「BLiNX 2: BATTLE OF TIME & SPACE」レビュー

【GENRE】
3Dアクション/キャラクター/タイムコントロール

【PUB./DEV.】
マイクロソフト/アートゥーン

【RELEASE DATE】
2004/11/18

【OUTLINE】
「ブリンクス・ザ・タイムスイーパー」の続編で、ブリンクス率いるタイムスイーパーだけでなく、敵のタムタム団もプレイすることができるようになっています。
プレイヤーは、世界の時間を司るタイムファクトリー(時間工場)に突如発生した危機に立ち向かうタイムスイーパー(ネコ)として、タイムコントロール(時間操作)を駆使しながら、さまざまな難関に立ち向かっていきます。
更に、ストーリーが展開すると、今度はタイムスイーパーの宿敵、時間ドロボーのタムタム団(ブタ)としての各種のステルス(潜入)ミッションも登場します。
タムタム団の特殊能力であるスペースコントロール(空間操作)を使いながら、目的の「お宝」をめざすことになります。
更に、キャラクターを自分好みにカスタマイズしたり、2人での協力プレイと4人までの対戦プレイで楽しむこともできます。

【GAME MODE】
ストーリーモード
本作の「ストーリーモード」には、「1Pモード」と「2Pモード」があります。「1Pモード」は、プレイヤーがストーリーを追って自分ひとりでミッションを進めていくモードです。
キャラクターを作成し、操作方法を覚えるためのチュートリアルを終えたら、複数のミッションからなる最初のラウンドをクリアします。
各ラウンドの最後のミッションは、ボス戦かチームバトルになります。その後、今度はタムタム団のキャラクターを作成し、逆の立場でミッションを遂行します。
更に、新たなラウンドに挑戦するためのランク試験(CHALLENGE)があります。チャレンジは、チュートリアルのようなもので、楽しみながら時間操作や空間操作がマスターできるというものです。
「2Pモード」は、2人のプレイヤーが協力し合いながらミッションを進めていくモードです。
「ノービスモード」と「スペシャリストモード」があり、前者はプレイヤーそれぞれが「1Pモード」のように自由にプレイしますが、後者はプレイヤーそれぞれが任務を分担します。
例えば、1Pが攻撃を担当し、2Pが時間操作をしている間に、敵を追いかける役目に専念するといった具合です。
本作のセーブはラウンドごとにオートで行われますが、ラウンドの途中で死んでしまった場合には、ストックしてある「リトライハート」でリトライするか、途中に設けられているチェックポイントからゲームを再開することができます。
ただし、それぞれのラウンドをクリアした時点で初めてオートセーブされるため、ミッションをクリアするだけでなくラウンドをクリアしないでやめてしまうと、またラウンドの最初からプレイすることになります。

ゲームは、まず、キャラクターを作成することから始まります。4人のキャラクター候補が画面に表示されるので、その中から自分に近いものを選びます。
この4人は、シャッフルするごとにどんどん入れ替わっていくため、より自分のイメージに近いキャラクターを選ぶことができます。それが済んだら、キャラクターの詳細を以下の手順で決めていきます。
服装は、ジャケットはパターンとカラー(メインとサブ)がそれぞれ20種類、パンツ・ブーツ・ゴーグル・グローブ・メタルはカラーがそれぞれ20種類あります。
容姿は、毛並み(6パターン)、毛色(12パターン)、目の色(11パターン)、耳の長さ、頭の大きさ、エリの大きさ、肩幅、胴の長さ、腕の太さ、胸の大きさ、腰の大きさ、尻の大きさ、しっぽの付け根の太さ、しっぽの先の太さ、足の長さ、太ももの太さ、ふくらはぎの太さ、かかとの大きさ(各101段階)から選べます。
最後に、キャラクター名、チームエンブレム(11種類、11色、腕輪6色)、チームフラッグ(パターンとカラー(メインとサブ)20種類)、チーム名を決めたら、チームの完成です。

