「POCKETBIKE RACER」ウォークスルー&レビュー

【GENRE】
レース、アクション

【PUB./DEV.】
KING GAMES/BLITZ GAMES

【RELEASE DATE】
2006/11/19

【OUTLINE】
アメリカのバーガーキングでのみ$3.99で買うことができる、BURGER KING GAMERの3タイトルのうちの1本で、ポケットバイクによるアーケードライクなレースゲームです。
プレイヤーは、40ポンド、14馬力のポケットバイクに乗り、7人のライバルと戦いながら、さまざまなシチュエーションのトラックで、5つのゲームタイプに挑んでいきます。

【GAME MODE】
SINGLE PLAYER
「TOURNAMENT」と「FREE PLAY」を楽しむことができます。
「TOURNAMENT」では、「スタンダードレース」、「バトルロイヤル」、「アルティメットコーントライアル」、「ハードコアレーシング」の4つのイベントそれぞれを、50cc、100cc、150ccのバイクで競います。つまり、全12イベントが用意されているというわけです。
シリーズは、パーキングロット、バックヤード、ザ・キングスガーデン、アンダーコンストラクション、ファンタジーランチ、の5トラックを順に走る全5戦となり、総合ポイントで順位を競います。総合1位になると、そのシリーズの次のクラスのバイクをアンロックすることができます。
最初にキャラクターを選びます。キャラクターは、ザ・キング、ブルーク・バーク、S・チキン、フーパー・ジュニア、ウィンストン、クリスティーナ、バイカー、ジョリー、の8人の中から、好きなキャラクターを選ぶことができ、いつでも変更することができます。
キャラクターは、カスタマイズすることも可能です。ジョリー、ティファニー、アルヴァーロ、バイカー、ブレット、ジョーイ、をベースに、髪の色(帽子、ヘルメット)、トップカラー、パンツカラーを変更して、名前を付けて保存することができます。
次に、バイクを選びます。バイクは、それぞれのクラスで、ランブラー、リトルディッパー、ジッパー、ホワイトライトニング、フロー、ギアヘッド、パドルジャンパー、ブラーの性能(ハンドリング、トップスピード、アクセラレーション)の異なる8種類があり、デフォルトで選べるのはランバーとリトルディッパーだけです。

イベントは、以下の5種類があり、8台で競い、ガジェットとブーストを使うことができます。

スタンダードレース
通常のレースです。

バトルロイヤル
順位やタイムは一切関係なく、攻撃アイテムを使って相手を攻撃します。最初に既定の攻撃回数に到達したプレイヤーの勝ちになります。

アルティメットコーントライアル
最初にコーンの間のゲートを通ると1ポイントとなり、最初に既定のポイント数に到達したプレイヤーの勝ちになります。

アルティメットタイムトライアル
1台だけでタイムトライアルに挑みます。

ハードコアレーシング
「スタンダードレース」と同じですが、ガジェットは一切使うことができません。

トラックは、ザ・キングスガーデン、アンダーコンストラクション、ファンタジーランチ、パーキングロット、バックヤードの5種類があります。

パーキングロット
夜の駐車場です。直角コーナーが4つある平坦なオーバルトラックで、1周20秒強の高速ショートトラックになります。

バックヤードトラック
民家の裏庭や駐車場などを走り抜けるトラックです。バンクやジャンプ台などもあるテクニカルコースで、1周は40秒強になります。

ザ・キングスガーデン
ザ・キングの庭の中を駆け抜けます。ほとんどが直角コーナーやクランクになっており、アップダウンもあります。1周は50秒強になります。

アンダーコンストラクション
建設中のビルの骨組みの中を走り抜けます。足場から足場へと飛び移ったり、重機の横を通り抜けたり、下に落ちないようにしたり、フェンスの間をクルクルと走ったり、とトリッキーなレイアウトです。場所によってルートも複数あってややこしく、1周1分10秒以上かかる最長トラックです。

ファンタジーランチ
ファンタジックな農場の渡り廊下状のトラック内を走ります。巨大なハンバーガーやトマトなどがあるファンタジックなトラックで、緩やかなコーナーしかありませんが、渡り廊下状になっているため、下に落ちると落ちた地点からやり直しになります。1周は45秒以上になります。

ガジェットは、ザ・シールド、ストレートファイヤーボトルロケット、ファイヤークラッカーズ、ホーミングボトルロケット、フラッシュボム、ディスラプター、があり、コーンの間を通過すれば取ることができます。
コーンの間のカラーは、ブルー、イエロー、レッド、グリーン、ホワイト、があり、後ろにいくほどブーストがたくさん溜まり、ホワイトの場合にはバーの半分まで溜めることができます。バーは、ガジェットにもブーストにも使うことが可能です。

