【GENRE】
RPG/ダンジョン
【PUB./DEV.】
パンサーソフトウェア
【RELEASE DATE】
2002/2/28
【OUTLINE】
3D自動生成ダンジョンRPGです。プレイヤーは、”リーインフォーサー”と呼ばれる強化人間(サイボーグ)となり、さまざまな武器や防具、アイテムなどを駆使してメタル(鋼鉄)でできた迷宮を探索し、最下層で復活しようとしている魔人を倒すことをめざします。
重厚なダンジョンには、さまざまなトラップが仕掛けられ、戦闘兵器として改造された”ウェポニックモンスター”も待ち受けています。プレイヤーキャラクターはタイプごとに10種類用意されており、経験値を稼ぐことで成長していきます。
【GAME MODE】
NEW GAME
ゲームを最初から始めます。初めに、キャラクターを作成します。
キャラクターは、NAME(8文字まで)、SEX(男女)、TYPE(ベースタイプは、フェンサー、ストライカー、キャスター、アナライザー、ブローダーの5種類)、FACE(12種類)、COLOR(8種類)、BODY(高さ、幅を自由に設定)の各項目の設定が可能で、5人まで作ることができます。
キャラクターの作成が終わったら、いよいよダンジョン探索のスタートです。パーティは最高5人まで組むことができ、前衛、後衛に分かれます。
ダンジョンは、10層(エリア)構造になっており、各エリアは更にいくつかのフロアに分かれています。
ダンジョンはオートマッピングされ、現在位置とダンジョンの全容を常にマップで確認することができます。
各エリアの最下層フロアにはエリアの守護モンスターがおり、この守護モンスターを倒すことで次のエリアへと通じる鍵が解かれて、次のエリアに進むことができます。
ただし、守護モンスターと戦うためには、エリアごとに定められた条件をクリアする必要があります。
モンスターは、ダンジョン内を移動しているもの(見える)、ドアの背後に隠れているもの(見えない)がおり、前者であれば戦闘を避けることができます。
戦闘は、リアルタイムに進行するオートバトルで、敵味方を問わず戦闘時の行動の早い順にアクションを起こします。
もっとも、戦闘コマンドもあり、ATTACK、SPELL、ITEM、GUARDが選べるほか、両方のトリガーを引きっぱなしにすると逃走できる場合もあります。
本作の地上施設には、以下のものがあります。
ベースキャンプ
キャラクターの作成/削除、パーティ編成、アイテムの選択、装備武器の変更、データの保存、探索記録の閲覧等を行うことができます。本作にはウエイトの概念があるため、必要かつ不急のアイテムは、保管しておくのが賢明です。
トレードブース
武器、防具、アイテムなどの売買が行えます。本作では、回復関連アイテム以外は購入する必要がありません。武器、防具に関しては、ダンジョン内のコンテナの方が遥かに優れたものがタダで手に入るからです。
また、キャラクターの身体機能を強化させるユニットも、ウエイトを増加させる一因となるため、さっさと売って換金するべきです。
ラボラトリー
特定アイテムの交換、エリアサーチやモンスターハントの請負、が行えます。
本作では精霊珠を4個以上集めることでスペシャルタイプ(グラディエイター、スペルファイター、アーツレンジャー、セージ、スーパーブローダー)にタイプ変更できますが、通常のプレイでは、精霊珠が4つ集まればいい方でしょう。
つまり、タイプチェンジは考えない方が無難です。エリアサーチは、お金が不足する序盤では重宝します。
ドック
身体機能の強化、回復を行うことができます。本作では、いくら経験値を積んでも、キャラクターがレベルアップすることはありません。ここで、キャラクターの機能を強化して初めてキャラクターのレベルが上がるのです。
機能値(ステータスパラメータ)はたくさんありますが、基本的にはTOU(HP)、それぞれのキャラクターの得意とする攻撃(ARM、BLO、SHOなど)、AGI(行動速度、攻撃命中率)、回復役ならDSP(回復)を上げます。
また、回復役は、回復関係のチップ(イアル(単体回復・効果小)、イアルス(全体回復・効果小)、オレアル(単体回復・効果中))などを早めに装着するようにします。
