「NINTENDO SWITCH」を、発売日である3月3日からプレイして2週間経過しました。少し早いもののレビューします。
なお、私は、1月14日の「Nintendo Switch 体験会 2017」に行って「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」と「ARMS」を体験し、1月21日の予約受付初日に「ヤマダウェブコム」で「ネオンブルー/ネオンレッド」を予約しています。
もっとも、3月3日早朝からクルマで4日間、関西に出かけることになっており、予約してまで買った新ハードを発売日からしばらくはプレイできない可能性もありました。しかし、前日の2日に配送され、喜んでいたら、案の定、2時間ほどして回収されてしまいました。
それでも、「ヤマダウェブコム」に電話したら営業所受け取りが可能になり、3日の早朝に受け取り、夜にチェックインしたホテルで初期設定はもちろんのこと、「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」のさわりまでプレイすることができました。
新ハードの発売日と旅行初日が重なるというまたとない体験をしたことになりますが、それだけでなく、発売日早朝にクルマで営業所まで受け取りに行き、その日に自宅から500kmも離れたホテルで新ハードを開封するという、それ以上にまたとない体験をしたことになります。
【デザイン】8
少し厚みのある6.2インチの黒いタブレット。簡単に言うと、こういうことになります。画面サイズが6.2インチなので、巨大なスマートフォン、小さなタブレット、と言うこともできます。
スマートフォンやタブレットとの違いは、「Joy-Con」を取り付けるためのレールが左右にあることです。横から見ると少し間抜けな感じはしますが、今のところ「Joy-Con」を装着せずに本体だけを持つことはないため、違和感はありません。
そんなわけで、デザイン自体はオーソドックスですが、「Wii U」のゲームパッドと比べると、はるかに洗練された印象はあります。また、背面中央にロゴと「NINTENDO SWITCH」と描かれているのですが、これがなかなかかっこいいです。
上面に電源ボタン、音量ボタン、排気口、ヘッドホンマイク端子、ゲームカードスロット、前面にステレオスピーカー、明るさセンサー、背面にスタンド、スタンド内部にmicroSDカードスロット、吸気口(?)、下面にUSB Type-C端子、があります。
スマートフォン、タブレットと比べてもオーソドックスなレイアウトで、きれいにまとめられています。また、特徴的なのが吸排気口があることで、本体の厚みとともに、「Xbox One」、「プレイステーション4」相当の据え置きゲーム機であることを実感させられます。
「Nintendo Switchドック」は、これ自体に本体の性能をアップさせるような機能はなく、本体をテレビと接続したり、本体に充電するための単なる箱です。それでも、大人びた雰囲気は持っており、背面のケースに接続するケーブルの端子を隠せるため、すっきりとした印象はあります。
【ソフト】5
私は、「Wii U」も予約開始日に予約して発売日に購入しましたが、買ったソフトは、「Nintendo Switch」発売時点で、ローンチの「ZombiU」、「零~濡鴉の巫女~」、「スカイランダーズ スパイロの大冒険」の3本きりです。
私は、リアルな3Dグラフィックのストーリーがしっかりとした大人っぽいゲームが好みで、任天堂のファーストタイトルは合わないため、任天堂ハードはソフトの購入本数がどうしても減ってしまいます。
それでも、「Wii U」、「NINTENDO SWITCH」ともに予約開始日に予約して発売日に買うのは、両機種ともに他機種にないギミックがとても楽しみだからです。
また、ローンチタイトルも、「Wii U」には大好きなリアル系ゾンビの「ZombiU」があり、「NINTENDO SWITCH」には体験会で20分間プレイして面白そうだった「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」があり、発売日からしばらくは新ハードを存分に楽しめるということもありました。
買ったソフトが少ないもうひとつの理由は、私のメインプラットフォームが「Xbox」シリーズとあって、マルチタイトルは原則として「Xbox」シリーズでプレイするからです。
