【GENRE】
レース/シミュレーション
【PUB./DEV.】
CODEMASTERS/CODEMASTERS
【RELEASE DATE】
2004/4/13(アメリカ)
【OUTLINE】
2002年から2003年にかけて発売された「ToCA RACE DRIVER」(「PRO RACE DRIVER」)をより進化洗練させたリアル系のレースゲームです。
前作にもあったドラマチックなストーリー展開は健在で、本作では更に車種やレースタイプを増やしています。
レースタイプは、ストリートレーシング、ストックカー、ラリー、スーパートラックス、アイスレーシング、オープンホイールなど15タイプ。
レーストラックは、ラグナセカ、テキサスモータースピードウェイ、サーファーズパラダイス、パイクスピークなど50レーストラックがあり、33ものスリリングなチャンピオンシップが用意されています。
また、最高21台でレースすることができ、Xbox LIVEでも12台対戦を実現させています。シミュレーター的な挙動ながら操作性は良く、クルマのダメージもリアルに再現されています。
【GAME MODE】
Career
プロのレースドライバーとして、さまざまなシリーズに挑戦しながら、ライバルたちとのサバイバル戦を生き残ってプロレースドライバーの頂点をめざすモードです。
ライバルは約10人おり、全8シーズンを戦い抜いていく間に、1人また1人と脱落していきます。
通常、1シーズンにつき4つのシリーズを順に戦っていきます。複数のシリーズから任意のシリーズを選ぶこともできれば、指定されたシリーズを戦わなければならないこともあります。
シリーズの目的は、3位以内、ライバルに勝つ、ライバルから2位差以内でゴールする、シリーズチャンピオンになる、など、さまざまです。
シリーズは1戦だけの場合もあれば、数戦戦わなければならないこともありますが、1戦ごとにオートセーブされますし、レース単位でリトライすることもできます。
ですから、目標を達成できそうになければ、途中でレースをやめてリトライすればいいわけです。難易度を選ぶことはできないため、レースによっては何度もやり直す必要があります。
また、自分が乗るクルマを決めることも、セッティングを施すこともできません。与えられた条件の中でベストを尽くさなければならないというわけです。
レース中はピットから無線で逐次状況が入ってきますし、シリーズ間にはムービーが見られることもあります。
Simulator Modes
「Free Race」、「Time Trial」、「Multi-Player」、「System Link」、「Xbox Live」、「Time Trial Records」があります。
「Free Race」には全部で33のシリーズがあり、自分で難易度(Normal、Hard、Custom)、レース内容、車種を選ぶことができ、クルマのセッティングも施せます。
「Time Trial」は、33シリーズのタイムトライアルが行えます。そのタイムは、「Time Trial Records」で見ることができます。
「Multi-Player」は、画面分割による2人対戦が行えます。
「System Link」は、2人から12人までの対戦が行えます。
「Xbox Live」は、1人から12人までの対戦が行えます。AIをレースに参加させることもできます。
「XboxLive」には、Quick Match、Opti Match、Create Session、Friends、Recent Players、Statistics、Options、Sign Outの各項目があります。
セッションを作る際には、Session Name、Session Type(Public、Private)、Series(全33シリーズのいずれか)、Max Player(1-12人)、AI Opposition(1-11)、A.I. Driver Difficulty(50%-110%)、Rated Games(Yes、No)、Grid Order(Random、Last Results、Reverse Last Results、Lowest Rating First)、Allow Vehecle Setups(Yes、No)、Damage(On、Off)、Collision Mode(Full、Forward Only、None)、End of race time out(30Seconds、1 Minute、2 Minutes、5 Minutes)が決められます。
「Statistics」では、All、Friends、MineのDriver Ratings、Best Ever Driver Ratings、Lap Timesを見ることができます。
いずれも「Xbox Live」のレースにおけるもののみが有効で、Driver Ratingsは参加者間の順位によって基本となる1500が増減されていきます。
Driver Ratingsの低い人が高い人に先着すればポイントは大きく入り、Driver Ratingsの差が大きいほど、増減幅は大きくなるという仕組みです。そして、Lap Timesは、ChampionshipのTrack別に見ることができます。
33のシリーズは以下の通りです。1シリーズで2回走るトラックは、たいてい2回目がレインとなります。
31番目のシリーズは10番目のシリーズまで、32番目のシリーズは20番目のシリーズまで、33番目のシリーズは31番目と32番目のシリーズを、それぞれコンプリートしないとアンロックできません。
Sunshine Series
Laguna Seca, Kyalami, Surfers Paradise, Kyalami.
Ford GT.
Convertible Tour
Surfers Paradise, Kyalami, Vallelunga, Bathurst, Mantorp Short, Shortwood Park.
Aston Martin D87 Vantage Volante, Jaguar XKR Convertible, AC 280 CRS.
