「SUDOKU 数独」レビュー

【GENRE】
パズル

【PUB./DEV.】
ハドソン/ハドソン

【RELEASE DATE】
2006/11/16

【OUTLINE】
数独でおなじみのニコリが、良質の洗練された410問の問題を提供するパズルゲームです。簡単なものから難問まで、シンプルなルール・高品質な問題に加え、純粋な思考に専念できる便利機能を搭載して楽しむことができます。また、通常の9×9だけでなく、16×16のBIG数独にも挑戦することが可能です。

【GAME MODE】
はじめから
最初からゲームを始めます。

つづきから
セーブデータを選んでゲームを始めます。

遊び方
遊び方解説メニューが表示されます。基本ルールの解説、解法のコツ、操作説明を見ることができます。

問題選択画面
問題レベルタブは、それぞれのタブに、初級問題、中級問題、上級問題、BIG数独問題、段位認定問題がまとめられており、タブを切り替えて選びます。段位認定問題は、一定条件をクリアすると選択できるようになります。
問題レベルと番号は、現在、選択されている問題のレベルと番号を示します。
最短クリア時間は、その問題が最も早く解かれた時の所要時間が表示されています。00:00:00が表示されているのは、まだ解いていない問題です。
問題リストは、そのレベルに所属する問題のリストで、その問題のプレビューが画面右端に表示されます。?マークの問題は選ぶことができませんが、段位が上がって行くと選べるようになります。

パズルを解く
数字を置くには、方向キーの上下左右でカーソルを移動させ、数字を置きたいマスにカーソルを合わせて、〇ボタンを押します。カーソルのすぐそばに数字入力ウィンドウが表示されるので、方向キーの上下左右で数字を選び、〇ボタンを押せば、その数字が入力されます。
数字を消す場合には、マスにカーソルを合わせて△ボタンを押します。
パズル画面では、カーソルのあるブロックと上下左右の列が黄色で表示されています。これをガイドラインといいます。ガイドラインの中に既にある数字は、置くことができません。このガイドラインは、Rボタンで表示/非表示を切り替えることができます。
仮置きモードでは、候補数字を4隅にメモすることができます。入力したいマスにカーソルを合わせ、×ボタンを押すとカーソルが小さくなり、四隅に移動します。方向キーの上下左右で四隅を選び、数字を入れると小さな数字がメモとして残されます。
数字色指定で同じ色の数字を探すこともできます。探したい数字にカーソルを合わせ、Lボタンを押すと、パズル上にあるその数字と同じ数字がすべて赤い色になります。もう1度、Lボタンを押すと元に戻ります。
マーカーモードは、数字色指定をした後に、□ボタンを押してマーカーモードに入り、その数字にカーソルを合わせて〇ボタンを押します。すると、その数字が入る可能性のないマスに×印がつけられます。これにより、その数字が入らないマスを知ることができます。

BIG数独
通常の数独は3×3のブロックをさらに3×3まとめて1つのパズルにしていますが、BIG数独は4×4のブロックをさらに4×4まとめて1つのパズルにしています。通常の数独で使用する数字は1~9ですが、BIG数独は1~16を用います。全部で10問ありますが、最初から選べるのは5問だけです。

段位認定モード
一定数の問題を解くごとに、段位認定問題への挑戦権が与えられます。決められた時間内にクリアすると、それ段位が与えられ、それに応じて選べる問題が増えていきます。段位と挑戦資格は、以下の通りです。
数独新人(10問)、数独主任(20問)、数独係長(50問)、数独課長(80問)、数独次長(100問)、数独副部長(120問)、数独部長(150問)、数独本部長(180問)、数独常務(200問)、数独専務(220問)、数独社長(250問)、数独会長(300問)、数独名誉会長(350問)。

設定モード
パズルに挑戦中、セレクトボタンを押すと、設定メニューが表示されます。方向キーの上下で項目を選び、左右で設定を切り替え、〇ボタンで決定します。
背景は、ペーパー、ウッド、フューチャーの3種類から選べます。
音楽は、BGM1、BGM2、BGM3、OFFの4種類から選べます。
効果音は、ON、OFFから選べます。
クリア済みは、クリア済み表示モードを、ON、OFFから選べます。
ヒントは、ヒントモードを、ON、OFFから選べます。
入力済み数字は、入力済み数字表示モードを、ON、OFFから選べます。
カーソル記憶は、カーソル記憶モードを、ON、OFFから選べます。

