【GENRE】
アクション/レース
【PUB./DEV.】
Microsoft/元気
【RELEASE DATE】
2002/9/26
【OUTLINE】
アクション満載のカーチェイスとガンファイトを”追われる恐怖”を味わいながら遊べる、新しいタイプのノンストップカーアクションゲームです。
追跡車をかわしながら脱出口まで逃げ切る「チェイスモード」、追跡車を銃撃戦で振り払う「ガンファイトモード」、そして、それらを繋ぐ「ムービーシーン」で構成されています。
「チェイスモード」と「ガンファイトモード」は交互に登場し、それぞれのモードをクリアしていくことでムービーによる物語が展開し、次のステージに進めるようになっています。
物語は、ロスアンゼルス市警の敏腕刑事リック・サマーが、非番のドライブとメジャーリーグ観戦を楽しもうとするところから始まります。
そんな矢先、リックは、見知らぬ女性から助けを求められます。キャサリンと名乗るその女性は、何者かに追われているといいます。そして、リックもまた、彼女を拉致しようとする謎の男たちの襲撃を受けます。
銃撃に巻き込まれたリック、すべての鍵を握るであろうキャサリン。ふたりの史上最悪の逃走劇が始まるのです。
【GAME MODE】
NEW GAME
ゲームを新たに始める時に選択します。コンティニューデータがある際に「NEW GAME」を選択すると、新しいプレイが優先してセーブされるため、注意が必要です。
本作は、前述しているように、追跡車をかわしながら脱出口まで逃げ切る「チェイスモード」、追跡車を銃撃戦で振り払う「ガンファイトモード」、そして、それらを繋ぐ「ムービーシーン」で構成されています。
「チェイスモード」と「ガンファイトモード」は交互に5ステージずつ登場し、それぞれのモードをクリアしていくことでムービーによる物語が展開し、次のステージに進めるようになっています。
「チェイスモード」は、さまざまなクルマを操り、広大なマップの中で追跡車をかわしながら脱出口(矢印)を探して、敵の手から脱出するというモードです。
チェイスというモード名とは裏腹に、やることは敵から逃げることのみです。敵を追いかけるということは一切ありません。
敵は、倒しても無視して逃げ回ってもOKです。ただし、敵を倒せば倒すほど新たな敵が出現します。
また、追跡ヘリもおり、スピードを落とすと、そのヘリからの攻撃を受けてしまうため注意が必要です。
「チェイスモード」のスコアとグレードは、クリアタイム、追跡車の破壊数、平均速度、オブジェクト破壊数、一般車の誤破壊数(マイナス評価)、ライフ(ダメージゲージの残り)の6項目でスコアが計算されてグレードが決まりますが、リトライを選択した場合にはグレードはEに固定されます。
「チェイスモード」は、クルマゲームが好きな人なら、数回やればたいていはクリアできるでしょう。
「ガンファイトモード」は、追ってくる敵車両を銃撃によって破壊します。弾は、6発程度撃ったらリロードします。
銃撃にはマキシマムショットというものがあり、ショットボタンを押し続けているとクルマの弱点であるタイヤとボンネットに赤い表示が浮かび上がります。その際にそこを撃てば、一撃で敵を戦闘不能にできるのです。
各ステージの最後には、ボスキャラがいます。ボスキャラは、ショベルカー(?)、装甲車、ヘリコプター、ミサイル搭載コンボイです。
ボスは2段階の攻撃を仕掛けてきますが、2段階目の攻撃によるダメージは回避不能です。そのため、ボス戦以前のダメージを半分程度に抑えておかなければなりません。
各ステージとも難しめで、何十回もやり直す必要があります。ところが、10ステージ目だけは、なぜか30秒という時間制限のある攻撃型ステージで、ほんの数回でクリアできてしまいます。
「ガンファイトモード」のスコアとグレードは、命中率、追跡車破壊数、コンボ、オブジェクト破壊数、一般車の誤破壊数(マイナス評価)、ライフ(ダメージゲージの残り)の6項目でスコアが計算されてグレードが決まりますが、リトライを選択した場合にはグレードはEに固定されます。
登場する車種とガンはセットになっており、デフォルトでは、CAMARO(Automatic-A)、S10(Automatic-B)、350Z(MAGNUM)、SC430(Automatic-C)、CORVETTE Z06(Machine Gun)となっています。
全10ステージは以下の通りです。
On the Run
市街地におけるチェイスです。
Counterattack
自走式立体駐車場におけるガンファイトです。
Escape
スクラップ工場におけるチェイスです。
Fierce Fight
河川敷におけるガンファイトです。
Closing In
改装中のテーマパークにおけるチェイスです。
Break on Through
荒野におけるガンファイトです。
Border Crossing
州境のフリーウェイにおけるチェイスです。
Duel to the Death
フリーウェイにおけるガンファイトです。
Blood Path
埠頭におけるチェイスです。
If there’s a will…!
