「プチコプター」ウォークスルー&レビュー

【GENRE】
アドベンチャー/アクション/シミュレーション/ヘリコプター

【PUB./DEV.】
アクアシステム/アクアシステム

【RELEASE DATE】
2002/5/30

【OUTLINE】
48分の1スケールのプラモデルサイズの小さなヘリコプターを家の中で自由に飛ばせるとしたら、という発想の元に作られた、インドア・ヘリコプター・アドベンチャーです。
本作を発売するアクアシステムは、フライトシミュレーターを数多く手がけており、本作でも本格的なヘリコプターのフライトを楽しむことができます。
本作には、「チャレンジモード」と「アドベンチャーモード」の2つのモードがあります。
前者は、体当たりで風船割りをしたり、戦闘ヘリでターゲットを撃破したり、移動するヘリポートに着陸したり、などといったミニゲームを通じて、楽しみながらヘリコプター特有のフライトテクニックが身に付けられるモードです。
後者は、隠された「★」を探して家の中を捜索していくモードで、「★」を集めてドアを開くことで新しい部屋に入ることができます。部屋には、子供部屋、寝室、キッチン、バスルームなどがあります。
また、ヘリコプターの挙動は、「イージー」、「リアルタイプ」、「ラジコン」の3つから選ぶことができ、これによって難易度を調節することができます。

【GAME MODE】
CHALLENGE(チャレンジモード)
ミニゲームをクリアしながらヘリコプターの操作を習得するモードです。5つのLEVELに4つずつのステージがあり、各ステージを70点以上でクリアすると次のLEVELに進むことができます。
ポイントには、Time Point(ステージクリアまでにかかった時間によるポイント)、Pos Point(着陸位置の正確さのポイント)、Impact Point(ソフトな着陸ができたかのポイント)があります。
この合計が、70点未満で「評価なし」、70点以上で「Good!」、90点以上で「VeryGood!!」、100点で「Perfect!!!」となりますが、ステージによってはTimePointだけの場合もあります。
LEVELとステージの内容は、以下の通りです。

LEVEL 1
STAGE 1-4のフワフワと動く風船が少しやっかいですが、最初のLEVELだけにそれほど難しくはありません。

STAGE 1-1: 着陸せよ!
ヘリポートに着陸してください

STAGE 1-2: 周回せよ!
ポールの外周を回ってヘリポートに着陸してください

STAGE 1-3: ターゲットを破壊せよ1!
3個のターゲットを破壊してヘリポートに着陸してください

STAGE 1-4: 風船を割れ!
風船をすべて割ってヘリポートに着陸してください

LEVEL 2
STAGE 2-2が操作が難しく時間も厳しめですが、それ以外は簡単です。

STAGE 2-1: 着陸せよ! 2
部屋の周りを周回するヘリポートに着陸してください

STAGE 2-2: 星を集めよ!
部屋にある4個の星を集めてヘリポートに着陸してください

STAGE 2-3: 着陸せよ! 3
4個あるヘリポートすべてに着陸してください

STAGE 2-4: 井戸の中
天井にあるゴールを目指してください

LEVEL 3
STAGE 3-3が星が嫌らしい場所にあったりして時間も厳しめですが、それ以外は簡単です。

STAGE 3-1: 周回せよ! 3
2本のポールの間を3周してからへリポートに着陸してください

STAGE 3-2: ホバリングせよ!
コンテナの上で5秒間ホバリングしてヘリポートに着陸してください

STAGE 3-3: 星を集めよ! 2
部屋にある6個の星を集めてヘリポートに着陸してください

STAGE 3-4: 神殿
障害物を避けて台座に着陸してください

LEVEL 4
各ステージとも嫌らしい仕掛けもなく、楽しんでプレイすることができます。STAGE 4-4は、回転する通路を6回抜ければゴールです。

STAGE 4-1: 風船を割れ! 2
風船をすべて割ってヘリポートに着陸してください

STAGE 4-2: ターゲットを破壊せよ! 2
7個のターゲットを破壊してヘリポートに着陸してください

STAGE 4-3: 着陸せよ! 4
縦に回転するヘリポートに着陸してください

STAGE 4-4: 回廊
回転する通路がつながるタイミングを見計らって進んでください

LEVEL 5
STAGE 5-4が難関です。「チャレンジモード」のラストに当たるだけに、これまでの集大成といったところでしょうか。トラップは全部で12種類で、失敗しながら覚える必要があります。
また、ゆっくり進むとクリアに必要なポイントが得られないため、ゴールまで行けるようになったら、次は素早くトラップを抜ける練習をしなければなりません。ラストにふさわしい手強さです。

