「トヨタモータースポーツフェスティバル2005」が、2005年11月13日、静岡県・富士スピードウェイで開催されました。
同フェスティバルは、富士スピードウェイのコース改修により2003年、2004年の2年間、鈴鹿サーキットで開催されてきましたが、3年ぶりに地元の富士スピードウェイに戻ってきたというわけです。その内容の濃さは相変わらずで、入場料2000円(前売り1500円)なら十分に元が取れます。
2005年は、トヨタのディーラーなどが招待券を配っていたようで、この手のイベントには珍しく家族連れが大挙して押し寄せ、出店も飲食店を中心にスーパーGTの決勝でも考えられないぐらいにたくさん出て、縁日のような盛況さでした。
こうした層がこれをきっかけにモータースポーツ好きになり、スーパーGTやフォーミュラ・ニッポンなどに足繁く足を運んでほしいものです。そうすれば、日本のモータースポーツも賑わいを取り戻せることでしょう。なお、2005年のイベントスケジュールは、以下の通りです。
◆レーシングコース
08:00~08:50 ネッツカップ ヴィッツ シリーズチャンピオン戦「決勝」09:00~10:05 ネッツカップ アルテッツァ シリーズ最終戦「決勝」
10:30~10:45 ウェルカムセレモニー
10:45~11:05 ヒストリックカーデモラン(トヨタスポーツ800、トヨタ2000GT、トヨタTS010、トヨタTS020の走行)
11:05~11:15 ハイブリッドモータースポーツカーデモラン(プリウス、ハリアー、RX400hのモータースポーツ仕様車両の走行)
11:15~11:35 F1スペシャルラン(ヤルノ・トゥルーリによるトヨタTF105のスペシャル走行)
11:40~12:40 エッソ・フォーミュラトヨタ シリーズ最終戦「決勝」
13:00~13:20 カートテクニックバトル(トップドライバーによるチーム対抗のリレーレース)
13:30~13:40 ドリフトエクストリーム(織戸学、谷口信輝らによるドリフト走行実演)
14:00~14:45 トヨタ モータースポーツ フォーミュラピラミッド(レーシングカート、フォーミュラトヨタ、F3、フォーミュラ・ニッポン、F1の同時走行)
15:00~15:35 オールスター フォーミュラ カップ(各カテゴリーのトップドライバーによるワンメイクレース)
15:45~16:05 SUPER GTウォッチングバスツアー
16:05~16:25 SUPER GTスペシャルデモレース
16:30~16:40 スペシャルフィナーレ
◆イベント広場
トヨタF1コクピットシミュレーターカー(モニター画面を使ったトヨタTF105のシミュレーター)
TMSFステージ(パリダカドライバートークショー、GT300ドライバートークショー、GT500ドライバートークショー、TDPドライバートークショー)
バーチャルグランプリ@富士スピードウェイ (「グランツーリスモ4」によるフォーミュラカー体験)
◆パドック内
トヨタF1ミュージアムゾーン(トヨタTF105、タイヤ、ブレーキディスク、シート、ドライバースーツ、ヘルメットの展示)
レーシングカー展示コーナー(歴代のレーシングカー、ハイブリッドモータースポーツカー、トヨタスポーツ800、トヨタ2000GTなどの展示)
東京モーターショー出展車両、パートナーロボット、i-unitの展示・解説・実演
◆グラスツール モータースポーツゾーン
モータースポーツ入門コーナー、モータースポーツステップアップ講座、公式レース専用パドック
◆その他
ドリフト同乗体験、オフロード体験コーナー、カート体験コーナー、安全運転プログラムの体験
F1スペシャルランは、ヤルノ・トゥルーリがネッツコーナーでスピンを喫するなど、かなり気合の入った走りを見せていました。また、ヴィッツ、マークXとの3台によるハンデキャップレースも開催されています。
このあたりは、日頃、モータースポーツに接したことのない人にとっても楽める企画だったように思います。個人的には、トヨタTF105とトヨタTS020とのマッチレースや、トヨタTS020とスーパーGTマシンのレースなどもあれば、より楽しかったと思います。
楽しかった企画といえば、「オールスター フォーミュラ カップ」です。これは、中嶋一貴、山本左近、片岡龍也、高木虎之介、脇阪寿一、服部尚貴の6人がフォーミュラトヨタ・スクールカーに乗って6周のレースを行うというものです。
予選は抽選となり、グリッドは、片岡龍也、服部尚貴、脇阪寿一、山本左近、中嶋一貴、高木虎之介の順。予選3位となった脇阪寿一は、「アンダーステアが出た」とのコメント。
フォーメーションラップでは、山本左近がギアトラブルにより出走することができないというハプニングに続き、脇阪寿一がパナソニックコーナーでスピンを喫します。
「不慣れなマシンでタイヤを暖めているうちにスピンしました。でも、フォーミュラでドリフトしたかったといのもあります(笑)」という脇阪らしい理由で最後尾スタートとなります。
決勝は、2番手スタートの服部尚貴がトップに立ち、追い上げた脇阪寿一の激しいアタックをしのぎ切って逃げ切り勝ち。参加ドライバーのコメントは以下の通りです。
優勝: 服部尚貴「全開で頑張ろうと、超マジで走りました。楽しかったです」。
3位: 片岡龍也「スタートでフライングしそうになり、びっくりしてアクセルを緩めました。後ろの脇阪さんの目が怖くて、抑え切れませんでした」。
4位: 高木虎之介「服部さん引退のシナリオがあると思って最初はアクセルを緩めて走っていたら、みんなマジで走っていたので慌てました。あと5周あったら、勝てたと思います」。
5位: 中嶋一貴「楽しかったです。今度はみんなとバトルしたいと思います」。
イベント全般としては、3年前以上に充実していて楽しめるものでした。「愛・地球博」で時には何時間も並んで見なければならなかったパートナーロボットの演奏や、「東京モーターショー」に出展されたコンセプトカーのLF-Aも簡単に見ることができましたし、今後も足を運びたいと思います。
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