もし、私が任天堂の据え置きゲーム機しか持っていなければ、「Wii U」も発売当初に出た海外ソフトを何本か買っていたはずなので、所有ソフトはもう少し増えていたと思います。
話を本来のソフトの質ということに戻すと、これは「Wii U」同様にいささか心もとないです。「Xbox One」、「プレイステーション4」ともに、ファースト、セカンドのタイトルはしっかりしており、そこに強力なサードのマルチタイトルが加わります。
しかし、「NINTENDO SWITCH」は、「Wii U」同様に、サードの独占タイトルはもちろんのこと、マルチタイトルもどこまで発売されるのか不安がつきまといます。サードのローンチは、ほとんどがお茶を濁したような移植タイトルで、しばらくは大型完全新作が発売されません。
個人的には、「真・女神転生 シリーズ最新作」には期待していますが、それまでにこれといったサードタイトルが出るかどうか。ファースト・セカンドタイトルも、「零 シリーズ最新作」が出るものと勝手に決めつけていますが、これが出ないと寂しいものになってしまいます。
「NINTENDO SWITCH」から大きく変わったのが、久しぶりに任天堂のゲーム機がリージョンフリーになったことです。「プレイステーション4」も「Xbox One」もリージョンフリーになっているので、これで現行据え置き機は3機種すべてがリージョンフリーになったことになります。
私は、もし「NINTENDO SWITCH」がリージョンフリーでなければ、購入を見送るか、北米版本体を買おうと考えていました。実際、私は、北米版本体を何台も持っており、「Newニンテンドー3DS LL」は、日本版(LL)と北米版(XL)の両方の本体を持っています。
前述したように、私はリアルな3Dグラフィックのストーリーがしっかりとした大人っぽいゲームが好みです。しかし、任天堂の特に日本製ファーストタイトルにはそれが望みづらく、日本のサードタイトルも今のところ期待薄です。
そこを、リアル志向の海外タイトルが埋めてくれる可能性があるのです。もちろん、独占タイトルでなければ意味はないのですが、本体がリージョンフリーであるなら希望は持てます。
現状は、ソフトの質は「5」とならざるを得ませんが、今後の状況次第では「8」も十分に可能だと思います。
【操作感】6
「Nintendo Switch」は、スイッチという名称の通り、「TVモード」、「テーブルモード」、「携帯モード」という3種類のモードでプレイすることができます。
「TVモード」は、本体を「Nintendo Switchドック」に置き、通常の据え置きゲーム機としてプレイするモードです。「Joy-Con」を分け合い、対戦や協力プレイを行うこともできます。
「テーブルモード」は、本体背面のスタンドを立て、本体のディスプレイでゲームを楽しむモードです。「Joy-Con」を分け合い、対戦や協力プレイを行うこともできます。
「携帯モード」は、本体の左右に「Joy-Con」を装着し、携帯ゲーム機のようにプレイするモードです。
「TVモード」では、「Joy-Con」を「Joy-Conグリップ」に装着してプレイします。「Joy-Conグリップ」は、幅は「Xbox One」と「プレイステーション4」のコントローラーよりも狭く、グリップ自体も「プレイステーション4」よりも2まわりぐらい細くなります。
そのため、いささかコンパクトな感じで、ホールド感はベストな「Xbox One」はもちろんのこと、「プレイステーション4」よりも劣りますし、「Xbox One」が肩や肘を自然なポジションに置けるのに対し、「Joy-Conグリップ」は肘を脇腹に密着させるような窮屈な姿勢を強いられます。
もっとも、ホールド感も姿勢も慣れの範疇ではあり、プレイに不都合が出るほどではありませんが、もう少し全体に大きくても良かったように思います。
また、「Joy-Con」のボタンは、全般に「ニンテンドー3DS」のボタンのように小さく、据え置きゲーム機として考えた場合には、快適と言えるものではありません。+ボタン、-ボタンは特に小さく、L(R)ボタンとZL(ZR)ボタンの間隔も狭くて人差し指と中指を安定して添えづらいです。
「携帯モード」でプレイする場合には、全体をある程度コンパクトにする必要がありますし、ボタンのサイズや配置はこんなものかなと思えます。
「携帯モード」時の重量は、「Joy-Con」を左右に装着して約398gになりますが、実は「Newニンテンドー3DS LL」が約329gで、それほど重いわけでもありません。手に持った際のバランスも良く、脚に肘をつくなどすれば、そんなには肩腕が疲れないと思います。
