「RACE DRIVER: CREATE & RACE」ウォークスルー&レビュー

【GENRE】
レース

【PUB./DEV.】
CODEMASTERS/FIREBRAND GAMES

【RELEASE DATE】
2007/9/25

【OUTLINE】
レースゲーム史上最高傑作である「ToCA RACE DRIVER」シリーズの特に「3」を、「ニンテンドーDS」用にモディファイして追加要素を入れたものです。32の実在するサーキットと24の実在するクルマで、17のチャンピオンシップを楽しむことができます。
また、トラックエディターにより、自分だけのサーキットを作り、そこでレースすることも可能です。更に、Wi-Fi通信や1カートリッジ4人プレイなどのマルチプレイ対戦も楽しめます。

【GAME MODE】
WORLD TOUR
異なるチャンピオンシップに挑戦しながら、自らのレースドライバーとしてのキャリアをアップさせていくものです。
最初は、オートスポーツクリオカップかジャパニーズワークスカップのいずれかにチャレンジし、これを制することでキャリアアップしていくことができます。いずれは、イギリスGT選手権、DTM、V8スーパーカーなどにも出られるようになります。
「WORLD TOUR」では、通常は2つのチャンピオンシップのうち、いずれか一方を選んで挑戦することになります。時には、それが3つになることもあります。しかし、最高峰のチャンピオンシップとなるDTMは、それしか選ぶことができません。
また、選ばなかったチャンピオンシップも、新たなチャンピオンシップをアンロックするために、再び、そこに戻って挑戦する必要が生じる場合があります。
いったんそのチャンピオンシップをアンロックすれば、「SIMULATION」と「MULTIPLAYER」でプレイすることができるようになります。
「WORLD TOUR」では、予選を行ってグリッドポジションをアップ(ダウン)させることができますが、予選をスキップして指定されたグリッドからスタートしても構いません。また、レース中でもレースが終了してからでも、リトライすることができます。
クルマにダメージを受けたり、燃料が少なくなったりしたら、ピットストップをしなければなりません。ピットストップでは、どれぐらいの時間がかかるか表示されるため、ダメージの修復度合いや燃料の補給量を加減することで、ピットストップ時間を減らすことができます。
「WORLD TOUR」のTIERは以下の通りで、TIER 13をクリアすれば、プログレスは100%になります。

TIER1: AUTOSPORT CLIO CUP
チャンピオンシップを4位以上で終えます。レーシング・ルノー・クリオ。ブランズハッチショートサーキット(2周)、シルバーストンナショナルサーキット(2周)。

TIER1: JAPANESE WORKS CUP
チャンピオンシップを4位以上で終えます。ホンダNSX、ニスモフェアレディZ S-チューン。フィリップアイランドグランプリサーキット(2周)、モトパークオッシャーズレーベン(2周)。

TIER2: USA MUSCLE CAR TOUR
チャンピオンシップを4位以上で終えます。ポンティアック・ファイアバード・フォーミュラ400。ノリスリンク(2周)、オーランパーク・サウス(2周)。

TIER2: SUPERTRUCK INTERNATIONAL SERIES
チャンピオンシップを4位以上で終えます。ストラーナ・スーパートラック。ナッシュビルスーパースピードウェイ(3周)、イースタンクリークインターナショナル(2周)、サンダウン(3周)。

TIER2: EUROPIAN V6 CAHMPIONSHIP
チャンピオンシップを4位以上で終えます。ルノー・クリオ・スポーツV6。サーファーズパラダイスサーキット(2周)、ニュルブルクリンク(2周)、ザンドフォールトクラブ(3周)。

TIER3: GT TUNING CUP
チャンピオンシップを4位以上で終えます。コエニグGT-D。ホッケンハイム(3周)、バサースト(3周)、スパフランコルシャン(2周)。

TIER3: TIPE-R TRANS CUP
チャンピオンシップを4位以上で終えます。ホンダ・シビック・タイプR。ラグナセカ(3周)、スネッタートン(3周)、シルバーストンナショナル(3周)。

