「Juiced」ウォークスルー&レビュー

【GENRE】
レース

【PUB./DEV.】
THQ/JUICE GAMES

【RELEASE DATE】
2005/06/12

【OUTLINE】
発売元のACCLAIMの倒産により2004年9月の発売直前になって発売中止になるという憂き目に遭ったレースゲームですが、THQが開発元のJUICE GAMESから発売権を買い取って2005年6月にようやくリリースされています。
「Juiced」は、リアルさとゲーム性を併せ持った市街地中心のレースゲームで、日本車を含む50台以上の実車と30以上の実在するパーツメーカーが登場します。
本作には大きく分けて4つのモードがありますが、中でも中心となる「CAREER」は、ストリートの賭けレースに挑みながらお金を稼ぐとともに尊敬値も上げていき、徐々にドライバースキルをアップさせていくというかつてないほどの斬新なシステムが魅力になっています。

【GAME MODE】
CAREER
エンジェルシティを舞台に8人のライバルたちとレースしながら自らのスキルを向上させ、すべてのライバルから最大限の尊敬を勝ち取るのが最終目的になります。
「CAREER」では、イベントカレンダーに則ってゲームが進行していきます。
「CAREER」のイベントタイプには、サーキットレーシング、ポイント・トゥ・ポイント、スプリントレース、ショウオフがあります。

サーキットレーシング
エンジェルシティの8つのエリアにある8つのサーキットで周回レースを行います。

ポイント・トゥ・ポイント
A地点からB地点までの速さを競うもので、サーキット1周がメインになります。

スプリントレース
0-800mなどのドラッグレースで、3ヒート制で競います。スプリントレースのみ、マニュアルトランスミッション限定になります。

ショウオフ
ハイスピードやドリフト、180度ターン、360度ターンなどのテクニックを繰り出すことで既定のポイントを稼いでいきます。もっとも、同じテクニックばかりを繰り返してもポイントは上がらないため、さまざまなテクニックを披露する必要があります。

これらのイベントは、カレンダーにあるすべてのものに参加できるわけではなく、イベントに参加するための条件を満たしていなければなりません。
緑で示されるイベントは参加可能なイベント、黄で示されるイベントは参加はできないものの見たり賭けたりすることができるイベント、赤で示されるイベントはお金か尊敬が足りなくて参加できないイベント、です。
本作では、イベントごとにお金を賭けることができるため、賞金以外にもお金を効率良く稼ぐ方法があるというわけです。
また、イベントがない日でも、自分でイベントを開催したり、特定のイベントに参加したりすることができます。

ホスティングイベント
自らが作ったイベントを開催できるもので、ライバルからの尊敬が増せばそのライバルの地元でもイベントを開催できるようになります。

スポンサードイベント
スキルが向上すると参加できるようになるもので、より長い距離のレースで、より多くの賞金が稼げるものです。

スペシャルイベント
クルマの生産国や車種、プロトタイプクラスなどの制限があるイベントです。

プロトタイプ
プロトタイプのパーツがかかったレースを勝つごとにひとつずつこれが追加されていき、3つ集めると(P)となってプロトタイプのレースに参加することができるようになるものです。
もっとも、(P)仕様になったからといって、他車を圧倒するほど速くなるというわけでもありません。

ピンクスリップ
ライバルと1対1でレースして、勝った方がそのライバルのクルマをもらえるという究極のイベントです。
ピンクスリップでは、自動的に自分が持つ最高のクラスのクルマでレースさせられます。
例えば、クラス8からクラス5までのクルマを持っていれば、必ずクラス5のクルマでレースしなければならないわけです。

クルーレース
プレイヤーがリクルートしたクルーによるレースです。
クルーは、3人まで仲間にすることができ、クルーにレースをさせることも可能です。クルーには、3段階の指示を与えることができます。
HIGH AGGRESSIONでは、クルーは最大限に速く走ろうとしますが、その分ストレスもかかり、ミスをしやすくなります。
MEDIUM AGGRESSIONでは、クルーは自分のポジションをキープしようとし、安全な走りをします。
LOW AGGRESSIONでは、クルーは徐々に順位を落としますが、そのことでストレスがかかると、順位を挽回しようとします。

