「UFC 2 TAPOUT」レビュー

【GENRE】
スポーツ/総合格闘技

【PUB./DEV.】
カプコン/CRAVE ENTERTAINMENT

【RELEASE DATE】
2002/4/18

【OUTLINE】
総合格闘技UFCの魅力をリアルなグラフィックで再現したゲームです。
UFC(ULTIMATE FIGHTING CHAMPIONSHIP)は、バーリ・トゥード(ボルトガル語で何でもあり)ルールのアルティメット大会で、初期ルールでは噛みつき、金的への攻撃、目潰し以外の攻撃がすべて認められていました。
第1回大会はホイス・グレイシーが優勝していますが、その後はより安全なルールが整備され、出場する選手も遷り変わってきています。
そのため、本作でも、グレイシー一族は登場せず、リングス、パンクラス、プライド、新日本プロレスなどに上がったことのある馴染み深い選手が多数名前を連ねています。

【GAME MODE】
ARCADE MODE
27人の実在選手か自らが作成したキャラクターによって厳しい戦いを勝ち抜いていくモードです。判定での引き分け、ダブルノックアウトでは次に進むことはできません。
4連勝するとザ・キャット、8連勝するとフェメ・ファテール、16連勝するとアイスT、27連勝するとマスク、がアンロックできます。
UFCと言えばマウントポジションですが、単に勝ちを狙うならパンチを中心にした打撃が有効です。これは、他のモードにも共通します。
27人の実在選手は、以下のようになっています。
ヘビー級: ティム・レイジック、マーク・コールマン、ゲーリー・グッドリッチ、高坂剛、マルコ・ファス、バス・ルッテン、ペドロ・ヒーゾ、アンドレ・ロバーツ、モーリス・スミス、ロン・ウォーターマン、ピート・ウイリアムス、マーク・ケアー、ジョシュ・バーネット、ダン・スバーン。
ライトヘビー級: ジェレミー・ホーン、ガイ・メッツァー、パット・ミレティッチ、ティト・オーティス、ケビン・ランデルマン、フランク・シャムロック、ミッキー・バーネット、マット・ヒューズ、ユージン・ジャクソン、チャック・リデル、エヴァン・タナー、ジェンス・パルバー、宇野薫。

UFC MODE
UFC大会に出場して優勝するのが目的のモードで、8人参加のトーナメントで争われます。無差別級、ヘビー級、ライトヘビー級の3階級があり、引き分けでは次の試合に進めません。自らが作成したキャラクターも使用できます。

TOURNAMENT MODE
最大8人のプレイヤーでトーナメント戦を行えるモードです。

VERSUS MODE
1試合だけを行うことができるモードです。1P対2P、1P対CPU、CPU対2P、CPU対CPU、でプレイすることができます。

CREATE FIGHTER
選手をエディットしてプレイヤーの思い通りのキャラクターを作成できるモードです。作成したキャラクターは、すべてのモードでプレイすることができます。
入力できるのは、名前、ニックネーム、身長、体重、年齢、出身地、ホームタウン、ストレングス(アピールポイント3つ)、顔、コスチューム、ボイス、ファイトスタイル、スキルです。
選手のエディットデータは、メモリーカードにも保存できます。

OPTIONS
コントローラー、オーディオ、ゲームのセッティングができるほか、セーブ、ロードも行えます。

【GRAPHICS】8
UFCならではの、会場全体のショーアップされた雰囲気とオクタゴンの殺伐とした雰囲気はよく出ています。
選手のグラフィックもまずまずで、パッと見は各選手の特徴をよく捕らえています。もっとも、高坂剛などは、アップで見るとそれほど似てはいません。
パンチ、キック、マウントポジション、ガードポジション、バックマウントポジション、などといった選手の動きもまずまずですが、選手の体格に関してはちょっと横幅がありすぎのような気がします。
選手の入場シーンは数パターンあるのですが、細かく言えば選手が1人で入場するのはどうかと思います。実際に1人で登場する選手はいませんから。
選手をエディットする際に、東洋人の顔が少ないのは、仕方ないとは言え残念です。日本人ファイターを作るのには、苦労させられることでしょう。