STAGE 5-1: 着陸せよ! 5
4個の移動するヘリポートに着陸してください

STAGE 5-2: ホバリングせよ! 2
3個のコンテナの上で5秒間ホバリングしてヘリポートに着陸してください

STAGE 5-3: 星を集めよ! 3
部屋にある6個の星を集めてヘリポートに着陸してください

STAGE 5-4: 王家の墓
トラップを回避しながら最深部のゴールを目指してください

ADVENTURE(アドベンチャーモード)
部屋に隠された「★」を探し出すモードです。最初は決まった部屋にしか入れませんが、一定の数以上の「★」を集めると閉ざされたドアを開けることができるようになります。目標はすべての部屋の合計100個の「★」を集めることです。
「★」は、部屋の中に浮いていて最初から取れるものや、「アクションボタン」を使って隠れているのを探し出すものなどがあります。
集めた「★」の総数によって、新しいヘリコプターが追加されたり、時間(昼、夕方、夜)を選んだりすることができます。
部屋から出る前に墜落したり接触したりすると、その部屋は1からやり直しとなります。
部屋と「★」の数は、子供部屋A13個、子供部屋B11個、書斎10個、キッチン11個、地下室8個、リビング9個、ベッドルーム8個、廊下7個、バスルーム8個、トイレ6個、ドレッシングルーム9個、です。
「★」の取り方は、基本的にはじっくりと接近していくのですが、場所によっては一気に取ったり、バックして取ったりした方がいい場合もあり、なかなか楽しむことができます。

OPTION
ゲームの各種設定を変更できます。
「シミュレーションモード」では、ヘリコプターの挙動を変更できます。
「イージー」は、初心者用の簡単な挙動のモードです。メインローターのトルクの影響を受けず、機体の傾きが中立に戻りやすくなります。
「リアル」は、ヘリコプターの実機の挙動を元にしたモードです。実機の大きさをシミュレートしており、比較的穏やかな操縦性になります。
「ラジコン」は、ラジコンヘリコプターの挙動を元にしたモードです。ラジコンサイズの大きさをシミュレートしているため、ラジコン特有の機敏な挙動が楽しめます。

【GRAPHICS】8
「チャレンジモード」の各LEVELの最終ステージとなる井戸の中、神殿、回廊、王家の墓を除くと、すべて日本の一戸建てがその舞台となります。
具体的には、子供部屋A、子供部屋B、書斎、キッチン、地下室、リビング、ベッドルーム、廊下、バスルーム、トイレ、ドレッシングルーム、練習用に用意された屋根裏部屋、プレイルーム、和室です。
日本家屋内が登場するゲームというのは少なくはないのですが、意外とあっさりと作られているゲームが多いのが現状です。
そんな中で本作は、フローリングや畳、壁、障子などの質感がしっかりと作られていて好感が持てます。また、イスや机や戸棚などの家具、エアコンやスタンドやテレビなどの質感もまずまずです。あとは、窓の外の風景にもう少し配慮があればといったところでしょうか。
部屋に隠された「★」を探し出すゲームだけに、動かせるものが少なくないのも本作の特徴です。テレビをつけたり、引出しを開けたりできるだけでなく、枕やコップなどを動かすこともできます。
中には、ゲームの進行と関係のないものもあるのですが、それぞれのオブジェクトに適した動きは、思わず動かしてみたくなる楽しさがあります。
ヘリコプターのグラフィックと動きは、さすがはアクアシステムといったところで、文句のつけようがないぐらいによくできています。
全般としては傑出しているというほどではないものの、PC版が元になっているだけのことはあるかなといったグラフィックです。

【SOUND】6
ステレオです。日本の一戸建てがその舞台となっているだけあって、環境音的な効果音は皆無と言えます。
サウンドも、軽快なポップスなどが流れますが、ゲームとマッチングしているとも言い切れません。
音としては、ヘリコプターの飛行音と、アクションを起こした際の効果音があるだけです。
ラジコンヘリコプターの飛行音自体は、よくできているのでしょうが、実際にじっくりと聞いたこともなく、それらしく感じるといったところです。
ゲームの性格上、サウンド面で多くを望むのは酷というものでしょう。

