「TOM CLANCY’S RAINBOW SIX EXTRACTION」は、1-3人でプレイ可能な協力型タクティカルファーストパーソンシューターです。
地球外生命体「アーキエン」がアメリカ各地に突如出現、12の封鎖ゾーンはキメラパラサイトや進化し続けるアーキエンによって支配されています。これらの危険な生物は、それぞれの特徴と弱点があるため、それを見極めて対処しなければなりません。
プレイヤーは、先進テクノロジーと装備を備えたRainbow Exogenous Analysis & Containment Team(REACT)の精鋭オペレーターとなり、今やかつてないほど危険な存在となったアーキエンに立ち向かい、13種類以上の難易度選択可能なミッションに挑みます。
私が「RAINBOW SIX」シリーズを初めてプレイしたのは2000年に発売された「ドリームキャスト」版「Tom Clancy’s RAINBOW SIX」で、続いて「ドリームキャスト」版の「Tom Clancy’s RAINBOW SIX ROUGE SPEAR」もプレイています。
両者はテロリストと戦う特殊部隊の活躍を描く戦略ゲームで、趣向を凝らしたミッションが次々と楽しめました。後者では、分割画面による4人同時対戦も行えるようになっています。
「Xbox」版では「Tom Clancy’s RAINBOW SIX 3」と「Tom Clancy’s RAINBOW SIX 3 BLACK ARROW」をプレイしていますが、分隊ベースの戦闘アクションゲームながら同シリーズでは初めて完全な1人称視点となって、3人称視点はなくなっています。
「Xbox 360」版では「Tom Clancy’s RAINBOW SIX VEGAS」シリーズをプレイしています。レインボーのチームリーダーとなり、国際的なテロリストのラスベガス強襲作戦を阻止します。
こうしてハードが変わっても「RAINBOW SIX」シリーズを楽しんできたのですが、「RAINBOW SIX」シリーズ自体のリリースが少し開き、2015年にリリースされた「TOM CLANCY’S RAINBOW SIX SIEGE」はマルチプレイ偏重になったこともありプレイしませんでした。
そんなわけで、「TOM CLANCY’S RAINBOW SIX EXTRACTION」は、実に14年ぶりにプレイする「RAINBOW SIX」となるわけです。もちろん、「Xbox Game Pass」に対応していたことが大きく、ソロでも楽しめそうだったこともプレイしようと思った要因でした。
そんな「TOM CLANCY’S RAINBOW SIX EXTRACTION」ですが、冒頭で書いている通り、これまでのテロリストと戦う特殊部隊の活躍を描いたものから一変し、宇宙からの侵略者と戦うSFタクティカルファーストパーソンシューターに様変わりしています。
おなじみの「RAINBOW SIX」シリーズがテロリストと戦うゲームから宇宙からの侵略者と戦うゲームに一変したのですから、これは大きな驚きです。
もっとも、レインボーという精鋭チームが敵と戦うことや屋内が主戦場となるという点に関しては踏襲されているわけで、「RAINBOW SIX」シリーズのエッセンスは色濃く残されているということになります。
私はリリース初日からプレイしたのですが、ゲームのシステム自体も私がプレイしたこれまでのシリーズとは大きく異なっており、ストーリーのあるミッションを順にプレイしていくというよりも、それぞれのマップを繰り返しプレイして楽しむという構成になっているようでした。
本作には、ニューヨーク、サンフランシスコ、アラスカ、トゥルース・オア・コンシクエンシーズという4地域ごとに3マップがあり、各マップは3つのサブゾーンによって構成されています。
ミッションは、サブゾーンごとに、デフォルトで11、サンフランシスコをアンロックしたら脅威レベル: 高以上でプレイできる「ゲームウェイ」を含む12、さらに少し特殊な「全員帰還」を含む13、の中からランダムに与えられます。
それぞれのミッションは、制限時間内(15分)に完了させれば成功となりますが、制限時間を過ぎたり、ミッション完了が不可能になったり、オペレーターがミッション遂行不可能になったりしたら、ミッションは失敗に終わります。
また、次のサブゾーンへは、エアロックにたどり着けば、ミッションを完了させてもさせなくても進むことができますが、次のサブゾーンへ進むと前のサブゾーンに戻ることはできなくなります。
さらに、ミッションの完了が不可能となったり、自身のヘルスが少なく危険な状態になったりした場合には、ミッションの遂行をあきらめ、回収地点で回収要請して回収してもらうこともできます。
ミッションの内容はそれぞれが凝ったものになっており、アーキエンを倒したり捕獲したり、ネストを壊したり調査したり、サブゾーン内を移動して様々な調査をしたり、といったもので構成されています。
しかも、サブゾーンとミッションの組み合わせがランダムになるだけでなく、目的とする対象の配置や登場する敵と出現場所もランダムになっており、脅威レベルによって敵やパラサイト変異も異なってくるため、ミッションが原則12としても飽きることなく繰り返し遊べる仕掛けが施されています。
そうした仕掛けとしては様々な調査が与えられていることも同様で、この調査を進めるために繰り返しサブゾーン内に繰り出したり、調査内容に応じて装備を変更したりすることが求められるため、同じマップ同じミッションに何度でも挑むことになります。
そういった意味では、オペレーターの存在も大きなものになっています。オペレーターは、当初は9人からスタートし、ミッションを完了させたりアーキエンを倒したりすることでXP(経験値)を獲得します。
オペレーターは、レベルアップするごとにステータスが強化されるだけでなく、新たな装備や強力な戦闘用PERKを獲得します。オペレーターのレベルは10まであるのですが、このレベルアップするという要素が本作の強みになっています。
