「BEASTS OF MARAVILLA ISLAND」(マラビラ島の動物たち)は、野生動物写真家であるマリナ・モンテズとなり、マラビラ島に生息する動植物を写真に撮りながら観察する3Dアドベンチャーゲームで、日本語対応です。
祖父のカメラと日記を頼りにしながら、パズルを解いたり動植物の手を借りたりしながらマラビラ島を探検し、島に隠された数多くの動植物や謎を探し出していきます。
本作は、2021年7月9日にリリースされていますが、2022年7月にXboxの「Games with Gold」の対象作品になっており、「Xbox Live Gold」か「Xbox Game Pass Ultimate」に入っていれば無料でプレイすることができます。
本作を開発するBanana Bird Studiosは、2019年にカリフォルニア州ロサンジェルスで設立されたインディーゲームスタジオで、本作が最初のゲームになります。
同社のミシェル・オルソンは、「ポケモンスナップ」、「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」とその「ハイラル図鑑」がゲーム制作のモチベーションになったと言い、「ABZÛ」もチーム全員がプレイすることを求められたそうです。
ゲームは、マリナ・モンテズが船に送られてマラビラ島にやってくるところから始まります。次に船が迎えに来るまでは、彼女1人で祖父のカメラと日記を手にこの島を冒険することになるのです。
マラビラ島は自然に恵まれた極彩色の美しい島で、砂浜から一歩ジャングルに踏み込むと、大自然に育まれた動植物がプレイヤーを迎え入れてくれます。
グラフィック的には4K Ultra HDに対応しているのですが、リアルというよりも少し霞がかった幻想的でアニメチックな描写になっており、息を呑むような美しさというわけではありません。
それでも、少し誇張された色彩や映像表現がどこか懐かしさを感じさせるものがあり、ここが危険な島ではないという安心感もプレイヤーに与えてくれます。
この島で、どのように冒険し、どのように動植物の写真を撮るかはプレイヤー次第であり、楽園を探索するかのようなワクワクした気持ちが得られるのです。
どのようなアングルで動植物の写真を撮るかはプレイヤーの自由であり、ある程度1本道ではあるものの移動ルートもプレイヤーの自由であり、どのように動物たちと触れ合うかもプレイヤーの自由です。
ゲームには、大きく分けて3つのエリアが存在し、「歌うジャングル」、「煌めく川」、「色鮮やかな高原」を順に移動していきます。それぞれのエリアでパズルを解かないと、次のエリアには進めないというわけです。
プレイヤーは、ゲームスタート時に祖父のカメラと日記を手にしているわけですが、日記にはゲーム攻略のヒントが書かれており、スペシャルフォトのチェックリストもあります。
ゲーム攻略のヒントが書かれた日記を持っているあたりは「MYST」のようでもありますが、最初からすべてのヒントが見られる分、「MYST」ほどの難解さはありません。
本作のパズルは、ひたすら動植物の写真を撮るだけのゲームには終わらせず、それにスパイスを添えたようなものだと考えておけばいいでしょう。
また、日記にはスペシャルフォトのチェックリストがあり、そのエリアでどの写真を何枚獲ればいいかが分かるようになっています。
写真は、フォトアルバムでも見ることができ、それぞれの動植物がページごとに分けられ、写真を貼るスペースが最初から用意され、その動植物の名前も記されています。このあたりも親切設計です。
さらに、動植物にカメラを向けた際、それがまだ撮影していない動植物だった場合には「New」と表示されます。それぞれの動植物の写真は10枚まで撮ることができ、残り枚数も表示され、ベストショットと入れ替えたり削除したりすることも可能です。
動植物とは、単に写真を撮るだけでなく、光る花に向けてシャッターを切ることで植物が急成長して上に上がれたり、動物たちとより深くコミュニケーションを計ったりすることもできます。
ニジカンケツァールモンキーは、口笛を吹いてのコミュニケーションが可能で、それにより、しっぽの絡め合い、滑空、歌唱、求愛ダンス、の写真が撮れるようになります。
ちなみに、歌唱は、ニジカンケツァールモンキーの歌唱法をコピーすることでより多くのニジカンケツァールモンキーに歌唱させることができ、それが実績解除にもつながります。
恋に悩むサルの相談に乗る際には、大きなカタツムリを使って光を屈折させるのですが、それを行うことで先に進めるようになります。
マラビラウロコカワウソは、カモフラージュしている写真を撮ったり、花に水かけをさせることで先に進めるようになります。フリスビーのようなものを20回投げて遊んであげることでも実績解除できます。
島の精霊である鹿の写真を各エリアで撮ることも重要で、この写真を各エリアごとに4枚獲ることで実績を解除できます。
このように、動物たちの手も借りてゲームを進めるわけですが、本作はオートセーブ制が採用されているとともに、マニュアルセーブも行えるため、ポイントポイントでマニュアルセーブするのがお勧めです。
取り損ねた写真や取り損ねた実績は、メニュー画面でチャプター選択すれば任意のエリアに行って再チャレンジすることができます。ただし、日記やアルバムは埋まっているものの、先に進むためには同じことを繰り返して行わなければならないため注意が必要です。
このように本作は、4K Ultra HDで描かれた自然に彩られた極彩色の美しい島を探索しながら、動植物の写真を撮り、動物たちとコミュニケーションを図る3Dアドベンチャーゲームです。
そこには、戦闘もなければゲームオーバーもなく、数時間の清涼空間に浸っていられるのです。
私も、6.38時間で実績をコンプリートすることができ(このレビューを書くために起動したので今では少しだけ延びていますが)、極彩色の美しい島を探索し、動植物の写真を撮り、動物たちとコミュニケーションを図るという楽しい時間を過ごすことができました。
手軽にプレイし、いつでも中断できるゲームでもあり、みなさんもダウンロードして楽しんでみてはいかがでしょうか。
(C) 2021 by Banana Bird Studios, LLC
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