2014年アジアン・ルマン・シリーズ第2戦「3 Hours of Fuji」(2014.8.31富士)

2014年アジアン・ルマン・シリーズ第2戦「3 Hours of Fuji」を見るために、2014年8月31日に富士スピードウェイに行ってきました。
アジアン・ルマン・シリーズは、「ル・マン24時間レース」などのFIA世界耐久選手権(WEC)を頂点に、ヨーロッパ、アメリカ、アジアで開催されている耐久レースシリーズのひとつです。
日本では、「ジャパン・ルマン・チャレンジ」が2006年から2007年に開催されていて、私も2007年に練習走行を見に行きましたが、思いのほか参加車両が増えず、残念ながら2シーズン限りで終了しています。
アメリカでは14年、ヨーロッパでは9年、それぞれ続いているだけに、日本で続かなかったのは残念なところですが、21世紀の日本のレース界はメーカーが国内独自規格のGTだけに力を入れているので致し方なかった部分もあります。
そんなわけで、アジアン・ルマンは、日本を含むアジアでは、それ以来のルマン・シリーズの試みとなっています。
ルマン・シリーズは、各地域で参加車両に微妙な違いがあるのですが、アジアは、プロトタイプカー(LMP2、CNプロトタイプ)、GT(LM GT、GT AM)の4クラスで開催されています。
それでも、第1戦が行われた韓国のインジェでは、予選が8台、決勝が6台と、参加車両が集まらず、6台で耐久レースを行うという事態に陥っています。第2戦の富士でもそうした状況は変わらず、当初のエントリーは7台でした。

ただ、入場料が2000円で駐車料金は入場料に含まれ、パドックフリーで決勝のスターティンググリッドにも入れるということで、国をまたがるトップクラスの大会としては、破格の好条件です。しかも、近隣住民は証明書を見せれば無料で入場できます。
私は、決勝のスターティンググリッドは、1993年の全日本F3000選手権以来、入ったことがなかったので、2000円でここまでできるというのは、とても魅力でした。
ただ、エントリーが7台ということと、当初の予報では天候が悪かったこともあって、土曜日の午前中まで行くかどうか迷っていました。
ところが、土曜日の午後になって、GT AMにランボルギーニ・ガヤルド2台が追加され、しかも、その1台は中谷明彦、松田秀士、竹内浩典という、懐かしかったり、おなじみだったする顔ぶれで、合計台数が9台に増えました。
予選タイムも、優勝争いの2台が拮抗していて、それ以外の7台もまずまず詰まっていて、大きなトラブルさえなければ面白いレースになりそうでした。
天候も、決勝が始まる14時30分過ぎから雨だったのが、曇りで折り畳み傘があると安心に変わりました。
それならばと、台数面では15台ぐらいはほしかったものの、行くことに決めたのです。
当日は、最初のレースである「ランボルギーニ・ブランパン・スーパートロフェオ・アジアシリーズ第3戦」が始まる10時25分に余裕を持って間に合うように出かけました。

そんなには混まないだろうと思っていたのですが、案の定、空いていて、クルマもSUPER GTやスーパーフォーミュラの平日のテストのように、パドックこそ当然無理だったものの、どこにでも止めることができました。
私は、グランドスタンドとパドックの行き来に便利な、グランドスタンド下にとめ、ここを拠点にしました。
お客さんの入りとしては、SUPER GTの平日のテストぐらいです。ただ、近隣住民、ランボルギーニのオーナーもそれなりの数が来場していたので、このレースが見たくて来たという人だけだと、もう少し数が少なくなると思います。
ランボルギーニのオーナーは、すべてではないのですが、明らかに人種が異なるのですぐに分かります。
パドックは、ランボルギーニがクルマを何台も展示していて、ランボルギーニのオーナーのクルマも何十台もとまっていました。
ランボルギーニのレースがなかったら、パドックはもっと地味になっていたと思います。イベント広場にしても、テントの出店は1軒もなく、駐車場代わりになっていて、グランドスタンド1コーナー寄りの常設店舗が何軒が開いているだけでした。
それでも、場内実況も場内テレビもあり、お客さんが少なく、出店がないということを除けば、SUPER GTに遜色ないレースイベントとなっていました。
さて、レースは、追加エントリーされたランボルギーニ2台のうち82号車が出走をとりやめ、8台で行われています。予選結果は、以下の通りです。