’68 Mustang Challenge
Road America, Laguna Seca.
1968 Ford Mustang.
Formula Ford
Oulton Park Short, Vallelunga, Oulton Park Long, Mantorp Short.
Formula Ford.
Pacific American
Bathurst, Road America, Laguna Seca, Surfers Paradise, Shortwood Park, Laguna Seca.
Mitsubishi 3000GT, Nissan Skyline GT-R(R34).
Supercopa
Donington Short, Oulton Park Long, Brands Hatch Indy.
SEAT Leon Supercopa.
Lightning 500
Texas Speedway, Pikes Peak.
Ford STV F-150 Lightning.
Super Truck Racing
Kyalami, Nurburgring Short, Laguna Seca, Donington Short, Road America.
Ford 9000.
Vintage Classic
Brands Hatch Indy, Nurburgring Short, A1-Ring Short.
Jaguar E-Type Series II(1968), Aston Martin D85, 1968 Ford Mustang.
Euro Rally
Spain 1, Spain 2, Spain 3, Spain 4.
Mitsubishi Lancer Evolution VII, Subaru Impreza WRX.
Duez Trophy
St Anton’s Short, St Anton’s Long.
Subaru Impreza WRX.
Bowler Rallycross
Loch Rannoch A, Loch Rannoch B, Brands Hatch A.
Land Rover Bowler Wildcat.
Truman Stockcar
Texas Speedway, Pikes Peak, Laguna Seca.
Championship Stockcar.
Global GT Lights
Vallelunga, Donington Long, Brands Hatch Indy.
Global GT Lights Race Car.
Coast to Coast
Road America, Laguna Seca.
Ford GT90.
Mustang Challenge 2000
Road America, Laguna Seca, Southfield Park, Southfield Heights.
Ford 2000 Mustang Cobra R.
DTM
Hockenheimring, Adria Raceway, Nurburgring, Eurospeedway, Norisring, Donington Long, Nurburgring, A1-Ring GP, Zandvoort, Hockenheimring.
ABT-Audi TT-R, AMG-Mercedes CLK, Opel Astra V8 Coupe.
Uk Rallycross
Brands Hatch A, Brands Hatch B.
Mitsubishi Lancer Evolution VII, Subaru Impreza WRX.
Street Series
Surfers Paradise, Michigan Loop, Southfield Park, Surfers Paradise, Southfield Heights, ShortwoodPark.
Mitsubishi Lancer Evolution VII, Subaru Impreza WRX.
Koenig Speedfest
Mantorp Long, A1-Ring GP.
Koenig Competition 2002.
Excalibur Cup
Nurburgring Long.
Aston Martin DB8 Coupe.
XKR Series
Road America, Laguna Seca, Shortwood Park, Laguna Seca.
Jaguar XKR Race Car.
V8 Supercars
Adelaide, Phillip Island, Eastern Creek, Barbagallo, Hidden Valley, Oran Park, Sandown, Bathurst, Surfers Paradise, Pukekohe.
Holden Commodore VV V8 Supercar, Ford Falcon BA V8 Supercar, Holden Commodore VX V8 Supercar, Ford Falcon AV V8 Supercar.
American 1000
Texas Speedway, Pikes Peak, Road America, Surfers Paradise.
Single Seater 1000 Race Car.
World GT
A1-Ring GP, Donington Long, Mantorp Long, Laguna Seca, Kyalami.
Jaguar XJ220, Koenig C62.
Hotrod Streetrace
Michigan Loop.
1934 Ford Hot Rod Coupe.
Pacific Street
Shortwood Park, Michigan Loop, Shortwood Park.
Ford 2000 Mustang Cobra R, Mitsubishi 3000 GT.
Supercar Cup
Kyalami, Michigan Loop, Surfers Paradise, Road America, A1-Ring GP, Vallelunga.
Koenig Competition 2002、Ford GT.
Duez Cup
St Anton’s Lake.
Aston Martin V12 Vanquish, Jaguar XKR Convertible.
Master Grand Prix
A1-Ring GP, Nurburgring, Surfers Paradise, Kyalami, Donington Long, Brands Hatch GP.
Master Grand Prix Car.
Caliburn Classic
Loch Rannoch 1, Oulton Park Long, Loch Rannoch 2.
Aston Martin DB8 Coupe.
Mamba Single Day
Oulton Park Long, Oulton Park Short.
AC Mamba.
Speed Circus
Laguna Seca.
Nissan Skyline GT-R(R34).