「CAREER」には、このように多くのイベントがあるため、プレイヤーが次に何をすればいいか分からない時には、「ADVICE」でアドバイスを聞くこともできます。

8人のライバルは、それぞれの尊敬の基準が異なっています。ライバル8人は以下の通りで、リーダー名(地域)、尊敬、経験、好きなクルマ、です。

T.K.(サンリカルド)、サーキットレーシング、すべてにおいて良好で特にストックカーが得意、クルマならなんでも。

ビッジ・モンバッサ(キャンプベルヒルズ)、スプリントレーシング、良好で特にスプリントレース、日本車。

スー・イェン(ダウンタウン)、ショウオフ、ショウオフ、改造日本車。

マリア(エンジェル・ノースセントラル)、クルーパフォーマンス、チームレースで特に素晴らしい、三菱車。

ジャック・ウォーカー(エンジェル・ウエストサイド)、ベストカー、モディファイ、トヨタ車。

メロディ(サウスサイドビーチ)、カーコレクション、良好、なんでも。

ポッパ・ズィー(イースト・エンジェルアイランド)、ギャンブリング、素晴らしい、USマッスルカー。

カーロス・カリロス(ウエストアンダーソン)、ピンクスリップレーシング、素晴らしい、なんでも。

ライバルたちの主催するイベントに参加するためには、尊敬ポイントを上げる必要があります。
100ポイントを超えるとそのイベントに賭けることができ、300ポイントを超えるとそのイベントでレースすることができ、600ポイントを超えるとピンクスリップを持ちかけることができ、1000ポイントを超えるとそのライバルの地元でイベントを開催できるようになります。
ライバルから最大限の尊敬を勝ち取り、ライバルごとに異なる3つのチャレンジ(クルーチャレンジ)をコンプリートすることが「CAREER」のクリアにつながります。
クルーチャレンジを受けるためには、そのライバルと賭けレースを行い、モバイルフォンで電話のやり取りをできるようにしなければなりません。クルーチャレンジには、以下の3種類があります。

ラップタイムチャレンジ
1周を目標タイム以内で走り切るものです。
パーフェクトラップチャレンジは、ラップタイムチャレンジと同じなのですが、ガードレールや壁などに激しくぶつかってはいけません。

スピードチャレンジ
1周を目標速度以上を保って走るというもので、一瞬でもその速度を下回ると失格になります。
また、スピードチャレンジには、一部のライバルでスタートから10秒以内に規定速度に到達するというものもあります。
そもそも、どのスピードチャレンジでもスタートから10秒以内に規定速度に到達しなければならないのですが、これ自体をスピードチャレンジの課題にするほど難しくなっているということです。いずれも、成功するまで何度でもリトライできます。

クルーチャレンジ
それぞれのライバルが以上の3種類のチャレンジを用意しており、指定されたクルマを所有していないとチャレンジすることができません。
8人のライバルがそれぞれ3つのチャレンジを用意しているため、最低でも24台のクルマを所有しなければならないというわけです。
もちろん、いったんチャレンジをクリアしさえすれば、そのチャレンジに使ったクルマは必要なくなるため、持っていなくても構いません。

以下はクルーチャレンジの内容で、ライバル名(チーム名) ラップタイムチャレンジ、パーフェクトラップチャレンジ、スピードチャレンジの順です。

T.K.(アーバン・モウラーズ) BEETLE GLS 1.8T(1.05.00)、CR-X(1.20.00)、206 GTI(50MPH)。

ビッジ・モンバッサ(A.W.B) MX-5(0.55.00)、350Z(1.50.00)、3000GT(50MPH)。

スー・イェン(ヴィクセンズ) GOLF MK IV(1.40.00)、INTEGRA TYPE R ’02(0.45.00)、LANCER Evolution VIII(60MPH)。

