「ミストIII: エグザイル」レビュー

【GENRE】
アドベンチャー/パズル/ファーストパーソン

【PUB./DEV.】
マイピック/UBIソフト/PRESTO STUDIOS

【RELEASE DATE】
2002/5/2

【OUTLINE】
「MYST」シリーズ第3弾です。同シリーズは、1993年に発売された「MYST」、その続編となる「RIVEN: THE SEQUEL TO MYST」、合わせて全世界で1000万本以上のセールスを記録した人気アドベンチャーです。
「時代の本」によって作られた「MYST」の独特な世界観とCGによる美しいグラフィックを堪能しながら、その中でたったひとりで難解な謎解きに挑みます。「ミストIII」では、さまざまな謎を解き明かしながら5つの時代を旅していきます。
今回から、360度見渡せるようになるとともに、5.1chサラウンドにも対応し、より深く「MYST」の世界を堪能できるようになっています。

【GAME MODE】
スタート
新規にゲームを始めることができます。「MYST」は、親切なゲームではありません。
いきなり右も左も分からない世界にたったひとりで放り出され、とりあえず歩けるところに歩いていき、仕掛けがあればさわってみる。
そして、どこかで仕掛けが動けば、それをチェックし、新たな道を切り開いていく。その繰り返しなのです。
仕掛けを解くためには、六感をフルに働かせなければなりませんし、メモをとる必要もあるでしょう。
前述しているように、「MYST」の独特な世界観とCGによる美しいグラフィックを堪能しながら、その中でたったひとりで難解な謎解きに挑んでいくことを楽しめるようでなければ、本作は単に面倒なだけのゲームです。
さて、本作の5つの時代は、以下のようになっています。

ジェナーニン時代
ゴツゴツした岩場の島内で光やエレベーターを調節しながら、先に進んでいく時代です。

アマテリア時代
海上にあるレール上に球を走らせることで、道を切り開いていく時代です。クリア時の爽快感を味わってください。

エダーナル時代
巨大な樹木が生い茂る中を上下に行き来しながら、光を調節しながら進んでいく時代です。

ヴォルタイク時代
洞窟、谷、水門などで構成される時代で、水量を調節することがこの時代脱出のカギとなります。

ナラヤン時代
これまでの時代とは異なり、小さな建物だけのかなり狭い時代です。壁画の模様を解読した後、最後の選択肢でエンディングが分かれます。

ロード
任意のセーブゲームから始められます。

セーブ
ムービー中以外は、いつでもセーブできます。

オプション
移動速度の調節や字幕表示の設定などができます。

メイキングムービー
メイキングムービーが見られます。

クレジット
クレジットが見られます。

【GRAPHICS】9
「MYST」ならではのCGによる幻想的で美しい独特の世界は、「Xbox」というハードを得てより一層磨きがかかっています。また、5つの世界それぞれのビジュアルに特徴があり、プレイ、謎解きを楽しいものにしています。
「MYST」世界固有の動植物もリアルに描かれていて興味深いです。ただ、場面によっては進める方向が分かりづらいことが時折あるのが難点です。世界観の構築もいいのですが、プレイアビリティも考慮してほしかったところです。

【SOUND】9
ドルビーデジタルです。「MYST」の世界では、音もプレイに大きな影響を及ぼします。音そのものや音の方角が、謎解きのヒントになるからです。そういった意味で、5.1chに対応したのは大きなことだと思います。もちろん、「MYST」世界ならではの効果音は神秘的で魅力的です。

【CONTROL】7
今回、「フリールック・ムーブメント・システム」という、あらゆる場面で360度見渡すことができるというシステムを採用しました。これはこれで興味深いシステムには違いありません。
しかし、そろそろ一定距離を進まされるというシステムはやめた方がいいと思います。自分が好きなだけ進み、好きな方向を見ることができた方が圧倒的にプレイしやすいからです。
CGによるグラフィックの美しさも捨てがたくはありますが、ポリゴンだって十分に美しい「MYST」世界を構築できるはずです。

【GAMEPLAY】8
「MYST」には、「MYST」だけが持つ独自の世界があります。その世界をより強固に構築していくことこそ、「MYST」シリーズに課せられた使命なのです。
「MYST」で大事なのは、新たな世界を築き上げていくこと、アイデアいっぱいでいて理不尽ではない謎解きを提示することでしょう。そういった意味では、本作は成功しているといえるのではないでしょうか。

【LONGEVITY】8
「MYST」の世界を十分に堪能するだけのボリュームはあります。5つの時代の謎解きも適度なボリュームと難易度ですから、こんなところで十分なのではないでしょうか。
欲を言えば、もう少しこの世界と謎解きを楽しみたかったというのはありますが、それは次回作でのお楽しみとしましょう。

【OVERALL】9
「MYST」の世界はより強固に構築されていますし、謎解きも理不尽なものが少なく適度な難易度でした。
難易度的には「MYST」と「RIVEN」の中間ですが、ややひとりよがりな謎解きがあった「RIVEN」に比べると好感が持てます。
自力で謎が解けた時の嬉しさといったらありませんが、この喜びを味わうには程よい難易度だったと言えるでしょう。
「MYST」シリーズは人を選ぶ作品ですが、こうした世界観や謎解きが好きな人には薦められます。

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