TIER4: DTM
チャンピオンシップを4位以上で終えます。アウディA4 DTM。ホッケンハイム(3周)、ユーロスピードウェイ・ラウジッツ(3周)、ブルノ(3周)。

TIER4: XPOWER SV SHIELD
チャンピオンシップを4位以上で終えます。MGエクスパワーSVR。ノリスリンク(3周)、上海(3周)、サンダウン(3周)。

TIER5: HPDC V8 SUPERCAR SERIES
チャンピオンシップを3位以上で終えます。フォード・ファルコンBA。アデレード(4周)、フィリップアイランド(4周)。

TIER5: 1970’s GT CUP
チャンピオンシップを3位以上で終えます。ランチア・ベータ・モンテカルロ・ターボ。イースタンクリークインターナショナル(4周)、サーファーズパラダイス(4周)。

TIER5: DODGE SUPER SPEEDWAY TOUR
チャンピオンシップを3位以上で終えます。ダッジ・チャージャー。ゲートウェイインターナショナル(3周)、インディアナポリスモータースピードウェイ(4周)、ナッシュビルスピードウェイ(5周)。

TIER6: V8 SUPERCARS INTERNATIONAL TOUR
チャンピオンシップを3位以上で終えます。ホールデンコモドールVZ。スパフランコルシャン(2周)、オッシャーズレーベン(3周)、モンデーロパーク(4周)。

TIER6: JAPANESE WORKS CUP
チャンピオンシップを3位以上で終えます。ニスモ・フェアレディZ Sチューン。サーファーズパラダイス(5周)、アデレード(5周)。

TIER7: V8 SUPERCARS CHAMPIONSHIP SERIES
チャンピオンシップを3位以上で終えます。フォードファルコンBA。プケコへ(3周)、ヒドゥンバレー(3周)、クイーンズランドレースウェイ(4周)。

TIER7: SUPERTRUCK INTERNATIONAL SERIES
チャンピオンシップを4位以上で終えます。ストラーナ・スーパートラック。シルバーストンナショナル(4周)、オーランパーク・サウス(4周)、サンダウン(5周)。

TIER8: AUTOSPORT CLIO CUP
チャンピオンシップを3位以上で終えます。レーシング・ルノー・クリオ。ホッケンハイムショート(5周)、シルバーストンナショナル(5周)、イースタンクリークショート(5周)。

TIER8: GT TUNING CUP
チャンピオンシップを3位以上で終えます。ゲンバラGTR750EVO。ザンドボールト(3周)、上海(3周)、ニュルブルクリンク(4周)。

TIER9: XPOWER SV SHIELD
チャンピオンシップを3位以上で終えます。MGエクスパワーSVR。バサースト(3周)、スパフランコルシャン(3周)、上海(4周)。

TIER9: HPDC V8 SUPERCAR SERIES
チャンピオンシップを3位以上で終えます。フォードファルコンAU。イースタンクリークインターナショナル(3周)、バサースト(4周)、アデレード(5周)。

TIER10: TYPE-R TRANS CUP
チャンピオンシップを3位以上で終えます。ホンダ・シビック・タイプR。フィリップアイランド(3周)、ブランズハッチ(4周)、オーランパークレースウェイ(5周)。

TIER10: 1970’S GT CUP
チャンピオンシップを3位以上で終えます。BMW E26 W1 グループ4。ホッケンハイムナショナル(4周)、アデレード(4周)、ブランズハッチ(4周)。

TIER11: V8 SUPERCARS INTERNATIONAL TOUR
チャンピオンシップを3位以上で終えます。フォードファルコンBA。ブランズハッチ(4周)、ニュルブルクリンク(4周)、ホッケンハイム(4周)。

TIER11: EUROPEAN V6 CHAMPIONSHIP
チャンピオンシップを3位以上で終えます。ルノー・クリオ・スポーツV6。オッシャーズレーベンB(3周)、ノリスリンク(3周)、スネッタートン(4周)、モンデーロパーク(5周)。