また、タムタム団でプレイできるようになったら、タムタム団もキャラクターメイキングすることができます。
特徴としては、タムタム団の方がジャケットのパターンが派手で、パターンによってはカラーに制約があるということです。
やることはタイムスイーパーと同じで、4人のキャラクター候補が画面に表示されるので、その中から自分に近いものを選びます。
この4人は、シャッフルするごとにどんどん入れ替わっていくため、より自分のイメージに近いキャラクターを選ぶことができます。それが済んだら、キャラクターの詳細を以下の手順で決めていきます。
服装は、ジャケットはパターンが11種類でカラー(メインとサブ)がそれぞれ20種類、パンツはパターンが5種類でカラーが2種類から20種類、ブーツ・メガネ・グローブはカラーが20種類、帽子はパターンが4種類でカラー(メインとサブ)が20種類、あります。
容姿は、顔タイプ(9パターン)、肌の色(5パターン)、ヒゲ(2パターン)、ヒゲの色(5パターン)、耳の長さ(101段階)、頭の大きさ(101段階)、三つ編み(51段階)、肩幅(101段階)、胴の長さ(101段階)、腕の太さ(101段階)、左腕の刺青(14パターン)、右腕の刺青(14パターン)、胸の大きさ(101段階)、腰の大きさ(101段階)、尻の大きさ(101段階)、足の長さ(101段階)、太ももの太さ(101段階)、ふくらはぎの太さ(101段階)、かかとの大きさ(101段階)から選べます。
最後に、キャラクター名、チームエンブレム(11種類、11色、バンダナ6色)、チームフラッグ(パターンとカラー(メインとサブ)20種類)、チーム名を決めたら、チームの完成です。

チュートリアルは、以下のような構成になっています。
タイムスイーパーは、1. カメラ操作、移動とジャンプ。2. クリフハンガーの操作。3. ガラクタを吸い込むこと。エネミーにロックオンしてガラクタを発射すること。4. 格闘の操作。コインとばくだんを吸い込むこと。レーダーを使って敵を見つけること。5. リトライのハートを集めること。リトライを使うこと。6. タイムモンスターから時の結晶を集めること。時間操作を使うこと。7. スローのリアクティブの使い方。一時停止のリアクティブの使い方。
タムタム団は、1. ホフクで、レーザーをかわしてゴールを目指そう! 2. コインを取ってゴールしよう! 3. デコイでスイーパーを引き付け、コインを取ってゴールしよう! 4. バナナを投げて、スイーパーを転ばそう!

本作では、タイムスイーパーはタイムファクトリーを起点に、タムタム団はタムタム本部を起点に、ラウンドに出陣していきます。
タイムファクトリーには、ロッカールーム、ショップ、シアター、タムタム本部には、それに加えてガレージがあります。それぞれの機能は、以下のようになっています。
ロッカールームでは、キャラクターを選んで、ステータス表示、装備選択、ユニフォーム/体型/アクセサリ、名前変更、チーム名変更、旗変更、エンブレム変更を行えます。メンバーメニューを選んで、メンバーの変更も行えます。
チームバトルでは、リーダーが倒されても最後の1人まで戦えるため、お金に余裕があれば、チームメンバーをより強力にしておけばチームバトルを有利に進められます。
ショップでは、買う、売る、アニキ(オヤジ)と話す、が行えます。買うでは、武器、アイテム、パワーアップ、ユニフォーム、タムタム団のみ戦車パーツ、が購入できます。売るでは、手持ちの武器やアイテムの売却が行えます。
本作では、前作のように新規に武器を購入しても没収されないようになったということです。
アニキ(オヤジ)と話すでは、新商品を見る、メンバーを紹介、ネコメダル(ブタメダル)の獲得、ランク試験、アニキ(オヤジ)に挑戦、勲章を交換する、が行えます。
アニキ(オヤジ)に挑戦で条件をクリアすると、さまざまな特典が得られます。
シアターでは、獲得したすべてのネコメダル(ブタメダル)を確認できます。また、獲得したメダルのムービーが見られます。
ガレージでは、戦車を選択し、ボディ(車体、エンジン、機銃など)、足回り(キャタピラ、タイヤ)、ヘッド(主砲、砲塔)、装飾(色、エンブレム)の変更が行えます。

