ボードゲーム「騎兵隊ゲーム」

「騎兵隊ゲーム」は、1970年頃(詳細不明)にエポック社から発売された「ワールドゲームシリーズ」のひとつです。
ゲームのパッケージの解説には、「その昔、雄大なアメリカ西部の荒野にくりひろげられた騎兵隊とインディアンの壮烈な戦闘を、そのままゲームに再現したのがこの”騎兵隊”です。怪奇な岩山、砦、インディアンキャンプの立ち並らぶゲーム盤! 馬上勇ましい騎兵隊、インディアン、ガットリング砲などの豪華な駒! ルーレットをまわしながら将棋風に駒を進め、敵陣にある軍旗や羽かざりを取りあうおもしろいゲームです!!!!!」と謳われています。
英語の解説では、単にインディアンではなく、アパッチインディアンと記されています。また、将棋風のゲームということですが、実際にはチェスに近いゲームだと言えるでしょう。なぜなら、いったん取った敵の駒を再利用することはできないからです。
ゲームは、2人のプレイヤーが騎兵隊とインディアンに分かれて、ルーレットの出す数に従って駒を進め、相手の陣地にある「軍旗」または「羽根かざり」を先に取ることによって勝敗を決します。
ゲームの盤面には、ルーレット1個、岩山11個、騎兵隊の砦1個、インディアンキャンプ1個が立体的に取り付けられています。このルーレットと岩山が、攻撃側には障害となり、防御側には盾となるわけで、これらをいかにうまく利用するかが勝敗の分かれ目ともなります。駒の種類と進め方は、以下のようになっています。

【騎兵隊】
キャプテン(隊長、1個)縦横斜めにどこまでも。
ギャバルリー・マン(騎兵、7個)縦横にどこまでも。
ガットリング・ガン(ガットリング砲、3個)斜めにどこまでも。
ガード(守備兵、4個)縦横斜めに1マスずつ。
軍旗(1個)。

【インディアン】
チーフ( 酋長、1個)縦横斜めにどこまでも。
アーチャー(弓手、7個)縦横にどこまでも。
ライフル(銃手、3個)斜めにどこまでも。
ガード(守備、4個)縦横斜めに1マスずつ。
羽根かざり(1個)。

遊び方は、以下のようになっています。
1. まず、騎兵隊とインディアンに分かれ、盤を中央にして、決められた位置に駒を並べる。
2. 次に、じゃんけんで、先攻・後攻を決める。
3. 先攻からルーレットを回して、駒を動かす。
4. 自分の駒、敵の駒の動きが分からない時は、説明カードを見ながらゲームを進める。プレイヤーは、ゲームの始まる前に、騎兵隊は青色、インディアンは赤色の説明カードを手持ちします。
5. 自分の駒が、ちょうど敵駒のいるマス目に入ったら、その敵駒を取れる。
6. 騎兵隊はインディアンの「羽根かざり」を、インディアンは騎兵隊の「軍旗」を、どちらかが取ったらゲームは終わりです。

ルールは、以下のようになっています。
1. 必ずルーレットを回してから駒を動かす。
2. 駒は、規則に従い(進み方参照)、ルーレットに出た数(回数)だけ動かすことができる。例えば、ルーレットに3が出た場合、騎兵の駒を進み方に従い3回動かしても良いし、3つの駒を1回ずつ動かしても良い。もちろん、0が出たら、どの駒も動けない。
3. 駒の進行方向に味方の駒、敵駒(取るのは構わない)、山、砦、インディアンキャンプがある場合、それらを飛び越して進むことはできない。
4. 取った敵駒は、使うことができない。
勝負は、取った駒の数には関係なく、騎兵隊はインディアンの「羽根かざり」を、インディアンは騎兵隊の「軍旗」を、早く取った方が勝ちです。

インプレッション
なかなか面白いゲームで、子供の頃にはよく遊んだものです。
チェスに近いゲームだと前述しましたが、盤の大きさは縦に18マス、横に14マスあり、チェスの1.5倍から2倍ほどの大きさになります。
チェスに比べるとどこまでも動ける駒が多いのですが、ゲームの盤面にルーレット1個、岩山11個、騎兵隊の砦1個、インディアンキャンプ1個の障害物があるため、それほど縦横無尽に動き回れるというわけでもありません。
序盤は、「軍旗」と「羽根かざり」の周りをガードなどで固めるのが鉄則になりますが、一気に攻撃に出るか、守備を固めてから攻撃に出るか、プレイヤーの性格がよく現れるゲームだと思います。
じっくりと戦うことを好むプレイヤー同士が対戦すると、最後はほとんど駒が残らないという消耗戦になることも珍しくはありません。
ただ、ルーレットに若干の問題が残ります。ルーレットの目は8つあり、2が4つ、1が2つ、0が1つ、3が1つ、という構成になっています。序盤で片方が0、もう片方が3なんていう目が出ると、一気に決着してしまうことがあるからです。
まぁ、1プレイ平均して30分とかからないゲームですから、3本勝負の2本先取なんていう遊び方が適しているのでしょう。

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