「Xbox 360」のイギリスにおける代表的サードパーティであるJOYTECHのXbox 360用コントローラー「NEO Se ADVANCED CONTROLLER」が、本日、香港から到着したので、そのインプレッションをご紹介します。
JOYTECHは、1996年、イギリスにおいてビデオゲームアクセサリーメーカーとして創設され、その新鮮なデザインと競争力のある価格設定で、1998年にはイギリスでトップのサードパーティに成長しています。
JOYTECHは、また、TAKE TWO INTERACTIVEの子会社でもあります。さて、JOYTECHの説明はこのぐらいにして、この「NEO Se ADVANCED CONTROLLER」のインプレッションを書いていくことにしましょう。
外観 マイクロソフトの純正コントローラーよりも、横幅が9mm程度狭くなっており、見た目にもコンパクトなコントローラーになっています。その分、ボタンやスティック、特に、左右のボタンとトリガーが中央寄りに配置されています。
コントローラーの下側は、純正コントローラーよりもボテッとした形状なのですが、くっきりとえぐれができており、薬指と小指を絡ませやすくなっています。そのため、ボテッとした見た目にも関わらず、ホールド性は純正コントローラーよりも高くなっています。
コントローラーの表面は、純正コントローラーほどには、つや消し処理が施されてはいないのですが、純正コントローラーよりもホールド性が高くなっているため、滑りやすいといった印象はありません。
「NEO Se ADVANCED CONTROLLER」は、コントローラーの小ぶりさとホールド性の高さにより、成人男性はもちろんのこと、手の小さな女性や子供にとっては、かなりのアピールポイントになることでしょう。
「NEO Se ADVANCED CONTROLLER」のコントローラー形状にあえて難点を挙げるとすれば、やはり、コントローラー下側がボテッとしている点です。
くっきりとしたえぐれを持たせることで高いホールド性を維持してはいるのですが、ここをもう少し小ぶりにしていれば、よりホールド性が増したのではないかと思います。
ちなみに、重量は225gで、純正コントローラー(ワイヤード)の225gと同等になっています。
左右のスティック 「NEO Se ADVANCED CONTROLLER」は、純正コントローラーの形状に酷似していますが、直径や高さが純正コントローラーとは若干異なります。直径は、純正コントローラーよりも1mm程度小さく、それに連れて凹んだ部分の面積も小さくなっています。
そのため、純正コントローラーはスティックの上面に親指がピタリとはまり込むのに対し、「NEO Se ADVANCED CONTROLLER」は親指の腹を当てて操作する感じになります。
また、高さは、2mm程度高くなっていますが、ストロークが長いというよりも、土台自体が盛り上がっていることによるものです。そのため、ストローク自体の違いはありません。
左右のスティックの操作性は、「NEO Se ADVANCED CONTROLLER」と純正コントローラーでは大きくは異なりませんが、「NEO Se ADVANCED CONTROLLER」の方が指になじむ感じはします。
方向パッド 機種を問わず、純正コントローラーとサードパーティのコントローラーの大きな違いが、方向パッドの形状でしょう。
純正コントローラーは丸型で十字状の溝が盛り上がっているのに対し、「NEO Se ADVANCED CONTROLLER」は完全に十字キーの形状をしています。
この形状が十字になっていると、正確に上下左右に動かせるばかりでなく、斜め方向への操作も間違いなく行えるという利点があります。
もっとも、この点に関しては、丸型であっても慣れれば的確な操作が行えるため、大きなアドバンテージとも言えないかもしれません。
また、「NEO Se ADVANCED CONTROLLER」は、中央のくびれが、親指がピッタリとはまり込む形状になっており、親指の腹で方向パッドを操作したい人には、願ってもない形状だと思います。
A、B、X、Yボタン 「NEO Se ADVANCED CONTROLLER」の方が、純正コントローラーよりも、4つのキーの距離が近くなっています。この距離の近さは、誤操作するほどの距離ではないため問題とはなりません。
逆に、4つのキー間を頻繁に行き来する必要があるゲームでは、距離が近い分、素早い操作を可能にすることでしょう。
また、純正コントローラーのキーの上部が丸められているのに対し、「NEO Se ADVANCED CONTROLLER」が平たくなっているのも、このキー間の距離と関連性があるとも考えられます。
キー間の距離があると素早くキー間を移動する際に上部が丸められていないとひっかかるおそれがありますが、キー間の距離が近い場合には、キーの上部が平たくてもひっかからないからです。
