「Tom Clancy’s RAINBOW SIX 3」レビュー

【GENRE】
アクション/シューティング/ファーストパーソン

【PUB./DEV.】
Ubi Soft ENTERTAINMENT/Red Storm ENTERTAINMENT

【RELEASE DATE】
2003/10/28(アメリカ)

【OUTLINE】
トム・クランシーお得意の分隊ベースの戦闘アクションゲーム「RAINBOW SIX」シリーズの第3弾です。同シリーズでは初めて完全な1人称視点となって、3人称視点はなくなっています。
物語の舞台は、2007年です。世界は、グローバルな衝突の瀬戸際に立たされていました。テロリストのアメリカの利権や市民に対する攻撃はどんどんエスカレートしていき、アメリカはオイルショックにも見舞われます。
依然としてアメリカに石油を供給するベネズエラも、テロリストたちの攻撃の対象になります。不穏な動きがアメリカで大きくなり、ベネズエラの首都カラカスでは抗議行動も起こります。
テロリストたちは、殺人や破壊をより一層激化させ、いかなる場所も安全ではありません。その脅威に対するたったひとつの防波堤が”RAINBOW”です。RAINBOWは、対テロリスト戦専門の国際的なタスクフォースです。
プレイヤーは、この最高機密組織のエリートチームのリーダーであるドミンゴ・チャベツとなり、テロ組織を解体し、世界を救う任務に当たります。本作には、過酷な全14ミッションが待ち受けています。

【GAME MODE】
CAMPAIGN
本作のメインとなるモードで、全14ミッションを順にプレイしていきます。難易度は、RECRUIT、VETERAN、ELITEの3段階がありますが、この手のタイトルに慣れているならVETERANを選ぶといいでしょう。
ミッション中、セーブはいつでもどこでも行うことができますが、VETERANの場合には通常2回しかセーブできないため、できるだけ先に進んでからセーブする必要があります。
ミッション内容はさまざまですが、プレイヤーはチームリーダーのドミンゴ・チャベツを操り、通常はルイス・ロイセル、エディ・プライス、ディター・ウェーバーの3人を率いてミッションをこなしていきます。
3人には、コントローラーかボイスコミュニケータを通じて、細かな指示を出すことができます。ミッション中、自分以外のメンバーが倒されてもゲームオーバーにはなりませんし、ミッション後に復活して次のミッションに参加してくれます。
全14ミッションと目的は、以下の通りです。

MISSION 1: ALPINE VILLAGE
FIGHT YOUR WAY INTO THE VILLAGE.
SECURE HOSTAGE.
SECURE 2ND HOSTAGE.

MISSION 2: MOUNTAIN HIGHWAY
DEFUSE FUEL TRUCK BOMB.
SECURE HOSTAGE.
SECURE 2ND HOSTAGE.

MISSION 3: OIL REFINERY
DEFUSE BOMB.
DEFUSE 2ND BOMB.
SECURE HOSTAGE.

MISSION 4: ISLAND ESTATE
RESCUE CEO’S WIFE.
ESCORT CEO’S WIFE TO CEO.
DEFEND HOSTAGES UNTIL EXTRACTION.

MISSION 5: SHIPYARD
DEFUSE BOMB.
DEFUSE 2ND BOMB.
DEFUSE 3RD BOMB(2:00).

MISSION 6: CRESPO FOUNDATION
SECURE HOSTAGE.
SECURE 2ND HOSTAGE.
NEUTRALIZE TERRORIST DESTROYING RECORDS.

MISSION 7: OLD CITY
LOCATE INFORMER.
SECURE COURTYARD.
RESCUE THE INFORMER.

MISSION 8: ALCATRAZ
USE THE SEWERS TO INFILTRATE THE PRISON.
SECURE THE SHOWER AREA.
RESCUE TOUR GUIDE.
RESCUE JUAN CRESPO.

MISSION 9: IMPORT/EXPORT
SECURE EVIDENCE.
SECURE INCRIMINATING DOCUMENTS.
SECURE THE FACILITY.

MISSION 10: PENTHOUSE:
BUG TELEPHONE.
HACK COMPUTER.
ESCORT ACCOUNTANT TO EXTRACTION ZONE.

MISSION 11: MEAT PACKING PLANT
LOCATE CHEMICAL BARRELS.
SECURE HOSTAGE.
SECURE 2ND HOSTAGE.
LOCATE CHEMICAL BARRELS.

