ボードゲーム「赤影ゲーム」

「赤影ゲームは、忍者のように全身を使って跳ね回り、楽しく遊べる全く新しいタイプのゲームです。このゲームは、カードコーラー(カードを読む人)の指示に従って、シートに印刷されている色々な人物や怪獣を、手または足で次々に押さえていく楽しいゲームです」。

ゲームのパッゲージを見れば分かるように、フジテレビ系で1967年4月から1968年3月まで全52話が放映された横山光輝原作の「仮面の忍者赤影」をゲーム化したものです。発売元は、任天堂です。
パッケージには、赤影、白影、青影と、大白蟻ガバリ、大怪魚ガンダ、鉄甲アゴンの戦いがプリントされており、横には四方とも「仮面の忍者 赤影ゲーム」と書かれています。また、裏面は、何も印刷されていません。
つまり、パッケージを見る限りはどんなゲームか分からないわけで、当時のボードゲームの流れからは、赤影と忍者集団に分かれて戦う双六タイプのボードゲームなのではないかと想像できるのですが、実際のゲーム内容は、唖然とさせられるものでした。

ゲームの準備: 3人から7人で遊ぶことができます。
床や畳の上にビニールのシート(約140cm四方)を広げます。このビニールのシートには、人物や怪獣の絵が18種類、描かれています。
20枚のカードを切り離し、よく混ぜ合わせて赤影の袋の中に入れます。このカードは、シートに印刷されている18枚の絵のカードと、2枚のストップカードです。
赤いカードが、あおかげ、あかかげ、しろかげ、あくどうじ、がばり、ぎょりんりゅうはく、しらぬいてんま、せんねんがま、はくろうき、ストップ。
青いカードが、がんだ、ぎじら、きんめぞう、くろこうもり、げんようさい、ごん、まろうじょ、むささびどうけん、むどうひとつめ、ストップ。
ゲームを始める前に、カードコーラー(カードを読む人)を1人、選びます。このカードコーラーは、審判も兼ねます。

ゲーム開始: カードコーラーは、カードの入ったビニールの袋を持ち、カードを1枚引き出し、プレイヤーには見せずに、そのカードに印刷されている人物か怪獣の名前を読み上げます。ストップカードの場合は、「ストップ」と言います。
プレイヤーは、ビニールのシートのどの絵を早く押さえるかを考えながら、シートの周りを自由に移動して、カードが読まれるのを待ちます。
カードコーラーは、プレイヤーが聞き取れるように大きな声ではっきりと、人物や怪獣の名前を読み上げます。
プレイヤーは、読まれた人物や怪獣の絵を手か足で押さえますが、赤色の絵は手、青色の絵は足で押さえます。手足を間違えて押さえた場合は、無効になります。
また、プレイヤーは、絵を押さえる場合、絵の中にある●印や★印を、必ず押さえなければなりません。
最初に絵を押さえたプレイヤーは、その絵のカードをカードコーラーからもらいます。
カードコーラーがストップカードを引き、「ストップ」と言った場合には、プレイヤーはシートの上に手や足を置いてはいけません。もし、置いてしまった場合には、カードコーラーに手持ちのカードから1枚を返却します。ただし、まだカードを持っていない場合には、カードを返却する必要もありません。返却されたカードは、再度、カードコーラーによって読まれます。

勝負の決め方: ストップカードを除くカードがすべてプレイヤーに渡ったら、ゲームは終了になります。その時点で持っているカードが多い順に、順位が決まります。カードの枚数が同数の場合には、同順位になります。
また、ルールには書かれていませんが、次回は、最下位の人がカードコーラーと入れ替わってカードコーラーになるといいでしょう。

インプレッション
先にも書いたように、このゲームは、パッケージにはゲームの内容に関することは、一切、書かれていません。当時、「仮面の忍者 赤影」が大人気だったことを考えると、パッケージを見て、赤影の世界を堪能できる双六タイプのボードゲームが入っているのだろうと、誰しもが考えるのではないかと思います。当時の裏事情までは分からないのですが、パッケージでゲームの内容にふれないのが確信犯だったとしたら、詐欺に等しいと言えるかもしれません。価格自体は500円と安かったので、その点がまだ救いではありますが・・・。
内容的には、「百人一首」と「ツイスターゲーム」を融合させたものと言えるでしょうか。ただ、カードが20枚(実質18枚)しかなく飽きも早い、というよりも根本的に面白くない、と言ってしまえるレベルのものです。
どうしてこのような企画が通ったのか、「仮面の忍者 赤影」の世界観を楽しめる双六的ボードゲームは作れなかったのか、甚だ疑問に感じるところではあります。それでも、今、こうして引っ張り出してみると、怪作、珍作としての価値はありそうです。発売元も、任天堂ですから。

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