「2023 FIA 世界耐久選手権 第6戦 富士6時間耐久レース」(2023.9.8)

「2023 FIA 世界耐久選手権 第6戦 富士6時間耐久レース」の練習走行(フリープラクティス=FP)を見るために、2023年9月8日に富士スピードウェイに行ってきました。
FIA WECは、2012年にFIA(世界自動車連盟)が「ル・マン24時間レース」を主催するACO(フランス西部自動車クラブ)と協力して立ち上げた世界選手権です。
2023年は、総合優勝を争うHYPERCAR、プロトタイプカーのLMP2、GTカーのLMGTE AM、の3カテゴリーで争われます。
HYPERCARは、トヨタ、プジョー、フェラーリ、ポルシェ、キャデラック、ヴァンウォール、グリッケンハウス(富士は不参加)の7チーム。
LMP2は、オレカ07ギブソンの実質的ワンメイクで、「ル・マン24時間レース」を除きラストイヤー。
LMGTE AMは、フェラーリ、アストンマーティン、ポルシェ、コルベットが参戦し、やはり、2023年がラストイヤー。
FPは、1回目が11時00分~12時30分、2回目が15時30分~17時00分と、1回目のスタート時間と2回目の終了時間が決勝のスタート時間とゴール時間と同じになっています。
これは何年も続いており、気象条件などのシミュレーションがしやすいように合わせているのではないかと思います。

2023年は、台風9号の影響で金曜日は荒天が予想されており、最悪、FPの中止も考えなければならない状況でした。
実際、朝8時過ぎに自宅を出た際には強雨が降っていたのですが、それも徐々に小雨へと変わっていきました。
11時00分のFP1開始時には雨も霧雨になっており、路面も水が浮くような状態ではなく、各車が順調に走行を重ねていきます。
また、昼休憩当初は雨に降られたものの、すぐに天気が回復して青空が顔を覗かせるようになります。
15時30分のFP2開始時には路面もほぼドライコンディションになり、途中からは日差しも差し込むようになります。
私は、SUPER GTやスーパーフォーミュラ同様に、午前は、GR Supraコーナー、第13コーナー、ダンロップコーナーを中心に写真や動画を撮ったりしながら移動。霧雨の状況も配慮し、真っ先にADVANコーナーに立ち寄っています。
午後は、TGRコーナーでずっと過ごしていますが、ここで各車のブレーキングやTGRコーナーのコーナリングもチェックしています。
SUPER GTやスープーフォーミュラだと午前、午後のセッションは2時間ずつあるため、コカコーラコーナーなども見るのですが、午前、午後1時間半ずつだと時間的に余裕がなく、そこまでは回れません。
WECも、SUPER GTやスーパーフォーミュラのように午前、午後のセッションとも2時間ずつだとゆっくりと回れるので検討してほしいところです。

HYPERCARは、トヨタGR010ハイブリッドが2台、プジョー9X8が2台、フェラーリ499Pが2台、ヴァンウォール ヴァンダーヴェル680が1台、LMDhのポルシェ963が4台、キャデラックV-LMDhが1台、合計6メーカー12台がエントリー。
例によってグリッケンハウスが富士戦を欠場するのが残念ですし、キャデラックが1台なのも寂しいところです。
それでも、WECの最高峰クラスが12台も揃うのは久しぶりだけに、ワクワクしながら観戦することができました。
また、それぞれが個性的なボディワークとボディカラーを施しながらも、いずれもカッコいいのが素晴らしいです。
HYPERCAR規定にのっとっていても、スポーツプロトタイプカーのように見える(見せる)ボディワークになっているからでしょう。
FP1は、フェラーリ499Pの50号車が1分35秒649と、2位のフェラーリ499Pの51号車の1分38秒258を2.5秒以上引き離したものの、結果的にはフェラーリが1-2を占めています。
トヨタGR010ハイブリッドは6、7位と今ひとつですが、2位からは約1秒差に収まっており、それほど心配することもなさそうです。
ウェットコンディションで全般にタイムは遅かったものの、各車が精力的にラップ数をこなし、見ごたえのあるFP1となりました。

FP2は、ほぼドライコンディションとあって走行開始時からタイムは1分30秒台に飛び込みます。
やはりというか、トヨタGR010ハイブリッドが1-2を占めて本領を発揮します。しかも、8号車は1台だけ1分29秒台に入れています。
以下、38号車のポルシェ963、51号車のフェラーリ499、5号車のポルシェ963と続くのですが、この序盤で形成されたトップ5は最後まで変わらず、各車FP2後半はロングランテストに充てていたようです。
そのロングランテストでは、ポルシェ963-ポルシェ963-フェラーリ499-ポルシェ963という並びがあったり、フェラーリ499-プジョー9X8という並びがあったり、ロングランテストならではの面白さがありました。
プジョー9X8は、2022年のような1コーナー手前での車体のバタつきが見られず、1年の時を経て順調にセットアップされているようで、それがタイムにも表れており、決勝での走りが楽しみです。
キャデラックV-LMDhは1台だけの参戦で、1分31秒591で12位と走りとともに少し物足りなかったのですが、タイム的には大きく離されているわけでもなく少しのきっかけでタイムアップも望めそうです。
ヴァンウォール ヴァンダーヴェル680も、1分31秒425で11位とタイム的には遜色なく、順調そうな走りを見ても思ったよりも期待できそうです。

さて、毎年書いていますが、2023年の富士でも、「36 Hours of Fuji」というイベントが併催されます。
名称の通り、土曜日の朝から日曜日の夕方にかけての36時間のイベントで、金曜日はそれに含まれません。
ところが、金曜日の入場料と駐車料は年々値上がりするなど、両者の合計は2018年が5100円、2019年が5300円、2022年と2023年が6000円と高価になっています。
金曜日は公式開催日で、公式アナウンサーも驚くほど多くの人が来場しているのに、イベント広場は設営中、売りのイベントの大半は土日限定です。
調理するようなものは無理でも、展示や体験ぐらいはせめて金曜日の午後からは対応するようにしてほしいものです。
2024年こそは、金曜日の入場料を値下げするか、イベントの何割かは対応するようにしてほしいところです。

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