「Tom Clancy’s GHOST RECON」レビュー

【GENRE】
アクション/シューティング/ファーストパーソン

【PUB./DEV.】
Ubi Soft ENTERTAINMENT/Red Storm ENTERTAINMENT

【RELEASE DATE】
2002/11/9(アメリカ)

【OUTLINE】
「RAINBOW SIX」シリーズでおなじみ、トム・クランシーお得意の分隊ベースの戦闘アクションゲームです。
同シリーズとは打って変わり、本作は野外が戦場となるとともに、完全な1人称視点となって3人称視点はなくなっています。
物語は、2008年、モスクワで過激なナショナリストが力を持ち始めるところから始まります。彼らの最終目的は、ソ連を再興することです。
プレイヤーは、自らを”THE GHOST”と呼ぶアメリカの特殊部隊グリーンベレーとなって、過激なナショナリストから東ヨーロッパを救う任務に当たるのです。
過酷な全15ミッションが待ち受ける本作は、2001年に先んじて発売されたPC版において、アメリカのテレビゲームサイトIGNの”PC GAME OF THE YEAR”に選ばれています。

【GAME MODE】
TRANING
7つのトレーニングミッションで、ゲームの操作方法をマスターします。本作の操作は、「RAINBOW SIX」シリーズに比べると簡単になっていますが、トム・クランシー作品初挑戦の場合には、ここでみっちりとトレーニングを積むことをお勧めします。

CAMPAIGN
本作のメインとなるモードで、全15ミッションを順にプレイしていきます。ミッション中、セーブはいつでもどこでも好きなだけ行うことができます。
「RAINBOW SIX」シリーズに比べて1ミッションが長いため、頻繁にセーブするといいでしょう。

QUICK MISSION
すべてのマップで、以下の異なる4モードをプレイすることができます。

MISSION
「CAMPAIGN」で終えたモードをプレイすることができます。

FIREFIGHT
マップに散らばった敵軍すべてを殲滅することが目標のモードです。

RECON
「FIREFIGHT」に似通ったルールですが、全チームメンバーがマップ反対側の脱出地点に到達する必要があります。

DEFEND
押し寄せてくる敵から、スタート地点(ベース)を守るのが目標のモードです。敵がこのゾーンに到達すると、負けとなります。

MULTIPLAYER
画面分割(2人まで)、システムリンク、Xbox LIVEによる、対戦プレイ(16人まで)、協力プレイ(6人まで)ができます。

COOPERATIVE GAMES
「MISSION」、「FIREFIGHT」、「RECON」の3つをプレイできます。

TEAM GAMES
「LAST MAN STANDING」は、最後まで残ったチームの勝ちです。
「SEARCH AND RESCUE」は、マップ内の3人の人質を救出して自陣に連れ戻したチームの勝ちです。
「HAMBURGER HILL」は、ゲーム中央のゾーンに最も長く止まったチームの勝ちです。
「DOMINATION」は、マップ内に散らばった5つのゾーンに到達して最も長く止まったチームにポイントが入り、そのポイントが最も多かったチームの勝ちです。
「SIEGE」は、最小チームがベースに止まり、そこに5秒以上止まった他のチームの勝ちです。

SOLO GAMES
「LAST MAN STANDING」は、最後まで残ったプレイヤーの勝ちです。
「SHARP SHOOTER」は、最もたくさん殺したプレイヤーの勝ちです。
「HAMBERGER HILL」は、ゲーム中央のゾーンに最も長く止まったプレイヤーの勝ちです。
「CAT AND MOUSE」は、全プレイヤーが猫としてスタートし、最初に殺したプレイヤーがネズミになって装備もピストルになります。猫はネズミを殺すとネズミとなり、ネズミになっている間に殺すとポイントを得られます。終了時点で最多得点のプレイヤーの勝ちです。

OPTIONS
ゲームの各種設定を変更することができます。DOSSIER プレイヤーのプロフィールを見たり、新しく作ったりすることができます。また、アンロックしたタスクのリストを見ることもできます。
タスクには、スペシャルキャラクター、ニューウエポン、マルチプレイヤーのニューレベルなどがあります。
ニューレベルは、マルチプレイヤーに適したミニマップが数多く含まれています。「TRAINING」で使う、レベルが選べるようになるのも嬉しいです。

