「NASCAR THUNDER 2003」レビュー

【GENRE】
レース

【PUB./DEV.】
ELECTRONIC ARTS/ELECTRONIC ARTS

【RELEASE DATE】
2002/9/19(アメリカ)

【OUTLINE】
アメリカン・モータースポーツで最高の人気を誇る「NASCARウィンストンカップシリーズ」の2002年公式データを採用したレースゲームです。NASCARが誇る43人のドライバーと、9つのロードコースを含む全23コースが用意されています。
また、このところのEA SPORTSのレースゲームの傾向として、モードが充実しており、長く楽しむことができます。

【GAME MODE】
QUICK RACE
1レースだけを手軽に楽しむことができるモードですが、セッティング、プラクティス、クォリファイも行えます。また、4人までの画面分割による対戦もできます。

RACE MODES
ゲームのメインとなる4つのモードがあります。

LIGHTNING CHALLENGE
NASCARの史実に基づいた30以上のシナリオにチャレンジするモードです。それぞれのシナリオの内容は、NASCARのドライバーによっても説明されます。チャレンジに成功することで、「サンダープレート」が得られ、マシン、コース、ドライバーをアンロックできます。

THUNDER LICENSE
“The King”リチャード・ぺティやNASCARドライバーたちから、各コースの走り方を学んでいくモードです。

SEASON
1年間を通して、「NASCARウィンストンカップシリーズ」を戦っていくモードです。プレイヤーは1-4人、レース数は12、24、36、カスタム、難易度はROOKIE、VETERAN、LEGEND、レース距離は3、5、10、25、50、100%、燃料・タイヤの消費・磨耗のオン・オフ、イエローフラッグのオン・オフ、などを選ぶことができます。
最初は、12戦、ROOKIE、3%、燃料・タイヤの消費・磨耗はオフ、イエローフラッグはオン、で始めることを奨めます。ROOKIEでもAIはけっこう速いからです。

CAREER
20シーズンを戦っていくモードです。チームやスポンサーと契約し、ピットクルーを雇います。また、エンジンやシャシーの開発、修理も行うなど、オーナードライバーとしてNASCARを体験することができます。

FEATURES
以下のことが行えます。マシンとドライバーを作る、THUNDER PLATESを見る、ベストラップを見る。ここで作ったマシンとドライバーは、「QUICK RACE」、「SEASON」、「CAREER」で使うことができます。


SETTINGS
ゲームの各種設定を変更することができます。

INSIDE EA SPORTS
EA SPORTSのスポーツゲームの広告が見られます。

【GRAPHICS】8
43台のマシンが1画面に表示される様は、NASCARゲームならではの壮観さでしょう。こういったシチュエーションにおいても処理落ちすることはありませんし、各マシンは思い思いの走りをしています。
サーキットの内外、マシンの外観などのディテール、光と影の表現なども、高いレベルで実現されています。
視点が豊富なのも嬉しいところで、コクピット視点の閉塞感と迫力はNASCARならではでしょう。オーバルコースの場合はそれほどコースが見渡せる必要もないため、ぜひともコクピット視点でプレイしたいものです。
残念なのは、リプレイです。EA SPORTSの「NASCAR」シリーズの伝統として、ポイントだけをかいつまんだインスタントリプレイとなってしまっているからです。レース距離にもよりますが、やはり、スタートからゴールまでを通してリプレイを見てみたいものです。

【SOUND】8
ドルビーサラウンドです。ELECTRONIC ARTSのゲームは、32ビット機の時代から音の立体感に対するこだわりを見せており、本作でもドルビーサラウンドによる音の広がりと迫力を感じ取ることができます。
パックの中にいる際のNASCARならではの野太いエンジンサウンド、後方から追いついてくるマシンのエンジン音、ハーフスピンの際のタイヤのスキール音、クラッシュの際の激突音、など、迫力十分です。
アナウンサーの実況、レース中のチームからの無線によるタイム差や後方からの追い越しの情報なども、NASCARを実感できます。ただ、エンジンサウンドなどにより、チームからの無線が聞こえづらいことがあるのが残念です。

【CONTROL】7
EA SPORTSの「NASCAR」シリーズは、「NINTENDO 64」版「NASCAR2000」、「プレイステーション」版「NASCAR 2001」、本作、とプレイしてきていますが、独特な(あまり歓迎できない)操作感覚はかなり解消されてきています。
オーバルコースに関しては、ほぼ問題ないレベルになっています。ただ、ロードコースの操作性は、「プレイステーション」版「NASCAR 2001」よりも後退してしまっていると思います。アンダーステアが強すぎて、コーナーで思いきり減速しないと曲がれないのです。
本作の操作性はリアルさとゲーム性をバランスさせたところにありますが、この曲がれなさはちょっと困りものです。もう少し爽快感が味わえる操作性でも良かったのではないでしょうか。NASCARにはロードコースが少ないとは言え、大きな減点要素です。

【GAMEPLAY】8
前述しているように、最近のEA SPORTSのレースゲームの傾向として、モードを充実させて長く楽しめるようにしているという点が挙げられます。
「LIGHTNING CHALLENGE」と「THUNDER LICENSE」は、本作から新たに入れられたモードです。
いずれのモードでも、NASCARの歴史の一シーンを追体験したり、各コースを練習したりできるばかりでなく、”The King”リチャード・ぺティやNASCARドライバーの肉声が聞けるという嬉しいおまけもあります。
ここまでやってこそ公式ライセンス商品、という見本のようなものでしょう。日本でも、全日本GT選手権やフォーミュラ・ニッポンのゲームが発売されて、各ドライバーの肉声が入れば嬉しい限りです。どこかのメーカーが発売しないものでしょうか。

【LONGEVITY】8
それぞれのモードで長くプレイすることができますから、NASCARが大好きな人なら100時間でも200時間でも楽しむことができるでしょう。しかし、レースゲーム好きでNASCARのゲームもやるレベルだど、やっているうちに飽きてしまうに違いありません。
私も、本作に関しては、新作のレースゲームが手元になくてレースゲームに飢えていた、「ゲームキューブ」版だけ発売後4ヵ月にも関わらず$19.99で発売されていた、などといった理由から購入したもので、そんなに長くはプレイしようという気持ちはありません。
ましてや、レースゲームにはそれほど興味がないという人であれば、多彩なオーバルコースがどれも同じに見えて退屈することでしょう。ここでは、レースゲーム好きを対象と考えて、「8」ということにしておきます。

【OVERALL】7
私は、レース好き、レースゲーム好きとして、それなりにNASCARの知識はありますが、それほど興味があるわけではありません。2003年から福山英朗が本格参戦するということで、以前よりも興味が増すのは事実ですが・・・。
そんな立場からレースゲームの一種と考えた場合には、ソコソコのレースゲームという評価に落ちつきます。グラフィックやサウンドはまずまずですし、アメリカン・モータースポーツならではの華やかな雰囲気も十分表現されています。しかし、ロードコースにおける操作性は、レースゲームとして見た場合には大きなマイナス要因です。
NASCARが好きな人なら十分に買いのタイトルですが、レースゲーム好きでNASCARのゲームもやるレベルなら安ければ買ってもいいといったところでしょう。レースゲームにはそれほど興味がないという人は、買ってもあまり面白くは感じないと思います。
それにしてもロードコースの操作性、次回作ではなんとかしていただきたいところです。福山英朗がゲームにも登場するなら、買う価値も上がろうというものですから。

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