1 27 EURASIA MOTORSPORT LMP2 Oreca Nissan 1’34.495
     (PU Jun Jin、John HARTSHORNE、 Richard BRADLEY)
2  1 OAK RACING TEAM TOTAL LMP2 MORGAN JUDD 1’34.505
     (Ho-Pin Tung、David CHENG 、Keiko IHARA)
3 90 TEAM AAI GT MERCEDES-BENZ SLS AMG GT3 1’40.026
     (Yu Lam、Takeshi TSUCHIYA、Takamitsu MATSUI)
4 77 CRAFT-BAMBOO RACING CN LIGIER JS 53 EVO 1’40.124
     (Mathias BECHE、Kevin TSE、Samson CHAN)
5 91 TEAM AAI GT BMW Z4 1’40.812
     (Jun San CHEN 、Tatsuya TANIGAWA、Carlo van DAM)
6 92 TEAM AAI GT NISSAN GTR 1’40.872
     (Morris CHEN 、Ryohei SAKAGUCHI、Marco SEEFRIED)
7 11 THE EMPEROR RACING GT-AM LAMBORGHINI GALLARDO 1’42.617
     (JIANG Xin 、Max WISER、Giorgio SANNA)
8 82 THE EMPEROR RACING GT-AM LAMBORGHINI GALLARDO 1’42.902
     (Akihiko NAKAYA 、Hideshi MATSUDA 、Hironori TAKEUCHI)
9 21 TEAM AVELON FORMULA CN WOLF GB08 1’43.440
     (Denis LIAN、William LOK 、James MITCHELL)

決勝は、グリッドウォークが終わってすぐのこともあり、ピット上で見始め、30分弱いました。
フォーメーションラップの際、予選1位のユーラシアモータースポーツのオレカ・ニッサンがエンジンがかからずスタートできず、ピットスタートになります。
しかも、不思議なレギュレーションで、各車がスタート後に1コーナーを通過してからでなく、2周目の1コーナーを通過してからのスタートとなり、いきなり全車に周回遅れというハンデを背負うことになります。
それでも、そこはスタートドライバーのリチャード・ブラッドレー。OAKレーシングのモーガン・ジャッドのスタートドライバーである井原慶子よりも3秒速いペースで追い上げ、すぐに同一ラップまで巻き返します。
しかも、井原慶子がバリアに突っ込み、ピットで修復する間にトップに立ってしまいます。
私は、その頃には、コカ・コーラコーナー、100R、アドバンコーナー(ヘアピン)、Cパドック横を通ってダンロップコーナー、プリウスコーナーと徒歩で1時間30分ほどかけて移動していたため、細かな情報は場内アナウンス頼みでした。
この間に、ユーラシアモータースポーツのオレカ・ニッサンがピットで手間取っていたのか、OAKレーシングのモーガン・ジャッドが先頭に立ちます。
私は、残り45分ぐらいからは、レースの流れが分かるようにグランドスタンドに戻ってきたのですが、そのままOAKレーシングのモーガン・ジャッドが逃げ切って105周を走り、ユーラシアモータースポーツのオレカ・ニッサンに1周差をつけて、開幕2連勝を飾ります。

GTクラスは、耐久レースにもかかわらず、チームAAI同士のメルセデス・ベンツSLS AMG GT3とBMW Z4が抜きつ抜かれつのレースを繰り広げ、メルセデス・ベンツSLS AMG GT3が82周でストップしたため、BMW Z4が総合3位となる103周で制しています。
出走台数こそ少なかったものの、8台が走行して、7台が完走扱いで、8台が82周以上を走行と、完走率、走行率も高かったです。
私は、行こうかどうか直前まで迷いましたが、気温は25度あたりを頂点にゴール時点では21度ぐらいで、湿度が70%ほどはあったため、半袖シャツでちょうどいいぐらいで、雨も降らず、過ごしやすい天候でした。
また、オフィシャルプログラムが600円と一般的な1000円に比べると安く、厚みは少し薄いものの広告を除けば実質的なページ数はそれほど見劣りせず、リーズナブルでした。
リザルトも、サポートイベントを含めると50種類ほどが自由に取れるようになっており、私は基本的にはアジアン・ルマン分だけをもらってきましたが、このあたりもサービスが良かったです。
レースも、プロフェッショナルで、けっこう盛り上がって充実していて、2000円でこれだけ楽しめれば、行って良かったと思います。
2015年も継続開催されるのか、富士でも行われるのか、参加台数が増えて盛り上がるとここまでのサービスは望めないのか、そのあたりはまだ分かりませんが、これだったら来年も見に行ってもいいかなと思えるイベントでした。

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