ただし、「携帯モード」時は、本体も「Joy-con」もツルツルとした感触で、ホールド感は良くはありません。そのため、「携帯モード」時は、傷防止の意味も含めて、カバーを装着した方がいいと思います。
私は、関西までの移動時に寄った「EDION」で、ゲームテックの「シリコンプロテクタSW」を買いましたが、粘着性の素材でホールド感はかなり向上しました。その分、埃は付着しやすいです。
また、このカバーは、ボタン類もすべてカバーしており、ボタンがカバー分大きくなり、素材的に滑りにくくなるため、ボタン類の操作性もむしろ良くなっています。
惜しむらくは、カバーを装着したままでは、「Nintendo Switchドック」にも、「Joy-Conグリップ」にも、入れられないことですが、あまり薄くてもカバーの意味がなくなりますし、致し方ありません。
なお、液晶保護フィルムは、予約時のおまけだったホリの「液晶保護フィルム for Nintendo Switch」を使っていますが、特に問題はありません。
【描画・画質】8
最大1920×1080ピクセル60fpsで、「テーブルモード」と「携帯モード」時には画面解像度に従い最大1280×720ピクセルになります。
「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」は、絵柄に独特の質感がありますが、オープンワールドでありながら遠くまで破綻なく見渡すことができますし、キャラクターの動きも滑らかです。
「Xbox One」と「プレイステーション4」とまではいかないまでも、この小さい本体でそれに近い描画・画質が実現できているのは素晴らしいことです。
「携帯モード」時は、「TVモード」時に比べると画質が劣ることになりますが、明らかに劣るというわけでもなく、遜色ない表現ができており、「TVモード」から「携帯モード」に切り替えても、特に違和感を覚えることはありません。
【サイズ】10
「デザイン」のところで、少し厚みがあると書きましたが、本体はこれがすべてで、これで「Xbox One」や「プレイステーション4」に近い性能を持っているのですから、そう考えるとこのコンパクトさはすごいことです。
任天堂の据え置きゲーム機は、「ゲームキューブ」以降、小さいのが特徴になっていますが、「NINTENDO SWITCH」では、その伝統を継承した上で、より高性能で、よりコンパクトになっているのですから大したものです。
「携帯モード」時は、画面が6.2インチある上、両横に「Joy-Con」を装着するため、さすがに横幅が23.9cmと大きくなりますが、それでも両手で持っても体の幅を超えることはなく、持て余す大きさではありません。
ちなみに、内蔵バッテリーは、リチウムイオンバッテリーで、電池容量は4310mAhとなります。バッテリー持続時間は、約2.5~6.5時間で、「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」は約3時間です。
3時間持てば、セールやイベントの行列や空き時間にプレイする分にはなんとかなりますが、旅行などで2泊3泊とかする際には、途中でプレイできなくなってしまいます。せっかくサイズが小さいのに、「Nintendo Switchドック」やACアダプターを持ち運ぶのはかさばります。そもそも、AVラックに設置してあるものを、いちいち外すのは面倒です。
本体の充電はUSB Type-C端子を用いて行いますが、本体のACアダプターは約5Vでタブレットなどとの汎用性が高いため、私は「iPad mini 3」のACアダプターと100円ショップの「セリア」で売られている「USB Type-C充電・転送ケーブル50cm」を接続して充電してみました。
この組み合わせで、問題なく充電することができ、充電スピードも十分に出ています。旅行などは、この組み合わせがコンパクトに収まるため、これで対応するつもりです。
【拡張性】★★★★★ 5
私が据え置きゲーム機をプレイしていて困ることは、オートセーブのみのゲームでなかなかセーブポイントまで到達しないことや、ボス戦などで思いのほかプレイが長引いてすぐにゲームを終えられないことです。
旅行などで家を空ける際も、数日間、据え置きゲーム機をプレイできないというのも困りものですし、セールやイベントの行列や空き時間に据え置きゲーム機の続きをプレイできればどんなにか有意義なことでしょう。
