「2024 FIA世界耐久選手権第7戦 富士6時間耐久レース」の練習走行(フリープラクティス=FP)を見るために、2024年9月13日に富士スピードウェイに行ってきました。
FIA WECは、2012年にFIA(世界自動車連盟)が「ル・マン24時間レース」を主催するACO(フランス西部自動車クラブ)と協力して立ち上げた世界選手権です。
2024年は、総合優勝を争うHYPERCAR、GTカーのLMGT3、の2カテゴリーで争われます。
2023年までは、HYPERCAR、LMP2、LMGTE、の3カテゴリーで行われていたため、改革初年度となるわけです。
また、HYPERCARは、2023年は、トヨタ、プジョー、フェラーリ、ポルシェ、キャデラック、ヴァンウォール、グリッケンハウスの7チームでした。
しかし、2024年はヴァンウォールとグリッケンハウスこそ抜けたものの、BMW、アルピーヌ、ランボルギーニが加わり、8メーカー18台とより豪華になっています。
LMGT3は、アストンマーティン、BMW、フェラーリ、マクラーレン、ランボルギーニ、フォード、レクサス、コルベット、ポルシェ、と9メーカー18台と、LMGTE時代をはるかにしのぐ盛況ぶりです。
FPは、FP1が11時00分~12時30分、FP2が15時30分~17時00分と、1回目のスタート時間と2回目の終了時間が決勝のスタート時間とゴール時間と同じになっています。
これは何年も続いており、気象条件などのシミュレーションがしやすいように合わせているのではないかと思います。
FP当日は、9月に入っても日本列島が連日の猛暑に見舞われていたものの、一日を通じて時折晴れ間が望む薄曇りでそんなに暑くはなく、グランドスタンドなどの日陰では通り過ぎる風が心地良いほどでした。
そんなわけで、路面も完全なドライコンディションとなり、午前のFP1、午後のFP2を通じてHYPERCAR、LMGT3ともに大半の車両が積極的に走行しコースは活況を呈していました。
WECの走行時間は、SUPER GTやスーパーフォーミュラの午前午後各2時間とは異なり、午前午後各1時間30分と短くなっていることや、東名高速道路の渋滞で11時前に到着したこともあり、グランドスタンドで昼食1回目を摂りながらの観戦からスタート。
私は、公式テストや公式練習をグランドスタンドにしばらく陣取って見ることは少ないのですが、年に1回のWECということもあり、各車の走りをグランドスタンドから眺めるのはそれなりに楽しかったです。
その後は、例によってADVANコーナーとダンロップコーナーで写真や動画を撮ったりしながら観戦。
午後は、第1コーナーグランドスタンドに座って開始時間から終了時間までじっくりと観戦。トップスピードが出るストレートエンドから第1コーナーに向けてのハードブレーキングは見ごたえがあります。
また、第1コーナーは車両やスピードによってクリッピングポイントに付いたり大回りしたりと違いがあるため、それを見るのも楽しいものです。
SUPER GTやスープーフォーミュラだと午前、午後のセッションは2時間ずつあるため、コカコーラコーナーなども見るのですが、午前、午後1時間半ずつだと時間的に余裕がなく、そこまでは回れません。
WECも、SUPER GTやスーパーフォーミュラのように午前、午後のセッションとも2時間ずつだとゆっくりと回れるので検討してほしいところです。
さて、この記事を公開している時点で決勝スタートも間近のため、各車の考察をあれこれと書いてもあまり意味がありません。
ただ、FPの時点ではHYPERCARもLMGT3も各車順調な仕上がりを見せているようで、目立って調子が悪いクルマはないように思いました。
また、プジョー9X8は2023年まではリアウイングレスだったのですが、2024年途中からリアウイング付きとなり、富士での走りも注目していました。
2022年は1コーナー手前で車体のバタつきがあり、それが2023年はほとんど収まっていたのですが、2024年はより安定しており安心して見ていられます。
もっとも、BOP(性能調整)の恩恵があるはずなのに、それほど速さは感じられずそのあたりは残念なところです。
それに対して、キャデラック、アルピーヌは走りと速さに光るものがあり、キャデラックは1台だけ、アルピーヌは参戦初戦度になるものの、決勝での走りが期待されます。
このように、WECの最高峰クラスであるHYPERCARが2023年の12台から1.5倍の18台となると壮観で、次から次へと現れるHYPERCARを休みなく目で追えるという夢のような時間となりました。
それぞれが個性的なボディワークとボディカラーを施しながらも、いずれもカッコいいのが素晴らしく、決勝が本当に楽しみで仕方ありません。
さて、毎年書いていますが、2024年の富士でも、「36 Hours of Fuji」というイベントが併催されます。
名称の通り、土曜日の朝から日曜日の夕方にかけての36時間のイベントで、金曜日はそれに含まれません。
ところが、金曜日の入場料と駐車料は年々値上がりするなど、両者の合計は2018年が5100円、2019年が5300円、2022年と2023年が6000円、2024年が6500円と、年々高価になっています。
金曜日は公式開催日で、公式アナウンサーも驚くほど多くの人が来場しているのに、イベント広場は設営中、売りのイベントの大半は土日限定です。
もっとも、2024年は、2023年に比べると展示や体験、物販で開いているところは増えており、それなりに来場者の増加を考慮しているようです。
2025年も、金曜日の入場料は最低でも据え置き、展示、体験、物販、イベントの対応がさらに増えることを期待したいものです。
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