「ブリンクス」でおなじみの時間操作ですが、タイムスイーパーにはタイムコントロール(時間操作)、タムタム団にはスペースコントロール(空間操作)があります。
タイムスイーパーの時間操作は、前作とほぼ同様で、それに「時間操作のコンボ」と「リアクティブ」が加わります。
「リアクティブ」以外は時の結晶を集めることで使えるようになりますが、本作では前作と違い、集める順番と関係なく集めたものすべてが有効になります。
それぞれの時間操作の最大ストック数は、ショップで増やすことができます。なお、「リアクティブ」だけは、強制イベントになります。それぞれの効果は、以下の通りです。

巻き戻し
自分以外のすべての時間の流れが後戻りします。崩れた橋や足場を渡る時などに使います。

早送り
自分の時間の流れが早送りされ、移動やアクションが速くなります。通常は飛び移れない場所に飛び移る時などに使います。

一時停止
自分以外のすべてが一時的に停止します。最も重宝する時間操作で、多様な場面に対応できます。

録画
自分の動きを数秒間記録して再生します。再生している間、自分は別の動作を行うことができます。同時に動かす必要がある仕掛けなどに用います。

スロー
自分以外のすべての時間の流れが遅くなります。本作でも、前作同様、あまり使いませんが、巻き戻し、一時停止の代用品として役に立つことがあります。

時間操作のコンボ
2種類の時間操作を同時に発動できます。もっとも、使わざるを得ない場面はそれほどありません。

リアクティブ
ゲーム内で数回現れる強制イベントで、多くは「一時停止」か「スロー」のいずれかを選択して窮地から脱出します。

タムタム団の空間操作は、本作から新たに加わったものです。マップ上に落ちている空間操作を拾うことで使えるようになります。それぞれの効果は、以下の通りです。

タイムグレネード
スイーパーたちの動きを止めることができ、その間にスイーパーを攻撃したり、逃げたりすることができます。使用頻度の高い空間操作です。

スペースバブル
敵を閉じ込める球体の空間を作り出します。用途はタイムグレネードどほぼ同じで、使用頻度の高い空間操作です。タイムグレネードとの併用は、最強の攻撃手段になります。

デコイ
タムタム団のブタの姿をしたロボットが、トコトコと歩いていきます。スイーパーは、このロボットをタムタム団だと思い込むため、その間に逃げることができます。

ワープトンネル離れた場所へとテレポートするワープトンネルを開きます。自分が行きたい場所に投げます。

クァンタムスネア
次元の割れ目からタムタム団が飛び出して、ガードスイーパーの足をつかんで動けなくします。ほとんど使いません。

バナナ
バナナを踏んづけたガードスイーパーが足を滑らせて気絶します。序盤に使う空間操作です。

ボイドトラップ
ガードスイーパーの行く手に投げると、落とし穴に落ちて姿を消します。ほとんど使いません。

ハイパークローク
頭からすっぽりとかぶると、タイムスイーパーに見つかることなく動き回れます。時間制限はありませんが、あまり速く動き回ると感づかれます。とても重宝する空間操作です。

全13ラウンドと全9チャレンジの構成は、以下のようになっています。

ROUND 1: タイムスイーパー
MISSION 1: バリケードを取り除き、ルートを切り開くんだ! ばくだん3個をバリケードにぶち当てろ! またはバリケードのカギを奪え!
MISSION 2: バッテリーを入手してワイス島へ向かえ! ケロフィッシュからバッテリー2本を取り返せ! またはタムタム団の小型バッテリー4本を奪え!
MISSION 3: そのモンスター(ストーンガーディアン)を倒しビッグクリスタルを回収せよ!


