3月11日のフォーミュラ・ニッポンのテストの続きですが、今回は、富士スピードウェイの施設の中で、昨年までと変更があった点についてふれてみようと思います。おそらく秋のF1「日本グランプリ」開催に備えて、着々と施設を充実させているのではないでしょうか。
まず、パドックを歩いて目に付くのが、ピット裏に作られた巨大建造物です。幅10m弱×奥行き20m弱はあるかと思われる2階建ての建物は、合計で6個建てられています。
まだ建設中の上、中の様子はおぼろげにしか窺えなかったのですが、ひょっとすると中で2つに分かれているのかもしれません。そうすれば、2×6で12チームが使うことができます。
富士スピードウェイの場合には、既にピット内にスタッフの休憩室が設けられているため、現在、造られている建物は、チームによって、スタッフの休憩室やホスピタリティブースとして活用するということになるのかもしれません。
ちなみに、ピット屋上も工事中で、立ち入ることができませんでした。こちらも、休憩所ができるのでしょうか。
また、ヘアピンのレストラン「ORIZURU」側に、仮設ベンチが設けられました。仮設ベンチといっても、昔の1コーナーにあったような丸太を置いて段を付けただけのもので、レジャーシートでも敷かないと座ることはできません。
ただ、「FUJI SPEEDWAY RENEWAL CARNIVAL have fun driving!」で指摘した通りに観客席が設置されたのは歓迎したいところですし、いずれは木の板を置いた程度のベンチにアップグレードするのではないでしょうか。
ちなにみ、「ORIZURU」のメニューも、同コンテンツに応えたかのように、徐々に充実されてきています。この勢いで、鈴鹿サーキットやツインリンクもてぎのように、座席を備えたレストランを複数設置してほしいところです。1コーナーとドリフトコースの近辺あたりが良さそうです。
更に、1コーナーやグランドスタンドのピット向けに、5位までの順位などを表示させることができる電光掲示板が設けられていました。
富士スピードウェイに関わらず、サーキットというのはグランドスタンドとパドック以外のエリアは陸の孤島といった趣があり、聞き取りづらい場内放送と場内FMぐらいしか情報の入手手段がありませんでした。
ところが、電光掲示板の設置により、5位までの順位はいつでも知ることができるようになったというわけです。この日は、6位から10位までの順位とトップのラップタイムも、表示を切り替えて流されていました。こちらは、F1と関係なく活用されているので、喜ばしい限りです。
F1とは関係ないのですが、ピットビルの2階には、メディアセンターや多目的スペースの「クリスタルルーム」が用意されており、この日は、そのうちの1室が無料休憩所として開放されていました。
ここでは、50人分程度のイスと4人掛けのテーブルが5台ほど置かれており、冷暖房の完備された部屋でタイミングモニターなど4台のモニターをチェックしながらメインストレートを眺めることができます。
こちらも、同コンテンツで指摘した休憩所の少なさに呼応したかのような措置であり、そもそも2階の大半は大きなレースイベント開催日を除いては遊んでいる状態であったため、遅ればせながら要望が受け入れられたのは評価に値します。
フォーミュラ・ニッポンやSUPER GTのテストデイはもちろんのこと、レースウィークの金曜日などにも、今後も継続されることを期待したいものです。
今回のサービス向上を踏まえた上での要望点としては、引き続き観客席とベンチを増やすこと、前述した座席を備えたレストランの複数設置、駐車場の地面の整備、といったところでしょう。
駐車場は、朝まで雨が降り続くと泥んこになり、タイヤや靴は悲惨な状態になります。簡易舗装、芝生、玉砂利、このいずれかはお願いしたいところです。
鈴鹿サーキットは、遊園地でもあるため、臨時駐車場を除けば整備が行き届いています。富士スピードウェイも、長年にわたってF1を開催してきた鈴鹿サーキットを見習ってほしいところです。
ついでながら、ツインリンクもてぎに「Honda Collection Hall」があるように、富士スピードウェイに「トヨタ博物館」が設置されるのもいいことだと思います。
歴史的建造物である30度バンクを切断してしまったことですし、この30度バンクの一部を取り込む形で「トヨタ博物館」を建造すれば一石二鳥ではないでしょうか。
いろいろと書いてきましたが、今回のファンサービス向上を今後も継続し、エントラントだけでなく、観客からも評価されるサーキットになり、名実ともに富士スピードウェイがグレード1サーキットと呼べるようになる日が来ることを期待したいものです。
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