【GENRE】
スポーツ、ボクシング
【PUB./DEV.】
エレクトロニック・アーツ/エレクトロニック・アーツ
【RELEASE DATE】
2006/3/30
【OUTLINE】
ボクシングを、プレイヤーが実際にパンチを打っているかのような直感的な操作で楽しめるようにしたリアルなボクシングゲームです。
プレイヤーは、自らの分身となるボクサーを作成するか、モハメド・アリ、イベンダー・ホリフィールド、オスカー・デ・ラ・ホーヤなどの伝説のボクサーを操って、真のチャンピオンをめざします。
【GAME MODE】
PLAY NOW
1試合だけを手軽にプレイすることができるモードです。コーナー、ボクサー、試合会場を選択して試合を始めます。自らが育てたボクサーでプレイすることも可能です。
ESPN CLASSIC
歴代の名勝負から対戦カードを選び、その勝負を追体験できるモードです。選べるのは、以下の各試合です。
アリ対フレージャー、ジョーンズ・ジュニア対トニー、ジョーンズ・ジュニア対ホプキンス、ホプキンス対テーラー、ロビンソン対ラモッタ、レオナルド対デュラン、レオナルド対ハグラー、デュラン対ハグラー、ガッティ対ワード、バレッラ対モラレス、ビッグ・E対ゴリアス。
CAREER MODE
自分で作ったボクサーを成長させながら頂点をめざします。最初に、現実のボクサーをベースとするか、オリジナルボクサーとするか、選びます。オリジナルボクサーを選んだ場合には、以下の手順でボクサーを作っていきます。
ボクサーの基本情報
名(英文8文字まで)、姓(英文8文字まで)、ニックネーム(用意された英文50種類から選択)、ホームタウン(東京を含む世界の都市から選択)。
ボクシングスタイル
構え、ベース・スタイル、パンチ・スタイル、ブロック・スタイル。
ボクサーの外見
肌の色、瞳の色。
ボクサーの体格
階級、身長。
ボクサーの頭
前から見た頭部(頭部、耳の形)、横から見た頭部(頭部、まゆの位置)、目(位置、形状)、正面からの鼻(鼻柱、鼻先)、横から見た鼻(鼻柱、鼻先)、口唇(厚み、形状)、アゴ/口(アゴ、口)、ほお/アゴ(ほお、アゴ)。
ボクサーの特徴
ヘアスタイル、髪の色、まゆ毛、ひげ、ひげの色。
ボクサーの評価
200ポイントを、POWER(パンチの持つパワー)、SPEED(パンチのスピード)、AGILITY(フットワークとスウェーのスピード)、STAMINA(スタミナのキープと回復のスピード)、CHIN(頭部へのパンチに耐える能力)、BODY(ボディーへのパンチに耐える能力)、HEART(体調回復の早さ)、CUTS(傷と腫れへの抵抗)、の各項目に割り振ります。各項目は、トレーニングで増やすことができるので、ほぼ均等に割り振ります。
自分がプレイするボクサーが決まったら、いよいよゲームのスタートです。「契約にサイン」して対戦相手を選び、トレーナーを雇ってトレーニングを行い、試合に臨みます。
トレーニングには、コンボマシン(正確なパンチを撃つための練習)、ウェイトリフティング(アームリフトの練習)、サンドバッグ(パンチのリズムの練習)、スパーリング(基本的なアクションの練習)、の4つのミニゲームがあります。
トレーニングにより各種ステータスをアップさせることができますが、トレーニングを自動にすると手動でのステータスアップ最大値の半分のステータスアップになります。
試合は、アマチュアからのスタートになるため、4回戦が主流になりますが、順調に行けば5戦目ぐらいでアマチュアのベルトに挑戦することができるようになり、その試合で勝つとプロデビューできます。
プロの試合では、最多で15回戦まであり、強敵を選んで少しでも早くランキング入りをめざすこともできれば、楽な相手を選んでファイトマネーを稼ぎながら確実にステップアップすることもできます。
プロの試合ではヘッドギアを使用しないため、相手のパンチを受けて顔に傷や腫れが生じることがあります。
その際には、ラウンド間にカットマンで治療しますが、自動治療することもできます。ダメージがひどいと試合中止になる場合もあるため、必ず治療するようにします。
また、ノックダウンされた時には、レフェリーが10カウントを取り始めるので、視界をはっきりさせて、ぼやけて見えるレフェリーをひとつに合わせなければなりません。