Option
ゲームの各種設定の変更、プロフィールの作成、ボーナスのアンロック状況の確認などが行えます。
Movies
「Career」でクリアしたところまでのムービーと、Rockinghamのトレイラーが見られます。
Select Profile
プロフィールが選べます。
【GRAPHICS】10
本作は、パーマネントサーキットを中心に、市街地レース、公道レース、ラリー、ラリークロス、アイスレースなどがあります。
人工的に作られたサーキットや市街地だけでなく、自然に恵まれた公道やラリー、ラリークロス、アイスレースなども美しく描き出されており、光と陰の表現やクルマへの背景の映り込みなどにもぬかりはなく、既存の「Xbox」のレースゲームに見劣りしないだけのグラフィックレベルを持っています。
レースタイプは15もありますが、異なるジャンルのレースタイプでも手を抜くことなく、それぞれの特徴をよく現したグラフィックとなっています。
本作は、最大21台でレースを行いますが、秒間60フレームを実現させており、多くのクルマが画面内に表示されても、処理落ちすることはまずありませんし、例え処理落ちしても一瞬だけに止まります。
また、クルマのダメージもリアルに表現されており、衝突の激しさに応じて、ボディがへこむ、ドアが開く、ウイングやバンパーやミラーなどのパーツが取れる、ライトやウインドが割れる、タイヤが外れる(オープンホイールは外側のタイヤだけが外れることもある)など、不自然さがない描写になっています。
ちなみに、ギア、サスペンション、ステアリング、ホイール、エンジンにはダメージ値があり、スピードメーター内に黄、橙、赤の3段階で表示されます。ダメージ状況に応じて、それぞれの性能が低下します。
また、シリーズ間に流れるムービーにしても、プレイヤーキャラクターとマネージャーやテレビキャスター、ライバルドライバーとのやり取りが軽妙に描かれているばかりでなく、背景に映し出される人やクルマの動きも実に自然でリアルであり、質の高いムービーを見ることができます。
リプレイは、さまざまなアングルから見ることができますが、適度にクルマに寄ったカメラアングル、スローモーションやコマ送り、などがあればより良かったでしょう。
全般に、レースゲームは手慣れたCODEMASTERSだからこその安定感を感じられるグラフィックです。
【SOUND】9
ドルビーデジタルです。本作には15ものレースタイプがありますが、それぞれのタイプごとのエンジン音の違いはしっかりと表現されています。
軽い感じの市販車のエンジン音、クラシックカーのクラシカルなエンジン音、チューニングカーの野太いエンジン音、GTカーのより野太いエンジン音、フォーミュラ・フォードやGTライツの軽めのチューニングエンジン音、F1やIRLの甲高い澄んだエンジン音など、その違いを堪能することができるのです。
ただ、これだけレースタイプがあると、F1やIRL、NASCARのようにライセンスを取得していないものもあり、その辺りが少し残念なところです。
レース中のピットからの指示は、状況に応じて、「あと1台抜けば表彰台だ」とか「もうすぐ1位になれるぞ」などといった適切なものが流れてきます。ただ、バリエーションはそんなにはない方でしょう。
シリーズ間に流れるムービーは寸劇みたいでけっこう楽しめます。もちろん、ボイスアクティングに問題はありません。総じて、良くできたサウンドだと言えるでしょう。
【CONTROL】10
本作は、サブタイトルで”ULTIMATERACING SIMULATOR”と謳っているように、シミュレーター寄りの操作性を持っています。
コーナーギリギリでブレーキを踏んだり、高速でドリフトしながらコーナーを抜けていくなどということはできません。
しかし、決して操作が難しいというわけではなく、早めにプレーキングして、適切なステアリングワークとアクセルワークをしさえすれば、きれいにコーナーを抜けていくことができます。
ですから、基本的にはグリップ走行になりますが、繊細なドライビングテクニックは必要ありませんし、タイトコーナーではサイドブレーキを併用した方が速い場合もあります。
つまりは、リアルさとゲーム性を高い次元で融合させ、ややシミュレーター寄りに振ったゲームだと言うことができるでしょう。これは、私が理想とするレースゲームの操作性に近く、私としてはかなり高く評価しています。
15あるレースタイプの操作性は、それぞれ微妙な違いがあります。
市販車は、タイヤのグリップレベルやブレーキの制動力が低く、早めにブレーキングして慎重にコーナリングする必要があります。
チューニングカーは、タイヤやブレーキの性能が市販車よりも向上して、少し安心してコントロールできます。
クラシックカーは、いかにも古典的でテールハッピーな動きをするため、早め早めの操作が必要になります。
モンスタートラックスは、重量感があってブレーキもタイヤもそれに負けており、繊細なコントロールが要求されます。
フォーミュラ・フォードやGTライツは、タイヤもブレーキもソコソコの性能で、入門マシン的な振り回す楽しさがあります。
DTMやV8 Supercarsは、適度なタイヤのグリップとブレーキの制動力があり、ラインのトレースに専念できます。
F1やIRLは、タイヤのグリップもブレーキの制動力も高く、持て余すパワーをねじ伏せる楽しさがあります。