ポッパ・ズィー(ザ・ローズ) S2000(1.10.00)、RX-7(1.15.00)、NSX(60MPH)。

ジャック・ウォーカー(オメガ・タウ) NEON R/T(1.20.00)、FTO(1.20.00)、SKYLINE GT-R((55MPH)。

マリア(ザ・ワイルドキャッツ) ECLIPSE GSX(1.40.00)、MUSTANG 99 GT(1.10.00)、SUPRA(140MPH)。

カーロス・カリロス(リージョン) MR2(0.57.00)、1969 CHARGER R/T(0.52.00)、VIPER GTS(60MPH)。

メロディ(パブリック・カオス) IMPREZA 22B STI(1.15.00)、300Z(2.25.00)、CAMARO(55MPH)。

「CAREER」には、DISTRESS SYSTEMがあります。自分のクルマにダメージを負うとお金をかけて修理する必要があり、ライバルのクルマにダメージを与えるとそのライバルの尊敬が下がります。
また、賭けやピンクスリップを受けたり、掛け金を吊り上げたりしても、尊敬を上げることができます。逆に、賭けやピンクスリップを断わると、尊敬が下がります。
ただし、ピンクスリップを受けた際には、双方のクルマが見られる画面でやめれば、尊敬が下がることはありません。そのため、相手のクルマを見てから勝負するかどうかを決めればいいというわけです。
DISTRESS SYSTEMは、ライバルのスキルや動揺によりクルマの上にエクスクラメーションマークが表示されるもので、そのライバルの近くを走り続けると、そのライバルがミスを犯す可能性が高くなります。

クルマのクラスは、馬力によって決定され、以下の8クラスに分けられます。8(0-199bhp)、7(200-299bhp)、6(300-399bhp)、5(400-499bhp)、4(500-599bhp)、3(600-699bhp)、2(700-799bhp)、1(800-1200bhp)。
クルマは、「WORK SHOP」に行くことで、レースのダメージを修復したり、カスタマイズしたりすることができます。
カスタマイズは、Level1、Level 2、Level 3、Prototypeの4段階が用意されており、そのクルマでレースに出たり勝ったりすることでアンロックされ、チューニングショップで買うことができます。
Prototypeに関しては、スポンサードイベントで勝たなければアンロックすることができません。
カスタマイズパーツは、実際のパーツメーカーのものが用意されており、フロントバンパー、ボンネット、サイドスカート、リアスポイラー、リアバンパー、デカール、ウインドウ、ネオン、メーター、カーオーディオ、ホーン、インダクション、サスペンション、エキゾースト、ギアレシオ、ブレーキ、タイヤ、ターボ、ニトロ、馬力、カラー(ベース、メタリック、パールのいずれかをフルカスタマイズ)に行えます。
「WORK SHOP」では、カースペックの閲覧、ダイナモメーターでの性能チェック、テストドライブ、クルー用のカラーリング、クルマの売却、などが行えます。
「DEALERSHIP」では、クルマを買うことができますが、最初からすべてのクルマを選ぶことはできず、「CAREER」の進行状況に応じたクルマが販売されています。

ARCADE
全5戦のシリーズを次々に戦っていくもので、各イベントをクリアすることで「CUSTOM RACE」で使えるクルマやトラックが増えていきます。
5戦中4戦までは順不同で挑戦することができ、4戦すべてをクリアすると5戦目に挑戦できます。また、3戦クリアすると、次のシリースをアンロックできます。
サーキットでは、通常は6台でレースを行い、あらかじめ決められたクルマをドライブして最後尾からスタートします。

NOVICE SERIES: 1. CIRCUIT(FTO 376bhp)、2. CIRCUIT(CELICA SS-1 291bhp)、3.SPRINT(SRT-4 437bhp)、4. CIRCUIT(PUNTO 1.8 HGT 210bhp)、5. CIRCUIT(ECLIPSE GSX 377bhp)。

JUICE GAMES RACE SERIES: 1.CIRCUIT(CORSA Sri 1.8i 16V 216bhp)、2. CIRCUIT(PRELUDE VT 302bhp)、3. CIRCUIT(RSX TYPE-S 351bhp)、4. CIRCUIT(NEON R/T 257bhp)、5. CIRCUIT(INTEGRA TYPE R 351bhp)。