試合が終わると、各ジャッジの採点、両者の各パンチ数とヒット率を見ることができます。稼いだお金は、ファイティングギアの購入と有料トレーナーの雇用に使うことができます。
ファイティングギアには、各種アイテム、得意パンチ、反則技、挑発、タトゥーがあります。
トロフィーケースでのトロフィーの確認、ボクサーの編集でのボクシングスタイルなどの修正も行えます。
GAME MODE
以下の3つのモードがあります。
XBOX LIVE
Xbox LIVEでランクマッチとスタンダードマッチを行うモードです。
HARD HITS
時間無制限で各ラウンドの勝敗はノックダウンのみという、倒すか倒されるかのルールで行う試合に挑戦するモードです。KOか試合終了後にノックダウン数が多いボクサーの勝ちになります。
TRAINING
「CAREER MODE」に登場するトレーニングをミニゲームとして楽しめるもので、コンボマシン、ウェイトリフティング、サンドバッグ、スパーリングがあります。
CREATE CHAMP
ボクサーを作成するモードで、ここで作ったボクサーは「PLAY NOW」で使うことができます。ボクサー作成までの流れは「CAREER MODE」と同じです。
OPTIONS
ゲームの各種設定の変更、スペシャルパンチの出し方の確認、ゲームのセーブとロードが行えます。
【ACHIEVEMENT】
UNDER ARMOUR実績(100): UNDER ARMOURの主催試合に勝ちます。
DODGE実績(100): DODGEの主催試合に勝ちます。
ESPN WNF実績(150): ESPN WEDNESDAY NIGHT FIGHTのいずれかの試合に勝ちます。
EA SPORTS実績(150): EA SPORTSのいずれかの主催試合で勝ちます。
BURGER KING実績(100):BURGER KINGの招待試合に勝ちます。
ESPN FNF実績(150): ESPN FRIDAY NIGHT FIGHTのいずれかの試合に勝ちます。
ESPN PPV実績(150): ESPN PAY PER VIEW FIGHTのいずれかの試合に勝ちます。
EVERLAST実績(100):EVERLASTの主催試合に勝ちます。
OVERALL(1000): エレクトロニック・アーツの初期の「Xbox 360」タイトルらしく、シンプルな実績構成になっています。ゲーム終盤まで進めていけば、すべての実績を解除することができます。
難易度を下げておけば、それほど苦労することもなく、40戦ぐらいで実績をコンプリートすることができるでしょう。当然、1000Gを狙っていきます。
【GRAPHICS】9
本作は、「プレイステーション2」版や「Xbox」版などとのマルチプラットフォームタイトルになりますが、「Xbox 360」版は完全なハイデフィニション仕様となっており、「Xbox 360」ならではのグラフィックの美しさを堪能することができます。
ボクサーは、トランクス、シューズ、グローブ以外は外見上は身に付けていません。そのため、裸の上半身がアップで映し出されることになるのですが、その肌の質感といったら、テレビゲーム史上でも屈指のものと言っても差し支えないほどです。
骨格や筋肉の盛り上がりはもちろんのこと、肌のきめや汗が滲み出す様子まで感じ取れてしまうからです。しかも、顔面を殴られると、首がずれ、唇は歪み、頬は波打ち、眉間にしわが寄り、汗が飛び散ります。
血反吐を吐くなどのゲーム的な過剰演出は頂けませんが、ここまで人体をリアルに描写したタイトルは少ないのではないかと思います。
会場も、マジソンスクエアガーデンのような大会場から地下リングといったアングラなものまで多数登場しますが、そのいずれもが、建物とオブジェクトと観客の入念な描き込みに加えて、光源処理や被写界深度にまで気を配られており、会場を一体とした試合を楽しむことができます。
ゲーム全体に漂う殺伐とした雰囲気は、何人もが代わる代わる登場する水着のラウンドガールが和らげてくれますし、中盤以降にトレーナーとして雇えるバーガーキングのザ・キングもいい味を醸し出しています。
ただ、ここまで迫真のボクシングゲームでありながら、実在する伝説のボクサーたちがあまり似ていないのが残念なところです。モハメド・アリもジョー・フレイジャーも、それと言われて初めてそう見えてくる程度のものなのです。