TIER12: V8 SUPERCARS CHAMPIONSHIP SERIES
チャンピオンシップを3位以上で終えます。ホールデン・コモドールVZ。アデレード(3周)、プケコへ(3周)、バーバガロ(4周)、イースタンクリークインターナショナル(5周)。

TIER13: DTM
チャンピオンシップで優勝します。AMGメルセデスCクラスDTM。ホッケンハイム(3周)、ユーロスピードウェイ・ラウジッツ(3周)、ブルノ(4周)、ノリスリンク(5周)、イスタンブールグランプリ(4周)。

PRO TOUR
「WORLD TOUR」をクリアすると、アンロックされるモードです。ルールとダメージはより厳格になり、ライバル車も強くなります。また、「PRO TOUR」では、マニュアルしか使うことができません。

SIMULATION
「FREE RACE」、「TIME TRIAL」、「CHALLENGE」で楽しむことができます。

FREE RACE
「WORLD TOUR」でアンロックしたチャンピオンシップを自由にカスタマイズしてプレイすることができ、ルールも自由に決めることができます。

TIME TRIAL
「WORLD TOUR」でアンロックしたトラックで、自由にタイムアタックすることができます。自らのゴーストを走らせることもできますが、セーブできるのはベストラップだけで、ゴーストをセーブすることはできません。

CHALLENGE
さまざまなチャレンジを順にクリアしていきます。チャレンジには、「ACCELERATION & BRAKING」、「STEERING」、「RACING LINE」、「SPEED」、「MANOEVRING」、「OVERTAKING」、があり、それぞれ4段階から5段階が用意されています。

MULTIPLAYER
マルチカードプレイ、シングルカードプレイ、ニンテンドーWi-Fiコネクションプレイ、により、最大4人対戦が楽しめます。

TRACK DESIGNER
タッチペンを使ってオリジナルのトラックを作り、シングルプレイ、マルチカードプレイ、ニンテンドーWi-Fiコネクションプレイにより、レースを楽しむことができます。
上画面には、その時に選んでいるトラックピースの3Dイラストが映し出され、そのトラックピースの長さ、必要とするマス目、トラックの全長、などが表示されます。
下画面には、最大20×20のマス目のうち、12×12マスが表示され、左にはメインツールバー(1面)とメニューツールバー(2面)があります。
ツールバーは、1面に8種類、2面に12種類、アイコンがあり、タッチペンで1面と2面を入れ替えることができます。
その時に選ぶことができないアイコンはグレーに色が変わっており、選んだアイコンはオレンジに色が変わります。各アイコンの意味は、以下の通りです。

SELECT PIECE(1面左上1)
トラックのピースを選びます。最初はスターティンググリッドを選び、そこからトラックをデザインしていきます。トラックには、以下の各ピースがあります。

ストレート
ストレート、ストレート(グランドスタンド付き)、ストレート(小屋付き)、ストレート(タイヤバリア付き)、ストレート(ミディアム)、ストレート(中央窪み付き)、ストレート(バンク付き)、ストレート(中央盛り上がり付き)、ストレート(ワイド)、ストレート(アーケードブリッジ付き)、ストレート(グリッド付き)、ストレート(駐車場付き)。

コーナー
タイトベンド、ノーマルベンド、ワイドベンド、ノーマルベンド(グランドスタンド付き)、ノーマルベンド(ランオフエリア付き)、ショートシケイン、センターシケイン、ショートシケイン(ミラー)、センターシケイン(ミラー)、中速ベンド、ラージシケイン(ミラー)、ロングバンクベンド、ロングセンターベンド。

シーナリー
樹木、ビル、正方形の繁み、横長の繁み、丘、駐車場。

STAMP PIECE(1面右上1)
選んだピースをマス目に置きます。

FREE DRAW(1面左2)
タッチペンでマス目にトラックを描いていくだけで、それに適したトラックピースを自動的に置いてくれます。ただし、置いてくれるのはトラックピースだけです。