ROUND 1: タムタム団-タムタムレーダーのパーツを手に入れ!
MISSION 1: 建物の構造図を入手せよ。
MISSION 2: 警備をかいくぐり中央ブロックに潜入せよ!
MISSION 3: 正面ゲートを外部から開くことは不可能。中央Bブロック南側面の抜け穴を利用して侵入せよ。
MISSION 4: 中央ブロックに侵入し、パーツを見つけ出せ。
MISSION 5: スイーパーチームを倒してビッグクリスタルを奪え!


CHALLENGE: タイムスイーパー
1. スローの時の結晶を3つ集めよう!
2. 早送りの時の結晶を3つ集めよう!


ROUND 2: タイムスイーパー
MISSION 1: 運命の広場に続く扉を全て開けろ! 隠されたスイッチを7個以上押せ、ただしワナに気をつけろ。またはガーディアン像を10体以上壊せ!
MISSION 2: 古代ワープゲートを開け! ケロフィッシュから時のカギを4つ取り返せ! または一番高い場所に行け!
MISSION 3: そのモンスター(ジャイアント・マンドレイク)を倒しビッグクリスタルを回収せよ!


CHALLENGE: タムタム団
1. ハイパークロークの使い方(スイーパーに見つからないようにゴールしよう!)
2. ボイドトラップの訓練
3. オタカラを1つに集めよう!


ROUND 2: タムタム団-伝説のオタカラ「時間中和装置」を盗み出せ!
MISSION 1: オモリとなるオタカラを探し出し、ハカリにのせろ!
MISSION 2: 謎を解き大ネコ神殿の中から、時間中和装置を手に入れろ!
MISSION 3: 時間中和装置を持って、遺跡から脱出せよ!
MISSION 4: 時間中和装置を使ってブリンクス(スイーパー)チームを倒せ!


CHALLENGE: タムタム団
1. 登り棒を昇って的に着地しよう!
2. 網を伝って、レーザーに触れないように、向こう岸へ行こう!


ROUND 3: タムタム団-船の墓場に行き、海賊たちが集めたという強力な武器「戦車」を探し出せ!
MISSION 1: 戦車を探し出し、戦車を覆う氷を取り除け!
MISSION 2: 「キャタピラパーツ」を2つ見つけて、戦車に組み込め!
MISSION 3: パーツを戦車に組み込み完成させろ!


CHALLENGE: タムタム団
1. 戦車の上でAを押そう! チェックポイントを通過しよう! 風船を全部割ろう! Aで戦車から降りよう!

MISSION 4: 戦車を操縦してボス(タンドラゴン)を倒せ!

CHALLENGE: タイムスイーパー
1. ロープを吸って昇り、コインを全部集めよう! 2. 一時停止の時の結晶を3つ集めよう! 3. 録画の時の結晶を3つ集めよう!

ROUND 3: タイムスイーパー
MISSION 1: 至急、ミックを救助してくれ! 抜け穴を探せ! または、扉のカギを探せ! 隊員を救助せよ!
MISSION 2: 水没する前に水路へ向かえ! 制限時間内にタムタム団を追いかけろ! または、時限ばくだん6箇所を見つけて解除しろ!
MISSION 3: タムタム団を倒せ!


CHALLENGE: タイムスイーパー
1. 一時停止と早送りの時の結晶を集めよう! 時間操作コンボを使ってばくだんが爆発する前に吸い込もう!

ROUND 4: タイムスイーパー
MISSION 1: 橋をつなげるための動力を回復せよ! タイムバリアモンスターを4匹以上倒せ! または、タイムスフィアを6つ全て解除せよ! 橋を渡れ!
MISSION 2: 島の動力を回復させ、格納庫の扉を開けろ! 5つの歯車をかみ合わせろ! または、タイムバリアモンスターを6匹以上倒せ!
MISSION 3: 巨大ベニート(ベニート・ザ・グレート)を倒し、ビッグクリスタルを回収せよ!


