「HITMAN 2: SILENT ASSASSIN」レビュー

【GENRE】
アクション/ステルス/サードパーソン

【PUB./DEV.】
EIDOS INTERACTIVE/IO INTERACTIVE

【RELEASE DATE】
2002/9/30(アメリカ)

【OUTLINE】
パソコン版「HITMAN: CODENAME 47」の続編となるアクションゲームで、日本名は「ヒットマン: サイレントアサシン」です。
“47”は、超人的な身体能力と卓越した戦闘技術を持つクローン兵器としてこの世に生を受けます。そして、ヒットマンとして、自らの才能を如何なく発揮します。
しかし、彼はそんな毎日に決別して、イタリアはシシリーの教会に身を寄せます。ところが、”47″の過去を知るシシリアンマフィアが神父のヴィットーリオを誘拐、身代金として50万ドルを要求します。
やむなく、彼は、以前、ヒットマンの仕事を請け負っていた組織に連絡し、事件の背後の調査を依頼するとともに、身代金の50万ドルを捻出するために、再び、組織の仕事を請け負うことになるのです。

【GAME MODE】
START
ゲームを新しく始めます。難易度は、NORMAL、EXPERT、PROFESSIONALの3段階から選ぶことができます。難易度により、”47″のヘルスポイント、マップ上の敵の表示、敵の素早さと正確さ、セーブ回数が異なります。
セーブ回数は、順に、7回、2回、0回ですが、この回数はプレイ中にボーナスアイテムを取得することで増えていきます。
NORMALだとそんなに難しくはありませんので、この手のタイトルの熟練者ならEXPERTを選んでもいいでしょう。
ゲームは全20ミッションあり、ラップトップコンピューターを通じて組織のダイアナからミッション内容が知らされます。
通常は、ミッションの最初に教会の武器庫から武器を選んで持っていくことができますが、連続したミッションでは武器や弾薬を継続使用することもあります。もちろん、倒した敵から武器を奪うこともできます。
ミッションは、短いものだと5分程度、長いものでも1時間はかかりません。ミッションをクリアすると、そのミッションのクリア状況が知らされます。レーティングは、ステルス度や攻撃状況によって判定され、以下のようなものがあるようです。
SILENT ASSASSIN、 PROFESSIONAL、EXPERT、EXECUTIONER、SOCIOPATH、PSYCHOPATH、CLEANER、BUTTON-MAN、NATURAL、NINJA EXTRAORDINARE、ICE MAN、GHOST、SHADOW、POSTAL、SLAYER、HIRED GUN、SNIPER、CUT THROAT、HITMAN、BUTCHER、MASS MURDERER、HENCH MEN、 HATCHET MAN。
ミッションと内容は、以下の通りです。

GONTRANNO SANCTUARY(SICILY)
チュートリアルです。

ANATHEMA(SICILY)
Kill the Don.
Get the Prison Cell Key.
Free Father Vittorio.
Escape。

ST. PETERSBURG STAKEOUT(ST. PETERSBURG)
Kill the General at the Meeting.
Don’t Harm Anyone Else at the Meeting.
Return to the Subway Train to Escape.

KIROV PARK MEETING(ST. PETERSBURG)
Kill General Makarov.
Kill his mafia connection, Igor Kubasko.

TUBEWAY TORPEDO(ST. PETERSBURG)
Find your equipment at the Army depot.
Marked “FCK”.
Kill General Mikhail Bardachenko.
Free the prisoner from 2nd basement.

INVITATION TO A PARTY(ST. PETERSBURG)
Kill the General.
Secure Suitcase.

TRACKING HAYAMOTO(JAPAN)
Kill Hayamoto Jr..
Plant Bug on Hayamoto Jr.’s corpse.
Escape.

HIDDEN VALLEY(JAPAN)
Find the Secret Passage.

AT THE GATES(JAPAN)
Get to the castle undetected.
Wait for briefing.