MOVE PIECE(1面右2)
タッチペンをトラックピースに置いてドラッグすると、そのトラックピースを任意の位置に移動させられます。

ROTATE PIECE(1面左3)
トラックピースを、時計方向に90度ずつ回転させられます。

DELETE PIECE(1面右3)
不要なトラックピースを除去します。

MARQUEE SELECT(1面左4)
タッチペンで囲んだ範囲に、トラックピースをまとめて置くことができます。「MOVE PIECE」、「ROTATE PIECE」、「DELETE PIECE」でも、同様のことが行えます。

UNDO(1面右4)
すぐ前の作業を取り消します。

CHANGE SKY(2面左1)
作ったトラックの天候を変更します。

CHANGE STYLE SET(2面右1)
作ったトラックのスタイルを、グランプリかストリートにするか選びます。

TRACK PREVIEW(2面左2)
作っているトラックを上空から終わりまで眺めます。

TEST DRIVE(2面右2)

完成させたトラックを試走できます。

TEST RACE(2面左3)
完成させたトラックでレースできます。

NAME TRACK(2面右3)
完成させたトラックに名前を10文字までで付けられます。

SAVE TRACK(2面左4)
完成させたトラックをセーブします。8種類までセーブできます。

LOAD TRACK(2面右4)
セーブしてあるトラックをロードします。

NEW TRACK(2面左5)
トラックをデリートして新たなトラックを作ります。

QUIT(2面右5)
「TRACK DESIGNER」を抜けて、メインメニューに戻ります。

EXTRAS
「WORLD TOUR」、「PRO TOUR」、「SIMULATION」で得たリワードポイントによりリワードショップでアイテムを買ったり、レコードを見たり、チートコードを使ったり、チートコードをダウンロードしたり、クレジットを見たり、することができます。
リワードポイントで買うことができるのは、以下のものです。

NEW CHALLENGES
最初のチャレンジを終えると、次のチャレンジを買うことができます。

BONUS CHAMPIONSHIPS
「WORLD TOUR」のチャンピオンシップを終えると、「SIMULATION」のチャンピオンシップを買うことができます。

CHEATS
ゲーム中で使えるチートコードを買うことができます。

TRACK DESIGNER ITEMS
「TRACK DESIGNER」で使える、トラックや天候を買うことができます。
トラックピース8種類(立体交差、風車、丘、小タイトベンド左、小タイトベンド右、ストレートの橋と湖付き、シケイン大、ビルディング長)。
ストリートスタイルトラックピース24種類(ヘアピン、ロングストレートのグランドスタンド付き、テント村、ストレートのトンネル付き、シケインの岩付き、ベンドの岩付き、ワイドベンドの岩付き、ストレートの岩付き、ストレートの崖付き、ロングストレートの緩やかなシケイン付き、ロングストレートのシケイン付き、ロングベンドのトンネル付き、ラージシケインのミラー、シケインの岩付きのミラー、ロングベンドのバンク付き、直角のベンド、斜めストレート、強めの斜めストレート、斜めストレート正方形、斜めストレートのミラー、強めの斜めストレートのミラー、斜めストレート正方形のミラー、バスストップカーブ、バスストップカーブのミラー)。
風景3種類(森林、ビル街、稜線)。

CUSTOMISATION
「MULTIPLAYER」で使えるカスタマイズカーのデカールが買えます。

OPTIONS
ゲームの各種設定が変更できます。

【GRAPHICS】7
「ToCA RACE DRIVER」シリーズは、「Xbox」のレースゲームとしてトップクラスのグラフィックを誇っていました。
多種多様なサーキットそれぞれが美しく描かれており、光と陰の表現やクルマへの背景の映り込みなどもぬかりはなく、最大21台でレースを行っても秒間60フレームを実現させており、多くのクルマが画面内に表示されても処理落ちすることはまずありませんでした。
また、クルマのダメージもリアルに表現されており、衝突の激しさに応じて、ボディがへこむ、ドアが開く、ウイングやバンパーやミラーなどのパーツが取れる、ライトやウインドが割れる、タイヤが外れる(オープンホイールは外側のタイヤだけが外れることもある)など、不自然さがない描写をも実現させていました。
果たして、「ニンテンドーDS」版がどこまでそのグラフィックに迫れるかに興味が集まりましたが、「NINTENDO 64」並みのグラフィックを持つと言われる「ニンテンドーDS」でも、さすがにそこまで表現するのは難しかったようです。