CHALLENGE: タムタム団
1. バズーカで全部の的を破壊しよう!

ROUND 4: タムタム団-天空島に行き、謎の敵を探れ!
MISSION 1: 風車の起す風を止めろ!
MISSION 2: 天空城のオタカラ(飛晶石)をいただけ!
MISSION 3: オタカラを持ってタムタムバイクで脱出せよ!
MISSION 4: 敵を倒し、武器「レーザーガン」を奪いとれ!

ROUND EX.: タイムスイーパー-スイーパー5人を助け出せ!

RUOND EX.: タムタム団-タイムファクトリーからビッグクリスタルを盗み出せ!


CHALLENGE: タムタム団

1. スナイパーライフルで風船を割ろう!

ROUND 5: タムタム団-タイムスイーパーよりも早くビッグクリスタルの場所を見つけ出せ!
MISSION 1: タンクを排除して道を開き、レーダーを妨害する原因を見つけろ!
MISSION 2: バルブを5ヵ所開け、オイルタンクで満タンにせよ!
MISSION 3: 3分後にベニート艦より点火する! 爆発に巻き込まれないよう、脱出せよ!
MISSION 4: モンスター(シャドークロー)を倒し、ビッグクリスタルを奪え!

ROUND 5: タイムスイーパー
MISSION 1: 燃え盛る炎を消化し、扉を開けろ! 消化弾を使用し、火災を10箇所消化しろ! または、給油バルブを6箇所閉じろ!
MISSION 2: トラムに乗って進め! どうにかして、スペースシップへ向かってくれ! タイムバリアモンスターを6匹以上倒せ! または、直接スペースシップへ向かえ!
MISSION 3: モンスター(シルバークロー)からビッグクリスタルを取り返せ!

ROUND 6: タイムスイーパー
MISSION 1: モンスター(シザーデモン)を倒し、ビッグクリスタルを奪い返せ!

Vs.モード
「Vs.モード」では、2~4人で対戦することができます。各プレイヤーは、最初にチーム(2人1組)を選択します。
チームは、ゲストチーム(あらかじめ用意されたチーム)、セーブデータ(ハードディスクにある「ストーリーモード」のセーブデータ)、お出かけパック(メモリユニットにあるセーブデータ)の3種類から選ぶことができ、タイムスイーパーとタムタム団のどちらからも選択可能です。
次に全体ルールの設定を行います。対戦ステージ(6種類)、ルール選択(バトルロイヤル、ネコVSブタ)、目標ポイント(10、20、30ポイント)、イニング数(1~5セット)、1イニングの制限時間(1~5分)、レーダー表示(オン、オフ)、キャラクターの復活時間(1~10秒)、戦車制限(あり、なし)、武器制限(4種類の武器の登場制限)、時の結晶制限(5種類の時の結晶の登場制限)、空間操作制限(8種類の空間操作の登場制限)が決められます。
対戦が始まると、チームメンバーに指示を出すことができます。指示できるのは、ATTACK(攻撃)、RECOVER(回収)、WAIT(待機)、TRAIL(整列)の4種類です。
「Vs.モード」では、時間操作の効果が「ストーリーモード」とは異なり、「Vs.モード」にしかない武器や装備を使うこともできます。
対戦中、敵のメンバーを倒すとオーブ(球)が出現し、それを集めるとイニングとイニングの間にクレジットに換えて、ショップでさまざまなアイテムを購入したり、チームメンバーのステータスを上昇させたりできます。
購入したアイテムは、次のイニングのみ使用可能で、上昇したステータスはその対戦の最後まで反映されます。勝敗は、最終的に敵をたくさん倒してオーブを集め、数多くのポイントを獲得したチームの勝ちになります。

