「O・TO・GI~御伽~」レビュー

GENRE】
アクション/RPG/サードパーソン

PUB./DEV.】
フロム・ソフトウェア/フロム・ソフトウェア

RELEASE DATE】
2002/12/12

OUTLINE】
平安時代をモチーフにした典雅で美麗な和の世界を舞台に、巫術と呼ばれる魔の力を扱う戦士ライコウを操り、華麗で爽快な戦闘を繰り広げるアクションゲームです。
武器による攻撃はもちろんのこと、迫りくる妖鬼を吹き飛ばすことでも、ステージ内のほとんどの建物、柱、石段、岩壁などを破壊することができます。
また、それらに対して加わる力や方向に応じて、破壊の規模や形状、破片の吹き飛ぶ量や方向などがリアルタイムに変化するのも見所のひとつで、「破壊の創造美」を堪能することもできます。

GAME MODE】
開道 New Game
新しくゲームを開始します。ステージは全部で29あり、それぞれ与えられた条件のクリアをめざします。
また、それ以外にも、ステージクリアのための必要条件ではありませんが、「経過時間」、「清浄度」、「形代救済率」でハイスコアをめざすという目標もあります。
これらの数値によって出現するアイテムもあるため、ハイスコア獲得もおろそかにはできません。
「清浄度」は、ステージに置いてあるものを壊した割合に応じて、「大穢」、「穢」、「低」、「中」、「高」、「浄化」という6段階の評価があります。
「形代救済率」は、ステージ内のオブジェクトに閉じ込められた”元人間だったもの”を何%開放できたかが表示されます。これらの要素が、ゲームをより奥深いものにしています。

廻帰 Load Game
前回の続きからゲームを再開することができます。セーブデータは、最大16個まで作ることができます。

修祓 Stage
新しいステージに進みます。

禊 Equip
装備変更画面です。装備は、祭器(武器)、霊符(巫術)、呪具(アイテム)の3つです。

死鏡之祠 Shop
装備品を売買できます。ヨモツヒラサカノヒメと取り引きをして、戦闘で獲得した禍魂と引き換えに装備品を入手したり、武器の霊気を回復したりできます。

再修祓 Cleared Stage
1度クリアしたステージに、再挑戦できます。「現世」を選択するとステージをクリアした時の状態(破壊された状態)、「昔世」を選択するとステージをクリアする前の状態(破壊されていない状態)、で始められます。ただし、いずれを選択しても、いったん救済した形代は出現しません。

幣はく Option
各種設定を変更できます。画面の明るさを調節できるのは、誉められるべき点です。画面が暗すぎて、見づらいゲームが多いですから。なお、データのセーブ、ロードはここで行います。

【GRAPHICS】10
本作の大きな特徴のひとつが、平安時代をモチーフにした典雅で美麗な和の世界です。
紫や橙といった平安時代を彷彿とさせる妖しくも気品ある色使い、変化に富みながらも和風テイストを貫いたバラエティ豊かなステージは、はっと息を呑むほどの美しさです。
そして、そんな美しい世界でありながらも、ステージ内のほとんどの建物、柱、石段、岩壁などを破壊することができてしまうのも本作の大きな魅力となっています。
本作では、破壊が単に世界を壊すだけではなく、新たな美しさを創造することにもつながるのです。
フロム・ソフトウェアお得意のクリーチャーも”妖鬼”として和風の美しさを放っていますし、メニュー画面に至るまで和風にこだわった辺りにも、作品としての統一性の高さを感じさせられます。

【SOUND】10
ドルビーデジタルです。本作ではサウンドもまた、徹底して和風にこだわっています。
各画面におけるBGMやSE、ナレーションや敵キャラクターの声、などは、本作の和風感を更に盛り上げる要素として、プレイするものを心地良い和風の世界へと誘います。
また、妖鬼を倒したり、物を破壊したりした時の「ズバッ」という音は、本作を爽快感溢れるものにしている一要因でもあります。

【CONTROL】9

妖鬼を倒したり、物を破壊したりする爽快感に溢れる本作ですが、操作性の良さがそれに貢献していることは言うまでもありません。
本作は3人称視点となっていますが、操作に習熟してくればキャラクターをほぼ意のままに操ることができます。
ぜひマスターしておきたいのは、左トリガーによる妖鬼のロックオン、右トリガーによるダッシュです。
特に、右トリガーを引きっぱなしにしたままの状態での移動や攻撃は必須の操作になりますから、ぜひとも早い段階で習熟したいものです。
また、妖鬼を切ったり、物を破壊した時のコントローラーの振動も、物を破壊した時の「ズバッ」という音とあいまって爽快感を高めるのに貢献しています。

【GAMEPLAY】10
ここまで述べてきたように、平安時代をモチーフにした典雅で美麗な和の世界において、妖鬼を倒したり物を破壊したりする爽快感は、これまでのタイトルにはほとんど見られないものでした。作品世界全体における和の世界観の演出も見事と言わざるを得ません。
更に、「再修祓」で1度クリアしたステージに再挑戦する際に「現世」と「昔世」を選べることも画期的ですし、「清浄度」や「形代救済率」といった要素もゲームを奥深いものにしています。まさに、新鮮味たっぷりのタイトルだと言えるでしょう。

【LONGEVIRY】8
全29ステージと、この手のタイトルとしては実に多くのステージが用意されています。
もっとも、1ステージのクリア時間は、短いもので1分程度、長いものでも15分程度とあって、ステージ自体はそれほど大きなものではありません。
単にクリアをめざすだけなら20時間もかからないかもしれませんが、「清浄度」や「形代救済率」でハイスコアをめざすなら30時間近くかかるのではないかと思います。
また、ラスボスのミチザネの難易度は高く、ミチザネを倒すだけでも数時間かかるかもしれません。人によっては、ここで断念してしまう怖れもあります。それだけに、霊格(レベル)が31でストップしてしまうのが残念なところです。
本作では、クリアしたステージを何度でも「再修祓」できるわけですから、霊格がいくらでも上がるようなシステムにしておけば、全員が問題なくクリアできることでしょう。

【OVERALL】10
2002年末には、各ハードで実に多くのタイトルが発売されました。そんな中にあって、本作は目を見張るべきセールスを記録したわけではないようです。
しかしながら、ゲームのデキと新規性において、1、2を争うタイトルなのは間違いありません。日本のゲームユーザーも、もっとゲームを見る目を養うべきです。ユーザーの目が肥えているアメリカでの評価が気になるところです。

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