「PSP」は、「プレイステーション2」に匹敵するほどのグラフィック性能を持つと言われるだけに、「PSP」版でもそれなりのグラフィックを見せていたのですが、「ニンテンドーDS」版は頑張ってポリゴンで表現しました程度のグラフィックに止まっています。
「PSP」版では「Xbox」版のように最大21台が走行しているのですが、「ニンテンドーDS」版では最大8台となっており、このあたりでもグラフィック性能的にも苦しさが感じられます。
コーナーも、滑らかな曲線ではなく、短い直線をつないだようなカクカクさがあります。
とはいえ、トラックやクルマの数を絞ったこともあってか、それなりの画は出ていますし、「ToCA RACE DRIVER」シリーズらしさは感じられます。
もちろん、「ニンテンドーDS」のレースゲームでレースゲームの第1人者として3Dポリゴンを採用したことは評価できますし、「ニンテンドーDS」のレースゲームに限れば、トップクラスのグラフィックであることは間違いありません。まずまずと言えるでしょう。

【SOUND】7
「ToCA RACE DRIVER 3」がベースになってはいるものの、ボイス自体は入れられてはいません。エンジン音とスキール音が中心になっており、実車ベースのレースゲームらしさは感じられる、違和感を覚えない程度のサウンドには仕上がっています。

【CONTROL】9
「ToCA RACE DRIVER」シリーズは、シミュレーター寄りの操作性を持ちながら、リアルさとゲーム性を高い次元で融合させていました。「ニンテンドーDS」版となる本作は、それに比べると少しゲーム性にふられています。
「ニンテンドーDS」の操作環境やグラフィックやプログラミング能力では、そこまで突き詰めたレースゲームを作るよりも、少しアーケードライクなレースゲームにした方がいいのではないかという考えからでしょう。
そのため、コーナーでは、オーバースピードで曲がろうとすると曲がりきれずにコースアウトしてしまうものの、クルマが破綻してスピンしてしまうようなこともありません。「ToCA RACE DRIVER」シリーズでありながら、「ニンテンドーDS」の中心層であるライトユーザーでも、それほど苦労することなく本格的なレースゲームが楽しめるというわけです。
また、キーコンフィグが充実しているのも嬉しいところです。通常は、Aボタンがアクセル、Bボタンがブレーキ、となっているのですが、これを右ボタンがアクセル、左ボタンがブレーキ、と変更することも可能なのです。
これにより、「Xbox」やXbox360、あるいは、「ゲームキューブ」や「ドリームキャスト」などで、左右のトリガーによるアクセルとブレーキの操作に慣れている人でも、いつものレースゲームの操作環境にスンナリと移行することができるのです。この措置は、高く評価したいところです。