【SOUND】6
ステレオです。会場の喚声、リングアナウンサーの選手紹介、レフェリーの試合開始の合図、選手の叫び声、などが主なサウンドになります。
UFC自体、それほど選手が声を出すわけでもありませんから、サウンド面で高ポイントを獲れないのは致し方のないところでしょう。

【CONTROL】8
本作で1番大切な要素がこれでしょう。プレイヤーがいかに容易にUFCを再現できるかが、本作の大きな評価基準となるからです。この点において、本作は成功していると言えます。
Xボタンで左パンチ、Yボタンで右パンチ、Aボタンで左キック、Bボタンで右キック、パンチとキックの同時押しでタックル、相手と逆の方向に方向パッドを押すことで打撃の防御、パンチとキックの同時押しか方向パッドのガチャ押しでタックルの防御、左右パンチの同時押しでパンチ攻撃の返し技、左右キックの同時押しでキック攻撃の返し技。
また、マウントポジション、ガードポジション、バックマウントポジションなどでも同趣旨の操作が行えます。
キャラクターはこれらの操作に忠実に反応してくれるため、プレイヤーが思い描いた戦い方を取ることができます。
各モード間や各モード内の操作性もシンプルにまとめられていて良好です。

【GAMEPLAY】7
コントロールの項でもふれているように、本作はプレイヤーがいかに容易にUFCを再現できるかが大事な要素となっています。本作は、これには成功しています。
ただ、UFCという格闘技の性格もあるのでしょうが、ゲームとしてはちょっとあっさりとした印象があります。
各モードともやり込めるほどのボリュームはなく、お気に入りの選手で勝ち進んでしまえばそれで終わりといった雰囲気がありました。
そして、打撃が強い選手を使ってパンチを連打していれば、ある程度は勝ち進めてしまうのです。
特に、「UFC MODE」は3回勝てば優勝できるため、それほど苦労することもないでしょう。
もちろん、「ARCADE MODE」は楽ではありませんが、苦労して出すほど魅力的な隠しキャラクターもいないわけです。
そのため、プレイヤーには、UFCならではのタックル→マウントポジション→マウントパンチ→サブミッション、といった流れに持ち込む創造性が要求されます。
これを楽しめれば、本作の価値も増すというものでしょう。逆に、UFCなどのバーリ・トゥードに魅力を感じない人にとっては、奥深さに欠けるタイトルと映るかもしれません。

【LONGEVITY】5
UFCなどのバーリ・トゥードに興味のない人は、それほど長くは楽しめないでしょう。「UFC MODE」はすぐに優勝できますし、「ARCADE MODE」は苦労して勝ち進むほど面白くも感じないからです。
UFCなどのバーリ・トゥードに思い入れのある人なら、タックルやマウントポジションを駆使したりして、それなりには楽しめると思いますが、それでも長く遊ぶことは難しいと思います。
どちらかと言うと、パーティゲームとして1本用意しておくといったタイトルのように感じます。

【OVERALL】7
本作は、UFCなどのバーリ・トゥードが好きな人が興味本位で買うか、来客が多い人がパーティゲームとして買うタイトルだと思います。いずれにしても、1980円以下なら必要度に応じて手を出すタイトルといった感じでしょうか。
バーリ・トゥード好きにとってはなじみの選手こそ多いものの、それでもプライド勢、K1勢、日本勢はほとんど登場していません。
これ自体はUFCを再現したゲームの責任とは言い切れませんが、これでは購買動機はダウンせざるを得ません。
選手だけを取るなら、「プレイステーション2」版「プライド」に魅力を感じる人の方が多いのはやむを得ないことでしょう。

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