【GENRE】
アクションアドベンチャー/格闘/サードパーソン
【PUB./DEV.】
ELECTRONIC ARTS/THE COLLECTIVE
【RELEASE DATE】
2002/8/18(アメリカ)
【OUTLINE】
アメリカの同名人気テレビドラマシリーズ「Buffy: the vampire slayer」(日本名「バフィー~恋する十字架~」)を、3人称3Dアクションゲームにしたものです。
アドベンチャーゲームさながらの物語性とパズル性を盛り込みつつ、対戦格闘ゲーム的な要素もミックスした、良質なアクションゲームになっています。
バフィー・サマーズは、カリフォルニアのサニーデール高校でチアリーダーの一員をしている普通の女子高生。
しかし、生まれながらにして選ばれたバンパイア・スレイヤー(吸血鬼ハンター)としての一面も持ち合わせています。
バフィーは、そんな彼女の秘密を知る数少ない仲間たちの支援を受けて、高校生活をエンジョイしつつバンパイア倒しに励みます。
ゲームは、テレビの第3シーズンをベースに、バフィーと地球に地獄を持ち込もうと企むザ・マスターとの戦いを描いています。
【GAME MODE】
START GAME
ゲームを最初から始めます。難易度は、EASY、NORMAL、HARDの3段階から選べますが、アドベンチャー系のアクションゲームが苦手でない人ならNORMALを選んでおけばいいでしょう。
ゲームは、さまざまな3D空間の中、現れる敵を倒したり、仕掛けを解いたりしながら進めて行きます。
セーブは、チェックポイントごとのオートセーブ制で、レベル内で新たなマップが読み込まれるごとに行われます。各レベルは、以下のようになっています。
SPANISH MISSION
ゲームの基本的な操作方法を学びます。イギリスから派遣されたバンパイア・スレイヤーの後見人で、サニーデール高校の図書館司書のジャイルズの指示の下、パンチ、キック、ジャンプなどをマスターします。
HIGH SCHOOL
サニーデール高校の電力を回復し、チアリーダーの練習を妨げたバンパイアから友人を救います。
THE BRONZE
ブロンズ・ナイトクラブにアンデッドが侵入し、バフィーの友人のウィローや高校の仲間を誘拐します。アンデッドからウィローたちを助け出します。
CEMETERY
墓地でアンデッドやヘルハウンドと戦い、ウィローを誘拐したアンデッドを追って霊廟へと向かいます。そして、バンパイアからウィローを助け出します。
MAUSOLEUM
霊廟へと向かう隠し通路を見つけ出し、サンケン教会へ向かう地下墓地を進んで行きます。
SUNKEN CHURCH
強大なクリーチャーを生き返らせる奇怪な悪巧みをしようとする強力な魔術師からブロンズの犠牲者を救うため、サンケン教会に入ります。
MANSION
善良な心と魂を持つバンパイアのエンジェルを助けるため、エンジェルのマンションでバンパイアと戦いながらマンション内の仕掛けを解いていきます。ここでは、ドアを開けるためのパズル要素に挑むことになります。
DOCKS
サニーデール・ドックに入れられた貨物船まで到達し、モンスターを倒します。
HIGH SCHOOL
サニーデール高校に戻り、学校の破壊を阻止します。学生たちの安全を確保しつつ、この悪巧みの立案者を倒します。
FOUNDRY
マスターたちがいる鋳造所に忍び込み、彼らの強力なアイテムを破壊します。
SUNKEN CHURCH
マスターは、地球と地獄を繋ぐ橋を建設しようとしています。サンケン教会に入り込み、その儀式が完了する前に阻止します。「トゥームレイダー」ばりのアクションも待ち受けるレベルです。
DREAMERS’ REALM
ドリーマーデモンのいる地へと落とされ、迷宮からの脱出を図ります。最初はより「トゥームレイダー」的なアクションも要求され、次に仕掛けを解きながら進む迷路へと放り込まれます。
SUNKEN CHURCH
いよいよ、マスターとの最終決戦を迎えます・・・。
LOAD GAME
オートセーブされたチェックポイントからゲームを再開できます。すべてのチェックポイントが残されており、任意の地点からスタートできます。
OPTIONS
ゲームの各種設定を変更できます。画面の明るさを無段階に調節できるので、明るめにするといいでしょう。
EXTRAS
バフィーの簡単な歴史と、クレジットを見ることができます。
【GRAPHICS】9
「ONLY ON XBOX」タイトルとして、十分に満足できるグラフィックレベルを持っています。
サニーデール高校、ブロンズ・ナイトクラブ、墓地、霊廟、サンケン教会、サニーデール・ドック、ドリーマーデモンのいる雰囲気が一変する地、など、各地は詳細までしっかりと描写され、光と陰の描写も満足いくものです。
また、バフィーをはじめとしたキャラクターも、実際のテレビシリーズに遜色ないほど容姿が似ており、生き生きとした表情も見せています。バフィーなど、実物のサラ・ミッシェル・ゲラーよりも良く描かれているかもしれません。
バンパイア、アンデッド、ヘルハウンド、スパイダーなどといった敵キャラクターのグラフィックも、滑稽さを感じさせることなく適度な緊張感を醸し出してくれます。視点も、特に見づらいと感じたことはありませんでした。
