「sega GT 2002」レビュー

【GENRE】
レース

【PUB./DEV.】
セガ/ワウ・エンターテイメント

【RELEASE DATE】
2002/9/12

【OUTLINE】
ドリームキャスト版「Sega GT Homologation Special」のシステム、グラフィック、操作性などを一新し、「Xbox」のマシンパワーを得て大幅にグレードアップしたレースゲームです。
1960年代から現代までの名車125台が実名で登場、13種類のコースで自慢の走りを披露します。また、1960年代~1980年代前半の名車を駆って、徐々に新しくなっていく敵車と戦う「CHRONICLE MODE」も注目です。

【GAME MODE】
Sega GT 2002
メインとなるモードで、レースに参戦してクルマをチューニングしながら、さまざまなレースに挑んでいきます。
「OFFICIAL RACE」は全6ステージ(ステージごとに順に3、4、3、4、4、1レース)で、ライセンスを取得しないと次のステージに進めません。
「EVENT RACE」は、出場資格が限定された各イベントに出場して高額賞金の獲得を狙います。本作は、チューニングやダメージの修復などでお金がかかるため、最初はここで稼ぎましょう。「EVENT RACE」には以下のようなものがあります。


CASIO SPORT CUP
カテゴリーの枠と時代を超えた異種混合戦です。

MOTOROLA ONE MAKE RACE
プレイヤーのクルマと同一車種で行われるレースです。

BRIDGESTONE AMAZING RACE
あらゆるカテゴリーのクルマが入り乱れての異種混合戦です。

SEGA DRAG RACING
アメリカを発祥の地とする、1/4マイルのタイムを争うレースです。

Microsoft SPEED CUP
あらゆるカテゴリーのクルマが入り乱れての異種混合戦です。

FUJIFILM CIRCUIT BATTLE
次から次へと現れるライバルと1対1で勝負する、サバイバル戦です。

Battle of 70’s
70年代に活躍した往年の名車によるレースです。

Battle of 80’s
80年代に名を馳せたクルマで争うネオヒストリックレースです。

Battle of 90’s
90年代を代表する傑作車によるレースです。

HOT HATCH EVENT
軽量コンパクトで高い旋回性能を持つハッチバックのスポーツモデルのレースです。

Group B Monsters
80年代前半に年間生産台数200台のグループB既定+A26のために開発されたラリー用ホモロゲーションモデルのレースです。

SUPER CAR EVENT
コストを度外視した流麗なデザインと高性能を併せ持つスーパーカーのレースです。

Touring Car Race
年間生産台数5000台以上のツーリングカー規定を満たしたハコ型3BOXモデルによるレースです。

WINDING ROAD RACE
国内外で活躍したさまざまなラリーカーで低μ路を含む過酷なコースを走るレースです。

QUICK BATTLE
車種とコースを自由に選んで手軽にレースが楽しめるモードです。

CHRONICLE MODE
アウトラインに書いた通りのモードで本作のサブモードと言えるくらいのボリュームがあります。
パーツの強化手順ですが、タイヤ→ボルト・オン・ターボ→軽量化→ポート研磨の順に行いましょう。
ただし、ジャガーとコルベットはパワーは十分にある反面スピンしやすいため、サスペンションを2番目にやるといいでしょう。

TIME ATTACK
車種とコースを自由に選んでベストラップをめざすモードです。

REPLAY STUDIO
リプレイの鑑賞や編集を行えます。編集は、各種の画面エフェクトをかけられます。

【GRAPHICS】8
「Xbox」としては水準以上のグラフィックを実現させています。特に、1960年代の旧車のグラフィックは実車さながらの美しさです。ただ、コースが全般に暗いため、今ひとつ華やかさを感じられません。
グランドスタンドを共有して短中長と3つのコースを作っていることが多いため、時間差によって違った印象にしたかった部分もあるのでしょう。ここら辺は、「Append Disk」による新コースに期待したいところです。

【SOUND】8
ドルビーデジタルです。車種やチューニングによるエンジンサウンドの違いは、一応、表現されてはいますが、エンジン音はちょっとモーター音的な感じもしてまあまあといったところです。レースゲームとして、傑出したサウンドというわけでもありません。

【CONTROL】9
不満の多かった「ドリームキャスト」版と格段に違うのはもちろんのこと、レースゲームとして考えた場合にも、トップクラスと言える操作性、挙動を誇っています。
現実的なスピード感があり、コーナリングのマシンコントロールもしやすく、パーシャルスロットルにも応えてくれます。それでいて、リアルさはなくしておらず、リアルさとゲーム性のバランスは絶妙です。ただ、パーツの劣化による性能低下は極端すぎます。

【GAMEPLAY】9
こうした市販の実車を用いたレースゲームでデキのいいものをめざすと、どうしても「グランツーリスモ」に似通ったものになるのは致し方ないところでしょう。
問題は、似通ってはいるものの、どこかに新規性を感じさせる何かがあるかということです。
本作の場合は、「CHRONICLE MODE」に代表されるような1960年代以降の歴代の名車を積極的に登場させたという点にあります。
これに関しては、確かに成功しています。「Xbox」ユーザーの年齢層の高さとも合致します。
ただ、終盤でフォードGTを手に入れてしまえば、これで出られるレースはすべて楽勝というのは、ゲームバランス的には関心できません。突出した車種を登場させるなら、同レベルの車種も何種類か登場させるべきでした。
また、ガレージにトロフィーや写真を飾れるというギミックは中途半端です。もうちょっとひねりがあっても良かったですし、所有全車種が1度にガレージで見られるべきだったと思います。

【LONGEVITY】8
「sega GT 2002」モードは、「グランツーリスモ」のように1レース当たりの周回数や時間を長くすればもっと長く楽しめたことでしょう。しかし、同じコースを何周もするのは冗長なだけに、この判断は適切でした。
ただ、イベント数はもっとほしかったところです。「CHRONICLE MODE」は、意外と長く楽しめましたが、どの車種を選んでもパターンが同じであるため作業的な部分もありました。
だったら、各車種ごとにシナリオのようなものを用意すべきだったのではないでしょうか。長く楽しめるレースゲームを作るのも難しいものです。

【OVERALL】9
本作は、リアルにこだわりすぎて遊びづらいレースゲームになってしまった「ドリームキャスト」版に比べると、格段に進歩していることが実感できます。
前作では「ドリームキャスト」対「プレイステーション」という対決の構図で意識してきた「グランツーリスモ」ですが、それが本作では「Xbox」対「プレイステーション2」と両者ともに1世代進化しています。
その進歩した中での対決は、どちらに軍配が上がったのでしょうか。本作では、車種間に実力差がありすぎ、ばらけたレース展開になることが多々ありました。
一方「グランツーリスモ」では、リアルな中にもゲーム性という補正をかけて、それをユーザーに気づかれにくいようにうまく包み込んでいます。市販車に関しては、そうした嘘もありなのではないでしょうか。

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