「2023 SUPER GT」GT300クラス参戦「ANEST IWATA Racing」車両お披露目イベント(2023.2.12)

「2023 SUPER GT」のGT300クラスに参戦する「ANEST IWATA Racing」(A.I.R.)の車両お披露目イベントが、2023年2月12日、アネスト岩田株式会社横浜本社で催された「2023 ANEST IWATA BLUE LINK Fes.」で行われました。
同社は、2023年で創業96年を迎える産業機械メーカーで、各種空気圧縮機、真空機器、塗装機器・設備、液圧機器・設備を製造・販売。海外20ヵ国以上に30以上の拠点を配置しグローバルに展開しています。
A.I.R.の活動は、今までの同社にとって未知未踏の領域を切り開く「挑戦」の象徴的な突破口で、モータースポーツを通じて社会と繋がるプラットフォームとなるということです。
エントラント名は「ANEST IWATA Racing with Arnage」となり、参戦車両は「ANEST IWATA Racing RC F GT3」(カーNo. 50)で、タイヤは横浜ゴム。
カーデザインは、参戦パートナーである「グランツーリスモ」シリーズの開発元であるポリフォニー・デジタルが行っています。
ドライバーはイゴール・大村・フラガ、古谷悠河、小山美姫の3人で、総監督は武田克己(アネスト岩田)、監督は松浦佑亮、エンジニアは天澤天二郎。

「2023 ANEST IWATA BLUE LINK Fes.」は、「公園や空き地のように、新しい遊び場として地域の方に開放したい」という想いから計画。
「ブルーリンク」という言葉には、同社のコーポレートカラーであるアネスト岩田のブルーに皆が集まり、新しい繋がり生まれ、そしてたくさんの笑顔が生まれてほしいという願いが込められているそうです。
今回は試験的な試みであるものの、好評であれば第2弾、第3弾と計画をしていきたいと考えているようです。
そんなイベントは、同社の敷地を入場料無料・予約不要で地域住民に開放、地域のお祭りのように気軽にふらっと立ち寄れるようになっています。
会場内では、「SUPER GT 2023 GT300車両お披露目・搭乗体験・サイン会」、「キッズカート」、「エア射的」、「真空釣り堀」、「レースチャレンジ」、「パトカー&白バイ展示・乗車」、「ふわふわ」、「アネスト岩田with SIXPAD」、「マリノスケ」、「とれおんくん」、「キッチンカー」、「アネスト岩田商品展示」、「ヘルスチェック体験会」という多彩なイベントが用意され、9時30分から16時00分まで楽しむことができます。

私も、12時00分からの「SUPER GT 2023 GT300クラス レースカー登場&ドライバー紹介」を中心にイベントにお邪魔してきたので、その内容をリポートします。
横浜も金曜日は雹から雨に替わり、その雨が終日続いたのですが、土曜日は快晴となり、当日の日曜日も土曜日ほどではないものの天気は良く、2月中旬としては気温も高く、過ごしやすい一日になりました。
「2023 ANEST IWATA BLUE LINK Fes.」も初の試みとあってどれぐらい人が集まるのか不安だったのですが、開けてみるとそんな考えは杞憂に終わりました。11時30分頃に会場に到着すると、既に大勢の人出で賑わっていたのです。
入場ゲート横に展示された「パトカー&白バイ展示・乗車」に見入ったり乗車したりする人は多く、「ふわふわ」も数十人の行列ができてました。
入口左手には「キッチンカー」が3台並んでいたのですが、昼前ながらどのキッチンカーも昼食を買い求める人で活況を呈していました。
屋内イベントである「エア射的」、「真空釣り堀」、「アネスト岩田with SIXPAD」、「ヘルスチェック体験会」、「グランツーリスモ7」を使用した「レースチャレンジ」もすべて行列ができており、想像以上の人気でした。

さて、肝心の「SUPER GT 2023 GT300車両お披露目・搭乗体験・サイン会」は、メインステージで正午から開催されました。
こちらも、ステージ前は人だかりができており、イベントそのものを楽しもうという人だけでなく、SUPER GTのファンも思いのほか来場しているようです。

最初に登壇したのは、サードドライバーの小山美姫選手。彼女は、2022年に「フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ」で年間ドライバーズタイトルを獲得、FIA公認の男女混合シングルシーター選手権で史上初の女性チャンピオンとなっています。
「箱車に乗るのはすごい久しぶりで、SUPER GTも初めてなんですけども、今回、Cドライバーということで、どこで出番があるか分からないんですけども、チャンスいただいた時にはいい走りができるように頑張ります。応援よろしくお願いします」。
3月の公式テストはもちろんのこと、5月の富士はドライバー3人制を採用するGT300チームも多く、ここが実戦デビューになりそうです。

2番目に登壇したのは、セカンドドライバーの古谷悠河選手。カートの世界大会「ROTAX MAX CHALLENGE GRAND FINALS」へ日本代表として招集され2021年に「フォーミュラー・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピョンシップ」でシリーズチャンピオンに輝いています。
「僕はSUPER GTに参戦するのは初めてなので、ルーキーとしていろいろ勉強しなければいなけいことばっかりなんですけど、3人で力を合わせて頑張っていきますので、応援のほどよろしくお願いいたします」。
SUPER GTでは新人ドライバーながら、セカンドライバーということでシリーズ全戦への出場が見込まれるだけに、重責に打ち勝つだけの素晴らしいドライビングを期待したいところです。

最後は、ファーストドライバーのイゴール・大村・フラガ選手が、「ANEST IWATA Racing RC F GT3」をドライブして派手に登場。
バーチャルでは、2018年に「FIAグランツーリスモ選手権」ネイションズカップ(個人戦)で初代世界チャンピオンになるなど大活躍。
リアルでは、2017年にブラジルF3を制し、2019年には「フォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ」でドライバーズランキング3位。2020年には「トヨタレーシングシリーズ」(ニュージーランド)に参戦し、現F1ドライバーの角田裕毅選手を破ってチャンピオンになっています。
「今年はようやく僕のキャリアでレースを再開できるっていうことなんですけども、20年終わりにコロナの影響だったり、いろんなことでレースができなくなってしまったんですけども、去年、日本に来て、アネストさんだったり、チームのみなさんから声や支援をいただいて、またレースをできるっていうことになって、本当にうれしく思っています。チームと一丸となって、今年は一生懸命頑張っていくので、みなさんも応援よろしくお願いします」。
彼は、1年のブランクがありますが、バーチャルだけでなくリアルの実績も十分にあり、ファーストドライバーらしい速さと強さを見せてくれることでしょう。

3人ともSUPER GTは初挑戦というわけで思い切った布陣に映りますが、「フレッシュでダイバーシティ。レースを重ねるにつれての才能開花や、力が合わさったときの化学変化が楽しみな体制です」とあるように、何かをやってくれそうな気配を感じます。
まずは、3月に行われる公式テストでどのような結果を残してくれるのかを楽しみに待つとしましょう。
また、「2023 ANEST IWATA BLUE LINK Fes.」も、2回、3回と続けていってほしいと思いますし、回を重ねるごとにより充実したイベントになることを期待したところです。

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