「CIRCUS MAXIMUS: CHARIOT WARS」レビュー

【GENRE】
アクション/レース/デモリションダービー

【PUB./DEV.】
ENCORE SOFTWARE/KODIAK INTERACTIVE

【RELEASE DATE】
2002/2/25(アメリカ)

【OUTLINE】
映画「ベン・ハー」にもあった、古代ギリシャ・ローマの戦車レースをゲーム化したものです。
2頭の馬に引かれた戦車に御者と戦士の2人が乗っており、この戦車と戦士を操作します。敵車は3台で、全4台で競います。
コースは、映画でもおなじみの闘技場内のオーバルコース、ローマの田園風景の中を疾走するコースなど、逆走・デスマッチを含めて7種類全19コースがあります。
戦車、馬、戦士、御者は、それぞれタイプ(性能、特徴)の違う7種類から選べます。隠しを含めると、22種類になるようです。ユニットは、レースごとに選べるため、コースに合った組み合わせを選ぶ必要があります。

【GAME MODE】
Circus/Arcade
シングルプレイヤーレースで、コースを順に勝ち進んでいきます。Score(獲得Dinari)、Kills、Fastest Lap、Race Timeがトップ5以内だと、「Hall of Heroes/High Scores」に記録されます。

Empire/Multiplayer
画面分割による対戦です。1対1による対戦、2対2による対戦が行えます。2対2の場合、1人は御者、1人は戦士を担当します。

Career/Tournament
メインモードで、チャンピオンになってローマ皇帝に認められることが最終目的です。
コースを順に勝ち進んでいきますが、トータルDinariが目標に達しないと次のコースに進むことができません。Dinariは、プレイごとに加算されるため、地道にプレイすれば次に進めます。
Dinariは、コース中のアイテムを取る、敵を殺す、コースをショートカットする、1輪走行する、コースに散在する人を轢く、などで獲得することができます。
最も多く獲得できるのは、1位になったり高順位でゴールすることです。ただし、殺されたり、転倒すると、減ります。なお、殺しても殺されても、すぐに復活します。
本作で登場するコースは、以下の7種類です。7種類すべてに逆走はありますが、デスマッチは、AlexandriaとGermaniaでは行えません。

Britannia
森や池、滝を望む切り立った崖などの大自然を抜け、長い城砦内を走るコースです。城砦の開閉するゲートを通り抜けるタイミングもポイントのひとつになります。

Cyprus
城砦内の整備された石畳と未舗装路を中心に、切り立った崖っ淵も長く走るコースです。途中には、人も散在しており、轢くとDinariを獲得できます。

Circus Nero
「ベン・ハー」でもお馴染みの、闘技場内のオーバルコースです。小回りコースのため、Lトリガーを用いたハードターンが必須になります。

Alexandria
エジプトらしく、砂漠地帯の神殿やピラミッドなどの豪華な建造物の中や横を走り抜けます。終盤は、海の中に突き出した道も走るため、落ちないように注意します。
Germania
雪に覆われ岩肌が露出する山の中の比較的道幅の広いコースを走ります。ショートカット(分岐)は多い方でしょう。
Rome
闘技場をスタート地点として、コロッセオや神殿などが集中するローマの市街地を走り抜けます。右、左と的確に戦車をコントロールしなければなりません。
Circus Maximus
本作のラストコースで、CircusNeroと同じオーバルコースですが、観客席や彫像がより豪華なものになっています。ここだけは、ナイトステージになります。

Academy/Training Challenges
操作方法をトレーニングするモードです。全部で17ありますが、最初に選べるのは10だけです。
Hall of Heroes/High Scores 「Circus/Academy」、「Career/Tournament」で出した記録が見られます。

Options/Display and Audio 難易度設定などができます。難易度は3段階あり、最難関のAdvancedでプレイしないと、隠しキャラクターを登場させることができません。