【GRAPHICS】9
「Xbox」もアメリカで発売1周年を迎え、いよいよグラフィックにも磨きがかかってきたかなと感じさせるグラフィックレベルを誇っています。
アウトドアにおけるミッションを中心とする本作ですが、森林、沼地、川辺、都市など、それぞれのシチュエーションに応じたグラフィックが生き生きと描き出されています。
風にそよぐ草木はみずみずしさを感じさせますし、しとしとと雨が降る湿地帯は戦闘の過酷さを物語ります。
また、撃たれた敵兵が足を引きずりながらも必死に動く様には、敵兵も単なる標的ではなく生きている人間であることを痛感させられもします。
ただ、時折、遠くのオブジェクトが現れてくる様子がはっきりと分かることがあるのは減点材料です。

【SOUND】9
ドルビーデジタルです。グラフィックの項でもふれましたが、森林、沼地、川辺、都市など、それぞれのシチュエーションに応じたサウンドが雰囲気を盛り上げます。
特に、森林内の自然音は、あたかも自らがその場にいるかのような錯覚を感じさせるほどです。しとしとと雨が降る湿地帯の効果音も、グラフィック同様に戦闘の過酷さを肌で感じられます。
グレネードが近くで炸裂した時、しばし耳がツーンとなるような演出も見事と言えるでしょう。サウンド面では、大きな問題はありません。

【CONTROL】9
「RAINBOW SIX」シリーズとは打って変わり、完全な1人称視点へと変貌を遂げました。
操作自体は煩雑だった同シリーズに比べるとかなり簡略化されていますが、1人称視点のみになってしまったため、敵の確認がしづらくなったというマイナス点もあります。
もっとも、マップも見やすく、各種メニュー画面も分かりやすく、全体としては良くできた操作性だと言えるでしょう。

【GAMEPLAY】10
「RAINBOW SIX」シリーズは、ミッション中にセーブすることができませんでした。そのため、いいところまで行ったのにまた一からやり直しということが度々あったものです。
しかしながら、本作ではキャンペーン中、セーブはいつでもどこでも好きなだけ行うことができるため、これには随分と助けられました。こうしたシステムを採用しているお陰で、あれこれとトライしてみることも容易です。
やはり、現代のゲームでは、基本的にはいつでもどこでも好きなだけセーブできることをスタンダードにすべきだと思います。
アウトドア中心になったことは、これはこれで楽しめたので、悪くはないでしょう。
また、Xbox LIVEに対応しているのは、特筆すべき点です。Xbox LIVEでプレイできる「COOPERATIVE GAMES」、「TEAM GAMES」、「SOLO GAMES」は本当に楽しく、何十時間でもやり込むことができます。
協力プレイは、作戦を練ってお互いが前衛、後衛、見張り役など役割分担して協力しながらAIを攻略する楽しみがあります。
対戦プレイは、いかに相手の裏をかき自分がトップになるかという面白みがあります。
本作を買って「MULTIPLAYER」をやらないのは宝の持ち腐れというものでしょう。

【LONGEVITY】8
いつでもどこでも好きなだけセーブできるため、ミッション途中で失敗して何度も一からやり直すという必要がなくなりました。そのため、こまめにセーブしていれば、1ミッション当たり実質1時間もかからないでしょう。
メインとなる「CAMPAIGN」は全15ミッションですから、これだけをプレイしていれば「TRAINING」を含めても15時間以下で終わることになります。
しかしながら、本作では多彩な「QUICK MISSION」や「MULTIPLAYER」がありますから、これらをプレイすればより長く楽しむことができます。Xbox LIVEに接続すれば、飽きることなく何十時間でも遊ぶことが可能なのです。
「QUICK MISSION」はひとりでもプレイすることができますから、ここでは「CAMPAIGN」+「QUICK MISSION」という計算で「8」にしておきます。

【OVERALL】10
「CAMPAIGN」の最初のミッションは、緑豊かな野外におけるものです。そのため隠れる場所もほとんどなく、幾度となく部隊が壊滅状態に追いこまれてしまったものでした。
最初の数ミッションはこうしたシチュエーションや1人称視点のみの操作に不慣れなこともあって、建物内における戦闘が中心で3人称視点も選べる「RAINBOW SIX」シリーズとの違和感を感じさせられもしました。
しかしながら、ひとたびこうしたシチュエーションに慣れてしまうと、操作性の良さやフリーセーブであることも手伝って、楽しんでプレイすることができるようになってきました。
そうなるとやはりトム・クランシー作品であることに変わりはなく、各ミッションの多彩さとデキの良さを感じさせられずにはいられません。
日本では根強い人気を持つトム・クランシー作品ですし、Xbox LIVEにも対応していることですから、ぜひ日本でも発売してほしいタイトルです。
操作性は良好なので、トム・クランシー作品未経験者でも楽しめるのではないかと思います。

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