【GRAPHICS】7
ハドソンの数独関連タイトルは、2006年3月の「ニンテンドーDS」版に始まり、2008年5月までに、「ニンテンドーDS」版が3タイトル、「Wii」版が1タイトル、そして、「PSP」版となる本作と、合わせて5タイトルが発売されています。そのいずれもが、ニコリが問題を提供しています。
本作は、同じ「PSP」版の「カズオ」のわずか6ヵ月半後にリリースされているのですが、同じ数独を扱ったタイトルでも、本作と「カズオ」では方向性が180度異なっていると言ってもいいぐらいです。
「カズオ」のグラフィックは、肝心のプレイ画面はもちろんのこと、評価画面や結果画面、メニュー画面ですら、センスよくまとめられています。
背景には、地、空、火、水、などをテーマとした動画が映し出されているのですが、この動画のセンスが極めて高く、プレイに邪魔にならないどころか、プレイする気分を盛り上げてすらくれるのです。
縦横の列と3×3マスのボックスのいずれかが埋まると、埋まったところが青く表示されるという演出も、クールでうるさすぎず、達成感を感じさせてくれるという、心地良いものになっています。

それに対して本作は、本家「数独」ということもあるのか、奇をてらわず、質実剛健としたグラフィックになっています。「カズオ」に比べると素っ気ないぐらいで、「カズオ」をプレイした後だと物足りなく感じるほどです。印象としては、白黒とカラー、2Dと3Dぐらいの違いがあります。
背景は、ペーパー、ウッド、フューチャーの3種類から選べるものの、種類としては少なく、これといったものもありません。段位が上がるごとに背景の種類やBGMなどが増えていくといったお遊びがあっても良かったような気もします。
肝心のプレイ画面も、最初から入れられている数字が□で囲われており、少しくどくて見にくい感じがします。最初から入れられている数字は太めのゴシックで、自ら入れる数字は細めの明朝で、ぐらいの違いで良かったのではないでしょうか。
グラフィック全般に関しては、センスの良さも見やすさも、「カズオ」には大きくヒケをとります。それでも、パズルゲームとしては、及第点にはあると思いますが、これといった取り柄がないのも確かです。

【SOUND】6
サウンドも、「カズオ」とは異なり、質実剛健としています。
「カズオ」のBGMは、クールで心地良い環境音楽のようなものになっており、1時間ぶっ通しでプレイしても、うるさく感じたり、疲れたりするようなことがありません。
一部で人気があったセントギガ的な音が出ていると言えばピッタリきそうですし、セントギガのリスナーだった人なら、なるほどと分かってもらえるかと思います。
また、縦横の列と3×3マスのボックスのいずれかが埋まった時に鳴る音も、とても心地良いものになっています。もちろん、こうした心地良さは、グラフィックとサウンドのコラボレーションがあってこそのものだとは思いますが、それをディレクションしたSUMO DIGITALの感性には、感服せざるを得ません。
それに対して、本作では、BGMはわずか3種類が選べるだけです。それも、いかにも日本のパズルゲーム的な単調なメロディの繰り返しで、第4の選択肢であるOFFを選ばざるを得ません。
もちろん、充電式でプレイ時間も短いPSPの場合には、BGMをOFFにすることはプレイ時間を長めるいい方法ではあります。段位が上がるごとに背景の種類やBGMなどが増えていくといったお遊びがあっても良かったような気もします。効果音も、可もなし不可もなしといったところです。

