「マッドダッシュレーシング」レビュー

【GENRE】
アクション/レース/キャラクター

【PUB./DEV.】
アイドス・インタラクティブ/クリスタル・ダイナミクス

【RELEASE DATE】
2002/5/30

【OUTLINE】
カートゥーンタッチのキャラクターたちが繰り広げるアクション要素の強いレースゲームです。
コミカルでキュートなキャラクターたちが、広大なフィールドをハイスピードで駆け抜けたり、ジャンプしたり、スキッドしたりします。
「セガサターン」の「SONIC R」のスピードと、「ドリームキャスト」の「ペンペントライアイスロン」の美しさを足して、「Xbox」のマシン性能で武装したゲームと考えれば分かりやすいかと思います。
プレイヤーは、世界征服を目論む悪い魔法使いヘクスが主催したアドベンチャーレースに参加し、優勝賞品を手に入れるため、全9コースの広大なステージに挑みます。

【GAME MODE】
ADVENTURE
ゲームのストーリーを追っていくモードで、ステージをクリアしながら「赤い星のカケラ」を手に入れてレースに優勝するのが目的になります。
ステージをクリアするごとに「VERSUS」で選べるステージが増え、数ステージ勝つごとにチームメイトを増やすことができます。
ステージは全部で9ステージあり、最初のステージを1位でゴールすると、全5ステージがオープンされます。
キャラクターは3タイプあり、スマッシュ、ダッシャー、グライダー、それぞれに複数のキャラクターがいます。チームメイトは、タイプの異なるキャラクターを増やせるようになるわけです。
ステージはかなり広大で、そこをハイスピードで駆け抜けるにも関わらず4‐5分はかかります。なお、敵キャラクターは3人です。
また、「CHALLENGE MODE」もあり、「CASH」、「TIME」、「STUNT」の3つが楽しめます。
「CASH」はステージ内に隔された「ヘクス札」を全部集めて目標タイム内にゴールする、「TIME」は規定の時間内にゴールする、「STUNT」は既定回数のスタントを決めて時間内にゴールする、というものです。「TUTORIAL」を選べば、本作のプレイ方法を練習できます。
ステージは、以下の9つです。

TIKI VILLAGE
トレメルランドのトロピカル・リゾート。みんなが愛する熱帯の楽園。

RUINS
緑深いジャングルの奥深くにあるトレメル文明の遺跡。

DINO OASIS
今は亡きトレメルたちの眠る場所。巨大な骨に守られた砂漠の墓場。

MT. MAGMA
至るところからマグマが噴出し、巨大な岩がゴロゴロ転がってくる危険な山。

PIPEWERX
ヘクスの経営する会社・ヘクス産業の施設。チューブの中を駆け抜ける。

BIOTECH
ヘクス産業の怪しい研究所。生物と機械が合体しているへんてこな場所。

ALPINE CUP
雪に閉ざされた静かな山。つるつるの氷山を滑るペンギンたちに注意。

FORTRESS
かつてのトレメルの王が造った砦。昔は立派な砦だったらしい。

HEX IND’
さ迷う幽霊や魂が次々と現れるお城。頂上では何やらマシンを建造中。

VERSUS
分割画面により、最大4人までプレイすることができます。実は本作はこのモードがメインで、「ADVENTURE」はこのモードで選べるステージを増やすためにあると考えた方がいいでしょう。
シングルしかプレイできない人は、本作を買ってもあまり楽しめないと思います。

SIGN UP
プレイヤー名を入力してサインアップすれば、自分のゲームの進行状況を「PLAYERRECORDS」に記録できるようになります。

RECORDS
「PLAYER RECORDS」(各プレイヤーのレコード)と「MAD RECORDS」(すべてのゲームとすべてのプレイヤーのレコード)をチェックできます。

OPTION
ゲームの各種設定を変更できます。

【GRAPHICS】8
アメリカでは「Xbox」のローンチタイトルとしてリリースされていますが、ローンチタイトルとしてはまずまずのグラフィックを実現させています。
ステージもキャラクターもカートゥーンタッチのコミカルなグラフィックになっていますが、そこをキャラクターがソニック並みのハイスピードで駆け抜けながら4‐5分はかかるというのですから、いかにステージが広大かが分かろうというものでしょう。
しかも、ステージ数は全部で9つあり、そのいずれにも変化に富んだ背景とさまざまな仕掛けが用意されています。また、3タイプのキャラクターのうちいずれかしか通れない抜け道も少なからずあります。
キャラクターの動きもいいのですが、難を言えばキャラクターのアクが強すぎることでしょうか。
それから、ハイスピードでありながらキャラクターの動きがめまぐるしいため、長時間プレイしていると3人称視点ながら少し酔う人もいるかもしれません。

