「MotoGP」レビュー

【GENRE】
レース/バイク

【PUV./DEV.】
THQ/CLIMAX ENTERTAINMENT

【RELEASE DATE】
2002/5/20(アメリカ)

【OUTLINE】
2001年のMotoGP世界選手権500ccのコース、バイク、ライダーが実名で登場するバイクレースゲームです。
リアルでありながらも抜群の操作性を持ち、レースゲーム上級者ばかりでなく初心者でも安心してプレイすることができます。
また、「Xbox LIVE STARTER KIT」にデモ版が含まれており、最大16人でレースしたり、すべてのプレイヤーでタイムを競ったりできるのも大きな魅力となっています。

【GAME MODE】
QUICK RACE
手軽に3周のレースを行うことができます。ライダーは29人、コースは11コースありますが、他のゲームモードでアンロックしていないライダー、コースは選ぶことができません。

ARCADE CHAMPIONSHIP
MotoGP世界選手権を、”アーケードスタイル”の3周レースで手軽に楽しむことができます。定められた時間内でチェックポイントを通過しなければ、そのレースは終了となります。
また、ポイントシステムが採用されており、ポジション、ウィリー、エンドス、クリーンセクション、バーンナウト、オーバーテイク、パワースライド、ジャンプにより、ポイントが加算されていきます。
このポイントを積み重ねていくことで、さまざまな要素をアンロックすることができます。
20万点で「Toon Mode」、50万点で「Wireframe Mode」、100万点で「Sketch Mode」、125万点で「Edgey Mode」、150万点で「Brring Ding Ding Mode」、200万点で「Emboss Mode」、250万点で「Turbo Mode」、300万点で「Pop Video Mode」、といった具合です。
1レースで50万点ぐらい狙えることもあり、ポイントを重ねるのはそんなに難しくはありません。

GRAND PRIX SERIES
2001年のMotoGP世界選手権を実際のレースプログラムに従って戦っていくモードです。
また、このモードで、オリジナルのライダーを作ることができます。最初に、ライダーとバイクの名前、国籍、服、ナンバー、バイク、カラーなどを決めますが、これは途中で変更することができないため慎重に選ぶ必要があります。
次に、初期の10クレジットを、ライダーの「Cornering」、「Braking」、「Top Speed」、「Acceleration」に振り分けます。各要素には、最大30クレジットまで振り分けることができます。「Braking」以外に優先的に振り分けるといいでしょう。
ライダーのクレジットは、レースの着順によって、1位6クレジット、2位5クレジット、3位4クレジット、4位3クレジット、5位2クレジット、6‐15位1クレジット、と決まっています。それが全10レースで最高60クレジットとなるわけです。
本作はオートセーブとなっているため、1位になれそうにないレースは、途中でやめて(電源を切って)やり直すべきです。
ここでも、当初は、「Braking」にはクレジットを振り分けず、他の要素に均等に振り分けるようにしましょう。ここで作ったオリジナルライダーは、Xbox LIVEを含むすべてのモードで使うことができます。
なお、難易度「Championship」で総合優勝すると、トレーニングコースのSheridanをアンロックできます。

TRAINING
「Cornering」、「Braking」、「Top Speed」、「Acceleration」の各要素で5つずつ、合計20のトレーニングチャレンジがあります。
難易度をSilverとGoldから選ぶことができますが、Silverでは1クレジットしか得られないため、2クレジット得られるGoldをチョイスしましょう。
ライダーには、初期の10クレジット、「GRANDPRIX SERIES」の60クレジット、ここでの40クレジット、と合計110クレジットを割り振ることができます。
これを「Cornering」30、「Braking」20、「Top Speed」30、「Acceleration」30、となるようにするのが理想的です。

TIME TRIAL
アンロックしたコースでタイムトライアルを行うことができます。ただし、ここでのタイムはXbox LIVEには反映されないため、タイムトライアルを行うならXbox LIVEに接続して行うべきです。

MULTIPLAYER RACES
画面分割による4人までの対戦が行えます。また、システムリンクなら16人までのプレイが可能です。
Xbox LIVEなら、1人で参戦して他の最大15人のプレイヤーと対戦できますし、画面分割により4人まで参戦して他の最大12人のプレイヤーとの対戦も可能です。ぜひとも、Xbox LIVEでの対戦を楽しむべきでしょう。

REPLAY CAMERAS
最近のレースのリプレイを、スローモーションやさまざまなカメラアングルから楽しむことができます。

UNLOCKABLE FEATURES
コース、ライダー、Sheridan、実際のレース映像、「ARCADE CHAMPIONSHIP」のアンロック要素などのアンロック状況を確認することができます。

OPTIONS MENUS
ゲームの各種設定の変更、アーケードハイスコア・ラップレコード・ビデオ・クレジットの閲覧、アンロック要素のオン・オフの選択、などが行えます。

