「ASPHALT 3D: NITRO RACING」ウォークスルー&レビュー

【GENRE】
レース、アーケード

【PUB./DEV.】
コナミデジタルエンタテインメント/GAME LOFT

【RELEASE DATE】
2011/3/10

【OUTLINE】
「ASPHALT URBAN GT」シリーズ初の「ニンテンドー3DS」向けタイトルとなるアーケードライクなレースゲームです。世界の17都市の公道を、21メーカー全42車種の実車で、多彩なレースモードによりレースすることができます。
また、通信機能により、最大6人で同時対戦することもでき、すれ違い通信でベストタイムデータなどを送受信することも可能です。
(※本作は「ニンテンドー3DS」のタイトルですが、タグは便宜上「ニンテンドーDS」にしてあります)

【GAME MODE】
キャリア
本作の中心となるモードで、イベントレースに参加して賞金を稼ぎ、マシンの購入やカスタマイズを行い、レーサーとしてキャリアアップしていきます。
すべてのイベントレースは、状況に応じて、以下のようなテクニックを駆使する必要があります。

ニトロブースト
一定量のニトロゲージが貯まった状態で、RボタンかXボタン、Yボタンを押すと、ニトロブーストが発動してマシンの速度が一時的にアップします。ニトロブーストは、連続して3回まで使用でき、連続で使用するほど速度がアップします。
また、ニトロゲージが満タンの時にニトロブーストを行うと、ゲージをすべて消費し、最大の加速が得られるハイパースピードモードが発動します。画面全体が青くなります。
ニトロブーストも、ハイパースピードモードも、Bボタンを押すことで解除できます。

ショートカットとジャンプ台
コースの中には、ショートカットやジャンプ台が隠されています。ショートカットは、下画面のマップに表されるので、積極的に活用するようにします。

ドリフト
一定の速度以上で、ハンドルを切りながらBボタンを押すとドリフト走行になり、再び、Bボタンを押すかニトロブーストを行えば解除できます。速く走るのにはあまり有効ではありませんが、ドリフトポイントと賞金を獲得するのに役立ちます。

ノックダウン
一定以上の速度でほかのマシンにぶつかるか、コース端に幅寄せすると、相手のマシンを一定時間、走行不能にできます。ノックダウンに成功すると、獲得賞金が増えます。

アイテム
コース上には、賞金、ニトロゲージ、マシン破損修理の各アイテムが大小2種類ずつ置かれています。積極的に取るようにします。

コンペティション は、全14リーグで構成されます。各リーグは、5個のイベントレース(通常のリーグレースが4個、ボーナスレースが1個)で構成され、4個のリーグレースをクリアするとリーグ制覇となり、次のリーグを選べるようになります。ミッションには、以下のものがあります。

ノーマルレース
通常のレースです。クリア条件は、3位以内でのフィニッシュです。

マネーアタック
一定額の賞金を稼ぎます。賞金は、順位、ドリフト距離、他車とのニアミス、ライバルのノックダウンによって稼げます。

パンクバスター
走り屋グループを追跡し、3ラップ以内に規定回数、ノックダウンします。

スピードチェイス
警察に捕まる回数を規定回数以内に抑えて3ラップを完走します。

ドリフト
ドリフトが成功するたびに得られるポイントをゴールするまでに規定回数獲得します。

タイムトライアル
制限時間内に決められたラップ数を周回します。

1 on 1
ライバルと1対1で対決して勝ちます。ボーナスレースが1 on1になります。

サバイバル
各ラップで最下位のマシンが脱落していくので、最後まで残って1位でフィニッシュします。

ボーナスチャレンジ
各レースごとにボーナスチャレンジが2個ずつ用意されており、それをクリアすると賞金とEXP(経験値)が獲得できます。

キャリアの構成は、以下の通りです。

カッパーチャンピオンシップ
ノーマルレース(アスペン)、タイムトライアル(サンフランシスコ)、ノーマルレース(アテネ)、サバイバル(アスペン)、1 on1(サンフランシスコ)。

ブロンズチャンピオンシップ
ノーマルレース(ローマ)、パンクバスター(サンフランシスコ)、ノーマルレース(マイアミ)、タイムトライアル(アテネ)、1 on1(ローマ)。

