「TotemBALL」レビュー

【GENRE】
アクション、XBOX LIVE VISION

【PUB./DEV.】
MICROSOFT/STRANGE FLAVOUR

【RELEASE DATE】
2006/10/4

【OUTLINE】
「XBOX LIVE VISION」に本格対応した初めてのゲームで、ダウンロードは無料というアクションゲームです。本作の内容は以下の通りです。
昔むかしそのまた昔、古代プトールメック族は、おもしろい物をたくさん発見しました。
遺跡を残したり、きらきら光るものを作ったり、不思議なクリスタルの骨を埋めて、未来の学者を混乱させたり、マンガの吹き出しを考え出したりしました。
また、村ほどの巨大なピンボールゲームを作り、斬新なスタイルの素晴らしい音楽をピンボールパーティーで披露していました。現代の音楽はその影響を強く受けています。
ところが、バーベキューを発明したときに、偶然にも火薬までできてしまったから、さあ大変。音楽の詰まったトーテムはプトールメック族のジャングル中に飛び散ってしまったのです。
ピンボール村は、不気味なまでに静まり返ってしまいました(お隣のアゼクス族は、ちょっと喜んでいたようでしたが)。
そこで、あなたと古代プトールメック族のヒーロー・プトールメック族のプタートル、プテリーの出番です。
プテリーはジャングルの探検家で、しかもボールの上でバランスをとりながら物を運ぶのが大得意です。
ボールに乗ったプテリーをガイドしながら、ジャングルや寺院の中を駆けめぐり、音楽の詰まったトーテムのかけらをピンボール村まで運んでください。

【GAME MODE】
ゲームスタート
6種類のゲームモードをプレイすることができます。

TotemBALL(1人プレイ)
本作のメインとなるモードで、以下の3つに大別された10レベルと3ボーナスを順にクリアしていきます。
ライフはレベルごとに回復しますが、ライフがなくなったらゲームオーバーになります。その場合、コンティニューすることもできますが、スコアは0からのスタートとなります。
また、レベルの途中でセーブすることはできませんが、レベル単位でオートセーブされます。

LEVEL 1: トーテムボールへようこそ
チュートリアルレベルです。簡単なレベルで、基本的なプレイ方法を学びます。

LEVEL 2: ラグーン
ここも簡単なレベルです。特に困ることもないでしょう。

BONUS 1: ピンボール村
ピンボールのボーナスレベルです。フリッパーは、左右の手で弾きますが、左上にもフリッパーがあります。

LEVEL 3: ピョンピョン島
島から島へと飛び跳ねたり、島と島の間を移動する岩に乗って移動したりするレベルです。水面を渡ることもあります。

LEVEL 4: リンボーくぐり
リンボー状のゲートを通るレベルです。リンボーには高さ制限があり、その高さを超えたトーテムのかけらがあると、弾かれて初期位置に戻されます。また、丸太渡りもあります。

LEVEL 5: ぐるぐる
島から島へと飛び跳ねるレベルで、ぐるぐると周ります。

LEVEL 6: 寺院跡
寺院後何ヵ所かを抜ける立体的なレベルです。トーテムのかけらを7個集める扉を通ってから、トーテムのかけらを8個集める扉に進みます。

BONUS 2: ピンボール寺院
ピンボールのボーナスレベルです。フリッパーは、左右の手で弾きます。

LEVEL 7: 扉か橋か
いくつかの橋を渡るレベルです。陥落する橋は、トーテムのかけらが個数制限以下でないと橋を通り抜けることができません。

LEVEL 8: 2周
高さ0のリンボーの先にトーテムのかけらが置かれているため、2周しなければクリアすることができません。ジャンプ距離が長めの島があります。

LEVEL 9: 探検
8個のトーテムのかけらを集めるために、行きつ戻りつするレベルです。

LEVEL 10: トリッキー
集めるトーテムのかけらは4個ですが、リンボーのくぐり方に若干の工夫が必要なレベルです。

BONUS 3: ピンボールピラミッド:
ピンボールのボーナスレベルです。フリッパーは左右の手で弾きますが、最後のピンボールだけあって、フリッパーが5個あり、レベルも派手になっています。

ジャグリング(2人プレイ)
ジャグリングゲームを2人で行います。詳細は、今のところ不明です。

ピンボール(テーブルを選択)
ピンボール村、ピンボール寺院、ピンボールピラミッド、を選んで1プレイすることができます。

フリープレイ(1人プレイ)
「TotemBALL」を自由にプレイすることができます。

スーパーチャレンジ(1人プレイ)
「TotemBALL」の時間制限があるものです。時間制限は(序盤は)それほどシビアではありませんが、トーテムのありかをある程度は覚えていないときついでしょう。

トーテムジャム(1人プレイ)
狭いエリア(ルーム)で、扉を通るための数だけトーテムを集めます。全部で5ルームありますが、トーテムの数の違いしかありません。練習モード?