【GPAPHICS】8
前作は、「Xbox」屈指の可愛らしいキャラクターと、それに見合ったファンタジックな世界を持つゲームとして、「Xbox」のイメージキャラクターになれるほどの存在感を示していたタイトルでしたが、本作でもそれはほぼ継承されていると言えるでしょう。
各ラウンドの各ステージがファンタジックながらも細部まで詳細に描き込まれ、そこに素晴らしいライティングが施されているのは前作譲りで、本作では更にそれに磨きがかかっているからです。
ただ、本作では、タムタム団による各種のステルス(潜入)ミッションが登場したこともあってか、前作ほどファンタジーファンタジーはしておらず、随所にリアル系の描写が見られます。ステルス性を実現させるためには、それなりにリアルな描写は必要だからでしょう。
とは言え、「ブリンクス」本来のファンタジックな雰囲気が損なわれているというわけではなく、あくまでもファンタジックな中のリアルだということです。
そのため、「ブリンクス」のほのぼのとしたグラフィックが好きという人でも、自分が考えていた「ブリンクス」とは違和感を覚えるということはないと思います。
むしろ、タイムスイーパー、タムタム団、それぞれのキャラクターやストーリーがしっかりと描き込まれており、前作よりも感情移入度が高まっているからです。
本作では、キャラクターそれぞれに名前が付けられ個性的な風貌をしていますし、随所に挿入されるムービーはドタバタコメディっぽい雰囲気を醸し出しており、「ブリンクス」の世界観がより濃くなったと言えるでしょう。
前作で問題となったオブジェクトに対する透過処理は、完全とは言えないものの前作に比べるとそれほど気にならないレベルにはなっています。

【SOUND】8
ドルビーデジタルです。効果音、BGMなどに関しては、前作譲りだと言えるでしょう。
敵の出現音、移動音、攻撃音、音声なとば前作とほぼ同じ雰囲気ですし、オブジェクトやアイテムが壊れたり、出現したりする際の効果音、時間操作時の音も、前作と似たような感じです。
BGMに関しても、「ブリンクス」らしくはありますが、無難なつくりかなといったところです。
前作との大きな違いは、タイムスイーパーやタムタム団などのキャラクターが、特にムービーでよくしゃべるという点です。
これにより、ゲームやキャラクターに対する感情移入度が増すため、やはり、この手のアクションゲームでもキャラクターボイスは必要であると実感させられます。
本作では、ミッションの変わり目に必ずと言っていいほどムービーが流れますが、その際の音声はすべて英語で日本語の字幕が付けられるようになっています。
ライトユーザーでも楽しめるゲームという点を考えれば日本語音声があっても良かったのではないかとも思いますが、英語音声、日本語字幕でも、しっくりとくるものがあり、これはこれでいいのかなという感じです。
ただ、オプションで音声切り替えがあれば、もっと良かったようには思います。この点は、次回作への課題といったところでしょうか。

【CONTROL】8
本作の操作性は、大いに向上しています。本作の基本的な操作は、以下の通りです。
左スティックで移動、右スティックでカメラの移動、右スティックのクリックで主観モードと客観モードの切り替え。Aボタンでジャンプ、ジャンプ中にもう1度押して2段ジャンプ、Bボタンでアクション、Xボタンで時間操作の作動、Yボタンで壁際でのウォールモーションとリトライ時の実行、白ボタンでキャラクター背後からの視点、黒ボタンでチームメンバーへの指示の切り替え、左トリガーでターゲットのロックオンと主観モード時のズーム、右トリガーで掃除機でのアイテムの吸い込み(長押し)と発射、方向パッドの左右で時間操作、上下で武器の選択、が主なものです。
これらの操作は、特に難しいというものはなく、慣れれば自然に行うことができます。

本作で大きく評価したいのが、前作で問題となった操作性のまずさが、ほとんど解消されているという点です。
まず、白ボタンでカメラがすぐにキャラクターの背後に回り込むようになったため、窮地に陥ってしまうということが少なくなっています。
また、オブジェクトの多くに透過処理が施されるようになったため、キャラクターが見えにくくなるということが少なくなりました。
ただ、鉄骨上をジャンプしながら移動する際、高い鉄骨から低い鉄骨に飛び降りると、カメラが鉄骨を避けて横からキャラクターを映し出すため、操作がしづらいということがありましたが、こういったシーンは少なく、ここだけ我慢すればといったところです。
とりわけ大きいのが、本作ではカメラアングルをかなり自由に動かせるようになったという点です。
本作では、その場その場でキャラクターを操作しやすいカメラアングルを選べるようになっており、その点が本作の操作性の向上に大きく貢献しているのは間違いのないところです。