シルバーチャンピオンシップ
ノーマルレース(東京)、ドリフト(アスペン)、ノーマルレース(サントロペ)、パンクバスター(東京)、1 on 1(アテネ)。

ゴールドチャンピオンシップ
ノーマルレース(マドリード)、スピードチェイス(サンフランシスコ)、ノーマルレース(ラスベガス)、タイムトライアル(マドリード)、1 on1(東京)。

プラチナチャンピオンシップ
ノーマルレース(リオデジャネイロ)、マネーアタック(ローマ)、タイムトライアル(サントロペ)、ノーマルレース(サンフランシスコ)、1 on1(リオデジャネイロ)。

ダイアモンドチャンピオンシップ
ノーマルレース(パリ)、パンクバスター(リオデジャネイロ)、ノーマルレース(アテネ)、ドリフト(マイアミ)、1 on 1(パリ)。

エリートレーシングシリーズ
ノーマルレース(ハワイ)、サバイバル(マドリード)、スピードチェイス(ラスベガス)、ノーマルレース(ローマ)、1 on1(ハワイ)。

オールスターシリーズ
ノーマルレース(ピサ)、マネーアタック(マイアミ)、ノーマルレース(マドリード)、ドリフト(サンフランシスコ)、1 on1(ピサ)。

キング・オブ・スピードシリーズ
ノーマルレース(ロサンジェルス)、パンクバスター(ハワイ)、タイムトライアル(ラスベガス)、ノーマルレース(ハワイ)、1 on1(ロサンジェルス)。

ドリフトプロレース
ノーマルレース(ベルリン)、サバイバル(アテネ)、ノーマルレース(パリ)、ドリフト(ローマ)、1 on 1(マドリード)。

ターボプロレース
ノーマルレース(ケープタウン)、タイムトライアル(ベルリン)、ノーマルレース(リオデジャネイロ)、マネーアタック(ケープタウン)、1 on1(サントロペ)。

ハイパースピードプロレース
ノーマルレース(ニューヨーク)、パンクバスター(アスペン)、スピードチェイス(ハワイ)、ノーマルレース(サントロペ)、1 on1(ニューヨーク)。

アルファ・ターボ・オメガトロフィー
ノーマルレース(ピサ)、タイムトライアル(マイアミ)、ノーマルレース(ロサンジェルス)、ドリフト(パリ)、1 on1(ケープタウン)。

アスファルトアルティメットトロフィー
ノーマルレース(ラスベガス)、マネーアタック(アスペン)、サバイバル(ニューヨーク)、ノーマルレース(ベルリン)、1 on1(マイアミ)。

ガレージ
以下のことが行えます。

マシンセレクト
マシンを購入したり、選択したりすることができます。収録されているのは、以下のマシン(車名(最高速度、加速、ハンドリング、ウエイト))です。

ミニ・ジョンクーパーワークス(240km/h、6.20s、45、1205kg)。
アバルト500SS(215km/h、7.90s、52、900kg)。
日産ニスモ370Z(250km/h、4.70s、36、1497kg)。
フォード・シェルビーGT500(250km/h、4.40s、34、1780kg)。
KTM X-BOW(217km/h、4.40s、77、700kg)。
テスラ・ロードスター・スポーツ(203km/h、4.0s、50、1235kg)。
アウディS5(250km/h、5.0s、33、1750kg)。
メルセデスC63AMG(250km/h、4.40s、32、1780kg)。
BMWZ4Sドライブ35IS(250km/h、4.90s、44、1600kg)。
アウディRS5(250km/h、4.30s、33、1725kg)。
CAN-AMスパイダー(225km/h、4.50s、77、1506kg)。
アウディTT-RS(280km/h、4.20s、45、1450kg)。
シトロエン・スルヴォル(260km/h、4.90s、38、1165kg)。
RUF 3400K(290km/h、4.40s、47、1425kg)。
マセラティ・グランツーリスモS(295km/h、5.0s、25、1880kg)。
BMW M6クーペ(330km/h、4.20s、31、1710kg)。
アストンマーティンV12ヴァンテージ(305km/h、4.20s、39、1631kg)。
BMW M3 GTS(305km/h、3.80s、32、1529kg)。
ドゥカティ・ハイパーモータード(275km/h、4.0s、88、172kg)。
ベントレーGTスピード(318km/h、4.50s、33、900kg)。
ランボルギーニ・エストーク(340km/h、3.90s、22、1665kg)。
フェラーリ・カリフォルニア(310km/h、4.0s、36、1630kg)。
日産GT-R(312km/h、3.50s、32、1740kg)。
ベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツ(329km/h、3.70s、33、2240kg)。
アストンマーティンDBSボランテ(307km/h、4.30s、33、1695kg)。
ドゥカティ1198(310km/h、2.50s、89、173kg)。
メルセデスDTM(322km/h、3.90s、31、1748kg)。
フェラーリ430スクーデリア(320km/h、3.40s、39、1450kg)。
RUF Rt12(360km/h、3.40s、50、1700kg)。
メルセデスSLRマクラーレン・スターリング・モス(350km/h、3.50s、35、1626kg)。
ランボルギーニ・ガヤルドLP570-4SL(325km/h、3.20s、41、1340kg)。
アウディR8(325km/h、3.60s、37、1525kg)。
フェラーリ458イタリア(330km/h、3.10s、37、1380kg)。
マクラーレンMP4-12C(325km/h、3.40s、31、1300kg)。
フェラーリ599GTO(335km/h、3.40s、33、1605kg)。
ランボルギーニ・ムルシエラゴLP670-4SV(337km/h、3.0s、36、1565kg)。
RUF CTR3(375km/h、3.20s、53、1375kg)。
パガーニ・ゾンダ・チンクエ(310km/h、3.0s、34、1210kg)。
KTM RC8(290km/h、3.20s、89、185kg)。
アストンマーティンONE-77(354km/h、3.20s、31、1497kg)。
ブガッティ・ベイロン16.4グランスポーツ(407km/h、2.50s、35、1968kg)。
ベントレー・スピード8(360km/h、2.90s、33、900kg)。