トライアルホール
新型強化人間とのトライアルバトル(模擬戦)に挑戦することができます。1回につきコアストーン1個が必要で、結果に応じて報酬がもらえます。それなりに利用価値があるところで、中盤戦前後では大いに活用しましょう。
エントランス
ダンジョンに進入するためのエレベーターがあります。選択可能なエリアは、クリア済みのエリアと、クリア済み最下層エリアの次のエリアです。
1エリアの基本的な進め方としては、1回目が小手調べとアイテム探し、2回目が経験値稼ぎ、3回目が対守護モンスター戦、と考えればいいでしょう。それでは、エリアごとの注意点を以下に挙げておきます。
2層は、2択のワープを5‐6回経て進んでいくため、メモを用意しておいた方が無難です。
3層と7層だけは、メタルダンジョン外へワープさせられることがあります。そこでは、しばらく進むとメタルダンジョンに戻るワープポイントがあるので、焦らないで対処しましょう。
6層は、インプの秘石3個が必要になります。インプから奪わなければならないため、積極的に戦闘を行うべきです。
7層以降は、コンテナ内のトラップが多発します。高ダメージのトラップも含まれるため、目的によってはコンテナを開けるのを自粛します。
9層は、魔珠2個が必要になります。魔珠はコンテナ内から取る必要があるため、積極的にコンテナを開けるべきです。
10層は、モンスター、コンテナ、トラップは、一切存在しません。ただ、1-9層の守護モンスターすべてとの再戦が待ち受けています。
各部屋ごとの戦いになるため、戦闘が終わるごとに回復することができます。そのため、持てるだけの回復アイテムを購入しておきます。
また、ここで何度も戦い、すべてのキャラクターのDSPを10まで上げて、全員にオレアルを装着しておきます。
それができる頃には、このエリアの守護モンスターを倒すこともできるでしょう。
ちなみに、本作でお金が苦しいのは3層ぐらいまでです。また、6層辺りからはアイテムが持ち切れなくなるため、コンテナから得たパーツとボトルはどんどん使いましょう。
なお、エフェクトルームは、何が起こるか分からないため、さわらないのが無難です。
パーティが全滅するとそのエリアのブリザベーションルームに保存されるため、回収要員を2人ほど作っておきます。念のため、装備だけでもそれなりのものを与えておきましょう。
LOAD GAME
セーブデータからゲームを始めます。本作では、ベースキャンプでしかセーブが行えず、セーブデータも1個しか作れません。ただ、このゲームスタイルでは、不便を感じることもありません。
CONTINUE
ダンジョン内のフロアを移動した際に自動的に状態が保存されるため、ダンジョン探索の続きを行うことができます。ただし、ベースキャンプでセーブすると、このデータは自動的に削除されます。
【GRAPHICS】7
本作のダンジョンは、すべてがメタルで構成されています。そのメタルダンジョンが10層まで続き、ダンジョンの構造や模様にこそ変化が見られるものの、大きな違いはありません。
3層と7層でメタルダンジョン外にワープさせられることもありますが、カラフルではあっても美しいというわけではありません。
ダンジョン内の移動時は、キャラクターを後方上方から見下ろす形になります。これは、ダンジョンとマップとモンスターを見ながらの移動には便利で、適切な措置と言えるでしょう。
地上の施設はすべて1枚絵で、本作の背景的なグラフィックには見るべきものはありません。
キャラクターは、すべて1から作成することができるため、愛着を感じることはできるでしょうが、FACEにお気に入りのものがあるかは疑問です。
防具を変更しても、グラフィックに大きな変更点が見られないのも残念なところです。
モンスターは、戦闘兵器として改造された”ウェポニックモンスター”だけに、RPGでよくあるモンスターのメタル版になります。モンスターの動きやスペルの効果に関しては、よくできておりRPGらしさを感じられるところです。
総じて、グラフィックで楽しむタイトルとは言えないでしょう。
【SOUND】6
ステレオです。視点はキャラクターを後方上方から見下ろしますし、戦闘時はモンスターと対峙する形になりますから、ドルビーサラウンドやドルビーデジタルの必要性もないわけです。