SHOGUN SHOWDOWN(JAPAN)
Eliminate Hayamoto.
Secure the Missile Guidance System.
Escape.

BASEMENT KILLING(MALAYSIA)
Find and Kill Charlie in the Basement.
Disable the Surveillance System for Direct Elevator.

GRAVEYARD SHIFT(MALAYSIA)
Plant hacking device.
Escape.

THE JACUZZI JOB(MALAYSIA)
Kill Charlie Sidjan.
Steal the Money.
Steal the Statue.

MURDER AT THE BAZAAR(NURISTAN)
Eliminate Lieutenant Ahmed Zahir.
Get Map of Location of Warheads from Lieutenant.
Eliminate Colonel Mohammed Amin.
Get key from Colonel.

THE MOTORCADE INTERCEPTION(NURISTAN)
Find your contact.
Get the weapons.
Kill the local Khan.
Spare the UN troops.

TUNNEL RAT(NURISTAN)
Access the Base.
Kill Yussef Hussein.
Transport the cargo to the surface.

TEMPLE CITY AMBUSH(INDIA)
Meet Agent Smith.
The Agent must survive.
Kill the two assassins and photograph their bodies.
Bring the photos back to the agent.

THE DEATH OF HANNELORE(INDIA)
Pick up door key to hiding place.
Kill Dr. Von Kamprad.
Hide the body of Dr. Von Kamprad.
Check your map -No civilians must be killed.

TERMINAL HOSPITALITY(INDIA)
Kill the Cult Leader.
Escape the Island.

ST. PETERSBURG HREVISITED(ST. PETERSBURGH)
Kill Sergei Zavorotko.
Escape to the Metro.

REDEMPTION AT GONTRANNO(SICILY)
Kill all of Sergei’s Bodyguards.
Save Vittorio by Killing Sergei.

LOAD
セーブゲームから始められます。本作は、ゲーム中いつでもどこでもセーブできますが、前述したようなセーブ回数の制限があります。

OPTIONS
ゲームの各種設定を変更することができます。

CREDITS
クレジットが見られます。

【GRAPHICS】9
本作の舞台となるのは、牧歌的な風景を持つシシリーの教会、凍てつくような寒さのロシア、お城を忍者が守る日本、宗教的ムードが色濃く漂う中近東やインドなど、西洋人の目から見ればエキゾチックな地域が数多く登場します。
それだけに、各地域ともにやや誇張しすぎといった描写が目につきますが、新たな地域を新鮮な気持ちでプレイするのには役立っています。
建造物やオブジェクトはディテールまで詳細に描かれていますし、ライティングもまずまずです。
キャラクターアニメーションは、モーションキャプチャーが施され、”47″の細かな動きや、敵キャラクターのリアクションなども、緻密に描かれています。
“47”が殺した敵を引きずる際に、その敵の脚が物などに引っかかった時の動きなども再現されているのです。死体がずっと放置されているのも、ステルスアクションならではでしょう。
自らの影がステルスに影響するという要素がないという不満点もありますが、発売時期を考慮すれば上質なグラフィックだと思います。

【SOUND】8
ドルビーデジタルです。本作は、前述しているように、ロシア、日本、中近東やインドなどがその舞台となります。そして、各地域の人々は、それぞれの地域の言葉で喋っているようです。
日本の場合も、設定が設定だけにあまりきれいな言葉こそ話しませんが、しっかりと日本語を喋っています。当然といえば当然のことなのですが、この辺りをしっかりとやることで、ゲームにより深みが増しています。
効果音は、それほどあるわけではありませんが、”47″の足音や銃撃音などはステルスアクションを意識したものになっています。
また、音楽は、ブダペスト交響楽団などが担当しており、物語に適した重厚で物悲しい音楽を奏でています。