チューニング
経験値によって、エンジン、ハンドリング、ブーストの各チューニング項目がアンロックされ、稼いだお金で購入できます。

ペイント
好きな色で車体をペイントできます。カーメーカーから許諾を受けた車種のみ可能です。

デカール
アンロックされたデカールを車体に貼ることができます。カーメーカーから許諾を受けた車種のみ可能です。

スポンサー
アンロックされたスポンサーを1社のみつけることができます。スポンサーは、以下の通りです。

スポンサーなし。
ROYA LPURPLE(ハンドリング10%アップ、加速7%アップ)。
SAVVY SHARKS INC(警察の追跡確率50%ダウン)。
RIAL(加速5%アップ、1位入賞$1500)。
ASPHALT PRO RACING(獲得賞金10%アップ)。
ATS(最高速度5%アップ、ハンドリング7%アップ、獲得賞金5%アップ)。
ALUTEC(ハンドリング15%アップ、加速2%アップ)。
JAMAICA NITRO RACING(ブースト許容量20%アップ)。
GUINEA PIG INNOVATION INC.(獲得金額23%アップ、スピード16%アップ)。

ストリートレース
「キャリア」のコンペティションで選べる都市やマシンを選んでレースが行えます。

ノーマルレース
通常のレースです。クリア条件は、3位以内でのフィニッシュです。

ゴースト
自分の最速タイムか、すれちがい通信で入手したほかのプレイヤーの最速タイムのゴーストと対戦することができます。ゴーストのリプレイも見られます。

パンクバスター
走り屋グループを追跡し、3ラップ以内に規定回数、ノックダウンします。

スピードチェイス
警察に捕まる回数を規定回数以内に抑えて3ラップを完走します。

マルチプレイ
ローカル通信を使って最大6人でレースできます。

すれ違い通信
マイデータでは、すれちがったプレイヤー、勝利回数、獲得金額、EXPランク、新規ゴーストが明示されます。メニューでは、ベストタイム、EXPランキング、報酬、更新情報が明示されます。

【ACHIEVEMENT】
チャレンジャー: マルチプレイモードで勝ちます。
カリスマドライバー: 全スポンサーをアンロックします。
スカウト: ショートカットを発見します。
コスモポリタン: 6コースで勝ちます。
カーマニア: 全マシンをアンロックします。
アウトロー: ライバルを5台、ノックダウンします。
スピードキング: 407km/h(250mph)以上出します。
ルーキー: キャリアモードで勝ちます。
デストロイヤー: 一般車を50台、ノックダウンします。
ドリフトキング: 1度のドリフトで1000ポイント以上獲得します。
シティーチャンピオン: 障害物を200個以上、破壊します。
パワークレイジー: アイテムを100個以上ゲットします。
コレクター: $1000000以上、投資します。
ミリオネア: 賞金を$5000000以上、獲得します。
トラベラー: 全コースをアンロックします。
チャンピオン: 他の実績をすべてアンロックします。
OVERALL: 大半の実績は、「キャリア」をクリアしさえすれば解除することができます。ただ、最高マシンのアンロックはレベル61必要なのですが、ミッションをクリアするだけではレベル61への到達は不可能で、ボーナスチャレンジをすべてクリアする必要があります。レベルは、61以上も到達可能です。