【GAMEPLAY】9
本作は、レースゲーム史上最高傑作である「ToCA RACE DRIVER」シリーズの特に「3」を、「ニンテンドーDS」用にモディファイして追加要素を入れたものです。
「Xbox」で動いている「ToCA RACE DRIVER 3」を、それに近い形で「ニンテンドーDS」に移植するのは、やはり、難しかったようで、「Xbox」版を知る者からすると、「PSP」版への移植に比べると、大きなモディファイとなっています。
まず、レーシングタイプ、サーキット、クルマが、けっこうな数、削られています。「Xbox」版では、35種類以上のレーシングタイプ、80種類以上のトラック、70台以上のクルマ、になっていますが、「ニンテンドーDS」版では、17種類のレーシングタイプ、32種類のトラック、24台のクルマなのですから、2分の1から3分の1に大幅カットされているわけです。
主に削られたのは、フォーミュラカーとスポーツプロトタイプカーとラリー関連で、そのクルマとトラック(ラリーコース)は、見ることができません。残っているのは、ほとんどが箱車とパーマネントサーキットです。
もっとも、そのことによってゲームがつまらなくなっているということはなく、実在のサーキットやクルマも多数収録されているため、これだけでも十分に楽しむことができます。
次に、コントロールの項でもふれたように、操作性が、「Xbox」版のシミュレーター寄りながらもリアルさとゲーム性を高い次元で融合させたものから、「ニンテンドーDS」版ではややアーケード寄りなものに味付けを変えられています。
これに関しても、「ニンテンドーDS」の操作環境やグラフィックやプログラミング能力を考えると、これでもいいのかなとは思えます。AIが少しトリッキーな動きをするところもありますし、「ニンテンドーDS」ならこれぐらいの落としどころでも概ね納得できます。
「ニンテンドーDS」のライトユーザーが、ここから「ToCA RACE DRIVER」シリーズに入門してくれて、より本格的な家庭用ゲーム機版やパソコン版もプレイしてくれれば、それはそれでいいことだとも考えられます。

そして、本作の最も注目すべき点は、タイトルにもなっている「CREATE」の部分です。
トラックを自作できるレースゲームは、これが初めてではありませんが、本作の「TRACK DESIGNER」は、よくできている部類だと思いますし、これが「ニンテンドーDS」ということまで考えると、かなりよくできていると言ってもいいでしょう。
私も、富士スピードウェイや筑波サーキットなどを作ってみましたが、100%思い通りに作るのは難しいものの、それと分かるだけのレイアウトのものを作り出すことはでき、実際に走ってみると、確かに富士スピードウェイや筑波サーキットだと実感できるものが作れるのです。
マス目が20×20と限られているため、スケールアキュラシーという点では、富士スピードウェイでも少し苦しいものがあり、ラップタイムもDTMで簡単に55秒を切れてしまいます。
また、トラックピースが数多く用意されているといっても、やはり、必ずしも思い通りのトラックピースがあるわけではありませんし、高低差を表現することはできません。
それでも、本作に収録されていないサーキットを作り、そこを実際に走れるのは嬉しいものですし、ゲームのライフを伸ばすという点でも、いい試みだと思います。
次回作では、より充実した「TRACK DESIGNER」を期待したいところですし、何よりも「Xbox 360」版に導入されて、Xbox LIVEで走ったり配布できたりしたら素晴らしいことだと思います。

【LONGEVITY】8
本作のメインとなる「WORLD TOUR」は、「Xbox」版の半分のボリュームしかありませんが、それでもクリアするまでには15時間前後はかかるのではないかと思います。
また、マニュアル使いに限られるとは思いますが、その先に「PRO RACE」がありますし、「TRACK DESIGNER」で自分だけのオリジナルトラックを作ったり、そのトラックすら使って「MULTIPLAYER」で楽しむこともできます。
楽しみ方やスキル次第で、かなり長く楽しめるレースゲームだというわけです。

【OVERALL】8
本作は、レースゲーム史上最高傑作である「ToCA RACE DRIVER」シリーズの特に「3」を、「ニンテンドーDS」用にモディファイして追加要素を入れたものです。
操作性が、「Xbox」版のシミュレーター寄りながらもリアルさとゲーム性を高い次元で融合させたものから、ややアーケード寄りなものに味付けを変えられていますし、メインとなる「WORLD TOUR」は「Xbox」版の半分のボリュームしかありません。
それでも、「ニンテンドーDS」には適した操作性になっていると言えなくもありませんし、ボリュームも、マニュアル専用にはなるものの「PRO TOUR」もあれば、「ToCA RACE DRIVER」シリーズ初の「TRACK DESIGNER」で楽しむこともできます。
そのため、「ToCA RACE DRIVER」シリーズ初の「ニンテンドーDS」向けタイトルとしては、十分に及第点をあげられるもので、コアなレースゲーマーからライトユーザーまで、幅広いレースゲームフリークが楽しむことができるのではないでしょうか。

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