「ダブル・スティール」レビュー

【GENRE】
レース/アクション

【PUB./DEV.】
ぶんか社/ぶんか社

【RELEASE DATE】
2002/2/22

【OUTLINE】
香港をモチーフにした広大な街並みの中で、さまざまなミッションをクリアしていくカーアクションゲームです。
シナリオは2種類あり、シナリオAが「警察編」、シナリオBが「貧乏スパイ編」となっています。
「警察編」はマカドとヤンの新米婦人警官2人、「貧乏スパイ編」はホーとチャンの貧乏スパイ2人が主人公で、それぞれバラエティに富んだ10ミッションが待ち受けています。
本作は、「ランナバウト」シリーズに似通ったつくりになっていますが、「ランナバウト」に関わったスタッフが本作の制作に携わっているのですから、それも当然と言えるでしょう。
ちなみに、本作は、アメリカでは「WRECKLESS: THE YAKUZA MISSIONS」というタイトルでリリースされ、各方面から高い評価を受けて大ヒットしています。

【GAME MODE】
MISSION
ミッションモードをプレイすることができます。最初に選べるミッションは限られていますが、ミッションをクリアするごとに選択できるミッションが増えていきます。
それぞれのミッションのレベルは、「DIFFICULTY」(ゲームのむずかしさ)がNORMALとHARD、「TRAFFIC」(車の交通量)がLIGHTとHEAVY、から選ぶことができますが、「ランナバウト」シリーズの経験者ならいずれも後者を選びましょう。適度な手応えだと思います。
クルマは、「警察編」ならDRAGON-SPL、「貧乏スパイ編」ならSUPER-CAR、を選べば、ほとんどのミッションをクリアできます。
クリアが困難なミッションはなく、たいていのミッションは攻略方法を考えながら地道にプレイすればクリアすることができます。
詰まりやすいのが、「MISSION A-6」の最後のエレベーターだと思います。ここは、直線的に飛ぶとクルマの後部が跳ねてしまってスピードが乗らず、向こう側に飛び移ることができません。
そこで、パネル後部右端からパネル前部中央に向かって走ります。すると、クルマの後部が跳ねることもなく、簡単に飛び移ることができます。

REPLAY
リプレイを再生することができます。本作のリプレイのエフェクトは全部で16のバリエーションがあり、「MISSION」で条件を満たしてクリアすることで選択できるようになります。リプレイのエフェクトの多彩さも、本作のウリのひとつです。

STATE
ゲームステータスを見ることができます。見られるのは、「破壊した車の数」、「破壊した物の数」、「プレイ時間」、「総走行距離」、「最高スピード」です。

OPTION
ゲームの各種設定を変更することができます。
SAVE
ゲームデータをセーブすることができます。複数のセーブデータを作成することができますが、1人でプレイする分には複数作る必要はないでしょう。なお、「MISSION」のセーブデータは、メインメニューまで戻らないと作ることができません。

EXIT
タイトル画面に戻ることができます。

【GRAPHICS】7
香港をモチーフにした広大な街並みをステージとしている本作ですが、プレイ中に読み込むことはなく、すべてがメモリー内に収まっています。さすがは「Xbox」、といったところです。
そこかしこにショートカットや入れる(壊せる)建物があったり、多数の一般車両や歩行者がいたり、破壊できるものが4万個以上用意されていたりと、「ランナバウト」シリーズと比べても、大幅に進化していることがうかがえます。
また、被写界深度やグローエフェクトなどの視覚効果も、過剰気味とは言え、「Xbox」のローンチタイトルとして「Xbox」の実力のほどを披露するものとして悪くはありません。

【SOUND】7
ドルビーデジタルです。サウンド面では突出したところはありませんが、クルマやオブジェクトを破壊した時の効果音はゲームの爽快感向上に貢献しています。また、イベントシーンやゲーム中に時折入る声優の演技も、ゲームのユーモラスさを醸し出しています。

【CONTROL】8
クルマの操作性は良好です。本作は、カーアクションゲームとあって、シミュレーション性よりはゲーム性優先の挙動となっています。
それだけにドリフトコントロールは容易ですが、コーナーではしっかりとブレーキングしなければならないリアリティさもおろそかにしてはいません。
また、ミッションによってはパーシャルスロットルが有効ですが、「Xbox」のコントローラーが持つL、Rトリガーのお陰でパーシャルスロットルによるスピードコントロールも思いのままです。
残念なのは、車体後方からの視点にすると、時折、道路や建物の陰でクルマが見えなくなる時があることです。この辺りは、透過処理を施してほしかったところです。

【GAMEPLAY】8
「ランナバウト」に関わったスタッフが本作の制作に携わっているとあって、ゲームのシステムやシナリオなどは似通ったものになっています。
それでも、グラフィックはもちろんのこと、多数の一般車両や歩行者がいる街のリアリティ、そこかしこにショートカットや入れる(壊せる)建物が存在すること、破壊できるものが4万個以上用意されていることなど、着実な進化を感じ取ることができます。
とりわけ、肝となるミッションが20個あり、それぞれが一定レベルの質をキープしているのは評価できるところです。
また、自車のダメージという概念をなくしたのは見解の分かれるところですが、破壊を気軽に楽しむことができるようになったという点では歓迎できるのではないでしょうか。

【LONGEVITY】6
ミッションによって、あっさりクリアできるものがあったり、難航するものがあったりしますが、平均すると1ミッション当たり30分といったところでしょう。それが20ミッションですから、10時間ということになります。
プレイの進行上、隠し車種は必要ありませんが、これを探そうと思うならもう少し時間がかかり「7」になります。
「ランナバウト」よりもボリュームがあるのは確かなのですが、せっかく香港をモチーフにした広大な街並みがあるのですから、これを利用してより多彩なミッションを用意できればもっと良かったでしょう。

【OVERALL】8
本作を一言で言うと、「ランナバウト」に関わったスタッフが「Xbox」で作った「ランナバウト」みたいなゲーム、です。
そして、そのデキですが、「ランナバウト」シリーズは凌駕しているものの、「DRIVER」よりいいかどうかは微妙といったところでしょうか。
もっとも、ゲーム全体の雰囲気やミッション内容を見ると、本作がユーモラスでアンリアルなミッションもあるのに対し、「DRIVER」はシリアスでリアルなミッションになっているという違いがあります。
そのため、どちらがいいかは人それぞれの好みにもよります。それでも、カーアクションゲームが好きな人なら満喫できるだけのレベルにあるのは確実ですし、レースゲーム好きでも十分楽しめることでしょう。

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