ラリーカーは、マシンのドリフトコントロールの妙を味わえます。
本作は、このように多様なタイプの操作性の違いを見事に表現しており、その違いを堪能することができるのです。
【GAMEPLAY】10
本作は、パーマネントサーキットを中心に、市街地レース、公道レース、ラリー、ラリークロス、アイスレースなどがあります。
そして、レースタイプは、ストリートレーシング、ストックカー、ラリー、スーパートラックス、アイスレーシング、オープンホイールなど15タイプも用意されています。
更に、レーストラックは、ラグナセカ、テキサスモータースピードウェイ、サーファーズパラダイス、パイクスピークなど50レーストラックも走ることができます。
しかも、そのいずれもが美しいグラフィックとサウンドで彩られ、微妙な操作性の違いも見事に表現されています。
本作には、「PROJECT GOTHAM RACING 2」、「RALLISPORT CAHLLENGE 2」、「SUPERTRUCKS」、「F1」、「INDYCAR SIRIES」、「BTCC」、「DTM」などの要素が詰め込まれているというわけです。
そして、単にこれらの要素を詰め込んだだけでなく、楽しみながらプレイできるような仕掛けも施されています。
「Career」モードは、ストーリー仕立てでライバルとのサバイバル戦が展開され、単に勝ち上がっていくのではなく、ライバルに勝ちさえすれば例え10位でもOKだったりすることもあれば、3位以内に入りさえすればいいこともあります。
そして、シリーズ間に流れるプレイヤーキャラクターとマネージャーやテレビキャスター、ライバルドライバーとの軽妙なやり取りのムービーが、ゲームのストーリー性を更に盛り上げてくれます。
「Xbox Live」も、最大12人対戦に対応しており、LIVEのシステム周りもとても良くできています。常識的な点をほとんど満たしているばかりか、レース中にロビーに人が入ってくればレースをしている人とその人の間で会話することすら可能なのです。
かつて、これほどまでに充実したレースゲームが存在したでしょうか。しかも、これが$29.99というバーゲンプライスで売られるというのですから驚きです。
さて、少し誉めすぎたようですから、要改善点もひとつだけ挙げておきましょう。それは、ドラフト(スリップストリーム)の効果がほとんど感じられないことです。
時速150マイルを超えた辺りから少し効いているのかなと思える程度なのです。これは、シミュレーターとしては現実的なことなのでしょう。実際のサーキットでも、オーバーテイクできるポイントなんて限られていますから。
しかし、ゲームではたいていは3周で勝負しなければならないわけで、コーナーでの突っ込み勝負とならざるを得ません。
やはり、ドラフトをもう少し効くようにして、ある程度の長さのあるストレートなら、コーナー手前でオーバーテイクし終えられるようにしてほしかったところです。これは、次回作への課題といったところでしょうか。
【LONGEVITY】9
「Career」モードは、全8シーズンあり、通常はそれぞれのシーズンに4つのシリーズが用意されています。
1戦ごとにオートセーブされ、レースごとにリトライできるという親切設計になってはいますが、難易度設定がないため、シリーズによってはけっこうてこずらされます。
レースゲームがそれなりに得意な人でも、「Career」モードをクリアするためには30時間ぐらいは必要なのではないかと思います。
また、「Simulator Modes」の「Free Race」を最後までプレイしないと、すべてのシリーズ、すべての車種をアンロックすることができません。そのため、ここまで狙うのであれば、より多くの時間を必要とします。
ただし、「Free Race」の難易度は、Normalならそれほど高くはありません。「Career」モードよりも1段階下ぐらいの難易度なのです。
しかも、グリッドポジションをFrontにすれば、常にフロントロウからのスタートになります。
そのため、難易度をNormal、周回数を1周、グリッドをFront、にすれば、思ったほどは時間がかかりません。
すべてのアンロックを最優先に考えるなら、この設定で「FreeRace」をプレイするといいでしょう。
なお、「Xbox Live」はかなり楽しめると思いますので、これもプレイするなら相当の時間、遊び尽くすことができます。
【OVERALL】10
前述しているように、本作はレースゲームの最高峰と言えるデキです。
私のように、サーキットで、グリップ走行のレーシングカーで、余計なギミックがなく、たくさんのクルマとレースしたい、と考えている人なら間違いなく買うべきタイトルです。
もちろん、これだけのデキなのですから、すべてのレースゲーム好きが買うべきなのは言うまでもないことでしょう。
レースゲームは苦手という人にとっては少し難しく感じるかもしれませんが、「Xbox Live」のデキはいいですし、$29.99というバーゲンプライスもつけられていますから、買って損したと思うこともないでしょう。
レースゲームづくりに定評のあるCODEMASTERSですが、いやはやすごいレースゲームをリリースしたものです。しばらくは、これを超えるレースゲームは現れないのではないでしょうか。
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