マテルの「シズラー」です。「シズラー」は、HOスケール(1/64スケール)のシズラーカーにパワースタンドで充電すると、専用のオーバルトラックを数分間、自動的に走り回るというものです。21世紀風にたとえれば、小さなミニ四駆と言えるかもしれません。
私が持っているのは、「マテルのシズラー ビッグレース スクランブルセット」です。同セットには、シズラーカー2台、パワースタンド1台、60センチビッグトラック6本、180°ビッグカーブトラック2組、ビッグジョイント5個、トラッククリップ2個、ゴム輪、ビッグレースの美しいカタログ、組み立て方と遊び方説明書、が同梱されています。1969年か1970年に購入したものと思います。
オーバルトラックを組み立てたサイズは、2m70cm×90cmぐらいになります。組み立てはとても簡単で、5分とかかりません。
この手のホビーの中では、かなり手早く組み立てられる部類に入るため、組み立てと片づけが面倒でやる気が起きないといったこともありません。
クルマのラインナップは、フォードMKIV、アンジェリーノM70、ムスタング・ボス302、ファイヤーバードTRANS-AM、ホットヘッド、レビンヘビンがあります。
手元にあるのは、フォードMKIVが2台、アンジェリーノM70が2台、ムスタング・ボス302が1台、です。
このクルマの中に、モーター、バッテリー、スイッチが付いています。このバッテリーに、パワースタンドから充電するわけです。パワースタンドも、2人で競えるように、2台買っていました。
さて、この「シズラー」、スピードは当時のHOスケールのスロットカーよりも少し速いぐらいのスピードが出ます。そのため、オーバルトラックで走らせると、なかなか迫力がありました。
1回の充電で走らせることができる時間は、2~3分ぐらいで、充電が切れるとパワースタンドで充電しなければなりません。
私は、100周レースなどをやっていたのですが、1レースの間に2~3回は充電する必要があります。
面白いのは、クルマごとに個性があることです。スピードは速いものの1回の充電で走れる時間が短いものもあれば、スピードは遅いものの1回の充電で走れる時間が長いものもあり、その中間的な性格のものなどもあるのです。
そのため、速いクルマは、その速さを活かして先行するものの、遅いクルマよりも先に充電しなければなりません。
それに対して、遅いクルマは、速さこそないものの、長い時間走れるため、速いクルマが充電している間に走行距離を稼げるのです。
しかも、走っているクルマを操作することはできないため、いったん走り出したらどう走るかはクルマまかせです。
オーバルトラックはクルマが3台は並んで走れる幅があるため、クルマまかせとはいえ、前のクルマを追い越すこともできます。
ただ、オーバルトラックという性格上、クルマに勢いやスピードがある時にはトラックの外側を走ることになるため、スピード差があってもすぐに抜かすことができません。
スピードが遅くなってくると、オーバルの上を走ることができないため、遅いクルマはオーバルの下の方を走り、速いクルマはオーバルの上から抜いていくことができます。
そのため、そうしたことも配慮してピットインのタイミングを考えなければなりません。
また、レース終盤になってくると、フル充電しなくても走り切れてしまうため、いかに充電時間を短くするかという作戦も重要になってきます。
走っている間は完全にクルマまかせなものの、ピットワークがレースの勝敗を左右するということです。
このように、一見、単純なようで、なかなか面白かったのですが、バッテリーがあるなどメカニズム的に劣化しやすく、スロットカーのように何十年も前の物でも問題なく走るというわけにはいかないのが残念なところです。
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