同じ格闘ゲームの「レッスルキングダム」が異常なまでに実在のレスラーに似通っていたことを考えると、本作もあとひと頑張りできていればと思わざるを得ません。
まぁ、本作の実在ボクサーは、それほど重要な役割を果たしているわけでもなく、ライバルも架空のボクサーなのですが、実在ボクサーとして登場する以上はと考えてしまうわけです。
また、当然と言えば当然なのかもしれませんが、ボクサー作成で日本人顔が作りにくいのも残念なところです。このあたりは、次回作に期待といったところでしょうか。
【SOUND】8
ドルビーデジタルです。本作は、リアル系のボクシングゲームではありますが、効果音的にはショーアップされたところがあり、パンチが当たった時の音や骨がきしむ音などは、少し現実離れした派手な音になっています。淡々としたところがあるゲームなので、効果音を派手に鳴らして盛り上げる必要もあったからでしょう。
そうした意味では、実況のアナウンスもいかにもアメリカのスポーツ中継といった感じでメリハリがついており、プレイに対して即座に反応するあたりも好感が持てます。この実況なしに、アメリカのスポーツゲームは語れないといった感じです。
トレーニング中のトレーナーの叱咤激励も、ボクシングのトレーナーらしい熱気で、単調なトレーニングに色を添えてくれます。
【CONTROL】8
本作は、プレイヤーが実際にパンチを打っているかのような直感的な操作で楽しめるようにしたリアルなボクシングゲームだけに、操作はプロレスゲームとも対戦格闘とも異なる少し特殊なものになっています。
左スティックがフットワークとカメラアングルの変更、Aボタンと右ボタンが得意パンチ、Bボタンが反則パンチ、Xボタンが挑発、Yボタンがクリンチ、左ボタンがスタンスの変更、が主なものです。
また、右トリガーと右スティックの組合せにより、ガード(ブロッキング)、ガード(パーリング)、左トリガーと左スティックの組合せにより、ダッキング、スウェー、ウィーピング、を行うこともできます。
ガード(ブロッキング)は、右トリガーを押しながら右スティックを前後。ガード(パーリング)は、敵が攻撃してきた位置により、右トリガーを押しながら右スティックをいずれかの方向に斜め。
ダッキングは、左トリガーを押しながら左スティックを水平よりも前方向。スウェーは、左トリガーを押しながら左スティックを水平未満に後ろ方向。ウィーピングは、左トリガーを押しながら左スティックを1周。
更に、右スティックには、トータル・パンチ・コントロールが割り振られており、これによって「実際にパンチを打っているかのような直感的な操作」を実現させようとしています。
右スティックを、上に倒すと顔面パンチで、左トリガーを引きながらだとボディパンチになります。更に、左に倒すと左手、右に倒すと右手、と割り振られています。
この基本を踏まえた上で、直線的に倒すとジャブかストレート、水平に倒してから曲線的に倒すとフック、斜め後ろに倒してから曲線的に倒すとアッパーカット、といった具合です。
また、これらの操作をより大げさに行うことで、スペシャルパンチであるハイメーカー(一気の攻勢をかける)、フラッシュK.O.(一瞬で敵を打ちのめす)、スタンパンチ(起死回生の一発逆転を狙う)、などを繰り出すこともできます。
これらの操作は、トータル・パンチ・コントロールも含めて、それほど難しいことはないのですが、本作にはスタミナの要素があるため、手数を少なめにしてタイミングよく打つ必要があります。
スペシャルパンチに関しては、AI相手なら出さずとも勝てると思いますが、オンライン対戦するならマスターしておけば有利に戦うことができるでしょう。
【GAMEPLAY】7
本作は、ボクシングを、プレイヤーが実際にパンチを打っているかのような直感的な操作で楽しめるようにしたリアルなボクシングゲーム、というふれこみで登場しましたが、その目論見は道半ばといったところでしょうか。
コントローラーには左右にアナログスティックが付いているにも関わらず、左右のパンチを右スティックだけで繰り出すといったところに不自然さを感じてしまうからです。
本作では、常に3人称視点で双方のボクサーを見るといったカメラアングルになっているため、前進後退や左右への回り込みは、左右のトリガーとボタンに振り分けてしまっても良かったように思います。