また、私が携帯ゲーム機に求めるものは、据え置きゲーム機と同等の操作性とシステムとグラフィックで、据え置きゲーム機に劣る操作性や専用に作られたシステムや著しく劣るグラフィックは望んでいません。
前者の悩みは、「プレイステーション4」は「PS Vita」でリモートプレイできますし、「Xbox One」は「Xbox Play Anywhere」がありますが、回線の問題や操作性の問題はつきまといます。
後者の悩みは、「PS Vita」が高性能であるため、かなり解消されてはいますが、2011年末にリリースされた機種であり、後継機も望み薄で今後は期待が持てません。
「NINTENDO SWITCH」は、そんな据え置きゲーム機の悩みを一気に解消してくれる夢のゲーム機です。これ1台で据え置きゲーム機と携帯ゲーム機を兼ねるため、当然、操作性もシステムもグラフィックも同一・同等であり、回線の問題もありません。
これ自体が拡張性として最大のセールスポイントであり、私はこのセールスポイントがなければ予約までして発売日に買うことはなかったと思います。
しかも、本体に「Joy-Con」が脱着できるということは、今後、ゲームに合わせた専用・汎用のコントローラーやグリップが出ることも考えられるわけで、それらの大半も「TVモード」、「携帯モード」で楽しめることになります。
「NINTENDO SWITCH」で困った点は、音声出力でより高音質なリニアPCM 5.1chに対応していることです。
光デジタルはリニアPCMでは5.1chに対応しないこともあるのか、映像出力・音声出力はHDMIケーブルに一本化され、光デジタル端子はありません。
そのため、映像はHDMIケーブルでテレビに、音声は光デジタルケーブルでAVアンプに、という場合には、HDMIと光デジタルを分けるHDMIスプリッターを別途購入しなければなりません。
私は、光デジタル出力端子を持たない「プレイステーション4スリム」を購入した際には、eBayでHDMIスプリッター(1394円)とHDMIケーブル(155円)を注文して設置しました。
これが予想以上に使えるもので、本体から直接テレビに接続していたのと同じ画質で見られますし、音声も5.1チャンネルで出力されています。
そこで、「NINTENDO SWITCH」でも、eBayから同様の製品を購入しました。購入時期で為替レートが変わり、物によってセラーが異なるため、今回は、HDMIスプリッターが1459円、HDMIケーブルが164円、光デジタルケーブル(2m)が157円、でした。
もちろん、そのいずれもが問題なく作動し、画質も音質も同等です。光デジタルはリニアPCMでは5.1chに対応しないため、音声はステレオとなりますが、テレビのスピーカーで聴くよりも上質な音が楽しめますし、リアスピーカーからもサラウンドではないものの音が聞こえます。
【総評】9
私は、「Wii U」に続いて「NINTENDO SWITCH」も予約開始日に予約して発売日に買ったわけですが、両機種ともに他機種にないギミックをとても楽しんでいます。
「Wii U」は「ZombiU」と「零~濡鴉の巫女~」でゲームパッドを存分に活用していましたし、「NINTENDO SWITCH」は「TVモード」と「携帯モード」の恩恵にあずかっています。
また、私は、「ゼルダ」は何本かプレイし、クリアしたものもあれば、お使いや似たようなことの繰り返しが面倒になって途中でやめたものもあるのですが、「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」に関しては、オープンワールドで自由度が高いということもあり、今のところは存分に楽しめています。ローンチからこれだけのタイトルが出てくるのは本当にすごいことです。
「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」をクリアしてしまえば、「Wii U」同様にしばらくは使わない期間が出てくるかもしれませんが、据え置きゲーム機「Wii U」の正統進化版であり、携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」の後継機にもなれるのであれば、両者のプレイ時間が1+1≒2となり、1~2年後には活躍する機会も増えそうです。
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