MISSION 12: GARAGE
LOCATE VARGAS.
SECURE VARGAS.

MISSION 13: PARADE
DEFUSE BOMB.
DISARM FAIL SAFE DEVICE(5:00).

MISSION 14: AIRPORT
RECON PLANT EXPLOSIVES IN CRATE.
ENTER HANGER.
CHASE CRESPO.

CUSTOM MISSION
「CAMPAIGN」でアンロックしているマップで、「PRACTICE」と「TERRORIST HUNT」が行えます。後者に関しては、「XBOX LIVE」をご覧ください。

TRANING
ゲームの操作方法をマスターします。他の隊員の行動に対する指示方法は特殊なので、ここでみっちりとトレーニングを積むことをお勧めします。
XBOX LIVE
Xbox LIVEで、対戦プレイ(16人まで)、協力プレイ(4人まで)が行えます。すべてのマップで、以下の異なる5モードをプレイすることができます。

COOPERATIVE: MISSION
「CAMPAIGN」の協力プレイが最大4人で行えます。全員と会話できます。

COOPERATIVE: TERRORIST HUNT
テロリストハントの協力プレイが最大4人で行えます。全員と会話できます。

ADVERSARIAL: SURVIVAL
個人戦で、最後まで残ったプレイヤーの勝ちです。最大16人までプレイできます。15m以内にいる人なら、誰とでも会話できます。

ADVERSARIAL: TEAM SURVIVAL
チーム戦で、最後まで残ったチームの勝ちです。最大16人までプレイできます。グリーンチームは青い服、レッドチームは迷彩服を着ます。チームメイト全員と会話できます。

ADVERSARIAL: SHARP SHOOTER
個人戦で、最もたくさん殺した人の勝ちです。殺されても、すぐに復活できます。15m以内にいる人なら、誰とでも会話できます。

SYSTEM LINK
「XBOX LIVE」と同様の5モードをプレイすることができます。画面分割はできず、1人に1台の「Xbox」が必要です。

PROFILES
ユーザープロフィールを作ることができます。

OPTIONS
ゲームの各種設定を変更することができます。

SPECIAL FEATURES
以下の3つを見ることができます。「CREDITS」、「PREVIEWS」(「Tom Clancy’s GHOST RECON: ISLAND THUNDER」、「XIII」)、「CINEMATICS」(クリアしたマップのムービー)。

【GRAPHICS】9
「RAINBOW SIX」シリーズとあって、屋内が中心になります。
もっとも、同シリーズでは初めて完全な1人称視点となって3人称視点はなくなっているため、雰囲気的には「RAINBOW SIX」というよりは「GHOST RECON」といった感じです。
グラフィック自体は、ドリームキャストのシリーズ1、2作目と比べると飛躍的に向上しているのは当然なのですが、「GHOST RECON」と比べると大きな進化は感じられません。
建物やオブジェクトはきれいに描かれてはいるものの、はっと息を飲むような美しさは感じられないのです。
「SPLINTER CELL」のライティングシステムを使っているということで、場面によっては光と陰に対するこだわりを見せています。
強い光源があれば自分や敵の影が、壁や路面に映し出されます。マップによっては、この影がゲームの進行の大きな手助けとなるのです。
ただ、それほど明るくもないところでは人の影が一切見えないというのは、ちょっと不自然な感じがします。
1人称視点ということで、最初のうちは3D酔いしそうになることもあるかもしれませんが、たいていの人はすぐに慣れると思います。

【SOUND】9
ドルビーデジタルです。相変わらず静かなシリーズなのですが、それだけに敵の声や銃声、爆発音などが、より鮮烈に聞こえてきます。
本作では、ミッションによってはステルス要素もあるのですが、その際に敵の声や足音、ドアを開閉する音などを耳を澄ませて聴く必要があります。
また、自分の足音を敵に聞かれてもいけないため、忍び足で歩かなければなりません。そうした意味で、効果音がとても重要な構成要素になっているタイトルです。
逆に、BGMはほとんどないのですが、味方が倒された時に悲しげな音楽が鳴り響きます。なるべくこの嫌味な音楽を聴かないようにプレイしたいところです。
ミッションに関する注意点、進行方向などに関しては、ボスのジョン・クラークから、ボイスコミュニケータを通じて指示が出されます。リスニングは、それほど難しくもないでしょう。
進行方向に関しては、プレイ中に右下に表示されるミニマップでも見ることができるため、指示を聞き損ねてもそれほど困ることはありません。

