「THE ITALIAN JOB」レビュー

【GENRE】
レース/アクション

【PUB./DEV.】
EIDOS INTERACTIVE/CLIMAX

【RELEASE DATE】
2003/6/25(アメリカ)

【OUTLINE】
2003年に公開された映画「ミニミニ大作戦」(原題: 「THE ITALIAN JOB」)をモチーフとしたカーアクションゲームです。
チャーリー・クローカーをリーダーとする高度な特殊技能を持つ泥棒団は、ヴェニスの川沿いのマフィアのところから金塊を盗み出すのに成功します。
しかし、アルプスの山中で祝杯を挙げている時に、スティーブ・バンデルによってジョン・ブリッジャーは射殺され、チャーリーと残された仲間たちはアルプスの湖に身を投じます。
ゲームは、その1年後、ロスアンゼルスから始まります。チャーリーとその仲間は生き延び、スティーブへの復讐と金塊の奪還を誓います。
スティーブは、スティーブ・フレゼリと名前を変えて、ロスアンゼルスの豪邸に住んでいました。
プレイヤーは、チャーリーとなって、ミニを操り、目標を達成しなければなりません。

【GAME MODE】
story mode(get in. the out. get even.)
チャーリーたちになって、決められたクルマに乗り、時間内にミッションをこなしていきます。ミッションは全部で15あり、指定場所に行ったり誰かを追跡したりします。
各ミッションは、更に複数のパートに分けられていますが、基本的にはミッション間ではセーブされないため、ゲームオーバーになったらミッションの最初からやり直す必要があります。
もっとも、難易度はあまり高くはなく、1パートも数分程度のため、それほど苦にはならないでしょう。各ミッションにはグレードがあり、クリア状況に応じて、A、B、Cにグレード分けされます。
プラスになるポイントは、「MISSION COMPLETION BONUS」、「TIME REMAINING BONUS」、「DISTANCE TREVELED BONUS」、「STUNT BONUS」、「AIRTIME BONUS」、「SMASH-UP BONUS」で、「SMASH-UP BONUS」は、路上の箱、テーブル、イスなどを壊すと得られるものです。
マイナスになるポイントは、「RESPOT PENALTY」、「TRAFFIC COLLISION PENALTY」、「DAMAGE SUSTAINED PENALTY」で、直前からやり直せるRESPOTは便利なのですが、マイナスポイントが大きいため、使わない方がいいでしょう。
15のミッションは、以下の通りです。

1: midtown meet
stella gets an unexpected visitor.

2: rental rampage
chrlie rents a car… the hard way.

3: MINI me
handsome rob takes stella for a ride.

4: haul out
rob bumps into an old friend.

5: MINI mayhem
the team steal three MINI.

6: cable calling
rob steals cable van.

7: rooftop raid
Iyle bugs the l.a. traffic center.

8: volatile venture
left-ear collects a deadly cargo.

9: restaurant rendezvous
stella’s date with the enemy.

10: total training
the team case the metro layout.

11: bullion busting
rob executes the plan.

12: metro madness
the team locate the gold in the metro.

13: dam busters
the team escape from steve.

14: off the rails
rob and stella escape to the starion.

15: payback
friends reunited and scores settled.

circuit racing(circuit based racing)
同一車種4台で3周のレースを行います。途中、何ヵ所かにチェックポイントがありますが、そこさえ通れば、それ以外はどこを走ってもOKです。意外なショートカットを見つけることが、勝利につながるというわけです。
サーキットは、hollywood one、l.a. one、hollywood two、l.a. two、metro、dam、hollywood three、l.a. three、hollywood four、l.a. fourがあり、1位になることで次のサーキットをアンロックできます。
車種は、アンロック状況に応じて、MINI cooper、MINI cooper S、original MINI cooper、truck、saloon car、surveillance van、rental car、muscle car、armoured car、police car、henchmen suv、supercar、cable tv vanが使えます。
2分割画面によるAI2台を含む、2人対戦も行えます。

stunt driving(auto obstacle courses)
工場内と線路を使って障害物コースを時間内にゴールまで走るというものです。コース内の矢印に従って進み、急カーブやジャンプ台、パイプや足場などの上を落下しないように走り抜けていきます。
コースは、one、two、three、fourとあり、grade Aを獲らないと次のコースがアンロックできません。ポイントは、「story mode」と同様です。
また、fourは、one、two、threeの集大成で、これらを順番に進んでいきます。ボリュームは5時間弱と少なめですが、それなりに楽しむことができます。

time trial(practice the circuits)
「circuit racing」と同一のコースで、タイムトライアルを行うことができます。ここでも、一般車両は走行しています。

free roam(driving at your own pace)
hollywoodとl.a.を、時間を気にすることなく自由に走り回ることができます。

bonus content(extra contend and features)
「story mode」をクリアすることで見られるようになるおまけです。
「film stills」(a selection of stills from the film)、「concept art」(art from the team)、「gallery」(a selection of images)、「development」(behind the scenes)、「credits movie」(view the credits movie)があります。

options(configure game options)
ゲームの各種設定を変更できます。コントロールが、デフォルトではAボタンがアクセル、Xボタンがブレーキになっています。これを、それぞれRトリガー、Lトリガーにも変更できるため、トリガー派の人は変えておくといいでしょう。