【GRAPHICS】7
私は、「ニンテンドーDS」版の「ASPHALT URBANGT」も少しプレイしているですが、それに比べるとグラフィックははるかに進化しています。
「ASPHALT」シリーズは、当初から実車を登場させていますが、クルマはそれと分かる程度のものでしたし、背景も色味に乏しいところがあり、お世辞にもきれいといえるものではありませんでした。
しかし、本作では、一目見てきれいと言えるだけのグラフィックになっており、さすがは「ニンテンドー3DS」と思わせるものがあります。実車は、質感があり、配色も美しく再現されています。本作では、そのクルマに乗っているという満足感も十分に得られます。
背景も、17都市が登場し、各都市はランドマークを中心にデフォルメしたものになっていますが、都市によってはなかなかいいなと思わせるものに仕上がっています。
レースは6台で行われ、1画面上にその6台が同時に現れることはほとんどないものの、一般車やパトカーも含めれば、それに近い数が同一画面上に現れます。
プレイヤーが乗るクルマに比べると、他車は簡略化されたものに感じますが、「ニンテンドー3DS」初期のタイトルとしては及第点をつけられるものになっています。
「ニンテンドー3DS」ならではの3Dに関しては、バーを少しスライドさせるだけで、十分に立体に見えます。ただ、立体に見えるからプレイしやすいということはなく、自車やアイテムなど、手前に表示されるものが立体的に浮き上がって見えるといった感じです。
せっかく「ニンテンドー3DS」を買ったのだから立体で見たいということなら価値はありますが、レースを楽しむだけなら立体にしなくても問題ありません。

【SOUND】7
エンジン音も効果音も、アーケードライクなレースゲームレベルのものですが、プレイしていて不快になるようなものではなく、プレイしている高揚感を盛り上げてくれるような、うるさ過ぎず、静かすぎずの適度なサウンドになっています。
また、私は日本版でプレイしていますが、女性の声のナレーションがしっかりと日本語化されており、適切なタイミングで心地良い声が流れてきます。
感情表現が要求されるような難しいことはしゃべってはいないのですが、的確な人選と確かな演技力だと言えるでしょう。

【CONTROL】7
アーケードライクなレースゲームだけに、操作性は大味で、コーナーは壁走りでも曲がれてしまいます。ただ、コーナーでは、壁走りをするよりも、壁にこすらない方が速く走れるので、単に大味というわけでもありません。
チューニングの効果はてき面で、ハンドリングの度合いを上げていくと、コーナーではどんどん曲がりやすいクルマに仕上がります。そのため、コーナーでも、単純に壁走りをするよりも、ある程度はラインどりを考えた走りをする必要があります。
ブーストも、同じことが言えます。ブーストの間、どこを走ってもとりあえず前には進んでくれますが、やはり、壁には接触しないような走りをする方が格段に速いため、考えたラインどりをするに越したことはありません。
ドリフトは、最初は難しく感じますが、慣れてくるとコーナーのRに合わせたドリフトもできるようになってきます。
ドリフトは、Rの大きいコーナーだと、ステアリングをフルに切っていると、すぐに内側の壁にぶつかってしまいます。そのため、チョンチョンとステアリングを戻しながらドリフトしなければなりません。
もちろん、車種による特徴の違いも実感することができ、それなりに使い分ける必要も生じるでしょう。

【GAMEPLAY】7
本作は、「ASPHALT」シリーズ初の「ニンテンドー3DS」タイトルとして、どのようなものになってくるのかなと考えていたのですが、結果としては正統進化版と言えるものに仕上がってきたのではないかと思います。
「ASPHALTURBANGT」の場合には、おもちゃっぽいクルマの動きと、「ニンテンドーDS」としても少しチープなグラフィックを持っていました。
それでも、カジュアルなレースゲームを好む向きや、実車が登場することが大切と考える人にとっては、好ましいレースゲームだったのではないかと思います。
私も、アーケードライクなレースゲームとして接する分には、実車が登場することもあり、それなりに楽しむことができました。
やはり、レースゲームにとっては、実車や実在する都市が登場することは、たとえそれがアーケードライクなレースゲームであっても大切なことで、それだけで評価は上がるのです。
本作では、ハードが「ニンテンドー3DS」に替わることで、クルマの動きが少し実車に近づき、グラフィックも大幅に向上しました。特に、グラフィックの向上は印象的で、初めて動いている画面を見た時には、そのグラフィックの違いに驚いたほどです。