【GRAPHICS】9
「Xbox」のレースゲーム中でもトップクラスのグラフィックだと言えるでしょう。2ヵ月半早く発売された「RALLISPORT CHALLENGE」とも、オンロードとオフロードの違いがあるとは言え、甲乙付け難い美しさです。
実在するコースはリアルに再現されていますし、天候の変化や光源処理、各種エフェクトも素晴らしいものがあります。
雨天時にカメラに着く雨粒は本物さながらですし、コースアウトした際の砂塵、パワースライドやバーンナウトの際のタイヤスモークなどもリアルさがあります。
また、スピードが最高速に達した際のワープしたかのような処理も、過剰になりすぎずに適度な昂揚感を感じさせます。
バイクなのでポリゴン数が少ないということもあるのでしょうが、16台が1画面に表示されても一切処理落ちしないのも嬉しいところです。
ただ、Xbo LIVEにおけるLe Mansの2つのコーナーで、逆光のためコースがよく見えないのだけが残念です。

【SOUND】9
ドルビーサラウンドです。バイクならではの高回転まで回るピーキーなエンジンサウンドが見事に再現されており、加速感はとても心地良いものがあります。
縁石を乗り越えたり、コースアウトしたり、パワースライドやバーンナウトしたり、などのサウンドも実際のレースさながらです。後方からバイクが迫ってくる音や多くのバイクが密集した際のサウンドも迫力があります。
自己ベストを更新した際の効果音も、的を射ていて好感が持てます。

【CONTROL】10
レースゲームとして最高級の操作性を持っていることも、本作を高く評価できるポイントです。
アウトラインでもふれていますが、リアルでありながらも抜群の操作性を持ち、レースゲーム上級者ばかりでなく初心者でも安心してプレイすることができるのです。
バイクということでクルマとは違った操作感覚になりますが、キー操作にリニアに反応して素直な動きをしてくれるため、バイクの動きや操作に慣れてくればストレスなく爽快なライディング感覚を味わうことができます。
本作では複数のライダーから自分に適した操作タイプを選ぶことになりますが、これがXbox LIVEになると操作タイプを自由に設定することができるのも嬉しいところです。
初心者でも気軽にプレイすることができますし、上達してくるとさまざまな操作を駆使する奥の深さも持ち合わせています。
加速時には前傾姿勢をとってスピードをアップさせる、コーナーでは、ノーアクセルノーブレーキで回ったり、ブレーキングしてから回ったり、ブレーキングしてからリアブレーキでバイクの向きを変えたり、パーシャルスロットルの量を調節しながら回ったり、など、プレイヤーのアイデアとトライ次第でさまざまな操作が行えるのです。これが、本作に深みを与える要因でもあります。

【GAMEPLAY】10
リアルでありながらも抜群の操作性を持ち、レースゲーム上級者ばかりでなく初心者でも安心してプレイすることができるレースゲームというのは、実は貴重な存在だったりします。
デキ自体が悪いレースゲームや、新しいことに挑戦しようとして失敗しているレースゲームが少なくはないのが現状ですから。
この辺りが、本作が「Xbox LIVE STARTER KIT」に含まれた理由でもあるのでしょう。オリジナルライダーが作れるというギミックも、Xbox LIVEをより挑戦しがいのあるものにしています。
また、「ARCADE CHAMPIONSHIP」でアンロックできる各種要素は、お遊びの域こそ出ないもののちょっと遊ぶには楽しいものです。
20万点でアンロックできる「Toon Mode」などは、まさに「アウトモデリスタ」そのものです。
「アウトモデリスタ」が1本のゲームとしてウリにしているものが本作では単なるお遊びなのですから、いかに本作が贅沢なつくりであるかが分かろうというものです。
もちろん、Xbox LIVEに対応したのが、本作最大の魅力であるのは言うまでもありません。

【LONGEVITY】7
「ARCADE CHAMPIONSHIP」、「GRAND PRIX SERIES」、「TRAINING」の3モードをプレイすることになると思いますが、これらを通してプレイして十数時間といったところでしょうか。
レベルを上げたり時間をかけたりしないとアンロックできない要素もあるため、初心者ならそれ相応の時間はかかると思います。
もっとも、本作の醍醐味は、Xbox LIVEに接続しての対戦とタイムトライアルにあります。タイムトライアルは、11コースともやればやるほど奥が深く、ランキングをアップさせるのも並大抵の努力ではありません。
ここではスタンドアローンでのゲームライフが原則なので「7」としておきますが、Xbox LIVEに接続すれば50時間でも100時間でも楽しむことができるでしょう。

【OVERALL】10
本作を、2輪のレースゲームだからと敬遠している4輪レースゲーマーが多いことと思います。私もそうでしたが、それはとてももったいないことです。
特に、Xbox LIVEに接続できる環境にある人なら、本作を買ってでもXbox LIVEに挑戦すべきです。
これまでに述べてきたように、本作はリアルでありながらも抜群の操作性を持ち、レースゲーム上級者ばかりでなく初心者でも安心してプレイすることができるレースゲームなのです。
レースゲーム好きであるならば、Xbox LIVEに接続して本作をプレイすれば、必ずやり込むようになるはずです。
スコアボードで自分のランキングが上がった時の喜びを味わったら、もうタイムトライアルをやめられなくなります。
前述している通り本作は奥の深いレースゲームでもあるので、やり込めばやり込むほど新たな発見がありタイムも向上していくからです。
本作単独で見れば「8」といったところでしょうが、Xbox LIVEに対応しているということで「10」になります。これからのレースゲームは、Xbox LIVE対応を標準にすべきです。
もちろん、それ以前にレースゲームとしての質の高さを満たしているのは言うまでもないことでしょう。

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