【SOUND】9
ドルビーデジタルです。同名の人気テレビシリーズを3人称3Dアクション化した本作ですが、キャラクターのボイスもそれぞれの俳優が当てており、美しいグラフィックとあいまってより一層バフィーらしさを引き立てています。
イベントシーンでも、各キャラクターのセリフに、バフィーらしさを感じとることができます。
テレビシリーズは題材とは裏腹の普通の女子高生らしい日常が描かれたユーモラスさも魅力となっていますが、本作でも戦闘中や戦闘後のバフィーのセリフに、そんな女子高生バンパイア・スレイヤーらしいお気軽さを感じさせるのもバフィーらしいところです。
「今晩は家で過ごすわよ」とか、「私はバンパイア・スレイヤーよ」などのセリフに、バフィー・ワールドを実感でき、プレイヤーの気分を盛り上げてくれます。効果音は抑え目ですが、タイトルには適したものでしょう。
【CONTROL】9
テレビシリーズのバフィー自体が、打撃系を基本にしてバンパイアたちと戦いを繰り広げています。
そのため、本作でも、パンチ(Xボタン)、キック(Aボタン)を攻撃の主体とし、ゲームが進んで行くに連れてコマンド入力技が登場します。
コンビネーションアタック(X→A→X)、トリプルキック(前→前→A)、スーパーサイクロンバックフィスト(左スティックを大きく1周→X)、スレイヤーグラウンドスマッシュ(R+後後→X)、スーパーパワーパンチ(前→前→X)、スーパーサイクロンキック(左スティックを大きく1周→A)、スレイヤースウィープアタック(R+後後→A)などです。
もっとも、これらすべてを使わずともクリアすることはできます。私は、コンビネーションアタック、スーパーパワーパンチ、スーパーサイクロンキック以外は、ほとんど使っていません。ですから、対戦格闘ゲームのコマンド入力が苦手という人でも大丈夫です。
また、バンパイア相手らしく杭(Yボタン)や矢(装備時にXボタン)を用いることもあります。これらは、相手によって向き不向きがあるため、素早く敵に合った攻撃を見つけなければなりません。
終盤からは「トゥームレイダー」ばりのアクションもあり、ジャンプのタイミングや間の測り方が重要になってきます。ただ、とんでもなく難しいというものはあまりないため、怖れる必要もないでしょう。各種メニュー画面の使い勝手も良好です。
【GAMEPLAY】7
「Buffy: the vampire slayer」は、1992年に映画版が先に作られており、主演のクリスティ・スワンソンとともに、実は私が密かに気に入っている映画です。
同映画は、テレビシリーズよりもコメディ要素が強かったのですが、テレビシリーズはストーリー上はその続編という位置付けになっています。
もっとも、前述しているように、テレビシリーズになってよりホラー度やシリアスさが加わっても、映画版から受け継いだユーモラスさを失ってはいません。
ゲームになってもそうしたバフィーらしさが随所に醸し出されているばかりか、ゲームとしてのデキも高い水準に保たれています。
「映画やテレビを題材にした原作ものはデキが良くない」とはよく言われることですが、本作に関してはそれは当てはまりません。
もっとも、本作にも、問題点はあります。それは、フリーセーブでないこと、サドンデスがあることです。
本作のセーブは、上でも書いているように、チェックポイントごとのオートセーブ制で、レベル内で新たなマップが読み込まれるごとに行われます。
ところが、終盤になってくると、この新たなマップの読み込みまでが長いのです。
しかも、中盤以降、突然、床(橋)が崩壊して奈落の底に落ちてしまうという理不尽とも言えるサドンデスが少なからず登場します。
そのため、あと少しというところでゲームオーバー→チェックポイントからやり直し、ということが頻発します。
慣れれば長くても15分程度で到達できるチェックポイントですが、再三再四のやり直しは、やはり、辟易させられるものです。
次回作では、この2点が改善されていることを切に願います。
【LONGEVITY】7
前述しているように、本作は、フリーセーブではなく、サドンデスもあります。そのため、同じレベルを何度もやり直す必要が生じます。
それでも、自分のレベルに合わせた難易度を選択すれば、20時間程度でクリアできるのではないかと思います。
もしかして、フリーセーブにすると早く終わってしまうためにチェックポイント制にしたのかもしれません。
何度か戦うことになる対ボスキャラ戦も攻略法を考えればそれほど難しいわけではありません。多くの人が、エンディングまで到達できることでしょう。
【OVERALL】9
本作は、アメリカの同名人気テレビドラマシリーズ「Buffy: the vampire slayer」を、3人称3Dアクションゲームにしたものですが、良質なアクションゲームとなっているため、例えテレビシリーズを見たことがない人でも、純粋なアクションゲームとして楽しむことができます。
テレビシリーズが好きな人であれば、なおさらのこと面白く感じることでしょう。アメリカの「Xbox」ユーザーの間でも傑作アクションゲームとして定評のあるタイトルですから、3Dアクション(アドベンチャー)好きならずとも、買って損のない1本です。
コメント