ランキングを表示
ランキングを見ることができます。

実績を表示
実績の解除状況を見ることができます。

ヘルプとオプション
ゲームの遊び方の説明とクレジットの閲覧、オーディオ設定が行えます。

コンテンツのダウンロード
マーケットプレイスからコンテンツをダウンロードすることができます。

アーケードに戻る
XBOX LIVE ARCADEに戻ります。

【ACHIEVEMENT】
トーテムトレーナー(10): トレーニングレベル(「トーテムボールへようこそ」)をクリアします。
キラキラコレクター(10): キラキラ光るものを100個集めます。
トレジャーハンター(15): ボーナスアイテムを集めて16倍を達成します。
ウォーターウォーカー(20): 水の上で100回飛び跳ねます。
TotemBallウィザード(10): ピンボールのボーナスラウンドで1000000ポイント獲得します。
健康優良プレイヤー(20): 休憩なしでTotemBALLを20分連続でプレイします。
トーテムヒーロー(10): シングルプレイヤーゲームをクリアします。
スコア!(20): 1回のゲームで100000000ポイントを獲得します。
パーフェクト!(20): シングルプレイヤーゲームでアイテムを1つも残さずに拾い集めます。
トップトーテム(35): 1度もライフを失わずにシングルプレイヤーゲームをクリアします。
トーテムジャグラー(10): ベストジャグルスコアで1000ポイントを獲得します。
トーテムチーム(15): ジャグリングゲームをフレンドと一緒にクリアします。

OVERALL(200): 「トーテムトレーナー」から「トーテムヒーロー」までは、少し意識してプレイすれば解除することができます。
「スコア!」、「パーフェクト!」、「トップトーテム」の解除は、かなりの気力と集中力と腕の筋力を必要とします。
「トーテムジャグラー」、「トーテムチーム」は、相手次第でしょう。

【GRAPHICS】7
XBOX LIVE ARCADEは、マーケットプレースを通じて手軽に遊べるカジュアルゲームを購入できるダウンロードサービスとしてスタートしたため、そのラインナップは往年の名作アーケードゲームが中心になってきました。
そのため、「Xbox 360」ならではのグラフィックを誇るゲームはほとんど配信されていないというのが現状です。
もっとも、そのせいもあってか、400マイクロソフトポイントから800マイクロソフトポイントという比較的低価格で購入できるという、カジュアルゲームならではの特徴もありました。
そんな中にあって本作は、無料でダウンロードできるにも関わらず、XBOX LIVE ARCADE中でもトップグラスのグラフィックを誇っています。

本作は、題材がトーテムポールであり、主人公がジャングルに暮らす種族とあって、舞台はジャングルやその中にある寺院、ジャングルと隣接する川などの水面ぐらいで、レベル的なバラエティさはなく、同じような景色が続きます。
それでも、平原や丘陵、ジャングルの木々、寺院、建築物、水面などは、美しい3Dポリゴンで表されており、「Xbox 360」のパッケージソフトと比較しても遜色ないほどです。
トーテムのかけらもそれぞれが個性的で美しく動きもあるため、見ているだけで楽しい気分になってきます。
ボーナスレベルであるピンボールも、通常のレベルとは違ったスピード感がある上、ピンボールピラミッドなどは特に派手なエフェクトが施されており、通常のレベルとは違った美しさがあります。

【SOUND】8
ドルビーデジタルです。本作は、キャラクター自体がほとんど出てこないため、キャラクターボイスというものは、皆無と言っても過言ではありません。
それでも、ジャングルらしい効果音である鳥の鳴き声などは、文字通り効果的に流れてきますし、水面を飛び跳ねた時の水音なども自然な感じがあります。
そして、何よりも注目したいのが、音楽の詰まったトーテムによって奏でられる心地良いポリネシアンミュージックです。
正確に言うと、トーテムポール自体は北アメリカ西海岸のアメリカ先住民によって作られたもので、ポリネシアで見られるそれはTIKIと呼ばれるものです。
とはいえ、イメージ的に両者は似たようなところがあり、本作の音楽もポリネシアンミュージックっぽいものになっています。
ジャングルとポリネシアンミュージックのマッチングは抜群で、本作のハイライトとも言えるものです。

【CONTROL】7
本作は、「XBOX LIVE VISION」のショーケースのようなタイトルであり、操作体系もかなり大胆なものになっています。
本作では、なんと、以下の時以外はコントローラーは使用しないのです。ゲームを最初に始める時、ポーズをかける時、ポーズからゲームを再開する時。
それ以外の操作はすべて、「XBOX LIVE VISION」の前で両手を上下に動かすことだけで行います。
画面の左右の端にある滝に手をかざしてプテリーをコントロールします。両手が上にある時には前に進み、下にある時には後ろに進みます。片手が上、もう片方の手が下の時には方向転換します。
プテリーが乗っているのは魔法のボールなので、小さな溝は自動的に飛び越えてくれます。十分な助走をすれば、小さな水面も渡ることができます。
ゲームにポーズをかける時は、コントローラーのスタートボタンを押すか、画面の上にある2つの手のマークの上に手をかざします。