【GRAPHICS】8
本作は、「プレイステーション2」、「ゲームキューブ」でも発売されるマルチタイトルとあってか、グラフィック面では突出したものはありません。
それでも、ロスアンゼルスやハリウッドの街並みをデフォルメして落とし込んでおり、その中をシームレスに移動することができます。
道路や建物などの作り込みもまずまずで、同種の箱庭ゲームの中で特に劣っているという感じもしません。
クルマは、パッと見はおもちゃっぽく感じられましたが、プレイしてすぐに違和感がなくなりましたし、「grand theft auto vice city」あたりに比べると、あきらかにしっかりと描かれています。もちろん、クルマへの映り込みもあります。
ただ、クルマのダメージは、クルマの外観上の変化には現れず、エンジンルームからの煙が白から灰色へと変わることだけで表現されます。これをどう捕らえるかは、ゲームの性格やプレイヤーの好みにもよるでしょう。
また、ビルやダムなどからジャンプを決めた際に、着地までの間はクルマが別アングルから映し出されるのですが、これは映画を原作とするゲームらしいアイデアで何度やっても楽しめました。
それから、ゲームの進行を説明するムービーがミッションの最初やパート間に挿入されるのですが、これはいかにも説明といった感じで、もうちょっと凝ったつくりになっていても良かったように思います。

【SOUND】7
ドルビーデジタルです。カーアクションゲームらしく、やや誇張したサウンドになっています。エンジン音は、あまり凝った感じはしないのですが、他車や建造物との衝突音、タイヤのスキール音などは、派手に鳴り響きます。
環境音としては、町の喧騒といったものはなく、クルマのクラクションと衝突音程度しかないため、少し寂しい感じはあります。
ちょっと気になったのはゲームの進行を説明するムービーで、音声のボリュームが不足していたことです。
オプションで調節できるのですが、それでも聞き取りづらい音量だったのです。もうちょっと配慮してもらいたかった点です。映画を原作とするゲームなら、なおさらのことでしょう。

【CONTROL】8
完全にアーケードライクな操作性です。ブレーキはものすごく効きますし、ドリフトも簡単に行えますし、フルスロットルのまま曲がれるコーナーも少なくはありません。
「circuit racing」では、1周のほとんどをフルスロットルのままで走れるサーキットも珍しくはないほどです。
操作は、デフォルトでは、以下のようになっています。
左スティックか方向パッドでステアリング、右スティックでアクセル/ブレーキ/リバース、Aボタンでアクセル、Xボタンでブレーキ/リバース、Bボタンでハンドブレーキ、Yボタンでカメラ切り替え、Lトリガーでリアビュー、Rトリガーで2ホイール・ティルト、黒ボタンでリスポット。
前述しているように、私は、レースゲームはL、Rトリガーでアクセル、ブレーキという感覚があるため、オプションで変更しています。
2ホイール・ティルトというのは、2輪走行のことで、コーナーでこれを繰り出して、直線でもステアリングをいじらないでおけば、この状態で走行することができます。これを行うことにより、「STUNT BONUS」が増えるというわけです。
コントロールで重要なのが、アクセルとハンドブレーキとステアリングの同時押しです。これができると、「stunt driving」で重宝します。狭いところやパイプ上などでの直角ターンが簡単に行えるようになるからです。
もっとも、マスターするというほど難しいというわけではなく、コツさえつかめば簡単にできるようになります。
目的地もレーダーに分かりやすく表示され、メニュー周りもきれいに整理されており、操作性は全般に良好と言えるでしょう。

【GAMEPLAY】7
映画を原作とするカーアクションゲームということで、あまり冒険はできなかったのでしょう。無難にまとめた中で、それなりに頑張っているような気はします。
「story mode」は映画の本筋に沿って作られているのか、この手のカーアクションゲームとしては少し単調で簡単なように思います。
もちろん、難しければいいというわけではないのですが、あっさりと終わるミッションが少なくないように感じました。
せっかく広大でショートカットやいろいろなギミックもある箱庭を作り上げているのですから、映画とは完全に離れたモードを作っても良かったのではないでしょうか。そうすれば、もっと長く遊べて面白いゲームが作れたことでしょう。
「stunt driving」にしても、実質3コースだけというのは少なすぎます。アイデアとしては良くできているのですから、広大な箱庭の中に数々のコースを作るべきでした。
やはり、映画の公開に合わせて発売を急いだという弊害があるのかもしれません。

【LONGEVITY】7
メインとなる「story mode」は、それほど難しくはありません。
最後のミッションとなる「payback」は、6分30秒近くに渡ってスティーブのクルマの近くをスティーブが走る通りに走らなければならないためにてこずらされますが、それでも1時間もやればクリアできることでしょう。
ちなみに、このミッションは、レーダー上でスティーブのクルマが最外円内にいればいいようなので、スティーブの走行ルートさえ覚えてしまえば、先を走ったり、面倒なところを避けて走ったりしてもOKです。
で、「story mode」ですが、10時間ぐらいあればクリアできると思います。
「circuit racing」と「stunt driving」は、それぞれ5時間弱ぐらいでしょうか。
すべてをアンロックするためには、すべてのモードでgradeAを獲る必要があるため、それにこだわるなら、更に10時間ほどは必要になるかもしれません。
ここでは、主要モードをとりあえずクリアするならと考えて、20時間ということにしておきましょう。

【OVERALL】7
本作は、アメリカの各レビューサイトの平均点が5.4になっていますが、それよりは楽しめると思います。
全般に突出したところがなく、プレイ時間が短い点で評価を下げているようですが、主要3モードをクリアしようとすれば20時間ぐらいは楽しむことができるため、それほど短いというわけでもないでしょう。
実際のところ、「circuit racing」と「stunt driving」は、「story mode」に遜色ないほど楽しめるため、プレイする価値があります。
本作を$49.99で買えと言われると少しつらいかもしれませんが、今は実売価格も$19.99に下がっていますし、廉価版ソフト的に考えるなら、悪くはないゲームだと思います。

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