【CONTROL】9
これまでの「RAINBOW SIX」シリーズとは打って変わり、完全な1人称視点へと変貌を遂げました。1人称視点のみになってしまったため、敵の確認がしづらくなったというマイナス点もあります。
標準的な操作は、「Xbox」ではおなじみのもので、左右のスティックで移動と視点変更を行います。
左スティックを押し込んでしゃがむと立つの繰り返し、Aボタンで各種アクション、方向パッドの上下でドアの少しずつの開閉、バックボタンでマップの閲覧、Yボタンでナイトビジョン、Bボタンでサーマルビジョン。
武器関係は、Rトリガーで武器の使用、Xボタンでリロード、Xボタン押しっぱなしで武器メニュー、右スティックを押し込んでズーム、Lトリガーでメインとサブの武器の交換。
白ボタンと黒ボタンは、味方に対する指示のボタンで、白ボタンはZULU(ボタンを押したら指示を実行しろ)、黒ボタンはTEAM HOLD(ボタンを押したらその場で待て)。
すべてのボタンを使うため煩雑なようですが、慣れればすぐに使いこなせるようになります。特に、ドアの少しずつの開閉は重要で、これを使うことでドアの開閉の際の敵からの銃撃によるダメージを抑えることができます。
本作の大きな特徴としては、ボイスコミュニケータによって隊員に指示を出すことができる、という点が挙げられます。
コントローラーで指示できるオーダーならボイスコミュニケータでも行うことができますが、よく使うのは「MOVE」、「REGROUP」、「HOLD」、「OPEN & CLEAR」といったところでしょう。
音声認識力は、良くもなく悪くもなくといったところで、切迫した状況では便利な時もあります。英語の発音を極端に意識しすぎない方がいいかもしれません。

【GAMEPLAY】9
本作は、シングルプレイの「CAMPAIGN」も、マルチプレイの「XBOX LIVE」も、十分に楽しむことができます。ただ、シングルプレイに関しては、味方のAIがあまり賢くありません。
「OPEN & CLEAR」でドアを開けて敵を一掃させると、大幅にヘルスを減らしたり、いきなり倒されてしまったりすることが珍しくないからです。
そのため、中盤以降のミッションでは、自分が先頭に立って進むことが珍しくはありませんでした。
その点、「XBOX LIVE」ならすべて人間ですから、連係を図りながらプレイすることができます。ですから、本作を手にしたら、ぜひとも「XBOX LIVE」でプレイするべきでしょう。
人数に応じてプレイするモードや難易度を変えれば、新鮮な気持ちで長期間プレイすることができます。
ちなみに、過去の「RAINBOW SIX」シリーズでは、AIが優秀で、AIが勝手にミッションをクリアしてくれていたこともありました。そんな点も配慮して、本作のAIをあまり賢くないものにしたのかもしれません。
また、過去の「RAINBOW SIX」シリーズでは、6人のキャラクターを2チームに分け、プレイ中、どのキャラクターに切り替えてプレイすることでもできました。
それが本作では、ドミンゴ・チャベツに固定されています。この点は、ちょっと残念な気もします。

【LONGEVITY】8
過去の「RAINBOW SIX」シリーズは、ミッション中は1度もセーブすることができませんでした。それが本作では難易度VETERANなら通常は2回セーブすることができます。
それでも、いつでもどこでも好きなだけセーブできる「GHOST RECON」から比べると後退しているのですが、1ミッションあたりは短く正味15分もあれば終わってしまいます。
セーブが通常は2回しかできないため、スタート地点やセーブ地点から何度もやり直す必要が生じるため、1ミッション当たり実質1時間以上はかかるでしょう。
メインとなる「CAMPAIGN」は全14ミッションですから、20時間以上は楽しめると思います。ここでは、1人プレイを対象としているため「8」になりますが、「XBOX LIVE」ならより長時間プレイすることができるでしょう。

【OVERALL】10
トム・クランシー作品は、日本でもすっかりお馴染みになりました。本作は、質的にも量的にも、過去に「Xbox」で発売されたトム・クランシー作品に遜色ないデキになっています。
トム・クランシー作品が面白かったという人なら楽しんでプレイできるはずですし、未経験の人であってもFPSが好きな人なら買って損はありません。
「XBOX LIVE」で協力プレイができるのも本作の大きな魅力ですから、Xbox LIVEをできる環境にある「Xbox」ユーザーなら、ぜひとも買うことをお勧めします。

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