リトライに関しては、前作から大きな進歩は見られないように感じました。
前作では、リトライ時に、キャラクターがダメージを受けた時点から数秒戻ってやり直しとなったわけですが、これがその場の状況など一切お構いなしに自動的に決まった時間だけ戻されるというものでした。
そのため、宙に浮いて再び落ちるしかない場所だったり、タイムモンスターを倒す前だったり、複数のタイムモンスターの真ん中だったり、といったとんでもない状況からやり直させられることも珍しくはなかったのです。
本作でも、この傾向に大きな違いはないのですが、前作ではリトライの回数を最大で10回まで増やすことができたものが、本作ではクリア時点でも最大で3回程度と考えられるとあって、プレイ中にリトライできる機会が大幅に減っています。
そのため、リトライよりもチェックポイントからのリトライにお世話になる回数の方が多く、一プレイにおけるリトライの重要性が大幅に減少しています。
また、前作のようにリトライハートがなくなってミッションを一からやり直さざるを得ないという恐怖感もなくなったため、本作ではさほどリトライに神経質にならなくていいという点も大きいのでしょう。
総じて、本作は、アクションゲームとして合格点をあげられるだけの操作性を実現させていると言えます。

【GAMEPLAY】9
前作は、「Xbox」屈指の可愛らしいキャラクターと、それに見合ったファンタジックな世界を持つゲームでありながら、ハードディスク内蔵の「Xbox」だからこそ実現できた時間操作という斬新なアイデアを持ち合わせたことで、コアユーザーばかりでなく、ライトユーザーや女性ユーザーにも訴求できる「Xbox」期待のタイトルになっていました。
しかしながら、前述している操作性のまずさやリトライシステムの不完全さ、ライトユーザーお断りの高難易度、時間操作を行うためのタイムクリスタル集めの理不尽さ、ショップシステムの不親切さによる強制繰り返しプレイ、など、いくつもの問題点を抱え込み、結果として、相当の腕前を持つアクションゲーマーにしか薦められないようなゲームになってしまっていました。
ところが本作では、開発者が「評論家の批評に応えた」というだけあって、全般にかなりユーザーフレンドリーな作りに劇的に変身して我々の前に姿を現しています。
見た目はほぼ同じようなゲームでありながら、1作目と2作目でここまでデキが良くなってくるゲームというのも珍しいのではないかと思います。以下に、良くなった点を挙げてみることにしましょう。

まず、難易度に関しては、かなり納得できるところまで下げられています。
前作は、単純にステージ構成自体が難しく、序盤のラウンド3あたりで音を上げるユーザーも出たに違いありませんし、終盤のラウンド7以降は一般的なゲーマーでもてこずらされるほどのものでした。
しかし、本作では、ステージ構成に理不尽なものがなく、前作にあった時間制限もほぼ撤廃されています。
また、マップが用意されており、管制室や司令室から随時ゲームのヒントを教えてくれるため、何をすればいいのか迷うことがありません。
敵キャラクターの位置も、画面内にマークで表示されるようになったため、視界外から不意打ちをくらう理不尽さがなくなっています。
ボス戦にしても、最初こそあまりヒントを出してはくれませんが、しばらくすると具体的な攻略法を教えてくれるため、対処法が分からずにゲームを投げ出さざるを得ないということがありません。
そもそも、ボス戦の難易度自体が大幅に下げられているため、ボス戦で詰まるということはあまり考えられないのです。