埠頭におけるガンファイトです。
CONTINUE
プレイを再開する時に選択します。本作では、ゲームのプレイデータはオートセーブされます。
OPTION
ゲームの各種設定の変更、チートコードの入力などが行えます。
難易度は、ノーマルとハードから選べますが、ハードを選択するとリプレイ時のストーリーがより多く語られるようになります。
もっとも、ストーリーはあってないようなものですから、最初はノーマルを選ぶことをお薦めします。
SPECIAL
「VIEW FILM」、「PLAY GAME」、「SELECT CAR/GUN」、「BONUS TRACK」があり、「VIEW FILM」以外はゲームをいったんクリアすると現れる要素です。
「SELECT CAR/GUN」は、全ステージで任意のクルマとガンの組み合わせを選ぶことができるもので、クリアが困難だったステージでも簡単にクリアして、スコアとグレードをアップさせられるようになるモードです。
「PLAY GAME」は、好きなステージを自由にプレイできるモードです。
「BONUS TRACK」は、「NISSAN Z」、「Trailer」、「Making Video」が見られるモードです。
STATUS
「PRIZES」が見られるモードです。「PRIZES」にはNo.1からNo.19まであり、それぞれの指示内容をクリアすると、隠し車種が使えるようになったり、ムービーが見られるようになったり、画面の特殊効果が使えるようになったり、というものです。
それぞれの指示内容は、以下の通りです。「チェイスモード」もしくは「ガンファイトモード」のみで有効なものは、(C)、(G)と表記しています。
1. ゲームクリアーしろ。
2. 10位以内にランクしろ。
3. 1ステージ内でオブジェクトを70個以上、破壊しろ(C)。
4. 1ステージ内でオブジェクトを50個以上、撃ち壊せ(G)。
5. 「RANKING」でGRADE=Sを記録しろ。
6. 800km以上、走行しろ。
7. 1ステージ内でチェイサーを25台以上破壊しろ(C)。
8. 1ステージ内でオブジェクトを1つも破壊せずにクリアーしろ(C)。
9. 1ステージ内でチェイサーを38台以上、破壊しろ(G)。
10. 1ステージ内でミサイルを100発以上、撃ち落とせ(G)。
11. DIFICULTY: HARDをノーコンティニュー、ノーリトライでクリアーしろ。
12. 20時間以上、PLAYしろ。
13. ステージ5のUNKNOWNを倒せ(C)。
14. 全てのチェイスステージでAVERAGE=155km/h以上を記録しろ(C)。
15. ステージ3のUNKNOWNを倒せ(C)。
16. 全てのチェイスステージでLIFE=95%以上を記録しろ(C)。
17. 1ステージ内でCOMBOを15以上記録しろ(G)。
18. 全てのガンファイトステージでACCURACY=90%以上を記録しろ。
19. 全てのガンファイトステージでLIFE=90%以上を記録しろ。
【GRAPHICS】8
この手のカーアクションゲームは、箱庭の都市を用意して複数のステージを行うことが多いのですが、本作ではステージごとにマップが異なります。
また、ほとんど1本道でゲームが進行していき、都市内の道路の同じ地点を何度も行き来するということはありません。
「チェイスモード」、「ガンファイトモード」がそれぞれ5ステージずつしかないのは少なく感じるのですが、マップ自体は10個用意されており、少なすぎるということもありません。
そのマップですが、市街地、立体駐車場、スクラップ工場、河川敷、テーマパーク、荒野、フリーウェイ、埠頭と、バラエティに富んだものが用意されています。
それぞれ美しく描かれていますし、電話ボックス、ゴミ箱、バリケード、フェンスなどの壊せるものも数多く用意されています。
一般車が走行していたり、駐車車両があったりしますし、プレイヤーカーはもちろんのこと、敵車や一般車のモデリングもまずまずです。この辺りは、クルマゲームを得意とする元気が開発しているだけのことはあります。
映画を意識したのかメイン画面は16:9になっており、ダメージゲージや字幕などはメイン画面外に表示されます。
ただ、全般に霞のかかったかのようなグラフィックは賛否の分かれるところで、私はもう少しくっきりとした画面の方が良かったように思います。
「ムービーシーン」が各モード間に挿入されるのが本作の特徴ですが、ムービーは実際の役者の演技の背景がCGになっており、この「ムービーシーン」から各モードに違和感なく移行していきます。
ムービーとゲーム画面は別物というゲームが少なくない中、これは誉められるべき点でしょう。
ただ、役者の演技とムービーは、少しチープな感じもします。ハリウッド映画的なカーアクションムービーを期待すると、肩透かしをくらうと思います。
【SOUND】8
ドルビーデジタルです。カーアクションゲームらしい、ド派手なサウンドが鳴り響きます。
