【GENRE】
パズル
【PUB./DEV.】
セガ/セガ
【RELEASE DATE】
2006/6/22
【OUTLINE】
アハ体験とは、一瞬のうちに新しいことを生み出したり、今まで分からなかったことが分かってしまう脳の働きを指します。普段の言葉で表せば、ひらめきや創造性とでも名づけられるような脳の働きがアハ体験になります。
アハ体験は、脳にとても強い喜びをもたらし、ドーパミン(報酬を表す)と呼ばれる物質が放出されます。ドーパミンは、脳の中の神経細胞をつなぎ変える強烈な作用を持っています。
アハ体験をすると、脳の中で強化学習が起こり、次からもアハ体験が起こりやすくなります。本作では、誰もが、このアハ体験を楽しめるようなコンテンツが多数用意されており、分かった瞬間のドーパミンの放出により、脳が活性化されます。
【GAME MODE】
アハについて
アハ体験の説明や茂木博士の話を読むことができます。
アハチェンジ
2枚の画像が交互に表示されます。画像には、どこか違うところがあるので、その違いを見つけます。画像には、モナリザ、クリスマス、馬車、蓑笠、ロビー、スフィンクス、ペリカン、イドラ島の街並み、タンチョウヅル、があります。
異なる画像を続けて見ていれば、違いはすぐに分かるはずです。ところが、「アハチェンジ」では、2枚の画像の間に黒色の画面が挟み込まれています。このため、一時的に記憶を蓄えておく、「ワーキングメモリ」と呼ばれる脳の働きがリセットされ、変化した場所が分からなくなってしまいます。
アハムービー
一見、静止画のようなムービーが再生されます。時間とともにムービーのある部分がゆっくりと変わっていくので、その変化した箇所を見つけます。ムービーには、以下のものがあります。
風景
湖畔、手桶、アヒルボート、灯篭、のぼり、お台場、橋、上海の水路。
街並み
シドニーの街並み、イタリアの街角、格子窓、アンダルシア、カフェ、合掌造り、ワルシャワの街並み、古屋敷、奈良井塾。
絵画
神奈川沖浪裏、音楽会にて、さむらいの描かれた花瓶、日本橋、タヒチの女、落穂拾い、夢、ひまわり、バベルの塔。
世界遺産PART 1
シェーンブルン宮殿、イグアスの滝、モンサンミッシェル、知床、サンピエトロ広場、エディンバラ、プラハ、首里城。
動物PART 1
モルモット、レッサーパンダ、ミドリガメ、子犬 その1、オランウータン、クジャク、キリン。
名所PART 1
東京タワー、五宝滝、寝覚ノ床、エッフェル塔、あぶくま洞の庭園、中国の門、ノイシュバンシュタイン、醍醐寺。
CG アニメ
チャオ、やきゅう、恐竜、エミー、ソニック、サラブレッド、ナックルズ、テイルス。
世界遺産PART 2
フィレンツェ、屋久島、ヴェネチア、パルテノン神殿、アユタヤ、コロッセオ、ベルサイユ宮殿、厳島神社。
動物PART 2
オシドリ、フクロウ、ウサギ、猫、カバ、子犬 その2、トラ。
名所PART 2
熊野那智大社、名古屋城、エベレスト、コートダジュール、イーエスコウ城、マッターホルン、トレビの泉、錦帯橋。
その他
オフィスビル、イチゴ、ダイニング、基盤、とうもろこし、コンテナ、つるし橋、茂木健一郎。
最初と最後では全く違った画像になっているのに、どこも変化していないように感じてしまいます。脳は、素早く変化するものには気づきやすいのですが、ゆっくりと変わっていくものを検出するのは、案外、苦手なようです。
アハカット
ひとつのストーリーになっているムービーが再生されます。ムービーのカットが切り替わると、場面のどこかが違っていることにあるので、その変化を見つけていきます。ストーリーは、目覚め、歯磨き、通学、授業中、昼休み、部活動、放課後、道草、宿題、長い夜、の順になっています。
普段の生活の中で短い時間で変化するはずがないものについては、脳は「まさか変わるはずがない」と思い込んでしまいます。映画などと同じように、カットの前後が一連のシーンだと思ってしまうので、ついつい変化を見逃してしまうのです。思い込みを外すことは、とても大切なのです。