タイムクリスタルの集め方にしても、前作は、1度に4つまで持つことができ、同じ種類を、3つ集めると1個、4つ集めると2個、時間操作が手に入る、というもので、種類の違うタイムクリスタルが混ざると時間操作ができなくなるという代物でした。
しかも、タイムクリスタルの数に限りがあり、いったん集めそこなうとその時点で実質上のゲームオーバーとなっていました。
しかし、本作では、タイムクリスタルを順番に集める必要がなく、その時間操作に必要な数が集まりさえすれば、時間操作ができるというようになっています。
しかも、タイムクリスタルが不足すれば、いったん倒したタイムモンスターが再び現れて、必要なタイムクリスタルを提供してくれるようにすらなっているのです。

本作が前作から大きな変貌を遂げた点としては、以下のようなことが挙げられます。
前述しているように、タイムスイーパーだけでなく、敵のタムタム団もプレイすることができるようになったこと。
それに伴い、それぞれのキャラクターやストーリーがしっかりと描き込まれて前作よりも感情移入度が高まったこと。
タムタム団の特殊能力である空間操作を用いた各種のステルス(潜入)ミッションが楽しめるようになったこと。
「Vs.モード」の採用により、2~4人で対戦することができるようになったこと。
「ストーリーモード」のネコメダル(ブタメダル)集めばかりでなく、ショップでの各種チャレンジを楽しめるなど、お遊び要素が更に増えたこと。
「ストーリーモード」のリザルト画面で、単にAランク、Bランクなどと表示されるのではなく、「イカスぜ!!」、「これは凄いっ!!」、「グレイトだよっ!」などのさまざまなリアクションにより、誉められている感を味わえること。
これらはすべて、前作の肩肘張ったつくりから、いい意味で力を抜いたゲームづくりをしたことの現われなのだと思います。

惜しむらくは、せっかくマルチプレイに対応させていながら、Xbox LIVEではプレイできないという点です。
「オンライン対応させるよりも、オフラインで遊んでもらった方がいい」という開発サイドの声がありましたが、これは、あまりいい考えとは言えません。
オリジナルキャラクターを作れるということや、タイムスイーパーとタムタム団という性格の異なる2つのグループがあるということを考え合わせれば、幅の広い遊び方ができたであろうことは想像に難くないからです。
そして、人気のLIVE対応タイトルになっていたはずだけに、本当にもったいない話だと言えます。

【LONGEVITY】8
本作は、「ストーリーモード」に全13ラウンドあります。また、新たなラウンドに挑戦するためには、チャレンジをプレイしなければなりません。
本作では、それほど武器の買い換えやパワーアップをせずともゲームはクリアできるため、資金集めのためだけに余計な時間を費やす必要はありません。
ミッションは、短いものでは5分ほどで終わりますが、長いものだと2時間ぐらいかかります。そのため、ゲームをクリアするだけでも、最低20時間はかかることでしょう。
ネコメダル(ブタメダル)やチャレンジのコンプリートをめざすなら、更に数十時間の上積みは必要だと思います。ここでは、単にクリアをめざす場合として、「8」ということにしておきましょう。

【OVERALL】8
本作は、前述しているように、前作の相当の腕前を持つアクションゲーマーにしか薦められないようなゲームから、全般にかなりユーザーフレンドリーな作りに劇的に変身して我々の前に姿を現しています。
私は、イージーとノーマルというふたつの難易度のうち、ノーマルでクリアしています。
中盤あたりのラウンドから少し手強くなってくるのは事実ですが、どうしようもないほど難しいという場面とはほとんど遭遇することなくゲームを終えています。
おそらく、イージーを選べば、それほど難しいということもないと思われるため、本作なら、ライトユーザーや女性ユーザーに薦めることもできそうです。
しかも、5040円というバーゲンプライスが付けられているのですから、より多くの「Xbox」ユーザーにプレイしてほしいと思います。
そう考えると、Xbox LIVEに対応していないことだけが、返す返す惜しまれます。「9」に近い「8」というところでしょうか。

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