「トヨタモータースポーツフェスティバル2002」が、2002年11月24日、静岡県・富士スピードウェイで華々しく開催されました。
前年、「TEAM TOYOTA MEETING in FUJI」として行われ、2万人以上の観客を集めたスペシャルイベントが更にスケールアップして行われたのです。その内容の濃さといったら、とても入場料2000円(前売り1800円)とは思えない充実ぶりです。
「サーキットイベント」が、「トヨタF1カースペシャルラン」、「ピットウォッチング」、「ピット見学ツアー」、「トヨタ7特別走行」、「GTカーウォッチングツアー」、「GTデモレース」、「フォーミュラトヨタ体験走行」、「グリッドウォーク」、「ヤマハカートチャレンジ」、「X-TREME」、「トヨタ車オーナーズクラブミーティング」、「オーナーズクラブパレードラン」、「”生みの親”との交流会」。
「パドックイベント」が、「GTドライバーズトークショー」、「ネッツサーキットイベント2002」、「チーム&ドライバー特別ファンサービス」、「展示・物販ブース」、「TRDドライバーズミーティング」。「ファミリー向けイベント」が、「エポックおもちゃ広場」、「ミニミニ遊園地」、「サーキット縁日広場」、「小山町特産物市」。
「フリーマーケットイベント」が、「一般フリーマーケット」、「クルマ系フリーマーケット」。
よくもまあ、これだけのイベントを集めたなぁ、といった感じです。
私もひととおり見て回ったですが、それぞれのイベントの充実度はなかなかのものでしたし、トヨタ系のアフターパーツメーカーのグッズは、けっこうお買い得な価格設定がなされていました。
例えば、APEXのトヨタ車のブレーキパッドが半額で売られていましたし、ウエア類も20%~50%OFFとお買い得でした。私も、HKSのエンジンオイル「SUPER RE RACING」を3000円で購入しました。カー用品店では1万円近くするエンジンオイルですから、いかにお買い得であるかが分かりますよね。
数あるイベントのうち、メインとなったのは、もちろん、「トヨタF1カースペシャルラン」でしょう。
2003年のPanasonic TOYOTA Racingのドライバー、オリビエ・パニスがこの日のために来日、約2万人のモータースポーツファンに、2002年シーズンを戦い終えたトヨタTF102をお披露目したのです。
スペシャルランは、午前、午後の2回、行われました。各セッションとも、様子を見るため2周してからピットインしてマシンをセッティングした後、約6周にわたってF1ならではの豪快な走りと心地良いF1サウンドをサーキットに轟かせました。
午前中のセッションはコースがウェット気味のコンディションだったため、ラップタイムもGT500に少し劣る1分29秒台でしたが、午後のセッションではコースもドライコンディションとなり徐々にタイムアップ。最終的にはフォーミュラ・ニッポン並みの1分17秒台をマークしています。
これは、F1終了後で本格的なタイムアタックをしていないこと、TF102が富士用のベストセッティングを出していないこと、ドライバーのオリビエ・パニスが富士に不慣れであることを考え合わせると、まずまずのタイムだと言えるのではないでしょうか。
いやむしろ、イベントのファンサービスとしては、予想以上のタイムを叩き出していると言えます。トヨタのチーム関係者も、上出来なお披露目に胸をなでおろしていることでしょう。
来年は、CARTチャンピオンのクリスチャーノ・ダ・マッタもトヨタF1のステアリングを握ることですし、より一層の活躍が期待できそうです。
個人的に期待していたもうひとつのイベントが、「トヨタ7特別走行」です。トヨタ7は、日本のモータースポーツの黎明期にトヨタの歴代のスポーツプロトタイプに命名されてきた車名です。
今回、特別走行を行うのは、最高のポテンシャルを誇りながらも実戦デビューがかなわなかったトヨタ7の最終タイプです。その流麗なスタイリングは、見るものすべてを魅了するのではないでしょうか。
同車の特別走行のために、当時の開発ドライバーである細谷四方洋や往年のトヨタワークスドライバーの見崎清志、高橋利昭なども集いました。これらのドライバーの元気な姿を見られたのも嬉しいところです。
ところが、同車の特別走行は、実はメインストレートをUターンして往復するだけという形で行われました。私は同車の走行をサントリーコーナーで見ようと同コーナーで待ち構えていたため、結局は同車の走行音を聴いただけに止まってしまったのです。
楽しみにしていただけに、残念でなりません。こうしたアナウンスは、走行の直前に行うのではなく、あらかじめ行ってほしいものです。次回からは、配慮願いたいところです。
「GTデモレース」は、公式戦やテストなどでは見慣れているGTマシンですが、イベントに花を添えるという意味でも、開催されたのは意義あることでした。
抽選とはいえ、来場者がGTドライバーが駆るオープンカーやミニバンに乗り込んで真横をすり抜けるGTカーの迫力ある走行をヴァーチャル体験したり(「GTカーウォッチングツアー」)、公式戦では入ることが難しいスターティンググリッドに足を踏み入れることができたり(「グリッドウォーク」)といったことも、ファンサービスイベントならではでした。
ただ、「グリッドウォーク」の整理券は各ピットで30枚配布ということで、よほどタイミングが良くなければもらえないプラチナチケット(!)でした。次回からは、こうしたイベントは、入場時に抽選券などを配布すれば、より有意義にイベントが楽しめると思います。
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