そこで問題となるのが、「XBOX LIVE VISION」の手の動きに対する認識力です。結論から言ってしまうと、ほぼ問題ないレベルに仕上がっています。
最初の調整さえしっかりと行っておけば、「XBOX LIVE VISION」側が原因となる誤認識というのは、まずありません。誤認識の原因となるのは、ほとんどの場合において、人間側なのです。
操作に夢中になって「XBOX LIVE VISION」の認識範囲外で手を動かしていたり、あわてて必要以上に手を動かしたりということが珍しくはないのです。
また、画面の上にある2つの手のマークに、両肩や頭が当たって、ポーズがかかってしまうということもあります。もっとも、これは、人間は機械ではないため、致し方のないことではあります。
ソフト側で、こうした問題に何らかの形で対処できるようになっていれば、こうしたことも起こりにくかったのではないかと思います。
そもそも、本作が、「XBOX LIVE VISION」のショーケースのようなタイトルである以上、その前で手を動かすだけで画面の中のキャラクターも動かせるということを見せる必要もあったわけで、「XBOX LIVE VISION」本格対応第1弾としては、こんなところなのかもしれません。

【GAMEPLAY】7
本作は、「XBOX LIVE VISION」のショーケースのようなタイトルです。
ですから、本作をプレイしたプレイヤーに対して、「XBOX LIVE VISION」を使うことで、ゲームが楽しくなったとか、ゲームの幅が広がったとか、思わせることができれば、ある程度は成功だというわけです。
そういう意味では、本作に対しては及第点はあげられるのではないかと思います。プレイヤーの両手の動きに応じて画面の中のキャラクターが動くのは、とても心地良いものですし、操作に慣れてくると、より滑らかにキャラクターを動かすことができるようにもなります。
プレイヤーの手の動きも、最初はぎこちなかったものが、プレイを重ねるに連れて、流れるような動きになってきます。あたかも、ちょっと怪しい超能力者でもあるかのように。
プレイヤーは、ここまで来ると、「XBOX LIVE VISION」のゲームに対する可能性に期待を抱けるようになるとともに、自らの滑らかな手の動きに対して悦に入ることもできるようになります。そうした意味で、本作は及第点だというわけです。

それと同時に、本作は、「XBOX LIVE VISION」を用いたゲームの課題をも垣間見せてくれます。
それは、「XBOX LIVE VISION」の認識範囲に対するソフト側のプログラム面における融通性と、「XBOX LIVE VISION」の使い方に対するバリエーションの必要性です。
前者は、前述しているように、プレイヤーが操作に夢中になって「XBOX LIVE VISION」の認識範囲外で手を動かしていたり、あわてて必要以上に手を動かしたりということに対して、ソフト側のプログラムでどこまで融通性を出せるかということです。
それに対する融通性がないと、プレイヤーは「XBOX LIVE VISION」の認識範囲を意識しながらプレイしなければならないという負担を強いられ、純粋にゲームを楽しむことだけに専念できなくなってしまいます。
後者は、本作のように、常に両手を宙に浮かせた状態でのプレイを強いられると、腕が疲れて、正確な操作ができなくなったり、長時間プレイができなくなったり、ということが起こってしまいます。
また、操作の正確さだけが要求されるため、コントローラーから解放されることで得られるはずの爽快感というものが得られません。
本作では、腕を振り回したり、何かをなでたり引っ張り上げたり、敵を殴ったり叩いたり、ということは一切できません。こうした自然な動作こそ、ハンズフリーの醍醐味なのではないかと思います。
もっとも、逆に、いずれはこうしたゲームも登場してくるのではないかという期待感を抱かせることはできます。

【LONGEVITY】6
本作は、ボリューム的には、腕さえ疲れなければ、1日でクリアすることができるほどのものしかありません。
ただ、マップを見ることができない上、同じところを何度もクルクルと移動しなければならないことが多く、マップのつながりがよく分からなくなったり、トーテムのかけらの適切な集め方が分からなくなってあちこちに移動しているうちにゲームオーバーになったり、ということが往々にして起こります。
そのため、人によっては、無料ということもあり、クリア以前に投げ出す可能性があるかもしれません。ここでは、丸1日と考えて、「6」にしておきます。

【OVERALL】6
本作は、「XBOX LIVE VISION」本格対応タイトル第1弾にして、これだけのグラフィックを持ち、ゲームシステムもまずまずにも関わらず、無料でダウンロードできてしまいます。
本作が、「XBOX LIVE VISION」のショーケースのようなタイトルという側面はあるにせよ、これが無料というのは、大盤振る舞いと言ってもいいかもしれません。
本作のために「XBOX LIVE VISION」を買う必要は全くありませんが、「XBOX LIVE VISION」を持っていれば、ダウンロードしてプレイしても、時間の無駄にはならないと思いますし、それなりに新鮮な驚きが得られるのではないかと思います。

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