【CONTROL】9
ヘリコプターというだけあって、特殊な操作が要求されます。基本的な動きとしては、以下のものが挙げられます。
サイクリック操作(前進・後退)は、サイクリックを上に動かすとヘリコプターが前に傾いて前進し、下に動かすとヘリコプターが後ろに傾いて後退するというものです。
サイクリック操作(右バンク・左バンク)は、サイクリックを右に動かすとヘリコプターが右に傾き、左へ動かすとヘリコプターが左に傾くというものです。
アンチトルクペダル操作(ヨー運動)は、アンチトルクペダルを右に動かすとヘリコプターの機首は右に傾き、左に動かすとヘリコプターの機首は左に傾くというものです。
コレクティブ操作(上昇・下降)は、コレクティブを上に動かすとヘリコプターは上昇し、下に動かすと降下するというものです。適当な高度でホバリングする際には、コレクティブを微妙に操作して高度を一定に保ちます。
また、コレクティブ操作を行うとローターの影響により機首が右や左に向くため、これを修正するためにアンチトルクペダルを使います。
本作では、これらのヘリコプター特有の操作をコントローラーで行うわけです。

スタンダードタイプでは、左スティックがサイクリック前後とサイクリック左右、右スティックがコレクティブとアンチトルクペダル、左トリガーがオートホバリング、右トリガーがアクション、白ボタンがビューチェンジ、ビハインドビュー時に、Xボタンがズームダウン、Yボタンがズームアップ、方向パッドが視点コントロール、BACKボタンが視点リセット、になります。
ラジコンタイプでは、こうのち、左スティックがサイクリック前後とアンチトルクペダル、右スティックがコレクティブとサイクリック左右になります。
操作性と挙動は、フライトシミュレーターを数多く手がけているアクアシステムだけに、破綻のないものになっているようです。
「イージー」と「リアル」は、少し慣れれば誰もが違和感なく操作できるもので、ゲームを楽しんでプレイできるだけの操作性と挙動を持っています。
それに対して、「ラジコン」は、ラジコンヘリコプターの挙動を元にしているだけに、かなり神経質な操作性と挙動を持っています。
本作を純粋にゲームとして楽しむなら、あえて「ラジコン」を選ぶ必要はありませんが、ラジコンヘリコプターの操作をテレビゲームで味わってみたいというなら、その難しさを疑似体験できることでしょう。

【GAMEPLAY】7
「プチコプター」というタイトル、48分の1スケールのプラモデルサイズの小さなヘリコプターを家の中で自由に飛ばせるとしたら、という発想に、興味をそそられる人は少ないことでしょう。
やることも、家の中でヘリコプターを飛ばすだけなので、けっこう淡々としています。
それでも、「チャレンジモード」でいろいろなミニゲームに挑戦したり、「アドベンチャーモード」で部屋に隠された「★」を探し出したりするのは、意外と楽しめます。
アクアシステムは、作っているタイトルのほとんどがフライトシミュレーターで、硬派な会社のカラーが、ゲームの楽しさをうまく伝えきれないのでしょう。
シンプルすぎるパッケージからも、”楽しそうなゲーム”というイメージが伝わってきません。それなりに楽しめるゲームなのに、もったいないという気がします。

【LONGEVITY】7
「チャレンジモード」は、5LEVEL×4ステージで全20ステージあります。「アドベンチャーモード」は、11室に「★」が100個あります。
ヘリコプターの挙動を「イージー」か「リアル」にしておけば、その動きに慣れるのは早いため、クリアまでにそれほど長くの時間を要しはしないでしょう。20時間もあれば十分といったところでしょうか。
もっとも、「チャレンジモード」の全20ステージで「Perfect!!!」を獲るのは困難ですし、ヘリコプターの挙動を「ラジコン」にすれば、挙動に慣れてもヘリコプターを動かすには繊細さが要求されるため一筋縄ではいかないはずです。
サクッとクリアするか、シミュレーターとして楽しむか、それによってプレイ時間は異なってくることでしょう。ここでは、「イージー」か「リアル」でクリアした場合の20時間以内で「7」にしておきます。

【OVERALL】7
前述しているように、本作は地味な印象がありますが、いざプレイしてみると意外と面白いタイトルです。
フライトシミュレーター好きはもちろんのこと、パズル好き、間違い探し好きなどは、楽しんでプレイできることでしょう。
逆に、ゲームに爽快感を求める人、イライラしやすい人には、お奨めしません。ストレスがたまって、ますますイライラする危険性があるからです。

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