【CONTROL】7
操作性も、「カズオ」とは異なり、極めてオーソドックスになっています。
「カズオ」の操作は、ドラム上の数字をLボタンとRボタンで左右に回転させて選ぶというものですが、本作では、最初から3×3マスの数字が表示されており、それを方向キーでカーソルを上下左右に移動させて選びます。
上下左右は、行き止まりではなく、端から端へとワープすることができます。時間勝負になることもあり、このワープできるというのは、とても重要なことです。ドラム式か、すべてが表示されているか、どちらが優れているということもなく、どちらもすぐに慣れます。
ただ、前述しているように、肝心のプレイ画面で、最初から入れられている数字が□で囲われており、少しくどくて見にくい感じがします。そのため、視認性が良好とは言えません。
最初から入れられている数字は太めのゴシックで、自ら入れる数字は細めの明朝で、ぐらいの違いで良かったのではないでしょうか。
この手のパズルゲームとしては、「ニンテンドーDS」のタッチペンの方が適していると言えそうですが、「PSP」でもそれほど不便を感じるものでもありません。長時間プレイの場合には、むしろ「PSP」の方が疲れないということも考えられます。

【GAMEPLAY】7
この数字を使ったパズルゲームは、1970年頃からアメリカのパズル雑誌で「ナンバープレイス」という名前で掲載され始めました。それを、1984年に日本のパズル会社であるニコリが「数独」として紹介します。
「数独」とは、「数字は独身に限る」を略したものです。この「数独」が「SUDOKU」として欧米に逆輸出され、世界的に大ヒットします。
ニコリは、日本では「数独」を登録商標にしているため、ニコリの許諾を得ない限り「数独」というネーミングは使えません。そのため、「カズオ」は、日本では数独というネーミングを使えなかったのです。
それに対して、本作は、ニコリが、良質の洗練された410問の問題を提供するパズルゲームです。そのため、タイトルに「数独」という名前が使えますし、なんら宣伝をせずとも、販売店に並んでいるタイトルを見ただけで、それと分かってもらうことができます。
このあたりは、「カズオ」に比べると明らかなアドバンテージがあります。しかも、パッケージ裏には、「ニコリの数独/洗練された問題」と大きく書かれており、アピールもバッチリです。

肝心の問題数ですが、「カズオ」が易440、並320、難160、極80で、合計1000問なのに対し、本作は、初級70、中級190、上級120、BIG10、認定13で、合計410問(403問)となっています。
数では、「カズオ」の半分以下に過ぎませんが、「カズオ」よりも難問にボリュームがあるだけでなく、同じ難易度なら「カズオ」よりも難しくて歯ごたえがあり、時間的なボリュームは変わらないでしょう。
「カズオ」のパズルは、ニュージーランド出身のウェイン・グールドが制作しており、彼は「SUDOKU」をイギリスの雑誌に紹介し、ヨーロッパでの「SUDOKU」ブームの火付け親となり、世界でも有数の「SUDOKU」作者に数えられる人でもあります。
そのため、「カズオ」のパズルの質が本作に劣るということもなく、単に難易度調整の問題でしょう。やはり、数独のニコリらしく、歯ごたえのある問題が多くなったということだと思います。
グラフィックやサウンドのところでふれているように、「カズオ」がスタイリッシュな数独をめざしたのに対し、本作はあくまでも数独で勝負しています。
テレビゲームのパズルゲームとしては、華美になってプレイの邪魔にならない程度であれば、華があった方がいいのは確かですが、肝心なのはプレイのしやすさであり、そういった面では、本作のような質実剛健さもありかなと思います。
また、パズルが好きな日本人なら、ニコリの威光というのは大きいでしょう。

【LONGEVITY】10
初級70問、中級190問、上級120問、BIG10問、認定13問、合計410問(403問)となりますが、ニコリ提供とあってか、少しばかり骨っぽい問題が多くなっています。しかも、上級が120問もあり、400問以上クリアするには、相当な時間がかかるはずです。
おそらく、100時間では済まないでしょう。一気にプレイするのではなく、毎日のように少しずつプレイしていくのが向いているのではないかと思います。

【OVERALL】7
本作は、数独でおなじみのニコリが、良質の洗練された410問の問題を提供するパズルゲームです。それらしい質実剛健なつくりになっており、グラフィックやサウンド面での派手さや特徴はありません。
それでも、難問にボリュームがあるだけでなく、同じ難易度なら「カズオ」よりも難しくて歯ごたえがあります。数独が好きな人はもちろんのこと、ニコリという名前に惹かれる人にも薦められます。

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