オペレーターは、プレイヤーのマイルストーンの進捗により、9人から3人ずつ増え、最終的には19人までになります。もちろん、それぞれのオペレーターごとに得手不得手や特徴が備わっています。
しかも、後から加わったオペレーターも地道にレベル上げを行う必要があります。そのため、次はこのオペレーターのレベルを上げようと考えてオペレーターを選ぶことになるため、飽くことなき挑戦が続くことになるのです。
オペレーターがミッション遂行不可能になった場合には、アーキエンによってミッション遂行不可能になった都市のサブゾーン内に捕らわれており、救出に向かう必要があります。
また、オペレーターのヘルスが著しく減った状態で回収された場合には、ヘルスが回復するまではミッションに出動することができません。そのため、何人かのオペレーターは並行してレベルアップしておかなければなりません。
さらに、オペレーターは、ミッションを完了させなくても、無事に生還しさえすれば、XPが回収ボーナスで+90%になるため、時には勇気ある撤退も必要になります。このミッション継続か撤退かで悩むことも多々あり、苦渋の決断が迫られます。
私はよく分からずプレイした1回目だけは自動的にマルチプレイになり、ランダムで選ばれた3人でプレイしたのですが、2回目以降はすべてソロでプレイして実績もソロだと厳しいか無理な2個を除いてすべて解除しています。
本作は、1-3人でプレイ可能な協力型タクティカルファーストパーソンシューターとなってはいるものの、明らかにマルチプレイ向けのチューニングが施されており、ソロでプレイし続けているとそれを実感されられたものです。
ミッションは3人でのプレイを前提に作られているようなところがあり、他のプレイヤーに指示できたり、オペレーターが武器を「リロード」する際にわざわざ「リロード!」と言うなど何かと宣言したりします。
極めつけはFPSなのにヘルスが自動回復しないことで、数少ない回復アイテムかアビリティで回復するか、他のプレイヤーに回復させてもらわなければなりません。これがソロだときつい場合があるのです。
週替わりのミッションに至っては、ソロでプレイするのは不可能になっています。しかも、セッションを選んだり自分でセッションを作成したりすることもできず、ランダムに選ばれたセッションに放り込まれます。
事前に他機種とのクロスプレイを許可するかどうかは選べるのですが、せめてセッションを選んだり作成したりする機能はほしかったところです。
アーキエンは、様々なタイプが登場するのですが、それぞれ攻撃方法や弱点などが異なるため、そのアーキエンに適した対応を臨機応変に行われなければならず、ゲームを奥行きあるものにしています。
基本的にはステルスキルがベストの倒し方にはなるのですが、ステルスキルできない敵がいたり、フリーズさせてからステルスキルすることが望ましい敵がいたりして、このあたりも自らの目的によっては事前に装備を考えて決める必要があります。
アーキエンはアップデートにより変異種が何種類か加わったのですが、通常種よりも強くなっていて迅速な対処が求められるようになりました。
ただ、せっかくアップデートにより新たなアーキエンが登場するなら、変異種ではなく完全な新種が登場してほしかったところです。
アップデートに関しては、ひそかに新たなミッションの追加も期待していたのですが、これは実現しませんでした。
本作は、マップ的なバリエーションは見た目の違いが最も大きく、それによる戦術の変化というのはそれほどありません。
これが対戦型ならマップによる戦略の違いもあったのだと思いますが、プレイヤーが協力してミッションに挑むという点ではそれほどないのです。
それだけに、新ミッションの追加は大きな要素であり、ぜひとも実現させてほしかったのです。今後にアップデートがあるのか、あれば新ミッションが追加されるのか、実績も追加されるのか、気になるところです。
このように、本作は新世代の「RAINBOW SIX」として登場したわけですが、マルチプレイ向けのチューニングが施されてはいるものの、様々な仕掛けも用意されており長く楽しめるのではないかと思います。
ストーリー的にも、ミッションを完了したりプレイヤーのマイルストーンが上がるごとにカットシーンが流され、REACT、オペレーター、プロトコル、キメラの生態系、キメラの脅威に関して細かなリポートを読むこともでき、その気になれば物語に深くかかわることも可能です。
「RAINBOW SIX」自体が7年ぶりのリリースであり、プレイしたことがないという人も珍しくはないのではないかと思います。
「RAINBOW SIX」になじんできた人はもちろんですが、「RAINBOW SIX」が初プレイになるという人も、とっつきこそ良くはないものの、ここまで書いてきたように自分なりのこだわりを持ってプレイしていけば面白くなってくるのではないでしょうか。
【ウォークスルーインデックス】
ニューヨークシティ: MONOLITH GARDENS、ミッション: 行方不明のオペレーター
ニューヨークシティ: リバティ島、ミッション: 破壊
ニューヨークシティ: 警察署、ミッション: 三角測量
サンフランシスコ: テンダーロイン、ミッション: 救出
サンフランシスコ: ENTERPRISE SPACE FOUNDATION、ミッション: 汚染除去
サンフランシスコ: APOLLOカジノ&リゾート、ミッション: 生検
アラスカ: EURYDICE渓谷、ミッション: 駆除
アラスカ: ORPHEUSリサーチセンター、ミッション: シャットダウン
アラスカ: ノーム、ミッション: ネストトラッキング
トゥルース・オア・コンシクエンシーズ: シエラ郡立病院、ミッション: 標本
トゥルース・オア・コンシクエンシーズ: ダウンタウン、ミッション: シリアルスキャン
トゥルース・オア・コンシクエンシーズ: ダム、ミッション: ゲートウェイ
ニューヨークシティ: 調査
サンフランシスコ: 調査
アラスカ: 調査
トゥルース・オア・コンシクエンシーズ: 調査
オペレーター
進行状況
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