XBOX LIVE
「アルティメットタイムトライアル」を除いたイベントを、最大8人までで楽しむことができます。

MULTIPLAYER
「アルティメットタイムトライアル」を除いたイベントを、最大4人までで楽しむことができます。

【ACHIEVEMENT】
STANDARD GOLD(10): 「スタンダードレース」で1位になります。
BATTLE ROYAL GOLD(10): 「バトルロイヤル」で1位になります。
CONE TRIAL GOLD(10): 「アルティメットコーントライアル」で1位になります。
HARD CORE GOLD(10): 「ハードコアレーシング」で1位になります。
TIME TRIAL GOLD(10): 「アルティメットタイムトライアル」のすべてのトラックで1分30秒を切ります。
CAREER KING(30): すべてのトーナメントをクリアします。
BIG AIR(10): 50m以上ジャンプします。
BIG WHEELIE(15): 2秒以上ウィリーします。
BIG STOPPIE(20): 0.5秒以上、静止します。
MASCOT JR.(30): バーガーキングのキャラクターすべてでレースに勝ちます。
MULTIPLAYER KING(20): 「XBOX LIVE」で1勝します。
PRO-GAMER(25): 「XBOX LIVE」で25勝以上します。

OVERALL(200): 実績が取りやすいタイトルで、オフラインの実績は少しやり込めばコンプリートできます。「CAREER KING」も、12イベントすべてで勝つ必要はなく、50cc、100ccのイベントを勝って150ccのイベントをアンロックしていれば、150ccは順位に関係なくイベントを終えればOKです。
マルチプレイヤー関連の実績も、オンラインプレイし続ければ、いずれは取れます。本作を手にしたら、絶対に200Gは狙うべきです。

【GRAPHICS】7
本作は、バーガーキングでわずか$3.99で販売されているタイトルですが、グラフィックを見ると、とてもそんな価格で売られているタイトルとは思えないほどしっかりとしたグラフィックを見せています。
本作は、「Xbox 360」でも「Xbox」でもプレイできるという「Xbox」限定マルチプラットフォームタイトルですが、「Xbox 360」のレギュラープライスのタイトルと比較しても、大きく見劣りするわけではありません。
本作のトラックは、全部で5つしかなく、そのほとんどは箱庭と呼べるほどのスケールしかありません。「Xbox 360」のレギュラープライスのレースゲームと比べると、トラック数も、その規模も、大きな差があります。
しかしながら、本作に登場する車種がポケットバイクとあって、そのスピードを考えると、これぐらいの大きさが適しているとも思えます。うがった見方をすれば、コスト面にも配慮してスピードの遅いポケットバイクを選んだとも言えるでしょうか。
さて、そんな本作のトラックですが、ガジェットも使えるアーケード寄りのレースゲームらしく、パーキングロット、バックヤード、ザ・キングスガーデン、アンダーコンストラクション、ファンタジーランチとバラエティに富んでいます。
夜の駐車場、民家の裏庭や駐車場、ザ・キングの庭の中、建設中のビルの骨組みの中、ファンタジックな農場の渡り廊下状のトラック内、の5トラックは、それぞれが建物やオブジェクトやトラックまでしっかりと描かれており、その変化が見る者の目を楽しませてくれます。
キャラクターやバイクのモデリングやアニメーションも、本格的なバイクレースゲームと比べても、それほど落差を感じることもありません。パイロンの視認性も高く、ガジェットを使った際の効果も派手すぎず地味すぎずレースゲームとしては節度が守られたものになっており、好感が持てます。

【SOUND】7
ドルビーデジタルです。本作は、アーケード寄りなレースゲームだけに、エンジンサウンドの車種ごとの違いなどにそれほどこだわるわけでもなく、キャラクターボイスもあまり必要性は感じません。
アーケード寄りのレースゲームとして、最低限のエンジンサウンドとガジェットを使った際の効果音がそれなりに出ていれば十分と言えます。そうした意味では、合格ラインはクリアしていると思います。

【CONTROL】8
本作は、アーケード寄りのレースゲームだけに、普通に走る分にはそれほど難しい操作を必要とはしません。
ただ、速いAIのバイクとの性能差は存在するため、勝とうと思えば、それなりのコーナリングとパイロンを通過する技術は要求されますし、パワースライドの使い方とブーストやガジェットの使いどころは指と頭をフル回転させる必要があります。
コーナリングは、こねるような曲がり方をしては遅く、コーナーのRに応じてジワッと曲がらなければなりません。パイロンの通過の仕方は、何度もトラックを走り込んでパイロンの位置を覚えておき、あらかじめロスなくパイロンを通過するライン取りをしておくことが肝要です。
このあたりは、リアル系のレースゲームのテクニックがあった方が有利でしょうし、本作にもそれぐらいの奥の深さはあるということです。
パワースライドは、コーナリング中にAボタンを押すことでクイックなコーナリングを可能にするもので、それなりの難しさがあり、コツをつかまないとうまく行うことができません。
ただ、高等テクニックというわけではないので、少しやり込めば誰もがマスターすることはできるでしょう。とはいえ、パワースライドを使わない方が速く曲がれる場合もあり、どこで使うかはその人の走り方次第と言えます。
ブーストとガジェットは、本作を有利に進める上で欠かせないもので、使うこと自体はBボタンを押すだけなので誰でも繰り出すことができます。
問題はいつ使うかで、ガジェットの場合は特に、バーの貯まり具合によって使えるガジェットが異なってくるため、わざとパイロンを通過しないといった作戦を練らなければならないケースも出てきます。そのため、レースをしながら、それも頭に入れておく必要があるというわけです。