また、クルマの動きも、基本はアーケードでありながらも、おもちゃっぽい動きは影を潜めるほどになっています。もちろん、リアルなレースゲームとは比べるべくもないのですが、前作ほどの荒唐無稽さはそれほど見受けられません。
場所によっては、ジャンプした際に見えない壁で動きが矯正されたり、無事に反対側に着地するなど、ゲーム側でプレイヤーを導いてくれることはありますが、それも許せる範囲かなと思います。
敵AIも、スタートこそ常に置いてけぼりにしてくれるものの、理にかなった速さであり、何周目にならないとトップが見えないとか、信じられない位置から追い上げてくるといったことはありません。
一般車は、対向車として現れる場合には、避けてくれる場合と避けてくれない場合がありますが、慣れてくると大半はこちらからはぶつからないように走ることができます。そうした走りができるようにするのも、プレイヤーの努力次第なので、バランスは良好です。
パトカーは、出現条件がある程度は決まっているそうですが、パトカーが現れたとしても、ブーストをうまく使えば排除することができます。
パトカーが現れると鬱陶しいのは確かですし、なくてもいいのではないかと思いますが、それでもパトカーのバランスが悪すぎるということはありません。
各都市も、ランドマークを中心にそれらしく構成されており、レイアウトもそれぞれの違いが楽しめるものになっています。このあたりも、架空の都市ではない、いいところでしょう。

ただ、ミッションは、数だけはあるのですが、これはいらないかなとか、これはもっと練り込んだ方が良かったのではと思われるものが少なからず入れられています。
マネーアタックとドリフトは、順位やライバルの動向は一切お構いなしで、ただひたすらドリフトをしていればいいというものになっています。
しかも、マネーアタックは、一定額の賞金に達しないことが珍しくはないのですが、その場合は、ゴール前で1周とか半周とか逆戻りして、続きをやればOKです。逆走中はお金は貯まらないものの、順走していれば、お金が加算されるからです。
このあたりは、「Juiced 2」のようなドリフトゲームもあるのですから、参考にすれば良かったかなと思います。
パンクバスターは、順位やライバルの動向は一切関係なく、常に最下位付近を走り、同じく最下位付近のクルマに繰り返しぶつければ規定回数のノックダウンがクリアできてしまいます。これも、ミッションの数を増やすためだけに存在しているようなものです。
パンクバスターとスピードチェイスは、周回数ではなく、制限時間制にし、コースは逆走もありにすれば、ショートカットなどもうまく活用して楽しむことができたかなと思います。
「ASPHALT」シリーズは、実在する都市や実車を使い、正統進化しているところは好感が持てますし、実力を過小評価されていたり、知名度が低いところなどは、残念に思う部分もあります。このまま、シリーズを重ねるごとに、進化を続けていってほしいものです。

【LONGEVITY】8
「キャリア」だけでも、けっこうなボリュームがあり、クリアするにはそれなりの時間がかかります。特に、マネーアタック、ドリフト、パンクバスターは、慣れも必要であり、思わぬ苦戦をすることもあるでしょう。カジュアルなレースゲームでじっくりと楽しみたい人には、格好のレースゲームに違いありません。

【OVERALL】7
本作は、「ASPHALT」シリーズ初の「ニンテンドー3DS」向けタイトルとなるアーケードライクなレースゲームです。世界の17都市の公道を、21メーカー全42車種の実車で、多彩なレースモードによりレースすることができます。
ハードが「ニンテンドー3DS」に替わることで、クルマの動きが少し実車に近づき、グラフィックも大幅に向上しました。
増やされたミッションの中には練り込み不足のものもあり、改善の余地が残されていますが、カジュアルなレースゲームを好む人や、実在する都市や実車に価値を見出せる人にとっては、プレイして損はありません。
本体のローンチ近辺でリリースされたレースゲームとしては選ぶ意義はあります。

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