「PROJECT GOTHAM: World Street Racer」レビュー

【GENRE】
レース

【PUB./DEV.】
MICROSOFT/BIZARRE CREATIONS

【RELEASE DATE】
2002/2/22

【OUTLINE】
ドライビングテクニックやドライビングスタイルを評価するKudosという独特のポイントシステムをレースゲームに持ち込み、ただ単に速く走るだけでなくいかにスタイリッシュな走りを見せるかがキーになるという斬新なタイトルです。
アメリカではドリームキャストで発売された「MSR-METROPOLIS STREET RACER」の続編という位置付けになりますが、難易度を下げてよりユーザーフレンドリーにするとともに、「MSR」のサンフランシスコ、ロンドン、東京の3都市に、新たにニューヨークが加わっています。

【GAME MODE】
quick race
5台のクルマと戦い、各レースで3位以内に入ると次のレベルに進めます。Easy、Normal、Hard、VeryHardがあります。

arcade race
コースに置かれたパイロンの間を走行して制限時間内に規定のKudosを獲得するモードです。各レースでブロンズ以上のメダルを獲得すると、次のレベルに進めます。Easy、Normal、Hard、VeryHardがあります。

kudos challenge
本作のメインとなるモードで、全13レベルで9種類の課題に挑んでいきます。
レベルは、「Introduction」、「Amateur Season」、「San Francisco」、「London」、「Tokyo」、「New York」、「Professional Season」、「World Tour」、「Challenge Tour」、「Endurance Season」、「world Class Season」、「Invitational Season」、「Bonus Level」。
課題は、「average speed challenge」、「hot lap」、「style challenge」、「one-on-one」、「overtake challenge」、「street race」、「timed run」、「top speed challenge」、「total laps」で、自分で難易度を変更できますが、高難易度ほど獲得Kudosが増えます。

time attack 150を超えるコースから1コースを選び、自由に走ることができます。

multiplayer
分割画面によるマルチプレイが、最大4人まで楽しめます。

options
コントローラーや音楽の設定などができます。

【GRAPHICS】9
「Xbox」のローンチタイトルとして、ここまでのグラフィックを引き出せたのは、やはり、「Xbox」のマシン性能がなせた技でしょう。
リプレイを見るとよりはっきりと分かるのですが、クルマへのビルやネオンなどの写り込みは尋常ではありません。
マシンのグラフィックも申し分ないレベルですし、視点が豊富な点も好感が持てます。
惜しむらくは、リアルに作り込むあまり、コースの場所によっては暗くて見づらいところがある点です。寸分違わぬぐらいの実在の都市を走れるのは嬉しいのですが、次回作では改善を期待したいところです。

【SOUND】9
ドルビーデジタルです。各車のエンジン音は問題ないレベルに仕上がっています。後方から他車が迫ってくる音なども、5.1chならではの臨場感があります。
そして、やはり、本作の特徴として挙げなければならないのは、サンフランシスコ、ロンドン、東京、ニューヨークの各都市ごとに、実在のDJがしゃべり特徴ある音楽が流れるということでしょう。
東京のDJは、当然のように日本語でしゃべりますし、日本の音楽も流れます。
本作では、プレイヤー自らがハードディスクに録音した音楽をBGMとして流すということもできますが、それはこの特徴を存分に味わってからでも遅くはないでしょう。
レースゲームではBGMをOFFにする私でさえ、本作に関してはONにした状態でプレイしているほどなのですから。

【CONTROL】10
「MSR」では、ミッドシップ車や雨天時の後輪駆動車の動きがナーバスすぎて操作しづらかったり、ロードコースを忠実に再現しすぎたためにコース脇の歩道や中央分離帯に引っかかったり、といった難点がありました。
本作でも、それらが解消されずに残っているかどうか一抹の不安があったのですが、そうした問題点は一気に解消されていました。
それでも車種ごとの特性をないがしろにはしておらず、グリップ走行が得意な車種やドリフトコントロールが容易な車種を、モードやコースに合わせて選ぶことができます。操作性は満点を上げてもいいでしょう。

【GAMEPLAY】9
「MSR」で既に、Kudosによるポイントシステム、各都市をリアルに再現することによるコース設定、各都市ごとに実在のDJがしゃべり特徴ある音楽が流れるといったことは実現していました。
本作はその上で、「MSR」の理不尽とも思える終盤の難易度、マイナスポイントがついてしまう意地悪なシステム、コントロールの項目で挙げた操作性、などに関して改良を施してきました。
しかしながら、カウンターを当てなければKudosをもらえなかった前作に対し、本作では長くドリフトしなければKudosをもらえないシステムになっていました。初級者向けの変更なのでしょうが、その点は残念です。

【LONGEVITY】9
「MSR」に比べるとボリュームという点では、若干見劣りするかもしれません。それでも本作のボリュームは相当なもので、長く楽しめるという点ではレースゲーム中でも屈指の存在でしょう。
単にすべてのモードをクリアするだけでもかなりの時間がかかりますが、すべてでゴールドメダルを獲得しようと考えるなら膨大な時間を要するはずです。

【OVERALL】10
「グランツーリスモ3 A-spec」と比較して語られることの多い本作ですが、レースゲームとしての斬新さという点ではこちらに軍配が上がります。飽きることなくこれだけ長く楽しめるレースゲームという点でも、他の追随を許さないのではないでしょうか。
また、クルマの挙動に関しても、「グランツーリスモ」よりはゲームっぽいと言っても、車種ごとの挙動の違いもありますし、リアルさとゲーム性の微妙なバランスの上に成り立ったものです。レースゲーム好きであるならば、本作の魅力が分かってしかるべきでしょう。

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