【GAME PLAY】8
本作は、バーガーキングが突如としてアメリカのバーガーキング店舗のみで発売したKING GAMESのうちの1本であり、レースゲームでありながらもポケットバイクを題材として扱ったという着眼点の面白さがあります。
発売当初は、アメリカのバーガーキング店舗でしか買えないという希少性と、わずか$3.99で買えるパッケージソフトという意外性から、良くも悪くも注目を集めた1本です。
買いたくても買えない人が少なくない上に、リージョンプロテクトが施されていたこともあり、余計にカルトゲーム的な位置を獲得してもいました。
しかしながら、本作は、そんな話題性や位置づけとは裏腹に、レギュラープライスのレースゲームにも大きく見劣りしないグラフィック、サウンド、操作性を兼ね備えた上で、お手軽にオンラインで楽しめるレースゲームという側面をも持ち合わせていました。
実際のところ、普通のレースゲームとして十分に楽しめるばかりでなく、ブーストやガジェットの存在によりアーケードライクなレースゲームとして楽しむこともできます。
しかも、本作のトラックは、パーキングロット、バックヤード、ザ・キングスガーデン、アンダーコンストラクション、ファンタジーランチのわずか5種類しかないにも関わらず、そのいずれもが見ていて走っていて楽しいと感じられるものなのが素晴らしいところなのです。

パーキングロットは、いきなり夜の駐車場のオーバルトラックですが、足慣らしには十分ですし、単調なレイアウトを夜という特異性が補っています。
バックヤードは、民家の裏庭や駐車場ですが、何軒もの民家の裏庭やプール、駐車場などを走り抜ける爽快感と、思わぬところでジャンプしてショートカットできるという発見の喜びがあります。
ザ・キングスガーデンは、ザ・キングの庭の中ですが、ちょっとした庭園の噴水や彫刻の脇などを通り抜けていくのは、バックヤードとの対比といった面でも興味深いものがあります。
アンダーコンストラクションは、建設中のビルの骨組みの中をまさに走り抜けるのですが、全トラック中最長とあって、上下左右にアップダウンしたり、フェンスの間をクネクネとすり抜けたり、そのめまぐるしさには、思わずゲーム酔いさせられるほどです。
ファンタジーランチは、ファンタジックな農場の渡り廊下状のトラック内を走り抜けるもので、ある意味では、唯一のサーキットとも言えます。色合いがザ・キングスガーデンと似通っているのが少し残念なところですが、巨大なハンバーガーやトマトなどもあって文字通りファンタジックな気分に浸らせてくれます。
色合いに関しては、こちらが本家と言えるもので、ザ・キングスガーデンを緑基調にしておけば、もっと個々の違いを強調できたかもしれません。

オンラインという意味では、KING GAMESの中でも、「SNEAK KING」にはオンライン要素がないものの、本作が最も楽しめる作品です。
やはり、本作が、アーケード寄りのレースゲームで、普通に走る分にはそれほど難しい操作を必要としないという点と、勝ち負けにはあまりこだわらなくても楽しめるという点が大きいのではないでしょうか。
もちろん、ブーストやガジェットの要素もありますが、これらを躍起になって使わずとも、オンラインでは十分に楽しむことができます。$3.99というプライスを考えると、最もコストパフォーマンスの高いレースゲームだと言っても過言ではないことでしょう。

【LONGEVITY】7
本作は、$3.99のタイトルとしては、まずまずのボリュームを持っています。12イベントすべてをクリアするためには、50cc、100ccでシリーズ2位になることは許されないため、早くても10時間以上はかかることでしょう。
オフラインの実績をすべて解除しようと思えば、15時間ぐらいは必要になると思います。オンラインも、それなりに楽しめるので、$3.99のタイトルとしては十分なライフを持っています。

【OVERALL】7
本作は、アメリカのバーガーキングでのみ買うことができるわずか$3.99のタイトルではありますが、レギュラープライスのタイトルにも大きく見劣りしないグラフィック、サウンド、操作性を兼ね備えた上で、お手軽にオンラインで楽しめるレースゲームという側面をも持ち合わせています。
実際のところ、普通のレースゲームとして十分に楽しめるばかりでなく、ブーストやガジェットの存在によりアーケードライクなレースゲームとして楽しむこともできます。
アメリカでは通信販売も始まっていますが、このレビューを書いている時点では、アメリカ国内にしか発送されません。リージョンプロテクトもなされており、北米版の「Xbox 360」か「Xbox」を持っていないとプレイすることもできません。そうした意味では、かなり敷居の高いタイトルであると言えます。
本作は、手軽に楽しめるタイトルなので、運良く本作を手にすることができたなら、ぜひとも最後までプレイしてほしいと思います。途中で放り出していた人も、実績200をめざして楽しんでみてはいかがでしょうか。

(C) 2007 Burger King Corporation. All rights reserved.

コメント

タイトルとURLをコピーしました