【SOUND】7
ドルビーデジタルです。ゲームに合った賑やかなBGMが奏でられます。アメリカでも有名どころのTHE CRYSTAL METHOD、PROPELLERHEADS、FAT BOY SLIM、MOBY、JUNO REACTORといった面々が楽曲を提供しています。
サウンドエフェクトも、問題ありません。また、日本版に当たってのボイスアクティングはとても良くできています。ムービーの吹き替えは素晴らしいと言えるでしょう。

【CONTROL】8
操作性はまずまずです。キャラクターの移動は左スティックで行い、Aボタンでジャンプ、Bボタンで攻撃、Xボタンでレールの滑走とターン中のドリフト、Yボタンでアイテムの使用、といった具合です。
右スティックを回転させて泳いだりはしごをよじ登ったりするというのは面白く、速く回せばそれだけ早く移動できるという辺りがパーティゲーム的でもあります。
ただ、3タイプのキャラクターのスペシャルアビリティがそれぞれ異なるトリガーやボタンに振り分けられているのが残念です。スペシャルアビリティがキャラクターごとに異なるわけですから、すべて同じボタンで出せるようにするべきでした。
ちなみに、スマッシャーは障害物をぶち抜いたりライバルを押しのけたりでき、ダッシャーは急な坂を登ったり加速したりでき、グライダーは障害物や敵を飛び越えたりできます。

【GAMEPLAY】7
カートゥーンタッチのキャラクターたちが繰り広げるアクション要素の強いレースゲームというのは、前述しているように「セガサターン」の「SONIC R」や「ドリームキャスト」の「ペンペントライアイスロン」などでもおなじみのものです。
しかしながら、それらよりも遥かに広大なステージが9つもあり、そのいずれにも変化に富んだ背景とさまざまな仕掛けが用意され、それをハイスピードで駆け抜けるというのは、「Xbox」のマシン性能があればこそでしょう。本当に、ハードの進化というのを実感させられます。
ただ、本作をシングルでプレイする場合、大きな問題がひとつあります。それは、CPUキャラクターのAIについてです。
本作のAIは、プレイヤーが早くゴールに到達しようが、ゆっくりと到達しようが、それに合わせてゴールするように設計されているようです。
実際、コースレコードを出すぐらい速く走っても、それよりもわざと1分ぐらい遅く走っても、AI 3人はキャラクターと相前後してゴールします。たいてい1位から4位までは5秒程度の間にひしめいているのです。
ですから、いくら頑張ってコースを攻略しても、AIもそれに合わせて駆け抜けるというつまらない事態が待ち受けているわけです。
そのため、「ADVENTURE」はあくまでも「VERSUS」のステージやキャラクターを増やすためのものと割り切るしかありません。本作は、「VERSUS」をやるために買うものと考えるべきでしょう。

【LONGEVITY】7
前述しているように、「ADVENTURE」のAIの設計は理不尽なものになっています。
ゲームに慣れてきても爽快感のあるプレイはしづらいでしょうし、ステージやキャラクターを増やすのも手間取りそうです。そこを我慢してプレイできるなら、それなりの時間はプレイすることになるでしょう。
「VERSUS」をプレイする機会が多いなら、それなりの期間は楽しむことができますが、1980円ぐらいだったら元が取れるといった程度でしょうか。

【OVERALL】6
本作は、この手のタイトルとしてはトップクラスのグラフィックとステージの多さ・広大さを誇っていますし、操作性もまずまずです。
しかしながら、キャラクターのアクが少し強いですし、前述しているようなAIの設計の問題点もあります。
そのため、シングルでプレイすることがほとんどという人には、コレクターズアイテム的な目的以外はあまり薦められません。
マルチプレイをやる機会が多い人が1980円ぐらいでゲットできれば、1本用意しておいても悪くはないと思います。

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