もっとも、両者のキーの距離と形状の違いは、慣れと好みの範囲ではあると思います。A、B、X、Yボタンに沿うように、中央に向かって深くなる2段階の溝がつけられていますが、操作に対する影響は全くなく、単なる飾りだと考えられます。
スタート、バック、Xboxガイドボタン 純正コントローラーではXboxガイドボタンの両脇にバックボタンとスタートボタンが配されているのに対し、「NEO Se ADVANCED CONTROLLER」では「Xbox」の純正コントローラーと同じく左のグリップ上部に配されています。
「Xbox」の純正コントローラーでは、誤って手の平などで押してしまうことがあったため、「NEO Se ADVANCED CONTROLLER」でも同様の危惧があるのですが、左スティックが純正コントローラーよりも高くなっているため、誤って手の平などで押してしまう可能性は皆無に近いと思われます。
もちろん、純正コントローラーのように、Xboxガイドボタンとの誤操作を起こす心配もありません。
ただ、スタートボタンとバックボタンを押した感じは、少し節度感のないフニャッとしたもので、もう少しカチッとした節度感はあっても良かったように思います。
Xboxガイドボタンの質感に関しては、透明感のあるクリスタルな感じで、純正コントローラーとは違った趣があります。このキラキラした感じを好む人は少なくないのではないかと思います。
LRボタン、LRトリガー 純正コントローラーでは、ボタンとトリガーはほぼフラットに配されており、トリガーはコントローラーで覆われるような形状になっています。
それに対し、「NEO Se ADVANCED CONTROLLER」では、見た目の配置や形状こそ似ているものの、細かく見ていくと使い勝手に配慮した違いがあります。
まず、ボタンとトリガーの材質がいかにもプラスチックといった雰囲気の純正トリガーとは違い、指になじみやすい材質で作られています。
ボタンの形状も、純正コントローラーが外側から内側に向けて幅が広くなっていくのに対し、「NEO Se ADVANCED CONTROLLER」は内側から外側に向けて広くなっています。
これは、指先に向けて細くなっていくという指の形状とも合致しており、押し損ないを防ぐ意味合いがあるのでしょう。トリガーも、純正コントローラーよりは指に沿うように湾曲した形状とした上でボタンよりも後退させています。
これにより、トリガーも指になじみやすいようになっています。トリガーのストロークも純正のコントローラーより大きくなっているため、レースゲームのパーシャルスロットルはよりやりやすくなっています。
また、スティックが後退したことで、手の小さな女性や子供でもスティックが操作しやすくなっています。
オーバーオール 純正コントローラー(ワイヤード)が3500円なのに対し、「NEO Se ADVANCED CONTROLLER」は$24.95以下で販売されることが多く、タイミングさえ良ければ3000円未満で購入することができます。
「NEO Se ADVANCED CONTROLLER」は、JOYTECHらしい戦略的な価格設定が施されたコントローラーで、余計なギミックを与えられてはいない質素なコントローラーではあります。
不思議なことに、振動機能も省かれているようです(※振動機能はあります。「エブリパーティ」で順番を知らせる振動がなかったため振動機能はないと判断したのですが、「Tom Clancy’s RAINBOW SIX VEGAS」で撃たれた際に振動しました。なぜ「エブリパーティ」で振動しなかったのかは不明です)。
しかし、イギリスでトップのサードパーティらしい、かゆいところに手が届く配慮が随所になされており、決して、安かろう悪かろうといったコントローラーではありません。コントローラーのホールド性は高く、女性や子供でも扱いやすい形状をしています。
また、左右のトリガーは、アナログ操作に対する柔軟性もあり、特にレースゲームなどで効果を実感できます。2P用のコントローラーや予備のコントローラーとしてなら、お薦めできるコントローラーです。
※、「Xbox 360ヘッドセット」を装着すると、相手方に対し、人によっては不快なノイズが出っ放しという状態に陥っています。
ただし、これが、個体差による不具合なのか、「Xbox 360ヘッドセット」が純正のコントローラー以外のサードパーティのコントローラーとの相性が悪いことによるものなのか、コントローラーのポートの端子の感度が良すぎるものなのかは不明です。
もっとも、「Xbox 360ワイヤレスヘッドセット」を使えば、当然のことながら、この問題は発生しません。
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