MIDNIGHT SERIES: 1. CIRCUIT(206GTi 213bhp)、2.CIRCUIT(CR-X 273bhp)、3. CIRCUIT(MX-5 223bhp)、4. SHOWOFF(CLIO SPORT 2.0 16V 321bhp)、5.CIRCUIT(S2000 428bhp)。
すべて深夜のイベントで、サーキットは4台のワンメイクレースになります。

MIXED CHALLENGE SERIES: 1.LAP TIME(COROLLA 1.6 224bhp)、2. SHOWOFF(GOLF MK IV 275bhp)、3.PERFECT LAP(2003 FOCUS SVT 306bhp)、4. SPEED CHALLENGE(BEETLE GLS 1.8T 275bhp)、5. CIRCUIT(IMPREZA 22B STi 223bhp)。
すべて異なるイベントで、5戦目のサーキットは、1対1の勝負になります。相手はMX-5で、自車よりも性能が高いので、先に行かせないようにします。

POINT 2 POINT SERIES: 1. POINT-TO-POINT(CIVIC DX 242bhp)、2.POINT-TO-POINT(CORRADO VR6 336bhp)、3.POINT-TO-POINT(2004 FOCUS ZTS 291bhp)、4. POINT-TO-POINT(CELICA SS-II 317bhp)、5.POINT-TO-POINT(350Z 514bhp)。
すべてポイント・トゥ・ポイントで、1分30秒ぐらいのワンメイクレースになります。

IMPORT SERIES: 1. CIRCUIT(MR2 322bhp)、2. CIRCUIT(CIVIC TYPE R 326bhp)、3. CIRCUIT(INTEGRA TYPE R ’02 351bhp)、4.PERFECT LAP(MR-S 322bhp)、5. POINT-TO-POINT(RX-8 445bhp)。
PERFECTLAPを除き、すべて日本車によるワンメイクレースになります。

MODERN V8 SERIES: 1. CIRCUIT(MONARO CV8 503bhp)、2.LAPTIME(FALCON XR8 503bhp)、3. CIRCUIT(CAMARO 554bhp)、4.CIRCUIT(FIREBIRD 560bhp)、5. CIRCUIT(MUSTANG 99 GT 651bhp)。
LAPTIMEを除き、すべてV8エンジン搭載車によるワンメイクレースになります。

ALL WHEEL DRIVE SERIES: 1. CIRCUIT(IMPREZA 22B STi 396bhp)、2.CIRCUIT(LANCER Evolution VI 432bhp)、3. CIRCUIT(IMPREZA WRX STi 481bhp)、4. CIRCUIT(LANCER Evolution VIII 553bhp)、5.CIRCUIT(SKYLINE GT-R 561bhp)。
すべて4輪駆動車によるレースになります。

AMERICAN MUSCLE SERIES: 1. SPLINT(CAMARO Z28 669bhp)、2.CIRCUIT(67 MUSTANG 669bhp)、3. CIRCUIT(CORVETTE 545bhp)、4.CIRCUIT(1969 CHARGER R/T 799bhp)、5. POINT-TO-POINT(CORVETTE Z06 655bhp)。
SPRINTを除き、すべてアメリカンマッスルカーによるレースになります。3戦目は、4台で競います。

JAPANESE SUPER CAR SERIES: 1. CIRCUIT(300Z 367bhp)、2. SPRINT(SUPRA 520bhp)、3. SHOWOFF(3000GT 497bhp)、4. CIRCUIT(NSX 288bhp)、5.CIRCUIT(NSX 518bhp)。
SPRINTとSHOWOFFを除き、すべて日本のハイパワー車によるワンメイクレースになります。4戦目は、4台で競います。