各問題は、画面の変化が分かったら○ボタンを押します。「アハ!」というマークとともに画面にカーソルが現れるので、変化した場所までカーソルを動かし、再び、○ボタンを押します。解答後か一定時間経過後、以下の終了メニューが表示されます。「ヒントを聞く」、「高速で見る」、「答えを見る」は、「もう一度見る」で問題を何度か繰り返し再生すると選択できるようになります。
もう一度見る
同じ問題を再生します。
ヒントを聞く
茂木博士が変化した場所についてのヒントを教えてくれます。
高速で見る
同じ問題が高速で再生され、変化が分かりやすくなります。
答えを見る
解答(変化した場所)が表示されます。
メニューに戻る
問題メニュー画面に戻ります。
ゲームシェアリング
通信機能(アドホックモード)を使用して、他の本体から体験版をダウンロードすることができます。
【GRAPHICS】7
パズルゲームだけに、画面の見易さが問題になってきますが、本作は携帯ゲーム機としては大きな「PSP」の画面を使っているだけに、画面の解像度も高く、サイズも大きく、間違いを見つけるのに十分な解像度とサイズを確保しています。それぞれのグラフィックも美しく、それぞれの写真などを次々とアンロックしていく楽しみもあります。
ゲームの画面も、バランスよく、うまくまとめて配置されており、モードや問題の選択もやりやすくなっています。全般に良好なグラフィックだと言えるでしょう。
【SOUND】7
サウンドは、この手のゲームだけに、「アハ!」以外のボイスはないに等しくなっています。「アハムービー」にも、ボイスはありません。効果音も、必要最小限に絞られています。サウンドは、プレイ中のBGMだけというわけです。
このBGMは、品が良い音が抑えて鳴らされており、思考の邪魔をすることもありません。サウンド全体としては、少し寂しくなっているわけですが、ゲームの性質上、これで問題はないでしょう。
【CONTROL】8
操作も、ゲーム内ですべて、どのボタンを押せばいいかが表示されます。ゲーム的にも操作体系はシンプルで、特に戸惑うこともないでしょう。まずまずの操作性だと言えます。
【GAMEPLAY】7
本作は、折からの脳トレブームに乗って発売された1本で、タイトルもそれを意識したものになっています。メーカーとしては、このブームに便乗するための企画を立てたかったのでしょうし、茂木健一郎としても、これで持論を広めたり、名前がより有名になったりするので、両者にとって有益な企画だったわけです。
そして、その目論見は当たり、それなりにヒットしたようです。すぐに第2弾も発売されていますから。
ゲームとしては、「アハ!」がどうのこうのといった理屈に関係なく、純粋に間違い探しゲームとして楽しめます。「アハチェンジ」、「アハムービー」、「アハカット」のいずれもが面白く作られているからです。
ただ、「アハムービー」がボリュームがあるのに対し、「アハチェンジ」と「アハカット」のボリュームが不足しており、このあたりのバランスには配慮してほしかったところです。
【LONGEVITY】7
前述している通り、「アハムービー」はボリュームがあり、長く楽しむことができます。それに対し、「アハチェンジ」と「アハカット」はボリュームが不足しており、あまり長く楽しむことはできません。
それでも、1回で正解を出すことは難しく、人によって正解にたどり着くまでの回数は問題ごとに違いがあるでしょうが、最低でも3回前後、長ければ15回ぐらいは必要になるかもしれません。全問クリアまでには、20時間近くはかかることでしょう。
【OVERALL】6
本作は、「アハ体験!」という聞き慣れない言葉をウリに、脳トレブームに便乗して発売されました。しかしながら、ゲームとしては、「アハ!」がどうのこうのといった理屈に関係なく、純粋に間違い探しゲームとして楽しめます。1480円以下の手頃な価格で買うことができれば、十分に元は取れるでしょう。
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