbox One」1.3、「Xbox One S」1.4、「プレイステーション4」1.84、「プレイステーション4Pro」4.2、「Xbox One X」6.0。
このように、「Xbox One」では、「プレイステーション4」より低かったものの、「Xbox One X」では、「Xbox One」と「Xbox One S」の4倍以上、「プレイステーション4Pro」の1.5倍近くになっており、ネイティブ4Kの解像度を描画するのに十分な性能を搭載。
「Xbox One X Enhanced」という、4K ULTRA HDやHDRに対応するなど「Xbox One X」向けに描画・画質を向上させたタイトルも増えてきています。
「ファイナルファンタジーXV」もその1本で、「Xbox One」では遠景が少しぼやけた感じになっていたものが、はっきりくっきり描写されています。
私は、「Xbox One X」に備えて、4K+HDRも実測21.8msの低遅延を誇るサムスン4K液晶テレビ「SAMSUNG 49MU7000」を買っていたのですが、ネイティブ4Kのゲーム機と4K+HDR10の液晶テレビにより、高質な4Kゲーミングを堪能しています。
【サイズ】9
「Xbox」史上最も小さな本体を誇るだけあって、「Xbox One Day One」と並べた写真を見ても、その小ささをうかがい知ることができると思います。実際、他のハードとスペックを比較しても、その小ささが分かります。
Xbox One 幅343mm×奥行き263mm×高さ80mm。
Xbox One S 幅295mm×奥行き23mm×高さ65mm。
Xbox One X 幅30mm×奥行き24mm×高さ60mm。
プレイステーション4 幅275mm×奥行き305mm×高さ53mm。
プレイステーション4スリム 幅265mm×奥行き288mm×高さ39mm。
プレイステーション4Pro 幅295mm×奥行き327mm×高さ55mm。
「プレイステーション4」ファミリーは、幅が狭く高さが低いものの、その分、奥行きが大きくなっており、実際にはそれほど小さいわけでもありません。正面からの見た目で小さい印象を与えるようなデザインにしているのでしょう。
「Xbox One X」は、カステラと揶揄されたACアダプターを「Xbox One S」同様に本体に内蔵しながらも小型化を実現し、「Xbox One S」と同等サイズになっています。
ただ、本体は「Xbox One」ファミリーでは最重量の3.81kgあり、両手で持ってもズッシリとした重さを感じます。
そうなると、発熱や騒音が気になるところですが、高度な液体冷却とスーパーチャージャースタイルの遠心送風機を用いて冷却を確実に行っているそうで、発熱と騒音は気になりません。
発熱は、「Xbox One」では上方排気にしていたところを、「Xbox One X」では後方排気に変更しており、後方の通気を特に良くしておけば、それほど発熱の心配はなさそうです。
騒音は、「Xbox One」が近くに耳を寄せても音が聞こえないほど静かだったのですが、「Xbox One X」も音が聞こえないぐらいで、十分な静音性を保っています。
【拡張性】8
「Xbox One X」では、「Xbox One」にあった入出力端子の大半を引き継いでおり、「Xbox One」にできたことはほとんどできます。
ただし、「Xbox One S」同様にKINECTの接続端子は廃されており、KINECTを接続するためには専用のアダプターが必要になります。「Xbox One S」の上位機種なのですから、端子ぐらいは付けてほしかったところです。
また、ゲームDVRが、「Xbox One」では最大で5分まで録画できたものが、「Xbox One X」では最大2分までに短縮されています。
5分でもものによっては短く感じたのに、2分となると本当にハイライトシーンしか撮ることができません。これは、アップデートで早急に5分に戻してほしいと思います。
音響面では、DTS(5.1)、ドルビー(デジタル5.1、アトモス)、PCM(2.0、5.1、7.1)に対応しています。ドルビーアトモスは、サウンドが頭上を含むあらゆる方向から流れ、驚くほど鮮明かつ豊かで細やかな深みのある臨場感あふれる体験が楽しめます。
もっとも、ドルビーアトモスを堪能するためには、ドルビーアトモス対応のスピーカー、モジュール、または、天井スピーカーを使用することが推奨されており、5.1.2や5.1.4などというスピーカー配置が必要になります。これは、集合住宅では困難なのが残念なところです。
【総評】9
「Xbox One X」は、アメリカでは$499で販売されています。それが日本では、$1=110円台前半の時代に$1=100円で換算され、税抜きながら4万9980円で販売されるという頑張った価格になっています。
もちろん、私が買った「Xbox One X Project Scorpio エディション」も同額で縦置きスタンドが同梱されており、性能面から考えてもバジェットプライスと言わざるを得ません。
4Kという言葉だけが独り歩きしているような時代に、ネイティブ4Kの「Xbox One X」と、4K+HDRも実測21.8msの低遅延を誇るサムスン4K液晶テレビ「SAMSUNG 49MU7000」で、最高の4K体験が味わえるのですから、満足度は最高です。
今後、「Xbox One X」前提で開発されたゲームが次々と発売されることを期待したいものです。
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