GRAND FINAL SERIES: 1. CIRCUIT(RX-7 445bhp)、2. CIRCUIT(SUPRA 613bhp)、3. CIRCUIT(ACURA NSX 611bhp)、4. CIRCUIT(VIPER GTS 469bhp)、5. CIRCUIT(VIPER GTS 993bhp)。
5戦目は、MAXまでチューニングしたVIPER GTSによるシビアなワンメイクレースになります。「GRAND FINAL SERIES」を制すると、新たに3つのシリーズが登場します。

BRONZE PROTOTYPE CHALLENGE: 1. LAP TIME(BEETLE GLS 1.8T 324bhp)、2.LAP TIME(ECLIPSE GSX 445bhp)、3. LAP TIME(INTEGRA TYPE R414bhp)、4. LAP TIME(350Z 606bhp)、5. LAP TIME(1969 CHARGER R/T 942bhp)。
「ARCADE MODE」をクリアすると現れるもので、すべてシビアなLAP TIMEになります。

SILVER PROTOTYPE CHALLENGE: 1. LAP TIME(67 MUSTANG 789bhp)、2. LAPTIME(3000GT 689bhp)、3. LAP TIME(LANCER Evolution VIII 652bhp)、4. LAP TIME(S2000 504bhp)、5. LAP TIME(RX-7 525bhp)。
「ARCADE MODE」をクリアすると現れるもので、すべてシビアなLAP TIMEになります。

GOLD PROTOTYPE CHALLENGE: 1. LAP TIME(CORVETTE Z06 907bhp)、2.LAP TIME(SKYLINE GT-R 661bhp)、3. LAP TIME(SUPRA 613bhp)、4.LAP TIME(ACURA NSX 611bhp)、5. LAP TIME(VIPER GTS 993bhp)。
「ARCADEMODE」をクリアすると現れるもので、すべてシビアなLAP TIMEになります。

EXTREME NITROUS SERIES: 1. CIRCUIT(ECLIPSE GSX 445bhp)、2.CIRCUIT(LANCER Evolution VI 510bhp)、3. CIRCUIT(IMPREZA 22B STi 467bhp)、4. CIRCUIT(IMPREZA WRX STi 567bhp)、5.CIRCUIT(SKYLINE GT-R 661bhp)。
「CAREER MODE」をクリアすると現れるもので、すべてニトロが無限のレースになります。
アクセルを全開にすると自動的にニトロが使われるという究極のハイスピードレースですが、比較的単純なトラックが選ばれています。
また、アクセルをパーシャルにした場合には、ニトロは使われないため、アクセル開度をどうするかも重要になってきます。

CUSTOM RACE
「ARCADE」でアンロックしたクルマとトラックで、自分の好きなようにレースを作れるモードです。

MULTIPLAY
分割画面による2人対戦、システムリンクによる最大6人対戦が行えるモードです。

XBOX LIVE
オンラインで最大6人による対戦が行えるモードです。「CUSTOMRACE」と「CAREER RACE」があります。
「CUSTOM RACE」は、制約が多く、「CAREER」で作ったクルマをレースに持ち込むことができません。「CAREER RACE」は、RACE、SPRINT、SHOWOFFなどを自由に選ぶことができ、「CAREER」で作ったクルマを持ち込むことができます。いずれも、ひとりでも走れますが、ポイントや勝利数には結びつきません。