大袈裟とも言えるエンジン音、銃撃音、衝突音、破壊音などは、まさに狙ったところなのでしょうし、アップテンポなサウンドも鳴り響きます。
「ムービーシーン」では、もちろん、俳優が演技を行いますし、ゲーム中でもこれらの俳優が状況に応じたリアクションを行います。
俳優の演技力が少し物足りない感じもしますが、全般にはアーケードライクな、賑やかなサウンドだと言えるでしょう。
【CONTROL】8
「チェイスモード」のクルマの操作性は、カーアクションゲームだけにアーケードライクな操作性になっています。
「Xbox」のクルマゲームらしく、右トリガーがアクセル、左トリガーがブレーキ、Aボタンがドリフトになっていますが、走るためにパーシャルスロットルを使うということはほとんどありません。
クルマゲームを得意とする元気のゲームらしい操作感を感じ取ることもできますが、カーアクションゲームらしい豪快さが感じられる操作性です。
もちろん、車種ごとの性能や操作性には違いがあるため、クリア後に再度プレイする場合には、ステージに応じた車種を選ぶ必要があります。
「ガンファイトモード」のガンの操作性は、やはり、アーケードライクなものになっています。
左スティックがサイト(照準)の移動、Aボタンがショット、BボタンかRトリガーがリロードです。
また、Aボタンを押し続けると、マキシマムショットを発動できます。ただ、このマキシマムショットの使い勝手はあまり良好ではなく、照準を合わせている間に敵からの攻撃を受けてしまう可能性が少なくはありません。そのため、通常攻撃がメインとなります。
その通常攻撃も、キーレスポンスが悪い時があります。それだけに、クリア後にマシンガン(30発の9ミリ弾をフルオートマチックで連射できる)やライフル(威力が極めて高い)が自由に使えるようになると、爽快感が一層向上するわけです。
【GAMEPLAY】6
本作は、アクション満載のカーチェイスとガンファイトを”追われる恐怖”を味わいながら遊べる、新しいタイプのノンストップカーアクションゲームとして登場しました。
追跡車をかわしながら脱出口まで逃げ切る「チェイスモード」、追跡車を銃撃戦で振り払う「ガンファイトモード」、そして、それらを繋ぐ「ムービーシーン」で構成されている、となれば、なかなか面白いゲームになるのではないかという期待も持てます。
しかし、「チェイスモード」、「ガンファイトモード」がそれぞれ5ステージずつしかないのは少ないですし、「チェイスモード」が数回やり直せばクリアできるのに対し、「ガンファイトモード」は数十回はやり直さねばならないというゲームバランスも関心できません。
敵車の挙動も不自然ですし、ゲーム全体にチープさも漂います。「PRIZES」は、ゲームの短さを補うためのやり込み要素なのかもしれませんが、ゲーム本編よりもこのやり込み要素の方が時間がかかるという点には疑問を抱かざるを得ません。
本作は、企画書段階では良さそうなゲームだったのに、いざ出来てみるとチープになってしまった、といったところでしょうか。
思いきって「チェイスモード」だけにするか、銃撃のリロードをなしにして、ステージ数も増やしておけば、もうちょっといいゲームになったのではないかと思います。
【LONGEVITY】6
前述しているように、「チェイスモード」は数回やり直せばクリアできますが、「ガンファイトモード」は数十回はやり直さなければなりません(10ステージ目だけは、数回でクリアできます)。
それでも、全10ステージしかなく、早い人なら10時間かからずにクリアできるのではないかと思います。
通常は10時間以上はかかりますし、「ガンファイトモード」で苦戦すればもう少し時間を費やさなければならないことでしょう。
「PRIZES」に挑めばもっと時間はかかりますが、これは楽しむというよりは意地でやるという感じでしょうか。
ただ、マシンガンやライフルを使えば、あれほど苦労していた「ガンファイトモード」が驚くほど簡単にクリアできるので、1度はプレイしてみることをお薦めします。
【OVERALL】6
前述しているように、本作は、アクション満載のカーチェイスとガンファイトを”追われる恐怖”を味わいながら遊べる、新しいタイプのノンストップカーアクションゲームです。
追跡車をかわしながら脱出口まで逃げ切る「チェイスモード」、追跡車を銃撃戦で振り払う「ガンファイトモード」、そして、それらを繋ぐ「ムービーシーン」で構成されており、ハリウッドのカーチェイス映画的は豪快さと爽快感を狙ったアーケードライクなカーアクションゲームです。
しかしながら、全般に漂うチープさやゲームバランスの悪さ、プレイ時間の短さ、などの問題点を抱えるゲームになってしまっています。
レースゲームやカーアクションゲームが好きな人なら、安売りされていれば手を出してみてもいいかなといったところでしょうか。
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