左トリガーに振り分けていたボディへのパンチも、スティックをクリックすればそうなるとでもしておけば感覚的にも合致します。操作体系をこうすることで、より直感的な操作を実現させることができたはずです。
敵AIに関しては、全体として見ればあまり個性は感じられないものの、中には狡猾なファイトをする者もいたりして、十分に合格点はあげられるでしょう。
また、メインとなる「CAREER MODE」が単調な作業の繰り返しに感じられてしまうのが残念なところです。
開始時には、現実のボクサーを選ぶこともできますが、たいていの人はオリジナルボクサーを作ることを選ぶはずです。
ボクサーは、その名の通りオリジナルに作ることができますが、まず名前が8文字までという壁にぶつかってしまいます。実際、私も、西島洋介を作ったのですが、NISHIJIMAとすることができないため、NISIJIMAとせざるを得ませんでした。
しかも、NISIJIMAとした場合には、パッと見では、NISUIMAと見えてしまうこともあります。西洋人の名前でも8文字だときついこともあるはずなので、せめて10文字ぐらいはほしかったところです。
しかも、アナウンスの都合もあるのでしょうが、選べる都市がちょっと少ないように思いました。日本だと東京しか選べないのですが、あるだけましと考えた方がいいのでしょうか。
いざ、プレイが始まると、「契約にサイン」して対戦相手を選び、トレーナーを雇ってトレーニングを行い、試合に臨みます。
この際、画面左にスポーツ紙のような煽りコピーが出ることが試合のムードを盛り上げてくれるのですが、コメントが的外れなことも珍しくはなく、逆にムードが盛り下がることもあります。
本作では、プレイヤーのランキングやその時の位置づけなどは見ることができず、唯一人気だけが短い単語で示されます。
プレイヤーは、それを頼りに現在の自分の置かれている立場を知ることができるわけですが、本来はそれなりの選手になっているにも関わらず、新人相手に格下に見られることがあったり、連勝がストップしているのにいつまで連勝が続くのかといったコピーが入ったりするのです。
また、ヘビー級ベルトを何本か手にしても、かなりの小会場で試合をすることもあり、違和感を覚えさせられます。
トレーニングのミニゲーム自体は、それほど時間もかからないため面倒ではないのですが、試合をするに当たっては、相手の成績とボクサーとしての評価の比較しか見ることができません。
そのため、いよいよ州レベルのチャンピオンに挑戦とか、世界ランカーと対戦といった緊迫感を味わうことができないのです。
本来は、まだ世界ランカーと対戦するのは早いといったことを考えて対戦相手を選べるべきなのですが、本作では賞金を基準に選ばざるを得ないという味気なさが残ります。
そうした要素が重なり合って、本作の「CAREER MODE」が単調な作業の繰り返しに感じてしまうというわけです。
「ESPN CLASSIC」はボクサーがもう少し似ていればという気がしますが、「HARD HITS」はそれなりに楽しめそうですし、「XBOX LIVE」は生身の人間が相手で意表を衝いた戦いが展開されそうで新鮮な驚きが得られそうです。
【LONGEVITY】7
本作のメインとなる「CAREER MODE」は、簡単な難易度を選んでおけば、十数時間ですべての実績を解除することができます。試合自体が少し単調ではありますが、「ESPN CLASSIC」と「HARD HITS」もプレイすれば、20時間近くは楽しむことができるでしょう。「XBOX LIVE」は、プレイしやすい人がいるかどうかが問題となってくるでしょう。
【OVERALL】7
本作は、ボクシングを、プレイヤーが実際にパンチを打っているかのような直感的な操作で楽しめるようにしたリアルなボクシングゲームで、「Xbox 360」ならではのハイデフィニションのグラフィックを堪能することもできます。
メインとなる「CAREER MODE」が単調な作業の繰り返しに感じられてしまうため、長くは楽しむことができないかもしれませんが、実績も解除しやすいため、プラチナコレクションならば十分に買う価値のあるタイトルだと言えるでしょう。
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