OPTION
ゲームの各種設定の変更が行えます。

EXTRAS
「SHOWOFF TUTORIAL VIDEOS」、「SAVE」、「HI-SCORES」、「CREDITS」、「CHEATS」があります。

【GRAPHICS】9
「プレイステーション2」とのマルチタイトルですが、「ONLY ON XBOX」のレースゲームと比較しても見劣りしないぐらい美しいグラフィックを持っています。
クルマのディテールはもちろんのこと、カスタマイズやチューニングによるパーツや車高、カラーリングの違いなどもしっかりと表現されており、クルマをいじった結果を見るのが楽しみなレースゲームになっています。
サーキットや都市、背景なども美しく描き込まれていますし、観客もポリゴンではないものの手を挙げるなどの動きがあります。
時間は、朝、昼、夕方、夜、天候は、晴れ、雨、とありますが、それぞれの表情は美しく、特に車体への映り込みに関してはレースゲーム中でもトップクラスに数えてもいいほどです。
また、本作で忘れてはならないのが、ライバルやクルーたちの存在です。彼らは、極めてリアルなグラフィックで描かれており、常に顔のアップだけではあるものの、実に豊かな表情を見せてくれます。
ライバルやクルーの性格はさまざまで、冷静だったり、陽気だったり、感情的だったり、挑発的だったり、粘着性だったり、本当に十人十色です。
そうした性格は、レースの勝敗により、更にあからさまになっていきます。勝てばそうした性格は輪をかけたようになり、負ければ急激に落ち込んだり、捨てゼリフを吐いたり、より陰湿になったりもします。
本作は、ライバルの尊敬を獲得するのが最大の目的であり、こうした人間臭さを味わうのも大きな楽しみとなっています。

【SOUND】9
ドルビーデジタルです。レースゲームでは、実車からのエンジン音のサンプリングが当然のようになっていますが、多くの日本車が登場する本作でも、エンジン音はそれなりのものが出ているのではないかと思います。
カスタマイズやチューニングによるエンジン音の違いも、それなりに表現されています。
ライバルやクルーたちも、フルボイスになっており、ボキャブラリーも必要十分なだけのものが用意されています。
ライバルやクルーとはさまざまな局面で言葉を交わしますし、レース中であっても、彼らの感情の動きを知ることができます。
もちろん、冷静だったり、陽気だったり、感情的だったり、挑発的だったり、粘着性だったり、といった性格は見事にボイスアクティングされており、レースの勝敗による感情の変化もしっかりと表現されています。
ボイスアクティングは、よくできたRPG並と言っても過言ではないほどで、このボイスアクティングにより、ゲームがより生き生きとしたものになっているのは間違いのないところです。
音楽は、ビートの効いたものが用意されていますが、カスタムサウンドトラックにも対応しています。

【CONTROL】8
本作は、当初はリアルでありながらも「PROJECT GOTHAM RACING」シリーズのようなスタイリッシュな走りも志向していました。
発売延期を繰り返す中で、実際のレースにスタイリッシュな走りを採り入れることはやめ、そうした走りをするのはSHOWOFFだけに絞ってはいますが、クルマの挙動にはそうした志向が残されています。
それは、後輪駆動車の動きに見ることができます。基本はリアル系の動きになっているのですが、コーナーでリアが滑り出しやすいというアーケード的な動きにもなっています。ですから、コーナーをドリフトで曲がることも難しくはありません。
もっとも、単なるドリフトゲームではなく、速く走るためにはグリップ走行しなければなりません。コーナーの手前できっちりとブレーキを踏んで減速する必要もあります。
もちろん、「ToCA RACE DRIVER 2」あたりに比べると、より奥でブレーキングを始めても曲がることはできます。
そうしたことから、本作では、後輪駆動車はSHOWOFFでこそ使いやすいものの、通常のレースでは繊細なコーナリングを要求されるクルマになってしまっています。
ステアリングをいっぱいに切ると、クルマがイン側にささってしまうため、ジワッとクルマを曲げる必要があるのです。
せっかくカスタマイズやチューニングがあるのですから、後輪駆動車のテールハッピーさはこれらで出すようにすれば良かったようには思います。
そうすれば、スプリントレース専用車を作るといった楽しみもあったことでしょう。
もっとも、クルマの動き全般としては、決して悪いものではなく、十分に納得のいくレベルにあるのは確かで、次回作に期待といったところでしょうか。
ニトロの存在は、リアル系レースゲームには不要なものですが、本作の場合にはあっても悪くはないという感じです。
本作自体がギャンブル要素を多用に含んだレースゲームですが、ニトロをいつどれだけ使うかといった戦略性にもギャンブル要素があるため、これはこれでそれなりに楽しめるからです。

