ジャパン・ルマン・チャレンジの練習走行(2007.6.1富士)

2007年6月3日に決勝が行われる2007全日本スポーツカー耐久選手権シリーズ第2戦「FUJI 1000Kmレース、JAPAN LE MANS CHALLENGE in Fuji Speedway」の公式練習走行を見るために、6月1日に富士スピードウェイに行ってきました。
「ジャパン・ルマン・チャレンジ」といっても、何のことかよくご存知のない方のために説明しておくと、世界3大レースのひとつである「ル・マン24時間レース」を頂点とするスポーツプロトタイプカーとGTカーによるシリーズのことです。
アメリカとヨーロッパでは既に「ル・マン・シリーズ」が開催されているのですが、日本でも2006年にシリーズが始まり、今年で2年目を迎えます。

モータースポーツには、みなさんもご存知のように、F1を頂点とするフォーミュラカーとGTマシンを頂点とするツーリングカーがありますが、実は3本柱のひとつとして、本格的なレーシングカーであるスポーツプロトタイプカーが存在します。
日本でも、1990年前後には、フォーミュラカーのF3000、ツーリングカーのグループAと並んで、スポーツプロトタイプカーのグループCが高い人気を誇っていました。
トヨタ、日産、マツダが「ル・マン24時間レース」優勝を永遠の課題として、プライベーターのポルシェに挑み続けていたのです。
そんなスポーツプロトタイプカーの歴史も、FIAの陰謀によって栄華に終わりを告げてしまいますが、スポーツプロトタイプカー好きの人々の心まで踏みにじることはできませんでした。

すぐに「ル・マン24時間レース」にスポーツプロトタイプカーが復活し、アメリカとヨーロッパでそこへと繋がるシリーズが産声を上げたのです。そして、日本でも2006年、「ジャパン・ルマン・チャレンジ」がスタートすることになります。
トヨタ、日産、ホンダ、マツダといった大メーカーが参入しないため、参加台数こそ10台前後と振るいませんが、今年は昨年のスポーツランド菅生、ツインリンクもてぎ、岡山国際サーキットに加えて富士スピードウェイもシリーズ開催サーキットに名前を連ね、名実ともに日本3大シリーズの仲間入りを果たそうかというところまでこぎつけてきました。
さて、そんな「ジャパン・ルマン・チャレンジ」ですが、公式練習走行は以下のような結果になっています。

優勝を争うLMP1クラスのクラージュとザイテックが拮抗したタイムをマークしており、クラス違いながら好敵手となっているGC-21とフェラーリ550GTSも3、4番手のタイムをマークしています。
また、クラージュがマークした1分32秒678は、SUPER GTのGT500クラスのトップタイム(1分33秒066)よりも少し速いタイムとなっており、興味深い結果となっています。
しかも、LMGT1のフェラーリ550GTSのタイム1分40秒053は、同じくスーパーGTのGT300のトップタイム(1分42秒112)よりも2秒速いタイムとなっています。
3月28日の富士のSUPER GTのテストでは、アクティオ ムルシェRG-1がル・マン仕様で臨み、やはり、1分39秒657をマークしています。この結果からも、国内のGTカーが世界の水準と比べていかに突出したものであるかが分かります。

1 16 LMP1 無限COURAGE LC70 1.32.678
2 22 LMP1 ダンロップ Zytek05S 1.33.423
3 18 LMP2 AIM SPORTS GC-21 1.39.679
4 21 LMGT1 ダンロップフェラーリ550GTS 1.40.053
5 27 LMGT2 KRH F430GT 1.42.551
6 16 LMP2 KK-LM MAX MYST DAVAN 1.44.412
7 20 LMGT2 ダンロップ PORSCHE 997 1.44.676
8 910 LMGT2 910 WAKO’S PORSCHE 1.47.323
9 7 LMGT1 SCUDERIA FORME GT3-R 1.52.117
– 4 ZIPSPEED CORVETTE タイムなし

私も、幻のクラージュとザイテックが走るところを生で見てみたいという2年越しの夢がかないましたし、両者の走りは見ていても惚れ惚れとするほどでした。
また、両車が精力的に走り込めるほど信頼性を増したのも嬉しいところで、開幕戦に引き続いて両車完走はもちろんのこと、白熱したデッドヒートを期待したいところです。
全日本スポーツカー耐久選手権は、「ル・マン24時間レース」を制したチーム郷がアウディR8での参戦を見合わせるなど、なかなかエントラントが増えない現状ではありますが、スポーツプロトタイプカーこそ至高のモータースポーツと考えている身としては、今後の発展を願いたいものです。

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