メタルダンジョンを歩く際の靴音、ドアの開閉音、戦闘時の双方の攻撃時の効果音などが数少ないサウンドになります。まぁ、ストイックなタイトルですし、サウンドはそれほど重視する必要もないでしょう。
【CONTROL】7
キャラクターの操作といっても、ダンジョン内を歩き回る(走れません)キャラクターを動かすだけです。ドアを開けたり、コンテナを開けたり、などというのも取り立ててどうという操作ではありません。
メニュー関係の操作はまずまず整備されていて慣れると分かりやすいですが、あれこれとできることが多くてマニュアルを読まないで始めると戸惑うことも多々あるはずです。
不満点と言えば、トレードブースでアイテムを売却した際に不要なアイテムの引取りを聞いてくれないことと、ベースキャンプで武器・防具を交換した際に以前装着していた武器・防具が自動的に保管されてしまうことです。
以前装着していた武器・防具というのは、たいていはトレードブースで売却するのですから、携帯アイテムに加えられるべきでした。
【GAMEPLAY】6
メタルダンジョン内を探索してひたすら最下層をめざすという、とにかくストイックなタイトルです。RPGに物語性を期待する人、一本道の親切さを求める人には全く適していません。
ダンジョンを歩き回ってオートマップを完成させていく、コンテナを開けて強力なアイテムを見つけ出す、キャラクターの装備をどんどん増強していく、キャラクターの経験値・レベルをひたすら上げていく、そうしたことに喜びを見出せる人のためのタイトルです。
「ウィザードリィ」に似たタイトルと評する人もいます。見ようによっては「Xbox」最初の本格的RPGとも言えるわけで、「Xbox」らしい抜きん出たグラフィックやサウンドこそないものの、「Xbox」ユーザーに適した硬派なタイトルとも考えられるでしょう。
【LONGEVITY】9
モードのところでも述べているように、本作のダンジョンは10層(エリア)構造になっており、各エリアは更にいくつかのフロアに分かれています。
1エリアの基本的な進め方としては、1回目が小手調べとアイテム探し、2回目が経験値稼ぎ、3回目が対守護モンスター戦、というのが無難な進め方です。
なおかつ、10層は、ここで何度も戦い、すべてのキャラクターのDSPを10まで上げて、全員にオレアルを装着するのがお奨めの攻略法です。こうした過程を経てクリアするとなると、50時間近くは必要になります。
もっとも、私にとってこの50時間はそれほど苦痛ではなく、ダンジョンを歩き回ってオートマップを完成させていく、コンテナを開けて強力なアイテムを見つけ出す、キャラクターの装備をどんどん増強していく、キャラクターの経験値・レベルをひたすら上げていく、という作業はなかなか楽しいものでした。たまにはこういうゲームもありかなという感じです。
ちなみに、私のクリア時の各キャラクターのレベルとHPは以下の通りです。ストライカー(92、1620)、フェンサー(72、1358)、ブローダー(56、1393)、キャスター(45、1130)、アナライザー(57、1119)。
なお、ゲームクリア後に登場するエキストラダンジョンは、100層までありますが、10層ごとの繰り返しとなり、モンスターのレベルがその層に合わせて強化されます。また、アイテム類もより強力なものが登場します。ここまでプレイすれば、100時間は下らないでしょう。
【OVERALL】7
本作は、パッケージ、ムービー、スクリーンショットなどのグラフィックのパッとしなさ、物語性のなさ、話題性の乏しさ、などがミックスされて、なんとなく手を出しづらいタイトルという印象を持たれているのではないでしょうか。
実際にその通りなのですが、いざプレイを始めてみると、これまでに述べてきたような魅力を持ったタイトルであることが分かりました。
これを6800円で買うかと言われれば首をひねらざるを得ませんが、1980円ならけっこうお買い得だと思います。特に、ゲームをやる時間がそれなりにある人にとっては、はまれる1本に違いありません。
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