【CONTROL】9
操作性は良好だと言えるでしょう。キャラクターの操作は「Xbox」ではおなじみのもので、左スティックで移動、右スティックで視点移動、方向パッドの左右で覗き見とサイドステップ、Aボタンでドアの開閉とアイテムの取得、Lトリガーでスニークとしゃがみ、Rトリガーでアイテムや武器の使用、黒ボタンで武器のリロード、Xボタンで武器の収納、方向パッドの上下でズームアウトとズームイン、バックボタンでマップやブリーフィングの確認、が主なものです。
そして、本作の特徴として挙げられるのが、白ボタンを押すことによって、3人称視点と1人称視点が随時切り替えられるという点です。
本作は、原則として3人称視点を採用していますが、1人称視点でプレイすることもできるのです。
場合によっては、1人称視点にした方が見やすいことがありますし、1人称視点の方が好きだという人にとってもありがたい設定でしょう。
マップも、そのミッションで必要なマップすべてを見ることができ、敵や標的や民間人の動き、武器の置き場所、注目地点、脱出場所なども確認することができます。
本作は頻繁にマップをチェックしなければならないため、このマップの見やすさは助かります。もちろん、マップが見やすいからこそ、頻繁にチェックするのだと思います。

【GAMEPLAY】9
本作がステルスアクションとして楽しいのはもちろんのことですが、ミッションの多彩さや奇抜さ、ミッション遂行のための自由度の高さも本作の魅力と言えるでしょう。
基本的なミッション内容は、なるべく民間人を傷つけないようにして潜入し、誰かを殺して脱出するというものになります。しかし、その潜入の仕方や殺し方が複数用意されていることが珍しくはないのです。
例えば、潜入する際には消防士に化けることもできればピザの配達人に化けることもできますし、標的を殺す際にフグで毒殺することもできれば銃で撃ち殺すこともできます。敵をほとんど殺さずに標的だけを殺すこともできれば、敵を皆殺しにすることもできます。
服は何度でも着替えることができ、その場所に合った服を着れば敵やガードマンに見破られにくくなります。敵がおかしいなと思いながらもそのまま通りすぎていったりするのは、なかなか気持ちいいものです。
そして、ウエイターの服で敵を殺してマークされれば、今度は敵の服を奪って敵に変装すればマークが緩くなったりもします。
ミッションもなかなか楽しく、特に終盤のミッションは意外性があったり、手に汗握ったりするものが控えています。
ST. PETERSBURGH REVISITEDでは、しばらくはゲームがバグったのではないかと思わされましたし、REDEMPTION AT GONTRANNOでは、この手のゲームならではのヒロイックな思いを存分に味わうことができました。
意外にあっさりと終わるミッションもありますが、緩急織り交ぜたミッション構成だとも言えるでしょう。

【LONGEVITY】7
全20ミッションあるものの、名目時間は、短いものだと5分程度、長いものでも1時間はかかりません。NORMALならセーブも7回以上できますから、単にクリアだけをめざすなら、20時間もあれば十分ではないでしょうか。
もっとも、EXPERT以上の難易度を選んでSILENT ASSASSINの称号をめざすなら、1ミッションあたりかなりの時間をかける必要があります。
とりえあずゲームをクリアしてから任意のミッションだけをプレイするというのは難しいため、1ミッションずつじっくりとプレイしなければならないからです。

【OVERALL】9
この手のステルスアクションが増えてきましたが、その中でも本作は、物語のバックボーン、ミッションの多彩さや奇抜さ、ミッション遂行のための自由度の高さなどの点において、十分に魅力を感じられるタイトルだと思います。
“47”の生い立ちやそれに対する苦悩が物語性を高めていますし、西洋人の目から見たエキゾチックな地域の描写やそれに伴う自由度の高いミッション遂行のための過程は本当に楽しめます。
単にクリアだけをめざすなら20時間もあれば十分というのがちょっと残念ですが、ステルスアクションが好きな人なら必ず楽しんでプレイできることでしょう。

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