【GRAPHICS】9
古代ローマの闘技場、田園風景など、バラエティに富んだコースは、とても美しく感じられます。馬、戦車、御者、戦士のグラフィックも美しく、レース中も絶え間なく動いています。
これらの臨場感たっぷりのグラフィックの中、敵との駆け引きやレースをより一層楽しむことができます。
また、レースが終わった後、御者と戦士が、勝てば喜びのポーズを取り、負ければ悔しがるしぐさをします。
御者、戦士ごとにポーズも微妙に異なるようなので、レースが終わってもすぐにボタンを押さずにしばらく彼らのポーズやしぐさを見ていましょう。レースの余韻に浸れること請け合いです。

【SOUND】9
ドルビーデジタルです。戦車の走行音、御者・戦士の雄叫び、馬のいななき、コースごとの環境音、観客のざわめき、敵車が迫ってくる音、など、これまた臨場感たっぷりです。
こうしたリアルなグラフィックとあいまって、本当に戦車レースを戦っているという気分にさせてくれる素晴らしいサウンドです。

【CONTROL】9
すべてのボタンを使うから難しいという意見もありますが、実のところそんなに難しくはありません。
戦車のスピード・ブレーキ・走行方向、戦士の各種攻撃・防御などが主な操作ですが、1時間も練習すればすぐに操作できるようになります。特に戸惑うこともありません。
戦車の操作性も良好で、ほとんど狙ったラインを走行することができます。コース上に、攻撃力アップ、スピードアップ、回復などといったアイテムがあるのですが、これらを取ることも難しくはありません。
敵戦車からの攻撃をかわしつつ、こちらの攻撃をヒットさせるといったことも慣れればできるようになります。もっとも、こればかりは難易度にもよりますが・・・。

【GAMEPLAY】10
こんなゲームは他にはなく、まさに企画の勝利だと言えるでしょう。映画「ベン・ハー」にもあった、古代ギリシャ・ローマの戦車レースをそのままゲームにしてしまうという発想は、まさにアメリカならではのものです。
コアなユーザーが狂喜乱舞してしまうような素晴らしい企画を、ゲームとして破綻なく作った開発陣も評価されるべきでしょう。「Xbox」ならではのゲームだけに、ぜひ日本版も出してほしいところです。

【LONGEVITY】8
「Career/Tournament」で目標のトータルDinariを集めるためには、同じコースを何度も走る必要があります。
コース内には、分岐、障害物、轢く人、アイテムなどのさまざまな要素があり、1位でゴールするための戦略を練るのも一筋縄ではいきません。
また、Score(獲得Dinari)、Kills、Fastest Lap、Race Timeで高記録を出すという目標もあります。そのため、何度も走らされても飽きるということはありません。
コース数も多くバラエティに富んでいますし、新鮮な気持ちで長く楽しむことができます。
隠しキャラクターを出すためのAdvancedは難易度が高く、これもゲームの楽しみのひとつと考えている人ならより長くたっぷりと遊べることでしょう。

【OVERALL】9
アメリカのゲームサイトで本作を見つけた時からせっせと情報を仕入れ、スクリーンショットやトレイラーを何度も食い入るように眺めたものです。
それでも本作を購入するには勇気が要り、半信半疑で買ったような状態でした。しかし、そうした懸念は杞憂に終わり、予想以上に素晴らしい内容に驚かされました。
単に奇をてらっただけのカルトゲームではなく、ゲームとしてきちんと成り立っているところがすごいです。アメリカのメーカー、ユーザー双方の奥の深さを感じさせられずにはいられません。
爽快感を味わいたいレースゲーム好き、アクションゲーム好き、カルトゲーム好きには特に薦められますが、アメリカ版「Xbox」ユーザーならぜひプレイしてほしいところです。
響きも心地良い「ONLY ON XBOX」タイトルなのですから、これを楽しまないわけにはいきません。日本でもぜひ発売して口コミでじわじわと売れてほしいものですが、これを出すメーカーはないでしょう。

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