【GAMEPLAY】10
本作は、ゲーム自体が醸し出す独特の雰囲気と、レースゲーム史上でも例のないほどの画期的なシステムにより、新たな境地を開いた画期的なレースゲームだと言うことができるでしょう。
レースゲームは長時間楽しめるものが徐々に増えてきてはいますが、「ToCA RACE DRIVER 2」のように渦中に飛び込んで最後までドキドキハラハラする展開を楽しめるものがあるかと思えば、「グランツーリスモ4」や「FORZA MOTORSPORT」のように後になればなるほど作業的になってくるものもあります。
本作の場合は明らかに前者で、中だるみしたり、終盤が作業的になってきたりするということがありません。
これは、本作がオートセーブ制なのも関係しています。レースやピンクスリップで負けても簡単にやり直すことができないため、緊迫感を持続してプレイせざるを得ません。
電源を落としてやり直した場合、レースは参加料の2倍(?)を減らされた状態でやり直し、ピンクスリップはイベントを終了してクルマも失った状態で翌日から、になります。
つまり、ピンクスリップをいったん選んだら、後には引き返せないというわけで、プレイヤーは大きなプレッシャーを強いられます。
「CAREER」は、カレンダーに則ってイベントを進めていくものの、どのイベントに参加するかは自分次第で、どのクルマを買って、どのようにカスタマイズやチューニングするかも自分次第。
しかも、突発的にライバルから電話がかかってきてピンクスリップやクルーチャレンジの挑戦があったり、自分のチームメイトになりたいというクルーからの売り込みの電話がかかってきたりします。
これらを受けるか受けないかも自分次第で、それによってライバルたちの尊敬が大きく変わっていきます。
しかし、「CAREER」をクリアするためには、8人のライバルすべての尊敬を1000以上に上げ、すべてのクルーチャレンジをコンプリートしなければなりません。
そのため、挑戦を避けているだけでは「CAREER」のクリアはかなわないため、いかにうまく切り抜けるか作戦をあれこれと練る必要があるというわけです。
自分のチームのクルーも育成しなければなりませんし、チーム戦であればクルーのペースに常に気を配る必要もあります。
こうしたさまざまな要素をあれこれと考えながらのプレイに終始するため、決して飽きることがないというわけです。
しかも、自分を取り巻くライバルやクルーはとても個性的で、彼らとの会話を楽しむこともできます。
これほど感情的になれるレースゲームは、おそらく本作が初めてと言ってもいいのではないでしょうか。
度重なる発売延期にやきもきさせられたものですが、待たされただけの甲斐はあったというものです。

【LONGEVITY】9
「CAREER」は、1ヵ月進めるのに、最低でも1時間30分はかかるはずです。
1年プレイすれば18時間はかかるというわけで、通常はクリアするまでに2年前後はかかるはずなので、最低でも30時間はプレイすることになるはずです。
もっとも、その30時間も、作業させられる30時間ではなく、展開を楽しめる30時間になるので、決して苦痛ではありません。
また、「ARCADE」は、隠しの4シリーズを除けば、1シリーズあたり1時間から2時間でクリアできるはずで、20時間もあればクリアできるでしょう。
ただ、隠しの4シリーズは難易度が高いため、多くの時間を必要とする可能性があります。
「XBOXLIVE」は、旬はそれほど長くはありませんが、セッションさえ見つかれば(作れば)、それなりには楽しめるはずです。そんなわけで、オフラインをプレイするだけでも、息の長いレースゲームになります。

【OVERALL】10
本作は、アメリカでもあまり高い評価を受けてはいませんが、プレイ時間が短いか、見るべきところをしっかりと見ていないか、そのいずれかだと思います。
ここまで述べてきたように、本作は、レースゲーム史上でも例のないほどの画期的なシステムにより、新たな境地を開いた画期的なレースゲームだと言うことができ、最後まで飽きることなく楽しむことができます。
後輪駆動車の挙動などに不満は残るものの、それを補ってあまりある素晴らしさが盛り込まれたレースゲームです。
ですから、レースゲーム好きなら、リアル派、アーケード派を問わず奨めたいレースゲームです。ギャンブル好きなら、なお良しといったところでしょうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました